ゆっくりいじめ系3094 ゆっくりたちのちゃれんじげーむ!.

  • かなりの俺設定注意
  • 会話が多くて悲鳴ばっかり
  • 辻褄が合わない部分があるかも
  • それでも良いという方は下へとどうぞ
  • それと今回はうんしー表現無し















煌びやかなステージの中央で司会者が声を張り上げる。
それを様々な角度から無数のカメラが舐めるように撮影していく。

「本日の挑戦者は、この一家だーっ!」

テンション高めの司会者が暗闇に包まれたステージの中央を指差す。
それと同時にスポットライトが一点に集中し、本日の主役達を照らしだした!

「ゆっ!まぶしいよ!ゆっくりさせてねっ!」
「ゆゆっ!?ゆっくりできないよっ!」
『『ゆんー!ゆっきゅりちゃちぇてくれないとおきょるよっ!』』

そこにはゆっくりの家族がでんっ!と鎮座している。
親はれいむとまりさ、赤ゆは3体。
基本的で珍しくも無い組み合わせの一家がふんぞり返っていた。

「おなかへったよ!あまあまもってきてね!」
「かわいいあかちゃんをみてゆっくりしたならあまあまちょうだいね!」
『『 きゃわいきゅてぎょめぇんねっ!!! 』』

テンプレなセリフで会場のボルテージはヒートアップ!
カメラマンのこめかみが、ピクピクと不機嫌そうに震えている。

「ご希望はあまあまっ!解りました!!! 」
『『ゆゆっ!?』』

それに反して、司会者は笑顔で軽快に対応する。
ゆっくり達は面食らう。
まさか、こんなに旨く事が運ぶとは思っていなかったようだ。

「……ゆっ!そうだよ!あまあまいっぱいもってきてねっ!」
「いっぱいむーしゃむーしゃできるねっ!まりさっ!」
『『おにゃかいっぴゃいだべりゅよっ!じゅるじゅるりっ!』』

8割増しで偉そうになったゆっくり家族が、司会者に要求する。
赤ゆ達は、幸せなあまあまの妄想で涎が止まらなくなっているようで、口周りがベタベタだ。
ゆっくり一家は体を左右に揺らして、幸福の不思議な舞を踊りだす。
それを見ている観客達の歯がギリギリと鳴り出した。
顔に青筋がメリメリと浮き出している。

「ゆっくりチャンス!今からゲームにチャレンジして頂きます!」

頃合になったと判断した司会者がマイクに声を通す。
後ろの巨大モニターに色が付き、ゲームの内容を映し出した。

[ゲーム内容はロシアン・ルーレット!
 "いっぱつ"だけ弾を込めた"てっぽう"をこめかみに向けて引き金を絞る!
 弾丸が頭を打ち抜かなければあなたの勝利だっ!!! ]

その瞬間オーディエンスが沸き立つ。
ボルテージは最高潮!
ゆっくり達は多少引き気味に後ずさりしていった。

「ゆゆっ!?なんだかゆっくりできないよ!」
「かえりたいよ!まりさっ!」
「そうだね!ゆっくりかえろうね!」

ずーりずーりと一家が出口へと向かう。
そんな逃げ腰家族に、モニターからの大音量がゆっくり達の耳を打つ。

[ 勝利した暁には、このあまあまをプレゼントだっ!!! ]

『『『 ゆっ?……ゆぅうぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!?? 』』』

そこには、野良生活では口にするなんて不可能に等しい、見た事も無いお菓子が、
モニターに映し出されていた。



数時間前、局の裏に有るゴミ捨て場を漁っていたゆっくり達を、ADが捕獲。
大きめのケースに入れられ、番組控え室に押し込まれた一家。
部屋の雰囲気がゆっくり出来ないので帰ろうかと思っていたら、甘いクッキーが差し出された。
当然、睡眠薬入り。

強いライトの光が当たると目を覚ます様に、薬の量を調整してゆっくり達に投与。
そのままグデンと寝こける家族を、ステージまで運んで設置した。
これで準備完了。
そして、冒頭のオープニングに至る。



家族は三者三様に幸せな笑顔を浮かべている。
ゆっくり達は山盛りのお菓子が写るモニターに釘付けだ!

