※1部虐待されないゆっくりを含みます
※1部俺設定を使っています










ある草原で遊んでいるゆっくりの家族がいる。

チビゆっくりがわらわらと10匹。
少し大きめの子ゆっくり(お姉さんゆっくり)が5匹。
そしてこの家族には両親がそろっていた。

片親はゆっくりまりさ。
もう片方は、珍しいことにゆっくりアリスだ。

「ゆーゆー!」
「ゆっくりちていってね!」
「はーい、あかちゃん。ごはんあげるー」
お姉さんゆっくりはもう自分でエサが取れるので、自慢ついでに赤ちゃん達にエサを分け与えている。
もうそろそろ赤とんぼが飛び始めていて、お姉さん達はそれを何匹取れるか競争しているようだ。

そんな子供達を、寄り沿いながら暖かい眼差しで見守る二親。
「とかいはのこどもたちもおおきくなったわね。」
「もうすぐすだちができるこもいるぜ」
2匹とも十分親としての貫禄があり、そこには幸せそのものの風景があった。


ふと、子ゆっくりの1匹が向こうから来るゆっくりに気付く。
「ゆっくりしていってね!」
「ゆ?あなたはゆっくりできるひと?」
「ゆっ。ゆっくりできるよ!なかまにいれてね!」
「ゆー。いっちょにあそぼー」

やってきたのはゆっくりまりさ(成体)だった。 こちらには「だぜ」口調はついていないようだ。
そのまま子供達と意気投合し、遊び始める。
「ゆ?それなーに?」
後から来たまりさの帽子には何か模様がついたバッジがつけられていた。
「これ?にんげんのいるばしょでひろったの!」
「ゆ!すごいねー!」
「ゆうかんだねー!」
特別なものがあると仲間を作りやすい。
そのまま完全に打ち解けたゆっくりまりさは、日暮れまでずっと子供達と遊び回っていた。


そろそろ日も落ちかけ、捕食種が出そうな時間になると、親は子供達を集めて帰る仕度をする。
「ゆー!みんなあつまってね!」
「おうちにかえってごはんにするよ!」
子供たちがわらわらと集まってくる中、ゆっくりアリスがバッジのゆっくりまりさに声をかける。
「よかったら、とかいはのありすがでなーにしょうたいしてあげるわよ」
「ほんとう!? じゃあ、おれいにたべもののいっぱいあるところをしょうかいするね!」
「ほんとか? ふゆのたくわえがふえるぜ!」
「おねーたんはゆっくりできるひとだねー!」


夜、草原の近くの森の巨木の洞にて。
「・・・で、すんでたとこがつぶれちゃったの?」
「そうだよ!あのちかくはもうすむところがないから、こっちでさがしてたんだよ!」
「じゃあ、ふゆのあいだだけうちにいてもいいぜ!」
「ゆ?」
「まりさのおしえてくれたえさばのおかげで、たくわえもふえたしね!」
「ゆー!」「おねーちゃんもいっしょー!」

こうして、この1家に新しい仲間が加わった。
親をなくした子供やはぐれゆっくり等がほかのコミューンに育ててもらうのは特に珍しいことでもない。
両親ともにいる家族に成体が、というのは少し珍しいが、労働力としては申し分ない上に子供たちの相手役にもなってくれるので誰も不満は無かった。
加えて、バッジのまりさの情報提供でこの1家は1匹増えようがどうでもいいほどの蓄えを手に入れたのである。
夜などたまにふらっといなくなったりもするが、すぐに戻ってくるので誰も気に留めなかった。

親まりさは専ら食料を獲りに、親アリスは専ら家事全般を、バッジのまりさは状況に応じてどちらかの手伝いを。
このコンビネーションで、この1家は普通の家族よりかなり楽な生活ができていた。





木の葉も全て落ち、早い動物はもう冬眠を始める季節のある夜。
この1家は、食後の団欒をゆっくりと楽しんでいた。

と、何かが入り口を破って進入してきた。
「ゆっくりー!きょうはここでやすみましょう!」
「とかいはのありすはもうすこしごーかなところがいいのだけどね」
ゆっくりアリスである。
しかも5匹で群れを成している。
「ゆ!ここはまりさたちのおうちだよ!」
「ゆっくりでていってね!」
「ここでゆっくりしないでね!」
あわてて追い返そうとする先住民達。
しかし、

