ゆっくりいじめ系775 風呂嫌いの結末


「みんな!体をキレイキレイにするよ!」
ここは霧の湖。一家の主である母れいむが口に水をため子供達に吹きかけている。
「ゆっ!きもちいいよ!」「ちめたーい!」「からだキレイキレイにするよ!」
冷たい水にキャッキャッと声を上げる子供達だがその中に一匹だけムスッとふくれている子供がいた。
「からだを洗うなんてめんどくさいよ・・・」
そのまりさ種の子ゆっくりは体を洗うことを酷く嫌っていた。
子まりさ自身は面倒くさいから嫌だと言っているが実際は本人すら知らない記憶の奥底、水に流され死んでいった父まりさのトラウマが
水に触れるという行為を極端に嫌わせていた。
「大きくなって独り立ちしたら絶対に体をあらったりするもんか。」
幼少時代にその決意を誰にも話すこと無く育ったまりさはすくすくと成長し見事な成ゆっくりとなったまりさは
越冬を終えた後、他の姉妹よりもずっと早く独り立ちした。

独り立ちして二ヶ月、まりさはまりさ種であるが故に狩りの腕もめきめきと上達し自分一人の巣も簡単ではあるが扉付きという
つがい相手としてはこれ以上無い程優秀なゆっくりとなっていた。だがこのまりさには当然できるべくしてできた欠点があった。
「ゆうぅ!!くさいよ!」「くさいまりさはとっととどっかに行ってね!」「おおくさいくさい」
子供の頃の決意を揺るがすことなかったまりさは独り立ちした後に湖に行くことは水を飲む為だけになった。
つまりまりさは半年間水場の近くに住んでいたにもかかわらず一度も体を洗っていなかったのだ。
巣の中でひたすらゆっくりする赤ちゃんゆっくりならまだしも、外へ狩りに出るまりさの体は四六時中汚れていた。
生き物としては常識はずれのゆっくりだが汚れた体を不潔のままにしておけば臭いはしてくるらしい。
最初はその甲斐性に惚れていた多くのゆっくり達も2週間、3週間と経つと自然とまりさのもとから離れていった。

「べつにいいよ!まりさはひとりでゆっくりできるからね!」
体を洗うなんて愚図がやることだ。ゆっくりにあるまじきその活発的な考えは実はゆっくりの怠惰な特徴を濃縮した果ての考えであった。
そんな変わり者のまりさにも少ないがそれ故に固い絆で結ばれた親友が二匹いた。
「まりさ!れいむはまりさから離れたりはしないよ!」
彼女はゆっくりれいむ。幼少時代からのかけがえの無い親友だ。
今では当然となったまりさの水浴び嫌いも成体になってからその癖を初めて知ったれいむは驚きを隠せなかった。
しかしまりさはこの森のどのゆっくりよりも全てにおいて優れているとれいむは信じていた。
それはきっと体を洗わずに日々鍛錬を続けてきたからに違いないともれいむは信じていた。
「ゆぅぅ・・・ありがとぉおおおおお!!!」
れいむは水浴びをしてはいたがそれをまりさに強要することは無かった。
なぜなられいむはまりさに水浴びを一度でもさせることでその能力が削ぎ落とされるのではないかと思っていたからだ。
れいむは自分よりも優れたまりさの能力の根源を水浴びをしないことでもたらされた力、
すなわち一種の願掛けによるもののような気がしてならなかった。
それを失わせる行動をとることはまりさを軽く神格化していた二匹にとってはとても恐れ多いものだったのだ。
「「ふたりでゆっくりしようね!!!」」
まりさにとっては大切な友人、れいむにとっては崇めるべき尊い存在として互いにその心の拠り所となっていた。

「ゆぅぅ、なんか背中がかゆいよぉ。」
「大丈夫まりさ?・・・ゆ!ま、まりさ!」
「ゆぅ?なに?」
珍しく晴れていたある日、二匹がいつもの様にくつろいでいると突然れいむがまりさの背中を見て驚いた。
「ゆっゆううううう!!!?」
「な、なに!?おどろいてばかりいないで何があったかゆっくりおしえてね!」
「ま、まりさの背中が・・・緑色になってるううううう!!!」
「ゆぅう!!?」
れいむの言う通り、まりさの背中は鮮やかな緑でその六分の一が覆われていた。人で言えば尻の部分、蒙古斑のような可愛い物では決して無いが。
「まりさ!」
「な、なに!?」
「こんな色をしたまりさは見たことないよ!とってもきれいでかっこいいよ!」
基本ゆっくり達の中には緑色を持った種は珍しい方である。最も目につく種がちぇん種であるがそれは身につけている帽子がだ。
今のまりさの様に体自体が緑色になるゆっくり等は少なくとも周囲の群れでは全く見かけなかった。
「きれい・・?まりさきれい・・・?」
「とってもきれいだよ!群れの中でもこんなにきれいなゆっくりは見たこと無いよ!」
子供の頃綺麗になると言われ嫌々水浴びをしていたまりさ。独立し、水浴びをしなくなったまりさはあれ以降綺麗などとは一度も言われなかった。
久しぶりに言われたその言葉はまりさの感情を大きく揺さぶった。
「れ・・・れいぶありがどおおおおおおお!!!」
大声を上げてまりさは泣きじゃくり始めた。ここまで大泣きするのも一体何時ぶりだろうか。
「泣かなくていいんだよまりさ!これがまりさの本当の姿なんだから!」
「ゆぐっ・・ゆぐっ・・・」
「そうだっ!きれいなまりさをみんなに見せにいくよ!きっとみんなまりさを馬鹿にしたことをあやまってくれるよ!」
「ゆぐっ・・!群れに・・・!?」
今までまりさは自分に自信が持てなかったわけではない。ただ、今の自分はいつもの自分よりも何かで胸の中が満たされていた。
「・・・ゆっ、ゆっくり、みんなにあいさつにいくよ!」
まりさは群れのゆっくりにあうことを自分自身で決めた。