画面の中で、綺麗なモデルゆっくりが美味しそうにお菓子を頬張った。
モデルゆっくりが、ケーキを食べた後にゆっくりした表情でゆるゆる揺れる。
それに釣られて、家族もゆっくりした表情でゆらゆらと波打つ。

(これだけお菓子があれば一生ゆっくりできるよ!)

キラキラした目で画面を見続けている家族の背後から、声援が聞こえる。
家族がゆっくりと振り向くと、そこには波のような激励の言葉がまりさに浴びせかけられた。

『『まーりーさっ!まーりーさっ!まーりーさっ!!! 』』

観客席からまりさコールが響き渡る!
まりさは、体の底からジワジワ湧きあがってくる高揚感の感触に、身を悶え始めた。

「ゆっ!ゆゆっ!?ゆゆゆっ!」
『『まーりーさっ!まーりーさっ!まーりーさっ!!! 」
「ゆっ!まりさはちゃれんじするよぉおぉぉぉぉっ!!! 」
『『うぉおぉぉぉぉおぉぉぉぉぉっ゛!!! 』』

ノリの良い観客に乗せられて中央のお立ち台に向かうまりさ。

「がんばってね!まりさ!」
『『ぴゃぴゃにゃららくちょーだにぇ!!! 』』

家族の熱い声援に、流し目ポーズを決めるまりさ。
その後、自信満々でぽよんと中央の台に飛び乗り、観客の視線を集める。

そして、まりさのこめかみにデザートイーグル(ガスガン)の銃口があてられた。

「弾が出なければまりさの勝ち!あまあまは君達のものだっ!」
「ゆゆっ!らくしょーだね!」
「それではいくぞっ?準備はいいかっ!」
「いいよっ!ゆっくりしていってねっ!?」

緊張に包まれるステージ。

「3!」

司会者が秒読みを開始する。
れいむ達家族は心配そうにまりさを見つめていた。
でも、れいむは信じている。まりさなら大丈夫だと。

「2!……いちっ!」

まりさは目を瞑る。
弾装には一発しか弾が込められていないのだ。
出るわけが無い。

(まりさのかちだよっ!)

勝利宣言!
あまあまは貰ったも同然だ!
ゆっくりできそうだよ!

「ゼロッ!!!」
「ゆっぎゃぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁっ゛!!!?? 」

弾が出ました。
まりさ歴史的敗北。



「ゆっ!?あぁあぁっ!あぁぁぁあぁあぁっ!?」

まりさが頭を前後に激しくシェイクする。

まりさの脳天に打ち込まれた弾丸は、唐辛子などの辛い成分を圧縮して作られた特別性だ。
餡子脳の中でジワジワ溶けてゆっくりを苦しめる。
弾丸は3層構造になっていて、時間が立てば立つほど苦しみが増す仕様になっていた。
涎を垂らしながら、歯を食い縛り、まりさは苦痛に耐える。

「まっ!?まりざぁあぁぁぁっ゛!?」

れいむはまりさに駆け寄る。
うごごご。と、ゆっくり出来ない奇声を発しながら悶えているまりさ。
この異常な状況に困惑し、れいむは側に居る司会者へ救いを求めた。

「まりさがしんじゃうぅっ゛!?おくすりもっできてぇぇぇぇぇっ゛!?」

れいむの心からの願いを叫んで伝えた。
それを聞いた司会者は、指を鳴らしながらポーズを決めて、れいむへと言葉を掛ける。

「オーケーッ!れいむ!君の希望は解ったよ!」
「うぅっ゛!?」
「ゆっくりチャンス!今からゲームにチャレンジして頂きます!」
「ゆぇえぇっ!?」

まりさがゆっくり出来なくなった原因のゲームがれいむに示された。
恐怖でれいむは涙を流し始める。

「ろしあんさんはいやぁぁぁぁぁぁぁぁっ゛!?」
「おっと!ロシアンじゃないよ!安心してねっ!
 れいむに挑戦してもらうチャレンジはクイズだっ!」

司会者の叫びと共にモニターが唸り、タイトルが浮かびだす。


[ ☆とってもゆっくりしているくいずさん☆ ]