「とかいはのありすをでなーにしょうたいするのはとうぜんでしょ!」
「とかいはのありすはぷれぜんとももってきたのよ!」
「ありがたくうけとりなさい!」
そんなことを言ってわずかばかりの木の実をばら撒き、自分たちは貯めてあった冬用の蓄えをガツガツと平らげていく。
「ゆー!やめてね!」
「それはふゆのごはんだよ!かってにたべないでね!」
ところが、
「とかいはのありすはもっといっぱいごはんのあるところをしってるわよ!」
「こんなのよりもっといっぱいあるのよ!」
「とくべつにおしえてあげるわ!」
得意げに話すアリスたちに興味をそそられるゆっくりたち。
「ゆ?もっといっぱいあるの?」
「じゃあふゆはもっといっぱいたべられるね!」
「いつもよりらくになるぜ!」

しかし、賢い親アリスは黙っていない。
こいつらをここで入れてしまっては、子供たちまで発情したアリスの餌食となり、みんな干からびて死んでしまうだろう。
「ゆ!そんなとこあるわけないよ!みんなだまされちゃだめだよ!」
「ありすはだましてなんかないよ!いってみればわかるよ!」
「いかなくていいからゆっくりでていってね!」

こいつは篭絡できないと踏んだのだろう。
リーダー格の一回り大きいゆっくりアリスが
「ゆっくりできないいなかもののありすはでていってね!」
そしてほかのゆっくりアリスたちも便乗し、
「ゆっくりできないやつはゆっくりしね!」
侵入者達は、親アリスに体当たりを仕掛け始めた。
「ゆっ!? ゆっくりやめてね!ゆっくりでていってね!」
「とかいはのありすのいうことをきかないやつはゆっくりしね!」

親まりさはと言えば、
「ゆっ! ゆっくりやめるんだぜ!」
「あいつはごはんのあるところにいきたくないっていったんだよ!」
「ぜんぜんとかいはじゃないよ!」
「ゆっくりできてないわるいゆっくりだよ!」
「ゆ? ゆー・・・」


親アリスは袋叩きにされながらも、まりさが助けてくれる事を信じていた。
まりさならこんなやつらきっと蹴散らしてくれる・・・! きっと全員追い出してくれる!

しかし、なかなか助けに来ないのでふと見ると、なんと愛するまりさはアリスにのしかかられて喘いでいた。
「まっ、まっ、まりざああぁあ!!ぎもぢいいでしょおおおぉぉお!?」
「ゆ゛ううぅうぅっ!!ぎもぢい゛い゛ぜえ゛え゛え゛ぇぇえ゛ぇえ゛!!!!」
「ま・・・まりさー!!」
自分の見たものが信じられず、思わず名を呼ぶアリス。
しかし、
「あんなやつよりとかいはのわたしのほうがきもぢいいでしょおおおぉぉぉ!?!」
「ゆ゛ぅぅう゛う゛う゛う!!ぎもぢいいぜええぇぇぇえ!!あのありすはあんまりすっきりできなかったんだぜえええぇぇえ!!」
「あんなやづよりわだしのほうがゆっぐりでぎるよおおおぉぉぉ!?」
「ゆー!・・・ゆっくりできないやつはでていくんだぜえええぇぇ!」


これが、最愛のパートナーの自分に対する返答だった。

アリスの中で踏ん張っていた何かが弾け飛び、同時に体の踏ん張りも消えたアリスは一気に外へ放り出された。
「ゆぐぅっ!?」
地面に叩きつけられ、土を引っかぶってしまう。


私の何がいけなかったんだろう・・・
家族のために極力交尾は我慢して、今まで子供達と一緒にうまくやってこれていたのに・・・
まりさも欲求不満だったのだろうか・・・
しかし自分の欲望のままに交尾ばかりしていたら遠からず家庭が崩壊していた・・・
自分はあの家族でずっとゆっくりしていたかっただけなのに・・・