「まりさとってもきれいだね!」「こんなにきれいな色をしたゆっくりはみたことないよ!」「おおきれいきれい」
翌日、群れの小さな集落へと出かけた二匹のまわりには大きな人だかりならぬゆっくりだかりができていた。
その中心となっているのはあの緑色を背負ったまりさ。顔は今までしたことの無い笑顔で満ちている。
「これがまりさの本当の姿なんだよ!見事なとかい派でしょ!
 みんな、今までまりさを馬鹿にしたことをゆっくりあやまってね!」
「い、いいんだよれいむ。まりさはべつに怒ってなんかないよ!」
自分の容姿が認められているというだけでまりさの今までの鬱憤は跡形も無く消えていた。
「ゆっ!まりさの緑色がきのうよりも広がってるよ!もうちょっとで髪の毛の所まで緑色になるよ!
 もしかしたら髪まで緑色になるかもしれないね!すごいよまりさ、とってもゆっくりしてるよぉ!!」
れいむにつられて周りのゆっくりからも歓声が沸き上がる。
「むきゅ!どうしたのみんな大声で!」
歓声を聞きつけてやってきたのは群れの知恵袋であるぱちゅりー、前々から水浴びを嫌うまりさに口うるさく清潔を保つ様に言っていたので
まりさはあまりぱちゅりーのことを好んではいなかった。
そのぱちゅりーに今の体を褒めてもらえたならもうこれ以上の喜びは無い。それはあの幼少時代に疎ましく思っていた母に勝利する感覚だろう。
ぱちゅりーは誇らしげに胸、ならぬ顎を張るまりさに近づきその背中を見るや否や叫び始めた。
「むきゅうう!!!みんなまりさから離れるのよ!!近寄ってはいけないわ!!!」
「ぱ、ぱちゅりーなんてこというの!!?」
「ひどいよぱちゅりー!まりさはこのみどりをとっても気に入ってるのにぃ!」
「気にすることないよまりさ!しょせんちしきしか無い病弱なぱちゅりーにはまりさのみどりがりかいできないんだよ!
 そうだ!ぱちゅりーはまりさにしっとしてるんだよ!おおあさましいあさましい。」
れいむは自慢の緑色の背中を否定されたことでうろたえるまりさのことを必死にフォローした。
しかし、ぱちゅりーは目を見開いたまま大声で叫び続ける。
「嫉妬なんかじゃないわ!まりさのその緑色は・・・カビよ!!!」



ぱちゅりーにまりさがカビだと宣告されて数十分後、体を葉っぱで包み込んだゆっくり達によってまりさ達は捕えられていた。
「むきゅう・・だからあれだけ体を洗っておきなさいって言ったのに。」
「はなじでええ!!まりさ達はなんもわるいことなんかしてないよおお!!」
「汚れたゆっくりは体を洗わないとまりさみたいにカビが生えやすくなるんだよ。ぱちゅりーやまりさのお母さんは
 まりさのことを心配して体を洗えと言っていたんだよ。」
群れのボスの大れいむは声を荒げずに静かにまりさを諭した。だが当のまりさは納得しない。

そもそもカビが生える環境には適した水分や温度、栄養等が必要だ。
本来ゆっくりの表皮は自然の脅威に対抗した防水性や抗菌性といった機能を保持している。
そのため巣に籠り餌を持ってきてもらえる環境にあるゆっくりにカビが生えるということは滅多に無い。
しかし狩りをするゆっくりとなると話は別だ。
彼らが狩りをする時、その体の構造上から草や虫を踏みつけながら森を走り抜けなければならない。
そのため体中に草汁や虫の体液がこびりつくのだ。
これらを水で洗い流す、もしくは仲間に舐めとってもらうなどの行動をとらなければ
ゆっくりの表皮にはそこ足がかりとしてカビが生えてくることがある。
つまり狩り中心の生活をしていたまりさの体は洗わないことで見事な菌床と化したのだ。