これを見たれいむは凄くゆっくりした気持ちになっていく。
ゆっくりしているのならば、ゆっくり出来るはずだ。
ゆっくりとこれを挑戦してゆっくりとお薬を手に入れればいい。

れいむはゆっくりと餡子脳で答えを弾き出した。

「れいむはちょうせんするよっ!」
『『うぉおぉぉぉぉおぉぉぉぉぉっ゛!!! れいむっ!れいむっ!!! 』』

会場がまたヒートアップ!
れいむもまりさ同様会場の雰囲気に飲まれつつあった。
冷静な判断が出来ないれいむは奈落へと落ちていく。

「早速いきましょう!問題は……これだっ!!! 」

[ n≧3のとき、Xn+Yn=Znを満たす、自然数X.Y.Zは存在しない ]

「…………ゆ?」

れいむは唖然とモニターを眺めている。
何が何やら解らないご様子。
ゆっくりには、ちとキツめの問題が提出されてしまったようです。

「わがらないよぉおぉぉぉぉぉっ゛!?」
「残念!チャレンジ失敗だぁあぁぁぁっ!」

れいむはアシスタントに持ち上げられて運ばれていく。
ステージの端から台車を転がしてこちらに向かって来た、別のアシスタントをれいむは認識した。
視線は自然に、運ばれていた台車の中身へと移る。
その中に有る物体を見つめた時、れいむは体を硬直させて口が驚きの表情へと変わる。

パチパチと油が跳ねる、熱々の鉄板がれいむの体の下に運び込まれてきた。

「いやぁあぁぁっ!やめでぇえぇぇぇっ゛!?」
「可哀そうなれいむ!問題を失敗してしまったから、こんな酷い目に遭うなんてっ!」

司会者は泣き真似をしながら、しなを作る。
口元は隠し様の無いニヤけ具合で話を続けた。

「残念だけど罰ゲーム執行!ゆっくり焼かれてねっ!」
「あぁあぁぁっ゛!?だめぇえぇぇぇぇぇっ゛!?」

宙に浮いていたれいむの支えが解かれた。
ゆっくりと下に落ちていく感覚。
下にはゆっくり出来ない黒い物体。
そして、無事にれいむは熱気漂う黒い表面へと着陸した。

「あっ!づぅうぅぅぅぅいぃぃぃぃっ゛!?」

ジュウジュウとれいむの足を容赦なく焼いていく鉄板。
アシスタントが逃げ出さないように、れいむの頭を押さえつけている。
鉄板に触れている後ろ髪ともみあげの一部がドロドロと溶け、鉄板の上で炭と化す。

「でっばんざんはゆっぐぢでぎないぃいぃぃぃぃぃっ゛!?
 ゆっぐぢゆるじでぇえぇぇぇぇぇぇっ゛!?」

その後、数分間焼かれたれいむは、まりさの隣へと並べられる。
足はカリカリになってしまい、歩く動作が行えない。
ここまで焼かれてしまっては自然治癒だけでは修復は不可能だろう。

「れ……れいぶのゆっぐりじだあじざんがぁあぁぁぁっ゛!?
 ゆびえぇぇぇぇぇぇぇぇぇんっ゛!!! 」

気持ちショートカットになったれいむが悲しみの涙に濡れる。
髪ともみあげはドロドロになった際、上へ上へと侵食しながら溶けていった。
その為、顔の半分位の高さまで髪が無くなり、髪の先端に飴の様な塊が無数に点在している。

隣では番のまりさが、うがががと奇声を放つ。
状態が悪化しているようだ。
れいむは、もう自分達に後が無いことを悟る。
このままゆっくり出来なくなるのは目に見えていた。