暖かい我が家の中では、すでに自分のことなど忘れたかのように和気藹々とした雰囲気が漂い始めている。

と、考えが全くまとまらずただ呆然としているアリスの下へ、バッジのまりさが駆け寄ってくる。
「ゆー!みんないまはおかしくなってるよ!ちょっとかくれてたほうがいいよ!」
そういって、ピクリともしないアリスを半ば引きずるようにしてどこかへ運んでいく。




「ゆー!しばらくここにいるといいよ!」
辿り着いたのは、そう離れていない岩間の洞。
入り口が狭いため風が入らず、地面には乾燥したコケが生え、天井の隙間から水が滴り水飲み場を作っている。
さらに、いつの間に用意したのか食料も大量に運び込んであった。
「ゅー・・・ゆう?」
コケに水を含ませ体を拭いてくれる感覚にふっと我に帰るアリス。
清拭が終わると、ゆっくりと自分に体をこすり付けてくるまりさ。
性的なものではなく、まるであやすようなその動きに、アリスの感情が今やっと爆発した。

「ああ゛あ゛あ゛ぁぁああっぁあ゛あ゛!!あ゛り゛ずの゛お゛お゛おっぉぉぉおお!!!」

1瞬で全てを奪われた悲しみと悔しさに号泣するアリスを、バッジのまりさはただ優しく撫で擦っていた。


「ゅー・・・ゅぅ・・・」
しばらくして、泣き疲れたアリスをコケの密集した部分に乗せ、バッジのまりさは
「じゃあいくね!」
と宣言する。
「ゅー・・・みんなをたすけてね・・・」
すでにアリスは夢うつつで、その言葉もただポロリと口からこぼれただけだった。
だから、その言葉に対する返事も夢と現実どちらで聞いたのかは分からない。
ただいつもよりはっきりと、

「無理だよ」

と・・・





家に帰り着くと、すでに嬌宴は始まっていた。
親まりさに1匹、姉まりさ達に3匹、チビたちを潰して回ってるのが1匹・・・
「ゆ゛う゛ぅう゛う゛ぅぅぅう゛っ!!や゛め゛でえ゛え゛え゛え゛ぇぇえ゛え゛ぇ!」
「まっ、まっ、まりざああああぁあ!!がわいいよおおおぉぉおぉお!!」
姉まりさたちは必死に抵抗しているが、さすがに発情したゆっくりアリスの、しかも成体を振りほどくことはできない。
親まりさはといえば、
「ゆふううううぅぅう!!んほおおおおぉっぉぉお!!」
「まりざああああぁぁああ!!んほおおおおぉお!!」
周りのことなど目にも入らずお楽しみ中である。
どうやらゆっくりアリスに負けず劣らず性欲の強いタイプだったらしい。
子供が目の前で犯され潰されているというのにおかまいなしだ。

普通、こんな場面に出くわしたゆっくりは恐怖で固まるか全力で逃げだす。
しかし、バッジのまりさは感情の籠もらない目でその光景をただ見つめていた。
そして、偶々近くで寄り添いながら震えていたチビゆっくり3匹をペロッと口の中へ放り込んだ。

そこへ、さっきチビゆっくりを潰しては食べていたアリスが、
「まっ、まりざああああぁああ!!」
突っ込んできた。
それをひょいとかわし、耳元で囁く。
「ありすはとくべつだから、とくべつなばしょであかちゃんつくらない?」
「とくべつ!?しょうがないわね、いってあげてもいいわ!」
なんと見栄が優先し、おとなしくついてきた。


背が高めの草が多い藪。
「まっ、まっ、まりざ!ここでするの!?とかいはのありすはこんなところじゃおきにめさないんだけど!でも、どうし・・・」
「ありす!!ちょっとうしろをむいて?」
「ゆ?」
いきなりの大声に、反射的に振り向くアリス。
「ふっ!」
その隙に、素早くアリスのカチューシャ(のようなもの)を剥ぎ取る。
「ゆ?なに?まりさなにしたの?」
「ゆー。ごみがついてたんだよ!とかいはのありすにはにあわないからとってあげたんだよ!」
「ゆっ!そうね!とかいはのありすにはにあわないわね!ありがとうまりさ!」
「いいよ!ところでありす!」
「ゆ?なーに?」
「よっ!」
体当たりで、アリスを後ろの草むらへ押し出す。
「ゆゆ?ゆ・・・ゆーーーーーーーー!!!!」
暗かったため、草むらに隠れて急な坂があることにアリスは気付いていなかった。
ころころと転がり落ちていくアリスには目もくれずに、バッジのまりさはまず親アリスを匿っている岩間の洞へと向かった。