「ふん!水浴びしたら体が溶けてしんじゃうんだよ!体を洗うゆっくりの方がおかしいんだよ!」
「きくみみもたないんだね。」
「ゆん!まりさはぜったいに体を洗わないよ!」
「しかたないね・・・」
大れいむは悲しそうに顔を下に向けた後、すぐにぱちゅりーの方を向いた。
「二匹を群れから遠くはなれた崖上近くについほう!二匹が死ぬか条件を満たすまでかんしをつけるよ!」
高らかに宣言される追放と死の言葉に三匹は大きくうろたえ始めた。
「なななななにいってるのおおおおおおお!!!」
「れいむだぢはわるいごどしてないよおおおおお!!」
「まってみんな!群れに戻る方法はあるんだよ!」
大れいむの言葉を聞いて二匹はぴくっと反応をする。この窮地を救う手段があるのなら何でもいいからすがりたい、
二匹は穴をあけようとするかの様に大れいむをじっと見つめた。
「あるにはあるけど覚悟が必要だよ。とくにまりさ!まりさにはいたい目にあってもらわなければいけないよ!」
「ゆぅ!どうすればいいの!どうすればたすかるの!?」
この際体を洗ったって構わない、まりさの幼少時代の決意は死と天秤に量られることでいとも簡単に空へと舞い上がったようだ。
「ゆっ!れいむは河で念入りに体を洗うだけでいいよ!」
大れいむの言葉に緊張が解かれるれいむ。れいむにとってはいつもと同じことをやればいいだけの話だ。
「で、まりさ。まりさの方は・・・」
まりさの気分はさっきよりも楽になっていた。水浴びを念入りにするのは気に食わないが死ぬよりはマシだと思ったからだ。
だが大れいむから示された条件はぱちゅりーを除いたその場のゆっくり達には到底想像もできないものだった。
「そのカビた部分をれいむに引きちぎってもらってね!」


それから数時間経った今、まりさの背中は変わらず緑色だった。
「まりさ!れいむがちぎってあげるから背中見せて!」
「ゆぅうう!!!いやだあああああああ!!!!」
「まりさまってえ!!!」
崖上に追いやられてすぐ、れいむは早速まりさの背中のカビ部分を引きちぎろうと躍起になっていた。
しかし引きちぎられる側にとってはそんな覚悟はたまったモノではない。
高い身体能力に物を言わせ背中に回ろうとするれいむからまりさは逃げ回っていた。
「やだああ!!痛いのはいやだあああ!!!」
叫ぶまりさのカビは大れいむの宣告を受けた時よりもわずかだが広がっていた。
カビが広がれば広がる程引きちぎる箇所が増えていくということもぱちゅりーからは伝えられてはいたが
目先の恐怖から逃げ続けるまりさの頭の中にその助言は残っていなかった。

気がつけば崖上に一匹、まりさは涙を流しながら夜空を見上げていた。
「どうじでごんなごどに・・・」
水に触れたくない、ゆっくりとしては至極当然な考えだと思っていた行動が実はもう一つの天敵であるカビを引き寄せてしまった。
カビが生えている背中の感覚が徐々に無くなってきていることにまりさは気づいていた。
このまま全体に行き渡れば自分の体は腐り落ちて醜く死んでいくだろう。
だがそれを防ぐ手段が体を引き裂くこととは、大れいむの宣告を思い出すだけでまりさの目には玉の様に涙があふれた。
「まりさ!」
後ろの草影から出てきてまりさの名前を呼ぶれいむ。わざわざ声を上げていることからして不意打ちではないらしい。
「嫌だよ!背中を引きちぎられたらゆっくりできないよ!」
「このままでいてもゆっくりできないんだよまりさ!」
崖上に追いやられてから続いている押し問答をまた繰り返し始める二匹。
「どうじでれいむはまりざのいやがるこどをずるのおおおおお!!!」
「このままだとまりさが死んじゃうからだよ!今背中をちぎれば一緒に群れにかえれるんだよ!」
それを聞いた瞬間まりさの眼がキッと鋭くなりれいむを睨んだ。
「違うでしょ!れいむは群れに帰りたいだけなんでしょ!本当はまりざのことがきらいなんだ!
 だがら背中を引きちぎってやるなんて言うんだよ!そんなれいむ達なんか大嫌いだ!ゆっくりしね!」
「なんでそんなこどいうのおおおおおおおおお!!!」
まりさの言葉が餡子でできたれいむの心に突き刺さった。
大声で泣きながら顔を歪ませるれいむを見てまりさの気分が少しだけ晴れる。