ならば……、する事は1つ。

「おぢびじゃんだぢ!にげでぇえぇぇぇぇぇぇっ゛!?」

母の最後の願いを可愛い赤ちゃんに伝えるだけだ。





「みゃみゃ!ぴゃぴゃっ!」
「ゆぇえぇぇぇぇんっ!?」
「みょうおうちきゃえるぅぅぅっ゛!!!?? 」

ステージの端で震えながら見ていた赤ゆ達。
母が足をじっくり焼かれているのを目の当たりにして、恐怖で足が動かない。
頼れる物は何も無かった。

「おぢびじゃんだぢ!にげでぇえぇぇぇぇぇぇっ゛!?」

その時、母の声が聞こえた。
しっかりと聞こえたその願い。
赤ゆ達は互いに頷きあい、この地獄から抜け出そうと決心する!
父と母の分までゆっくりするよ!と心の中で思いながら移動を開始する。

「ゆっくちちゅちゅむよっ!」
「ちょろーり!ちりょーりっ!」
「みゃみゃじきじぇんのちにょびあちだよっ!!! 」

赤ゆ達の歩みは致命的に遅かった。



「ゆっくりチャンス!!! 」
『『 いんやぁあぁぁぁぁぁっ゛!!!?? 』』

赤ゆ達は司会者にまわりこまれてしまったっ!
ゆっくり出来そうも無い!

「ゆるちてぇえぇぇぇぇっ゛!?」
「ゆっきゅりちゃちぇてぇぇぇっ゛!?」
「あみゃあみゃもっちぇきてぇぇぇぇぇっ!?」
「OK!オーケーッ!希望に答えよう!!! チャレンジゲーム!」

『『 やめちぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ゛!!!?? 』』

赤ゆ達は声を揃えて大絶叫。
これまで赤ゆ達は、ゲームに挑戦した親達のゆっくり出来なくなった姿を目に焼き付けていた。
ああなりたくは無いと、必死にこの場所から逃亡しようと試みる。

そんな赤ゆ達に司会者は、指先を左右に揺らすタイミングに合わせて舌打ちを慣らし、
素晴らしい提案を赤ゆ達に持ち掛ける。

「次はサービス問題!クリアーしたら、これらを全部をプレゼントッ!」

いつの間にか設置してあるステージ後方の大きな箱。
被されていた布が剥がされて、中に積みあがった豪華景品が赤ゆ達に晒される。

『『 ゆぅうぅーーーーーーーっ!? 』』

目に飛び込んできたのは、お菓子とおもちゃの山、山、山!
あれらは、とってもゆっくりできると本能が訴えている。
大きなケーキから甘い香りが漂ってきて、もう現実を正確に認識出来ない精神状態に陥った。
赤ゆ達は欲に支配されてしまう。

「チャレンジしますか?」
『『 ゆっきゅりちゃれんじちゅるよっ!!! 』』
「だめぇえぇぇぇぇぇぇぇぇっ゛!? 」

れいむが赤ゆ達に警告する。
だが、赤ゆ達はお菓子に夢中。
もう逃げる事や恐怖も忘れて、お菓子を食べられるチャンスに飛びついていた。

「にげてぇえぇぇっ゛!?おぢびじゃぁあぁぁんっ゛!?」
「ゆっ!みゃみゃはじゃまっちぇてにぇっ!」
「きゃんたんなきゅいじゅもきょたえりゃれにゃいにょっ!?」
「びゃきゃなむにょうはいりゃないよっ!」

クイズに不正解した親れいむを言葉で攻め立てる赤ゆ達。
れいむは冷たいナイフで心がズタボロになっていく。
裏切られた気持ちで悲しくなり、涙が止まらない。

「それでは!問題はこれだっ!」
『『 ゆっきゅりきゃきゃってきちぇねっ! 』』

赤ゆ達は自信満々にモニターを見上げる。
そして、モニターに問題が写しだされた。


[ 1+1は? ]


れいむはそれを見て勝利を確信した。
なんて簡単な問題なのだろうか。流石サービス問題!

(優秀なれいむの赤ちゃんなら楽勝だねっ!お腹一杯むーしゃ!むーしゃ!するよ!)

