※この物語は虐待お兄さんの平凡な日常を淡々と綴っています。過度な期待はしないでください。
※また親から3メートルは離れてみてください
※
fuku1868 ゆっくり腹話術(後) の続きともとれますが、話としては独立しているのでゆっくり腹話術を見ていなくても普通に見れます
※他の方々の作品のネタを一部お借りしています。
私はある日の夜、一匹のトマトサイズ程の子ゆっくりを連れて家へと帰ってきた。
帰り道に虐待したゆっくり一家の生き残りだ。
短い時間でさっぱり虐めるのも良いが、長い時間をかけてこってり虐めるのもまたおつなのだ。
私は子ゆっくりを服の懐にしまったまま、前にゆっくりを飼った時に使っていた飼育セットを押入れから取り出した。
とりあえず必要なのは、と取り出したのは加工所製の透明な箱並の強度をもつ水槽だ。
西瓜を二玉入れることができるほどの大きさだ。
「さて、と」
私はその水槽に懐に入れていた子ゆっくりを入れてやった。
懐にしまったまま結構動いたせいか、子ゆっくりれいむは目を回していた。
構わず私は晩飯の焼き鳥を取り出した。
串から肉を一片抜くと、それを目を回している子れいむの前に置いてやった。
しばらしくして子れいむが正気になると、水槽越しに目に入った私に向かって
「ゆぅぅぅぅ!! ちねぇ!! おとうしゃんをひどいめにあわちたにんげんはちねぇ!!」
などと罵声を浴びせてきた。
新参の虐待お兄さんや速効型虐待お兄さん、または稗田家九代目当主ならばこの時点で子れいむを殺していただろうが、
私はこの後控えている計画のことを思うと、怒りというよりも憐れみしか浮かばなかったので、無言で目の前の焼き鳥を指し示してやった。
「食え。お前の飯だ」
「……ゆっ?」
言われて気づいたのか子れいむは目の前の焼き鳥を注意深く観察した。
「れいみゅのごはん?」
「そうだ」
「…………たべちぇ、いいの?」
「いいんだ。お前の親と約束したもんな。お前をゆっくりさせてやるって」
そう言ってやると子れいむは警戒しながら、恐る恐るといった様子で焼き鳥の端をわずかに齧った。
「────ゆゆっ!? おいちぃぃぃぃ!!」
歓喜の声。
それもそのはず。野生で生きてきたゆっくりにとって、人間の食べ物など最上級のご馳走に違いない。
子れいみは完全に警戒を解いたのか、それとも私の存在が頭から消えたのか、二口目からはガツガツと焼き鳥を口に入れていった。
「む~しゃ、む~しゃ、ちあわせ~」
と喜びの涙まで流していた。
私はその様子を焼き鳥を食べながら眺めていた。
やがて目の前の焼き鳥を食べ終えた子れいむは、ようやく自分が水槽の中に入れられていることに気づいた。
「ゆっ? これにゃに?」
「それは今日からお前のおうちだよ」
「ゆっ!? れいみゅのおうち!?」
「そうだ。今日からお前はそこでゆっくりするんだ」
「わ~い、れいみゅのおうち~」と跳びはねる子れいむ。
「でも、その前に……」
私は子れいむを水槽から取り出した。
「ゆっ? はなちてね! れいみゅはれいみゅのおうちでゆっくりちゅるんだよ!」
流石に親をいためつけた私を完全には許していないのか、必死に抵抗する子れいむ。
だがそんなもの、私の加虐心を煽るだけだ。
「大丈夫だよ。れいむを綺麗にしてあげるんだよ」
「れいみゅのきれいに?」
「そうそう」
言い聞かせながら私は子れいむを抱えて水桶へとむかった。
奥底の食器を取り出し、水桶の水を入れてやると、そこへ子れいむを入れてやった。
「ゆっ~♪ ちべた~い♪」
その冷たさが心地よいのか子れいむははしゃいだ声をあげる。
私は皮が溶けないように注意しながら、指の腹でゆっくりの体を水を使って軽くこすってやる。