「れいぶはまりざがだいすきなのにいいいいいいいいいいい!!!」
「ゆっ・・・?」
しかし今度はれいむの言葉がまりさの心に突き刺さった。
だがその刺さり方はれいむとは違う物では例えようないモノが突き刺さった感覚だった。
「まりさが逃げる姿を見て思ったよ!まりさはれいむ達にとって神様でもなんでもないおなじゆっくりだって!
 でもそう思うと逆にれいむ達は心がおちついたんだよ!まりさはれいむ達のたいせつな友人、いやそれ以上の関係だってことが分かったから!」
「れ、れいむぅ・・・!」
「れいむはまりさが大好きだよ!子供を作って一緒にゆっくりしたいもん!でも・・・
 まりざがぞんなからだだとぜっだいすっきりなんでできないよおおおおおおおおお!!!!」
「ゆぐぅうぅぅうぅ!!!!!」
れいむが自分のことをそこまで愛していたということを知り衝撃を受けるまりさ。
だが今のまりさの体はれいむの言う通り決してすっきりできない体だった。
今他のゆっくりとすっきりしようとすればその相手には必ずカビがうつるだろう。
くわえてそのカビの影響を受けてしまえば子育てができないどころか奇形児が生まれてしまうかもしれない。
まりさが子供を作る為には背中のカビを排除する以外に道はなかったのだ。
「ゆぅうぅぅぅ・・・・!うぎゅぅぅぅ・・・・!!」
「ま、まりさ大丈夫!?いたいの!?」
まりさは悩む。大れいむからの宣告と背中を引きちぎることの痛みを量る天秤に新たにれいむの告白が加わったからだ。
れいむがそのどちらに荷担したかは言うまでもない。
うなるまりさが静かになり一分が経つ。この一分間はれいむにとっては今までの生活で最も長い時間となっただろう。
「ちぎって」
「ゆっ!?」
「まりさの背中のカビをちぎってね!」
「ま、まりざああああああ!!!」
まりさは自分の命とれいむの想いのため自分が痛い目を見る決心をした。

「まりさ、いくよ・・・」
「ゆっ!」
「ゆっくりたえてね!」
「ゆっ!」
まりさは木の幹にがっしりと噛み付き痛みに耐える準備をしている横でれいむもまりさの背中を引きちぎる準備をしている。
「じゃあまりさ、今からきずをつけるからゆっくりたえてね・・・!」
れいむはまりさのカビを効率よく引きちぎる為に一つの作戦を考えていた。
まずまりさの背中にカビを取り囲む様な傷を付ける。カビを引きはがした時に余分な所まで傷つけない様にする為だ。
「ゆっ!・・・ゆゆゆゆゆゆゆゆゆうぅううぅぅうう!!」
「がまんしてねまりさ!引きはがすときはこれよりもっと痛いんだからね!」
れいむはフォローのつもりなのかもしれないがやられるまりさからしたらいちいちそんな宣告はしないでほしい。
だからといって心配してくれるれいむを無下に扱うわけにはいかない、まりさはただひたすらいた意味に耐えることがだけに集中した。
「ゆっ!・・ゆぅ・・ゆぅ・・・」
「おわったよまりさ。さあこれからよ、覚悟はいいわね!」
「ゆぐぅ!ゆゆゆゆゆ・・・」
「だいじょうぶだよありす!まりさはさっきやるっていったもん!」
「ゆゆ!ゆぅぅ・・・」
正直まりさは後悔し始めていた下準備でこれだけ痛いのだからこれから行われることは一体どれだけの痛みを伴うのだろうか、
まりさは不安と痛みで頭の中がぐるぐると回っていた。
「さすがまりさだね!それじゃあ一気にいくよ!せーのっ・・・」
「ゆぅっ!?ゆゆゆゆゆゆ!」
「それっ!!」
「ゆぎゅ!!ぐうううううううううううう!!!」
掛け声と共にれいむはまりさのカビ部分に余裕を持たせてマーキングした箇所に噛み付き思い切り引っ張った。
「うぐぐぐ!!なかなかとれないよ!ふんぐううう!!」
「うぎぎぎぎ!!!ゆゆゆうぎぎぎぎぎぎぎぎぎ!!!」
「まりさ我慢してね!」
「ゆうううううううういぃっしょ!!」
「ゆう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!!」
森中にまりさの悲鳴がこだまする。それはれいむの計画が成功しまりさ達がその罪を償ったという合図でもあった。


贖罪から二日が過ぎた。
まりさの背中はぱちゅりー達の治療のおかげで傷跡のない綺麗な肌に戻っていた。
大れいむとぱちゅりーは見事に試練を克服したまりさとれいむが正式に群れに加わることを快く承諾した。
まりさが元気になってすぐ、れいむは改めてまりさに告白し二匹は正真正銘の夫婦となった。
「れいむ、きっとゆっくりした赤ちゃん達だよ!」
「ゆぅゆぅ!はやく落ちてきてね赤ちゃん!」
れいむの頭に生えている茎には小さな黒い実が7つ程可愛らしく生えている。
自らのカビをはぎ取り、体を綺麗に洗ったまりさだからこそ手に入れることができた幸せ。
その幸せを常に忘れない為にまりさは自分の体を洗うことを日課としていた。
「ゆうぅ、れいむも赤ちゃんたちの姿がみたいよ。」
「だいじょうぶ!まりさがしっかり赤ちゃんのことを見ててあげるよ!
 そうだ!このことをぱちゅりーと大れいむに伝えてくるよ!きっとよろこんでくれるよぉ!」
「ゆっ!まってまりさ!れいむの頭がかゆ・・・もうゆっくりしてないんだから!ぷんぷん!」
外は霧雨、ゆっくりが外出できない程ではなかったが身重のれいむは巣から出ることはできなかった。