そんな事を思いながら景品のお菓子をネットリと見つめる。
もう貰ったも同然だ。
これは全てれいむ達のものだよっ!
お菓子さん達はとってもゆっくりしているよっ!

そんな美味しそうなお菓子の山に、れいむの口から無意識に声が飛び出す。

「ゆっくりしていってねっ!」
『『 ゆゆっ!?ゆっきゅしちていってねっ!!! 』』
「残念っ!不正解!罰ゲーーーム!!! 」

「………ゆぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?? 」

れいむの言葉に赤ゆ達が反応してしまった。
赤ゆの答えは、ゆっくりしていってね。
司会者は頭を振りながら、悲しそうにハズレ宣告をした。

「いっ!いまのばちがうんでずうぅぅぅぅうっ゛!?」

れいむは懇願した。
今のは間違いだと。
だが誰もその声に耳を貸すことは無い。

『『 おちょりゃをちょんじぇるみちゃいっ!!! 』』

赤ゆは、それぞれ人間の手で摘まれながら空を移動していく。
ひと時の幸せな空中遊泳に、赤ゆは笑顔で大興奮。
しかし、これが赤ちゃん達が一番ゆっくりできた最後の瞬間となる。

赤ゆ達は、赤、白、黒色の液体が入ったビンが乗るテーブルへと運ばれた。
司会者の罰ゲーム執行の合図で、赤ゆ達がビンの中に投入される。
狭く透明なガラスの内部で、濃厚な液を体に満遍なく浴びながら、溺れたようにもがき苦しむ。

「ゆびゅびゅ!ちょっぴゃいよっ!ゆっきゅりじぇきにゃいっ゛!?」
「にゃぁあぁぁっ!ねちょねちょちゅるぅうぅぅっ゛!」
「きゃりゃいよおぉっ!みゃえがみえにゃいぃぃぃぃっ゛!?」

ケチャップ、マヨネーズ、ソースが並々に詰まったビンの中を泳ぐ赤ゆ達。
頃合を見計らって、スプーンですくい上げる。
ベチャベチャの赤ゆ達はゆんゆん泣き出す。

そのままスプーンに赤ゆを乗せたまま、れいむの前に運んでいく。
原色に染まった赤ゆ達を、れいむは驚きの目で見つめる。
そして、準備が整った所で、司会者は演技と手振りを重ねながら実況を開始する。

「さぁ!惜しくも失敗してしまった赤ゆ達!それを優しく慰める母の感動のシーンが始まります!
 皆様っ!暖かくお見守り下さいっ!」

巨大モニターにれいむが写る。
ドロドロの赤ゆ達も側に居た。

赤ゆ達は、薄く目を開けて愛する母の姿を確認する。
シクシクと眼球が痛むが、真っ直ぐ行けばすーりすーり出来るのだ。
もう目を瞑ってでも母の元へと辿り付ける。

ズリッ!と赤ゆ達が歩く。

「ゆゆっ!…こないで。」

ゆっくりとした歩みから、段々スピードが上がってれいむに突進してくる赤ゆ達。
その進んできた道筋に、カラフルな足跡が刻まれていく。
赤ゆの体には、デロデロの汁がベットリと付着している。
れいむは鼻にツンと来る何かの刺激臭を感じた。

とってもゆっくり出来ない匂い!
迫り来る赤ゆ達から香ってくる!

「いやぁあぁぁぁっ゛!あがぢゃんだぢごないでぇえぇぇぇぇぇっ゛!?」
『『 みゃみゃぁあぁぁぁぁぁっ゛!!! 』』
「うごぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ゛!!!?? 」

愛する母に遠慮なくすーりすーりをする赤ゆ達。
れいむは身を捩るが、足が黒く焦げて使い物になら無い為、満足に動く事も間々なら無い。
イヤイヤと上半身を左右に振るが、そんな行動では赤ゆは離れてくれず、更に激しく頭を押し付けてくる。
れいむの体が、ゆっくり出来ない刺激臭漂う調味料で、カラフルに染まっていく。