この程度の軽い洗浄でもゆっくりの汚れはわりと落ちるのだ。
子れいむはその間ずっときゃっきゃと喜んでいた。
洗浄を終えると子れいむを再び水槽へと戻してやる。
「今日はもうおやすみな、れいむ。また明日もゆっくりしような」
「ゆっ♪ れいみゅはゆっくりしゅるよ!」
もう私への警戒が解けたのか、子れいむは明るい声で私に返した。
流石の餡子脳と言うべきか。
つい一刻前に家族を失ったというのに。
まずはそのような生活を四日続けた。
基本的に水槽からは出さないが子れいむにとっては広くて問題ないようだった。
毎日三食、私の食事の一部をあげたし毎晩水洗いもしてやった。
水槽の中には一日ごとに新しい玩具も入れてやった。
野生の頃とはまるで違うゆっくりとした生活を、子れいむは完全に堪能していた。
かつて家族を痛めつけた私に全幅の信頼を寄せてもいるようだった。
「さて、と」
四日目の夜。子れいむの寝顔を見ながら私は〝本来の飼育〟へ移行させることを決めた。
ちょっと考えてみて欲しいことがある。
地上一メートル地点から地面に落ちても、さほどのダメージはないだろうが、
地上二千メートルから地表にたたきつけられた場合、そのダメージはどうなるだろうか?
五日目の朝、子れいむが目を覚ますと水槽の中は昨晩と様変わりしていた。
「ゆっ~、おはようおにいしゃん……きょうもゆっくり……、ゆっ……?」
水槽の底面が、一面割れたガラス片によって埋め尽くされていたのだ。
「ゆっ? なんだかおうちがきらきらしていりゅよ?」
それを見て子れいむはどうやら喜んだ様子で水槽内を跳ねはじめた。
「ゆっ、ゆっ~♪ きれいなれいみゅのおう────ゆ゛ぅぅぅぅぅ!?」
当然、体の底面をガラス片で切った。
「いちゃいよぉぉ、いちゃいよぉぉ!!! ゆっぐりできないよぉぉぉ!!」
ボロボロと涙を流しながら、ゴロゴロと水槽内を転がる子れいむ。
そんなことをすればもちろん、体のあらゆるところをガラス片で切ることになる。
「ゆぎゃぁぁぁぁ!? いちゃいよぉぉ!! なんでぇぇぇ!?」
わけもわからず痛みに苦しみ号泣する子れいむ。
切り傷からは餡子が滲み出ていた。
全身切り傷まみれになったところで、ようやく底面に敷き詰められたこれが痛い原因だと理解した子れいむ。
まるでゆっくりできない。どうすればいいだろうかと周りに視線を向けると
「ゆっ? ちっちゃいおうちがあるよ!」
水槽の隅にいつの間にか置かれている小さな小屋を見つけた。
それはゆっくり用の犬小屋のようなもので、昨晩子れいむが寝ている間にガラス片とともに設置されたものだ。
「ゆっ、あそこならゆっくりできるよ!」
なるべくガラス片で体を切らないように注意しながら小屋へと向かう子れいむ。
なんとか切らずに小屋の中に入ってみると、そこには斜面となった床があった。
だがガラス片は敷き詰められていない。
「ゆっ~、ここならゆっくりできるよ~」
斜面を登り小屋の奥へと入る子れいむ。
斜面を転がりおちないように注意しながら、ようやく痛みから解放された安心からか、再び眠りへと落ちていく子れいむ。
そうなると当然、斜面を転がり落ちる。
高いところから転がることによってさっき転がり回った時よりも更に強い勢いでガラス片の絨毯を駆けることになった子れいむ。
スパスパと体を切り刻まれる痛みで眠りから覚醒する。
「ゆ゛っ゛ぐり゛い゛!!!」
先程よりも更に強い痛みにボロボロと涙を流す子れいむ。
その一部始終を見ていた私は、そこでようやく子れいむの前に姿を現した。
「よう、れいむ起きていたのか」
「ゆっ!? おにいしゃん、これはなんなの!?」