「ぱちゅりー!」
「むきゅ!まりさ!元気にしてた?」
「あたりまえだよぉ!ぱちゅりぃー!!」
「むきゅう!まりさやめなさい!はずかしいじゃない!」
体の清潔を保つ様になってからまりさはやたら他のゆっくりと頬を擦りあわせるスキンシップをとる様になった。
当然愛しているのはれいむただ一匹だけなので交尾に発展することは決して無い。
例えるなら欧米人のスキンシップにそのノリは近かった。
「ゆ!ごめんよぱちゅりー!ゆゆ!大れいむ!大れいむもこんにちは!」
そう言ってぱちゅりーにしたのと同じ様に大れいむと頬を擦り合わせるまりさ。
体の大きい大れいむはとてもくすぐったそうだったがまりさの好意を無下に扱う気はさらさらなかった。
「ゆー!まりさくすぐったいよ!」
「ゆう~♪ゆう~♪ゆう~♪」
「まりさ、今日わざわざここに来たってことはなにかあったんじゃないの?」
気分よく大れいむにじゃれるまりさの浮かれ具合に気づいたのか、群れの管理を行うぱちゅりーはその原因を知らなければならないと考え
まりさの動きを制止した。
「ゆ、そうだった!びっくりしないでねぱちゅりーに大れいむ!なんとまりさとれいむに赤ちゃんができたんだよ!」
「むきゅん!それはすばらしいことね!」
「それでにんっしんっ!はしょくぶつがた?おなかがた?」
「ゆ?なにそれ?」

末っ子、そして今まで一人で暮らしてきたまりさにとってにんっしんっ!という概念はあってもそれがどのようなモノなのかは
全く考えが及ばなかった。そのため、今回のれいむのにんっしんっ!が頭から蔓が生える植物型であるということや
もう一つのにんっしんっ!のタイプ、動物型が存在するということも全く知らなかった。
ちなみに大れいむが言っているおなかがたとは人間たちの言う動物型のことだ。
「むきゅ、頭からはっぱさんが生えていたらしょくぶつがた、おなかがおおきくなっていたらおなかがたよ。
 しょくぶつがただったらうまくいけば今日中に赤ちゃんたちは生まれるわ!」
「ゆゆゆ!れいむの頭にはみどりのはっぱさんがたくさん生えてたよ!」
「よかったねまりさ!きっと今日の夜には赤ちゃんたちとゆっくりできるよ!」
「ゆ!そしたらゆっくりしないで帰るよ!教えてくれてありがとう、ぱちゅりー!大れいむ!」
まりさは二匹に背を向けたまま礼を言って一目散に自分の巣へと帰っていった。
「むきゅう・・・せっかちなゆっくりね、まりさは。」
「そういうゆっくりも群れにはひつようなんだよ、ぱちゅりー。」
「むきゅ?むっきゅう・・・」
「ゆ?どうしたのぱちゅりー。」
「むきゅ~、なんだかほっぺがかゆいわ。」
「ゆゆ?そういえばれいむもかゆいよ?なんでかな?」


巣の中、まりさとれいむはわくわくしながらゆっくりと赤ちゃんたちの誕生を待った。
きっととってもゆっくりした赤ちゃんが生まれるだろう、生まれた赤ちゃんたちには色んな狩りの方法やゆっくりプレイスの探し方を教えよう、
れいむ種とまりさ種どちらが多いだろうか、毎日毎日体をきれいにしてあげよう。
二匹のゆっくり将来は月が高く昇るまで延々と続いた。
だが、当の赤ちゃんたちは以前生まれ落ちる気配はない。れいむに至っては蔓から全く振動を感じないことに不安を抱く始末だ。
「ねえ、まりさ・・・赤ちゃんたち何時生まれるんだろうね・・・」
「ゆう、きっととてもゆっくりした子たちなんだよ!心配しないでれいむはゆっくり寝てていいよ。まりさが見てるからね!」
親としては未熟なまりさであったがれいむの疲れはその顔から読み取ることができた。
これ以上疲れさせると赤ちゃんたちにも影響が出るかもしれない、まりさは直感的にれいむを休ませることにして
自ら夜番をとることをきめた。