「ゅー・・・ゅー・・・」
親アリスは熟睡している。ちょっとやそっとのことじゃまず起きないだろう
「んっ・・・ぺっ!」
「ゆぶっ!」 「ゆくっ!?」 「ゆぐん!」
口の中から転がり出るチビゆっくり3匹。
少しふやけてしまっているが、大丈夫、元気だ。
「聞きなさい。ここは安全だし、食べ物もいっぱいあるから何の心配もない。お母さんとしばらくここで隠れてなさい。」
「ゅ!わかったよ!」 「おかあたんをゆっくりさせてあげるよ!」 「おそとにはぜったいでないよ!!」
なかなか物分りがいい。
ゆっくりアリスはしつけが厳しいので、比較的賢い子が育つというが・・・これもその成果だろうか。
これなら大丈夫だろう。
岩間を出るといったん藪まで戻り、さっきアリスから剥ぎ取ったカチューシャを咥え、元の家へと向かった。



案の定さっきと何も変わってはいなかった。
1匹連れ出しても何も変わらない状況にも眉一つ動かさず、家の奥へと向かう。
カチューシャを咥えたままなのだが、誰一人として反応しない。
まりさが帰ってきたことさえ、いや、1度出て行ったことにさえ気付いているかどうか・・・

姉まりさたちはまだ助けを求めていたが、特に誰を助けるでもなくチビゆっくりの死骸を淡々と片付け、奥の部屋で一人眠りについた。





翌朝。
全員まだぐっすりと眠っている中、姉まりさの2匹が蔓に覆われて死んでいた。
ゆっくりにしてはかなり早く起きて来たバッジのまりさは、何も言わずその2つを奥の部屋に引きずっていき、木の板をかぶせて隠した。


広間に戻ると、そろそろ全員起き始めていた。

親まりさはといえば、
「あかちゃんたちがいないんだぜ!?どこにいったんだぜ!?」
行為中の出来事は全く目に入っていなかったのだろうか、必死でチビゆっくりたちを探している。
姉まりさの数の減少には気付いていないらしい。

姉まりさたちは、
「ゆぅ・・・ゆー・・・・」
まだ昨日の疲れが抜けきっていないようだ。

「あかちゃんならまだつくれるよ!ま、まりざ!しよ!しよ!」
アリスたちは状況に全くお構いなしに迫っている。

バッジのまりさはそれらを横目で見ながら、入り口から外の様子をずっと伺っていた。
と、
「ひどいよまりさ!まりさのせいでゆうべはちっともゆっくりできなかったよ!ゆっくりあやまってね!!」
昨夜転がり落ちていったアリスが戻ってきた。
髪も体もぼろぼろだが、大きな怪我はしていないらしい。

「なにぼんやりしてるの!?さっさと・・・」
「みんな~!!へんなやつがいるよ~!!」
それを聞いてぞろぞろと出てくるゆっくり達。
「あ、ほんとだ。」
「なにもつけてないよ!へんなの!」
「なんだろうね?あいつ」
「な、なにいってるの?ありすはありすだよ!へんなのはみんなのほうだよ!!」
「ゆっくりしてないやつはゆっくりしね!!」
「ゆっくりできないやつはゆっくりしね!!」
早速始まるリンチ。 この速攻性はゆっくりアリスだからこそだろうか。

寄ってたかって体当たりされ踏み潰されるアリス。
「ゆ゛っ、や゛め゛っ、ぶえっ、ぐぎゃっ、ごふぇっ、ぐぎゅっ!!」
抵抗する間もなく、ひたすら痛めつけられていく。
そして、ぴくぴくと痙攣するしかなくなった時点で

「い゛ぎゃあ゛あ゛あ゛ぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

ベリッ!「ハフ、うっめ!めっちゃうっめ!!」
ビリリッ!「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」
共食い・・・いや、本人達は共食いだとは認識していないのだろうか?