「それか? 綺麗だろ? もっとれいむをゆっくりさせてやろうと思ってな」
「なにいっちぇるの? こんなものいちゃくてゆっくりできないよ!」
頬を膨らませてぷんぷんと怒りを示す子れいむ。
それによって切り傷からは更に餡子がもれ出ているのだが、本人は気づいていない。
「ゆっくりできない? そんなことないだろう?」
「ゆっくりできないよ! おとうしゃんとやくしょくしたんでしょ!? れいみゅをゆっくりさせる、って!」
「そうだよ、だから私なりにゆっくりさせようとしてるんじゃないか」
「なんどもいわしぇないでね? れいみゅはゆっくり────」
いい加減煩いので水槽に蹴りをぶちこんだ。
加工所製の水槽はこの程度では壊れない。
水槽越しとはいえ目前の暴力に唖然とする子れいむ。
「黙れよクズ饅頭。お前は私の庇護下にあることを忘れるなよ?」
「ゆっ……ゆっ! なにいってるの! さっさとれいみゅのおうちをもとに────」
今度は蹴り飛ばす。
部屋の端まで吹っ飛ぶ水槽。
荒れ狂う水槽内部。飛び交うガラス片。
当然その奔流に巻き込まれた子れいむは切り刻まれる。
「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ゛ぐ……ゆ゛っ゛ぐり゛ざぜでえええええええ」
近づきひっくり返った水槽を元に戻してやると更に傷の増えた子れいむが滝のような涙を流していた。
「いいか? お前には文句を言う権利などない。いや、あらゆる権利はお前には無い」
水槽から取り出してやり耳元でそう囁きかけると、私は小麦粉を水で溶かしたものを子れいむの傷に塗ってやった。
ゆっくりの傷薬のようなものだ。
これで子れいむの傷を治してやる。死なないようにまた苦しませるために。
その間も子れいむは何かを喚きそうだったが、指を喉奥に突っ込んでやったり、頬を少しちぎってやったら黙った。
子れいむの応急処置を終えると、もう一度子れいむを水槽の中に入れてやる。
その際またもやガラス片で底面を切った子れいむ。痛みに顔をしかめる。
こんな水槽ではすぐに死んでしまうと思われるが、その回避のためにセーフハウスであるゆっくり小屋を水槽に取り付けた。
もっとも、眠ったり力を抜けば転がり落ちる仕様のためゆっくりすることなど出来ないが。
水槽の中に入れてやったところで私は子れいむに朝食を与えてやる。
「ほれ」
入れてやったのは昨晩、里の食事亭からもらってきた生ゴミだ。
「……ゆっ?」
不思議そうにしている子れいむに私は説明してやる。
「朝食だ。食え」
「ゆっ!? なにじょうだんいってるの! はやくれいみゅにごはんもって────」
ズダン、とその場に、畳を踏み抜くかと思われる強さで足を叩き付ける。
それでさっきの恐怖が蘇ったのか黙る子れいむ。
「さっきお前にはあらゆる権利がないと言ったばかりだが? いくら言ってもそれ以外にお前の飯はない」
押し黙る子れいむ。
だが目の前の生ゴミには口をつけようとしない。
当然だろう。つい昨晩まで夢のようなご馳走を口にしていたのだ。
野生の頃でさえ口にしないようなものを、肥えた舌が受け付けるはずもない。
だが私はそれより上等なエサを与える気は毛頭ない。
何も食べない子れいむを放って私は勤めに出た。
夜。
いつもは昼飯時も家に帰って食べていた私だったが、今日は一回も家に戻らず仕事が終えてから家に帰った。
水槽を見てみると生ゴミには一切手をつけられておらず、衰弱しきった子れいむがいた。
「ゆっ、おにいしゃん……。ごはん、ちょうだい……」
か細い声で懇願する子れいむ。
あれからまた動き回ったのか新しい切り傷まで体に出来ていた。