「まだ葉っぱさんばっかり・・・本当に今日生まれるのかな?」
まりさの眼には確かにれいむから蔓が生えていた。
しかし肝心の子供たちはどうしてもまりさの眼には見えないのだ。
ただただ青いれいむの蔓、本当はれいむに尋ねてみたかったが蔓はれいむの頭から生えているのでれいむ自身には赤ちゃんたちの様子は見えない。
むしろこのことを話せば不安になるのではないかと思い言うに言い出せなかったのだ。
「でもいいよ!まりさの赤ちゃんたち、あせらずゆっくりうまれてね!」
その瞬間、まりさが葉っぱだと思っていたその物体はまりさの足下にぽとりと落ちた。
これは子供が生まれる兆しではないだろうか。そう思ったまりさはすぐさまれいむを起こし始めた。
「れいむれいむ!大変だよ!もうすぐ赤ちゃんが生まれるかもしれないよ!」
「ん・・ゆぅぅん・・?・・・ゆ!?赤ちゃんが!!?」
まりさの呼びかけで一気にれいむは覚醒した。赤ちゃん誕生の瞬間に母親がゆっくり寝ていたらいい笑い者である。
「ゆっゆっ!たのしみだね~!」
「ゆうぅぅん!何人生まれるんだろう♪まりさ、幾つ赤ちゃんたちができてる?」
「ゆっ?まだ赤ちゃんたちはできてないよ?」
「・・・ゆっ?」
まりさの言うことにれいむが疑問に思うのも当然だった。
れいむは一度自分の母の植物型にんっしんっ!を見たことがあったからだ。
その時の母の頭には自分の妹たちを思われる丸い固まりが幾つも生っていた。
「冗談言わないでねまりさ!一個か二個はすくなくともついてるはずだよ!」
「ゆ~赤ちゃんたちは一つも見えないよ。れいむの頭にはたくさんの葉っぱさんしかないよ?」
「じ、じゃあなんでれいむを起こしたの!?赤ちゃんはまだ生まれないよ!」
「ゆゆ、みてこれ!葉っぱさんが落ちてきたんだよ!だから赤ちゃんたちも落ちてくるとおもったんだよ!」
そういってまりさは先ほどれいむの蔓から落ちてきた緑色の物を指し示した。

まりさが葉っぱだと言い張る物、れいむにはそれがどうしても葉っぱには見えなかった。
なぜならその物体は果物の様に綺麗な球体で、その緑色はついこの間れいむが目にした忌まわしきあの天敵の色そのものだったからだ。
「カカカカカカカビだああああああああああ!!!!」
れいむは絶叫した。今まで自分の頭から生えていた物はゆっくりした赤ちゃんではな自分達を殺す気味の悪いカビの固まりだったからだ。
「これがカビ!!?どどどどういうこどおおおおおお!!!」
まりさにしても葉っぱだと思っていた物が以前自分を苦しめた原因だったのだから混乱しないわけがない。
まるで頭を抱える様にまりさはうずくまって叫び続けた。
その空気の振動でぼたぼたと落ちるれいむのカビ球。普通のゆっくり以上にカビを嫌悪している二匹にとって
その光景は恐怖でしかなかった。
「うぎゅうううう!!!カビさんこないでえええええええ!!!」
「れいむ!いったんお外に出るよ!」
巣から勢いよく飛び出した二匹を待っていたのは夜遅くまで降り続ける梅雨の長雨。
光の全くない雨の日の森の中で一夜を過ごすのはゆっくりにとっては命がけだ。
「ゆぎゅう・・・!今日はお外じゃゆっくりできないよ。お家に戻ろうれいむ。」
「ゆうううう・・・でいむのあがぢゃんがぁぁぁ・・・・」
自然の力に負けた二匹は仕方なく今日は巣の中で夜を越すことにした。
朝になったらすぐにぱちゅりー達の所へいって相談しよう。まりさ達はなるべくカビ球から離れてから床についた。

「うぎゅ・・・ぎゅぎゅ・・・」「おが・・・」「・・・げで・・・」
更に夜が深くなった時、まりさ達は外からの雨音に混じって奇妙な声を聞いた。
「ゆっ?だれ、だれなの!?」
巣の中には自分達二匹しかいない。雨が降っている深夜に他のゆっくりが外出しているとも考えられなかった。
カビに続く気味の悪い現象にまりさ達は大きなストレスを感じ始めた。
「ゆぐううう!!まりさぁ、こわいよぉ!!!」
「ゆっ!だいじょうぶだよれいむ!まりさがいるからね!」
まりさは大きく顎を張りれいむを落ち着かせようとしたが正直まりさも今の事態に頭を回していた。
なぜ自分達にこれほどゆっくりできないことが続くのか、ゆっくりに神様がいるとしたなら今すぐにでもまりさはその神様を
やっつけてやろうとまりさは考えていた。
自分達以外の生き物はいないはずの巣に自分達以外の声がする。
何度巣を見回してもあるのは部屋の隅にある保存用食料とカビ球。
カビ球・・・?
まりさはよく目を凝らしてそのカビ球を見つめた。
そういえばなぜ球なのだろうか。自分にできたカビはどうやら皮一枚にしかついてなかったらしい。
じゃあこのカビは球にびっしりとついてるのだろうか?
その時、微かにカビ球が動いたことにまりさにつられてカビ球を凝視していたれいむが気づいた。
直後、れいむはそのカビ球に飛び寄った。
「ゆゅ!?れいむ何してるの!あぶないよ!」
まりさの制止も聞かずれいむはカビ球のカビを口を使ってさっと払った。