「感動しました!この家族に盛大な拍手を!」

ステージが拍手に包まれる。
そんな状況をれいむは空虚な目で他人事に見つめている。

一部の赤ゆはれいむの肌に、ピッタリとくっついたままだった。
ライトに照らされて乾燥スピードが速まったらしい。
無理矢理剥がそうとすれば、赤ゆ達の皮ごと剥がれてしまうだろう。

しかし、赤ゆをどうにかしたくても、れいむの足は全く動かない。
自分では打つ手が無いのだ。
そこで番のまりさに助けを求めたのだが……、
また病状が悪化していた。

あがごがごぎが!などと呻きつつ、上下左右に頭を振り続けている。
大分時間が経ったのに良くなる傾向が感じられない。

そんなれいむ達をケースにいれて運び出すアシスタント。
カメラもその後を付いて行く。





数分後……。
運ばれて着いた場所はれいむ達の見慣れた局の裏。
少し離れた公園に巣がある。
念願の場所に戻ってきた。
これでゆっくりできる日常が帰ってくると。

まず公園のお水さんで体を綺麗に洗って!
蓄えていた秘蔵のあまあまさんを食べてっ!
みんなでゆっくりするよっ!!!

そんな希望を持ち始めたれいむの直ぐ側で、赤ゆが助けを求める。
まりさは地面を飛び跳ねて狂いだした。
れいむはその酷い状況に後ずさりしようとしても、足が全く動かない。

ゆっくりした日常は、もう、訪れないのだと悟った。

「いやぁあぁぁぁぁあっっ゛!?だれかれいむだぢをだずげでぇぇぇぇぇぇっ゛!?」
「いちゃいよぉおぉっ!?ぴりぴりちゅるよぉおぉっ!?」
「おみぇみぇがあきゃないよぉおっ!?」
「……!…ゅぇ…ゅ…!(おくちがあきゃないっ!)」
「ゆげげげげげげげげげげげっ!!! 」

巨大モニターにゆっくり家族が写しだされ、歓声がステージに溢れる。
皆とってもゆっくりした表情だ。

「今回のゆっくり達のチャレンジは失敗に終わりましが、胸を打つ家族愛に感動いたしました!
 あの素晴らしい家族にもう一度暖かい拍手をっ!」

惜しみない拍手が鳴り響く。
画面ではれいむが泣き顔で必死に助けを求めていた。

「それでは次回をお楽しみに!ゆっくり達の挑戦を番組はお待ちしております!」

拍手の渦のままフィナーレへと突入していく。
テレビ画面にスタッフロールが流れ出す。
提供のスポンサーが映し出されて番組が終了した。










カリカリカリカリカリカリカリ……。

「なにをかいてるのっ!?おにいざん!」
「あぁ、番組に出演依頼を出そうかなと……。」
「やめでねっ!ゆっぐりでぎないよっ!?」

ガタガタ震えながら飼い主とテレビを見ていたゆっくり。
番組が終わった後、いきなり手紙を取り出して記入し始めたお兄さん。
嫌な予感がして尋ねたらこれだよ!
ゆっくりできない!

「なるほど!ゆっくり出来ない速さで届くメールで出せ!と、催促したんだね!!」
「ちがぁあぁぁぁぁぁぁぁうっ!」
「もう送信しちゃった!頑張ろうね!」
「いやぁあぁぁぁっ!?おうぢがえるぅうぅぅぅっ゛!!! 」
「ハッハッハッ。ここがお家じゃないか!」

初回放送では野良を使ったが、次回からは参加者を募るらしい。
飼い主に与えられる景品は、なかなか手に入らないと評判の希少種を筆頭とした豪華商品!
これを目当てに応募者が殺到している。

次の出場者は誰になるのか?
このゆっくりは助かるのか?

それはまだまだ先のお話。







 おしまい



  • 捕食者の宴
  • ヒャッハー!ゆっくり[ ]が大好きだっ!
他,9作


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最終更新:2011年07月29日 02:38
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