しばらく様子を見てから、ピラニアを彷彿とさせるその光景の中に近づいていくバッジのまりさ。
自分が原因で喰われ続けている哀れな犠牲者に近づき、容赦なく一口破り取る。
「・・・・・・」
すでに命は無いのだろう。 何の反応もしない。
バッジのまりさはちぎり取った皮の一部と少量のクリームを、食べるでもなく口からぶら下げたまま奥の部屋へと向かう。
そこには、今さっき仲間達に無残に食い殺されたゆっくりが昨日までつけていたカチューシャが転がっていた。



ゆっくりアリスは、今度はどの子に自分の赤ちゃんを授けてあげようかとゆっくりまりさたちを物色していた。
そして、ふと奥から出てきたまりさに目が行く。
よく見れば帽子にバッジがついていて、とっても都会派でおしゃれな感じがする。
そういえば顔も一段とかわいい!
今日はこのまりさに自分の愛をあげよう!
そう思いながらそのまりさに近づいていく。
まりさがこっちに気付いた! まりさ、私を受け入れて!
そんな思いを胸に、そのまりさに飛び掛るアリス。
と、まりさが口に咥えていたものをひょい、っと自分にかぶせた。
何? プレゼント? こんなことしなくても私はまりさを・・・・・・!?

そこで気付く。
自分の頭から漂ってくる匂いに。
これは・・・この"匂い"は・・・・・・!!!!!

「あ゛あ゛あ゛ぁぁあ゛あ゛あ゛ぁあ゛あ゛!!な゛に゛ごれ゛え゛え゛え゛え゛っぇえ゛え゛ぇぇ!!」

「ゆ・・・?」 「ゆゅっ!!」
「ゆっくりしね!!」「ゆっくりしねぇっ!!!」
大した前口上もなしに開始される虐殺。
「ちがっ・・・ぢがううっぶうぅえ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁあ!!やべでえ゛え゛え゛え゛ぇえ゛え゛ぇ」
最初から食い殺す勢いな上に、今度はまりさ1家も参加しているために終わりまでが早かった。
びりっ! ばりぃっ!! ブチュッ! グチュル・・・
「ぎいいいぃっぃい゛い゛い゛っ!? ぐゅうっ!! ぐゅ・・ぎゅぷ・・・くゅぷ・・・」

濡れ衣を着せられたアリスは、今の今まで仲間達だったものに八つ裂きにされて悶え死んだ。
尚、死体から外れたカチューシャのうち1つに饅頭の皮のようなものが絡み付いていたが、誰も気にするものはいなかった。






昼、バッジのまりさは親まりさを連れて出かけていた。
親まりさはめんどくさがったのだが、
「きょうはありすたちとゆっくりしてるぜ!どっかいくならひとりでいくといいぜ!」
「おきゃくさまがふえたから、たべものがすくなくなってきてるよ!このままじゃゆっくりできなくなるよ!」
と、無理やり連れ出した。
ゆっくりアリス3匹も行こうと言っていたのだが、
「おきゃくさまはゆっくりしててね!こどもたちとあそんでてね!」
と言ったら上機嫌で引き下がった。

「こっちにおいしいものがいっぱいあるよ!」
と引っ張ってきたのは、とある巨大な蜂の巣。
先が地面にまで届いており、蜂蜜や花粉ケーキなどが採り放題なのだ。

「ゆっ!ゆっ!おいしそうなんだぜ!」
早速飛びつき、そこらの花粉ケーキをむさぼり始める。
「ハフ、うっめ!めっちゃうっめ!」
自分が何をしに来たかもう忘れたのか・・・


蜂の巣に夢中な親まりさを放って親アリスのいる岩間の洞へと向かう。
「ゆっ! ちょうしはどう?」
「ゆー、ゆっくりしていってね・・・」
体はほぼ回復しているようだが、まだ精神的なダメージが残っているのだろう。
恒例の挨拶にも元気がないし、食料もあまり減っていない。
「ゆー!おかあたんあんまりたべないよ!」 「ゆっくりできなくなっちゃうよ!」 「ゆく~・・・」
3チビは母親を励ますように体をこすり付けている。
「ゆー!いっぱいたべないとげんきでないよ!ゆっくりできないよ!」
そういいつつ部屋を観察する。