「おが・・・おがあざん・・・」
出てきたのは可愛らしい顔を涙とカビでぐちゃぐちゃにしたれいむ種の赤ちゃん。
カビ球の正体はカビで包まれた赤ちゃん達だったのだ。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛れいむのあがぢゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
「いだいよぉ・・・いだいよぉ・・・」「だずげでえ・・・」「うぎゅ・・・うぎゅ」
そのカビ球全てが赤ちゃんだと知ったれいむは全ての赤ちゃんのカビを口で払いはじめた。
「あがぢゃあああああん!!!でいむのあがぢゃあああああんん!!!」
「やめてよれいむ!そんなことしたらゆっくりできなくなっちゃうよ!!!」
「うるざぁいいい!!!だまっででええええええ!!!」
その母親としてのれいむのあまりの剣幕にまりさは気圧されてしまう。
「まっででね!!いまだすげであげるからね!!!!」

粗いながらもれいむは全ての赤ちゃん達のカビを払い終わった。
しかしその代償としてれいむの体はカビでいっぱいになっていた。
その様子はまるでカビの培養実験で使われたシャーレの様、たった短時間でれいむは既に虫の息となっていた。
そのれいむが救ったと思った赤ちゃん達も半数が息を引き取っている上に残りの子達も全て虫の息だった。
「れいむのばがぁ!!こんなごどしだらゆっくりできなくなるってわかってたでしょぉ!!!」
「ご、ごめんねまりさ・・・もうれいむはゆっくりできないよ・・・」
「ゆぅぅ!!!ぞんなごどいわないでえええええ!!!!!」
「まりさ・・・きっとまりさにはまだカビさんがついてるんだよ・・・ここにいたらきっとぱちゅりー達に知られちゃう。
 そしたら今度は殺されちゃうかもしれない・・・れいむのことは放っておいてすぐににげてね・・・」
「できないよぉぉ!!!まりざはれいむどゆっくりするためにあの日がんばっだんだよぉ!!?」
「まりさ、れいむは短い間だったけどとってもたのしかったよ・・・いっしょにゆっくりしてくれてありがとうねまりさ・・・」
「れいむ・・・?れいむ!!おきでよれいむ!!おきで!!!」
それより先、れいむは二度と喋ることはなかった。
周りの子供達もまりさが放心しているうちにいつの間にか息絶えていた。

外に出ると雨は降っていたが既に空は明るんでいた。
れいむの意思を組んでこの群れを離れよう、まりさはカビの死体となったれいむと赤ちゃんを器用に風呂敷に包んで
長旅の準備を整えた。
「むっぎゅうう!!!まりざあああああああああ!!!」
外から尋常ではない気迫のぱちゅりーの叫び声が聞こえた。ばれたのか、まりさは焦ったが落ち着いて考えるとあまりの情報が早すぎる。
疑問を抱きつつしずかに扉を開けるとそこには鬼の形相をしたぱちゅりーや大れいむ、群れの面々がまりさを睨んでいた。
「まりざ!!あなたまだカビが残ってるでしょ!!」
「ゆぅ!!なんでもう知ってるの!!?」
「当たり前よ!!!これを見なさい!!!」
そういってその場にいたまりさ以外のゆっくりは一斉に左右どちらかの頬をまりさに見せつけた。
「ゆぐうううう!!?みんな緑色!!!!?」
「そうよまりさ!!カビがついているあなたが私達に頬擦りしたから私達にもカビがうつったのよ!!!」
「みみみみんな、ごめんね!まりさはそんなつもりじゃ・・・」
無論まりさにはみんなにカビをうつす気などなかった。
しかしなんと言おうと結果的にはうつしてしまったことに変わりはない。ぱちゅりー達の怒りが収まるわけがなかった。
「うるさいよゲスまりさ!!やっぱり臭いやつはきれいになっても心はくさいやつなんだよ!」
「くさいまりさはしね!」「まりざのせいでありすの子供達ももう・・・」「ゆるせるわけないよーわかるよー!」
「いくよみんな!まりさに総攻撃をかけるよ!!!」
大れいむの掛け声で群れのゆっくりは戦闘態勢に入る。当然その目線の先にいるのは扉前に立っているまりさだ。
「かかれー!!!」
「「「「「おぉーー!!!」」」」」
「いやぁあ!!!やめてえええ!!!」
まりさは向かってくるゆっくりの群れに恐れをなしすぐに家に閉じこもってしまった。
「むぎゅううう!!!やめでええおさないでえええええ!!!」
「いだいよおおおお!!!はやくどいでええええええええ!!!!」
先頭にいたぱちゅりーと大れいむは群れと扉の板挟みとなり異常な程に平ぺったくなっている。その衝撃で巣の扉のノブが壊れてしまった。
まりさの巣の扉は引くタイプ。つまりノブがついてなければ外部から手のないゆっくりが侵入するには扉を壊すしかない。
「むっぎゅうううううううう!!!ぎゅっ?!」
「やめでえええええええええ!!!ゆっぐりできないいいいいいいいいい!!!いぎっ!?」
しかしまりさ自慢の巣の扉は頑丈だった。ぱちゅりーと大れいむが揃って圧殺される程の力がかかってもびくともしなかったのだ。
「ゆぅ・・・お家のとびらをしっかりつくっててよかったよ・・・」
しかしまりさにゆっくりしている暇などない。まりさは急いで扉の前にありったけの土を地面から掘り出して積み上げていった。
その土のおかげもありまりさの巣は見事な鉄壁を作り出すことに成功した。

