とある山、とある洞窟。

一匹のゆっくりありすと一匹のゆっくりまりさが愛の行為に励んでいる。

「ゆふうぅぅぅ、ありすぅありすうぅぅぅ……」

「んふぅーんふぅー……ま、まりさいれるよ?いれちゃうよ?」

「いいよぉいれてぇ……いっしょにすっきりしよぉぉぉ」

「それじゃいくよ?いくよ?いれちゃうよおぉぉぉぉぉ?」

顔、というか全身を赤く染めて確認すると、ゆっくりと自分の顎を相手の顎に擦り付けるありす。

突起も挿入口も無い二匹の曲面が、むにゅむにゅと絡み合っている。

「ゆっゆっふうぅぅぅぅぅ……!あ、ありすのぺにぺにすっごくおおきいよおぉぉぉ……!」

「んふぅ……!んふぅ……!ま、まりさまりさまりさぁ……!!」

一心不乱にまりさの顎に自身の顎を擦り付けるありす。その意識にまりさの睦言は届いていない。

「ゆっ、あ、ありすぅ…ちょっとはやいよぉ…!もうすこしゆっくり……」

と、まりさが声をかけた瞬間、

「んっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!…………すっきりー!!!」

絶頂まで程遠いまりさを差し置いて、独りで上り詰めるありす。

挿入から絶頂まで僅か30秒、神業の如き早撃ちである。

「んっふぅ……ありすのちょうぜつてくにっくはよかったでしょう!?ありすもまりさのなかとってもすっきりできたよ!!」

「ぜんぜんよくないよおおおおおおおおおおおおおお!!?どうしてひとりですっきりするのおおおおおおおおおお!!?」

怒りで顔を赤くし、飛び跳ねて抗議するまりさ。その剣幕にありすは呆然とする。

「まりさ……もしかしてふかんしょう?」

「ありすがはやすぎるんだよ!!!どうしてゆっくりすっきりしないのぉ!!?まりさはぜんぜんすっきりできなかったよ!!!」

「そ、そんな……そんなことないよ!!ありすはとってもゆっくりすっきりできたよ!!」

「ひとりですっきりしてもいみないでしょお!!!そんなありすなんかかおもみたくない!!ゆっくりしないででていってね!!!」

体内に充填されたエネルギーを発散するが如き勢いでありすに体当たりするまりさ。

ありすは跳ね飛ばされながらも必死で弁解する。

「だ、だって……まりさがよすぎるからいけないんだよ!!あんなまむまむじゃだれだって……」

「うるさいよ!!いままでにすっきりしたゆっくりは、みんなまりさといっしょにすっきりしたよ!!!」

「ありすがはじめてじゃなかったの!!?はつものだとおもったからすっきりさせてあげたのに!!!」

「ぜんぜんすっきりできてないよ!!だいたいこんなにおとななのにはじめてなわけないでしょ!!!なにいってるの!!」

ありすは愕然とした。このまりさは初めてではない?こんなに大人なんだから初めてな訳が無い?

見た所このまりさは自分より年下だ。

自分はこれが初体験で、年下のまりさは経験済みだと言う。しかもそれが当たり前であるかのような物言い。

それにこのまりさは自分の鍛えに鍛えたテクニックですっきりできなかったという。

まさか、自分が下手だった?否、断じて否。生まれてから今日まで毎日木の幹で練習して来たのだ。

その自分のテクニックが他のゆっくりよりも劣るなんて事がある筈が無い。

ありすは、あまりに自身の常識からかけ離れたまりさを見て初めて気付いた。

「まりさ……まりさはとんでもないいんらんだったのね!!だからありすのてくにっくでもすっきりできないんだわ!!」

「ゆっ!!?なにいってるの!!それはありすがへたくそだからでしょ!!!」

「もういいよ!!がばがばでいんらんのめすぶたまりさとはもうあわない!!まりさなんてゆっくりしんじゃえ!!!」

言うだけ言って外に飛び出すありす。後ろでメス豚が何やら喚いているが、そんな事は知った事ではない。

ゆっくりは豚の言葉を解するようにはできていないのだ。

ありすは、自分の初体験をメス豚に騙され穢された事に酷く憤慨しながら自宅へと戻った。



それからありすは何匹ものゆっくりと恋仲になり、すっきりしようとした。

しかしどのゆっくりも、最初のまりさと言う事は同じだった。

自慢だったテクニックを何匹ものゆっくり達に全否定され続けたありすは、

やがて他のゆっくりとの接触を恐れ、あの馴染みの木の幹とだけすっきりする様になった。

そしてゆっくりれみりゃに食われるまでの数ヶ月間、ありすは最期まで気付けなかった。

ありすが散々積み重ねた訓練は、自分自身をすっきりさせる為だけの、独りよがりな自慰行為でしかなかったと。




作:ミコスリ=ハン




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最終更新:2022年04月16日 23:39