下のコケはあまり乱れていない。 ほとんど動いてすらいないのか・・・
水場食料場共にほとんど散らかっていない。 掃除をしているのではなく、ほんの少しずつしか食べないために散らからないのだろう。
しかし寝床から水場、餌場への道は引きずったようにけずれている。
跳ねる元気もなく、這いずって移動しているのか・・・
子供を持ってきておいてよかった・・・一人で置いておいたら発狂していたかもしれない・・・

「ゆー・・・ほかのこどもたちはどうしたの?」
この状態で教えたらまずい気もしたが、まりさはいつ教えてもあまり変わらないと結論付けた。
「ゆー・・・"全員"死んじゃったよ・・・」
「・・そう・・・・・ッ!」
意外な事に泣き喚きはしなかった。
しかし感情は止める事ができないようで、大粒の涙をぼろぼろこぼしている。

「ゆー・・・でもだいじょうぶだよ!もうちょっとであのありすたちはみんなきえるよ!」
「ゆー・・・?」
「おうちもとりかえせるよ!でもこっちのほうがいいならずっとすんでてもいいよ!」
「ゆ~、こっちのほうがいいよ!」 「あっちはどうせもうこわれちゃってるよ!」 「おとうさんはしねばいいよ!」
チビたちは随分ここを気に入ってくれたようだ。
1匹かなりシビアなことを言ったやつがいたが・・・

「ゆっ!じゃあいくね!みんなはもうすこしそこでゆっくりしててね!」
「ゆ・・・まりさは? まりさはどうしたの?」
たぶん一番聞きたかったことをやっと切り出す親アリス。
「ゆ、いきてるよ!いきててほしい?」
「うん・・・はなしあってなかなおりしたいよ・・・」
 ・・・あんなのがまだ恋しいか・・・
「分かったよ。」
まぁあとはゆっくりアリス3匹のみ。
何とかなるだろう。



親まりさはまだそこらを食い散らかしていた。
「ゆー・・・まりさ!ここになにしにきたかおぼえてる?」
「ゆっ!これをたべにきたんだぜ!」
私はこれと同類なのか・・・
「ゆっ!そろそろゆうぐれだよ!はやくかえろ!」
「わかったぜ!うちでもたべられるようにこれはもっていくんだぜ!」
「そうだね!みんなまってるからね!」
ゆっくりアリスだけがね。






予想では、姉まりさたちは全滅していてアリスたちが発情して待っているはずだった。
しかし、
「ゆ゛っ!!ゆ゛う゛う゛う゛う゛ぅぅう゛う゛う゛ぅ!!」
姉まりさたちも全滅していたが、同時にアリスたちも全滅していたのである。
そして広間の中央には
「お帰りなさい。おそかったわね?」
なんとゆっくりゆかりんが鎮座していた。

「ゆぅぅぅううぅっ!!ありすになにをしたんだぜ!?ありすをかえすんだぜ!!」
子供はどうでもいいのか。
こちらはとりあえず・・・
「おそかったわねだって。おお、こわいこわい」
相手の出方を見よう。

「子供達はアリスに交尾を強要されて体が持たずに死んだわ。」
「うそなんだぜ!ありすはそんなことしないんだぜ!」
全く自分のことしか見ていない。
「うそじゃないわ。みんな助けを求めながら死んでいったの。」
「そんなわけないんだぜ!。それじゃ、ありすはどうしたんだぜ!?みんなつぶれてるんだぜ!!おまえがやったんだぜ!!」
状況を全く理解しない。

「ああ、そっちは・・・その子がやったのよ」
いつの間にか、背後に体つきゆっくりフランが忍び寄っていた。
「なっ・・・!?」
「ふ、ふ、フラン!!」
ゆっくりゆかりんはほかの種、場合によっては捕食種とも共存しているらしいが、これが・・・

さすがにこちらも逃げやすい位置に移動する。
しかし、ゆっくりフランが手に持っているのは・・・
「まっ、まりざああぁぁあ!!だずげでえええぇぇええ!!」
侵入者の方のゆっくりアリスのリーダー格だ。