「よぐもぱちゅりーとだいれいむをおおおおおお!!!」
「でてこいまりさぁ!!!ひきょうものぉ!!!!」
襲撃から二時間、群れの面々はいまだにまりさの巣の前で怒号を放っていた。
一方のまりさはというと巣から出ることもできない上に土を掘り起こした疲労、そして目の前のカビだらけの死体との対面で
著しく体力を失っていた。
溜め込んでいた食料を食べようにも、災難なことに全てがカビでやられていた。
「ゆぅぅれいむぅ・・・さびしいよぉ゛・・・」
その時外から悲鳴が聞こえてきた。
「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ありすとかいはな顔があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
さっきまで近くの朽ちた老木の下で寝ていたありす一家母親の顔の半分は緑色で覆われている。
しとしとと降る雨と老木の湿気が無防備なありすの顔にあるカビの浸食を早めたのだ。
「大丈夫ありす!?ゆぎゅっ!?」
近づこうとするれいむ種がぬかるんだ地面で勢いよく滑った。
「ゆぎゅぎゅ・・・いたいよぉ。ゆっ・・・?れれれいむの髪があああああああああああああああ!!!!」
転んだれいむ種の目の前にあったのは自分の髪とリボン。湖でいつも確認をしていたから間違えるわけがなかった。
「いやあああああ!!れいむの髪があああ!!!リボンがあああああ!!!」
カビによりもろくなった頭皮、それが転んだことによりずるむけたのだ。
「あああれいむうううう!!!」「いやああああ!!!カビさんこわいよおおおおおおお!!!」
「ここにいたらゆっくりできなくなるううううううう!!!!」
被害を目にしたゆっくり達が一斉にパニックなり方々へと散らばりだす。
しかし群れのゆっくりの数は多い。ゆっくり達はあちらこちらでぶつかり合い先ほどのれいむ種と同じ悲劇を繰り返した。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛まりざのおめめがあああ!!!」「いやあああああほっぺがくずれるよおおおおお!!!!」
「おがーしゃあ゛あ゛あ゛あ゛がぁっ!!?」「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛でででいぶのあがぢゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
外から聞こえる阿鼻叫喚にまりさは改めて恐怖した。自分もあのように死んでいくのだろうかと思うとろくに動くことができなかった。
外の連中よりもカビとの付き合いが長い自分が今度へまをすれば無事ではないことは本能で理解していた。
「ゆうううううぅ!!!れいむぅ!!ごわいよぉおおおおお!!!!」

それからまりさはその巣にひたすら籠ることになった。
外に出れば群れのみんなに殺されることが分かっていたからだ。
だがカビの蔓延した巣からでないことはそれだけで自殺行為であった。
一日経つだけでカビはまりさの頭皮からまりさの全体の皮膚を侵していった。
日が経つにつれてまりさの体は動ける部位が減っていき、三日目にはカビの中心であった頭皮から反対側に位置する
まりさの顔以外は全てカビで埋まっていた。
「うぎぎぎぃ・・・いだいよぉ・・・・くさいよぉ・・・」
ところどころで走る激痛と倦怠感がまりさの意識を朦朧とさせる。
すでにまりさは食事をとることすら頭になかったのだ。
「れいむと赤ちゃんたち・・・ぱちゅりぃ・・・大れいむぅ・・・みんなごめんねぇ・・・・!」
その意識の中で既に自分のせいで亡くなった仲間達に謝罪を発することができたまりさにもうやり残すことはなかった。
「ごべんねえ・・・!ごべんねえ・・・!ごべ・・ん・・・ね・・・・」

八月
強烈な夏の日差しは以前ゆっくりの群れがあった林をも照らしていた。
そこにやってきたゆっくりれいむ。古木の下に綺麗な色をしためずらしいものを見つけたのでそれが気になりやってきたのだ。
「ゆっゆー!とってもきれいなものだよ~!」
しかし自分の巣に運ぶにはちょっと大きい、ゆっくりれいむがきょろきょろと周りを見てみると今度はちょうどいい大きさの気を見つけた。
「ゆぅ~!!こんなゆっくりしたおうち初めて見たよ!それにあのきれいな物がこんなにたくさんあるよ!
 きめた!ここは今日かられいむのお家だよ!あしたまりさとありすとちぇんとー、うーんぱちゅりーは疲れるだろうから涼しくなったらにしよう!」



天敵に無防備なゆっくり、自然界で彼らが生き残れるのは後何年間だろうか。




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最終更新:2008年09月14日 08:42
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