私は死なれても困るので、子れいむを水槽から取り出してやり、水の入った皿を目の前にだしてやった。
「飲め」
そう言うと子れいむは、何も口にしないよりはましか、と水皿に舌を伸ばし、飲んだ。
「ゆぐっ!? がらぁぁぁぁぁい!! なにごれぇぇぇぇ!!!」
ただし、子れいむに与えたのは塩水だ。
外の世界に詳しい知り合いの妖怪によれば、この塩水の濃度は外の世界の〝海〟とやらと同じ塩分濃度らしい。
「おにいしゃん、なんてもののましぇるのぉぉ!!」
どこにそんな元気があったのか抗議をする子れいむ。
私はその子れいむを掴むと塩水の中に沈めてやった。顔面は水上に出るが。
「ゆ゙ーーっ゙!!! いぢゃぃぃぃぃぃ!! ゆっぐりぢだいぃぃぃ!!」
切り傷に塩水が染みるのだろう。
たっぷり十秒ほど沈めてから引き上げてやる。
「お前には、文句を、言う権利は、無い」
そう真正面に向かって言ってやり、もう一度塩水に沈めた。
「いぢゃいぃぃぃぃ!! わがりまぢだぁぁぁ!! もんぐいいまぜん! だがらだぢげでぇぇぇ!!」
子れいむがそう叫んでからたっぷり二十秒程してから引き上げてやる。
手ぬぐいで体を拭き「ゆっ! いちゃい、いちゃい、もっとやちゃちく────ごべんなざいぃぃぃ!!!」
ゆっくりの傷薬で切り傷を塞いでやると、再び水槽に入れてやる。
「言っておくが、そのエサを食べないと新しいエサは無いからな。腐る前に食べろよ」
そう言ってやったのに、翌日の夜までそいつは生ゴミを口にしなかった。
燃費の悪い子れいむは昨晩叫んだためか、すっかり体力を失い、皮は薄くなり中の餡子が透けていた。
流石に死なれては困る。
私はゆっくりを片手に持つと、もう片手の箸で生ゴミをつまむと子れいむの口元まで持っていってやる。
だが子れいむは頑なに口を閉ざして食べようとしない。
なるほど、そこまで強情になるというのなら、もうこの手しかないな。
私は台所から果物ナイフを持ってくる。
「…………ゆっ? おにいしゃん、それでなにす────」
子れいむの頬を果物ナイフでかっさばいた。
「ゆ゛ーーーーーーっ゛!?」
そして出来た頬の裂け目から、生ゴミを突っ込んでやり、吐き出さないようにしっかりと口と頬を押さえつけ飲み込ませる。
子れいむは少ない体力で生ゴミを吐き出そうと暴れるがそんなものは徒労だ。
やがて生ゴミを飲み込んだ。
「くちゃいよぉぉ!! おいちくないよぉぉ!! ゆっくりできないぃぃぃ!!」
口を離してやるとわんわんと泣き叫ぶ。
煩い。
「れいむ。早く残りも食べないともう片方の頬も切るぞ」
「ゆっ!? ごべんなざい、ごべんなざい、だべまずだべまずぅぅぅ!!」
水槽に戻してやると、ようやく食べる気になってくれた子れいむが、腐った生ゴミの残りを食べ始める。
水槽の外まで臭ってはたまらん、と私は完全防臭の蓋を水槽にすると自分の食事の準備を始めた。
その後、虐待お兄さんが食事を終えても、就寝にはいっても、子れいむは生ゴミを食べ終えてなかった。
暗い真夜中、泣きながら生ゴミを咀嚼する子れいむの頭の中にはかつての幸せな生活が蘇る。
だがその生活に戻ることは、未来永劫決してない。
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あとがきのようなもの
ゆっくりを飼うことになったら~、というシチュで考えた108通りあるうちの一つです。
ごめんなさい、うそです。本当は26通りぐらいです。
他に作者が書いたもの:ゆっくり合戦、ゆッカー、ゆっくり求聞史紀、ゆっくり腹話術(前)、ゆっくり腹話術(後)
最終更新:2008年09月14日 07:15