「あ、ありすをはなすんだぜ!」
「じゃああなたが犠牲になる?」
「ゆ゛っ!?」
「あなたが食べられればアリスは助かるわよ」
「ゆ・・・」
こんなのが・・・

「ゆ!そうなんだぜ!こっちのまりさのほうがおいしいんだぜ!こっちをたべるといんだぜ!」
「おお、こわいこわい」
こんなものが・・・

「あら、でもフランはあなたの方が気に入ってるみたいよ?」
「ゆ!?ゆー・・・ありす!ごめんなんだぜ!ゆっくりしんでくれなんだぜ!」
こんなものが私と同種なのか・・・

「ま、まりざああぁぁあ!!な゛ん゛でぞん゛な゛ごどい゛う゛の゛お゛お゛おぉぉおお!?」
「しょうがないんだぜ!まだこどもたちをまもらないといけないんだぜ!」
どの口でそんなことが言えるんだ・・・
こんな・・・

「残念ね。じゃあ潰しちゃって。」
ブンッ!
「ゆ・・ゆゆ!? ゆぶぎゃっ!!」
バチィッ!!
なぜか奥に投げ込まれ、壁に激突してぺしゃんこになるアリス。
「ゆ・・・ありすはあげたんだからとっととでていくんだぜ!」
「おお、こわいこわい」
なぜ・・・
「あら?アリスを潰したらあなたを見逃すなんて言っていないのだけど。」
「ゆ!?たしかにいったんだぜ!どっちかがたすかるっていったんだぜ!!」
「おお、こわいこわい」
なぜ私はこんなものに・・・
「じゃ、じゃあこいつをたべるといいんだぜ!こいつならたべてもいいんだぜ!」
どんどんと私をフランの方に押していく。
ああ・・・もう・・・

「鬱陶しいっ!!!!」
思い切り体当たりして壁にぶつける。
「ゆぎゅっ!」
止まったところで上から何度も踏みつける。
「ゆっ! ぐえっ! やめっ! ぶぎゃっ!」
納まらない。
こんなものでは全く納まらない!
「ゆ゛ぅ゛っ!」
私は・・・
「ぐゆぅ!」
私は同類なのか・・・
「ぎゅぇ!」
こんな・・・
「ぎゅぱっ!」
こんなこんなこんなこんなこんなこんな・・・


こんな醜いゴミクズと!!


「ゆぶえ゛え゛ぇ゛ぇえ゛え゛っ!!な゛ん゛でえ゛え゛え゛っぇぇえ゛え゛!!」
「黙れええええええええええええぇええ!!」
感情のままに頬を咥え、奥に向かって投げ飛ばす。
なぜこんなにも醜いのか!

「ほっべがあああぁぁあ!!まりざのほっべがああぁぁぁ!!」
「やぁかましいいいいいいぃぃぃっ!!」
反動をつけて押し潰す。
なぜこんなにも醜悪なのか!

「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅう゛ぅう゛う゛う゛ぅっ!!」
なぜ私は・・・こんな低劣な存在なのか!!


「その辺でやめておきなさいな。」
フワッと体が持ち上がる。
「離せえええぇぇぇ!!」
もがいてもびくともしない。
ゆっくりフランはここまで強力じゃないはずだが・・・
「落ち着きなさい。事情は知っているわ。」
「・・・!?」
「私達は少し前からあなたをマークしていたの。」
「なん・・・?」
「後で説明するわ。とりあえずその子には趣向を凝らした刑を受けてもらいましょう。」
楽しそうに説明しながらゆっくりフランに合図を送る。

と、ゆっくりフランが何か網目状のものを持ってきた。
あれは・・・竹か?
フランはそれを入り口の内側につっかえるようにはめる。
「それは檻の入り口よ。それは外側からは簡単に開けるけど、内側からはゆっくりの力じゃ絶対に開けられないようになっているわ。」
まりさはまだぴくぴくと痙攣しているが、意識はあるようだ。
「残念だけど、この森のゆっくりは全滅しているから自分だけが頼りね。」
「・・・? 全滅・・・?」
「近くにゆっくりアリスの大群がいたものだから、この子に掃除させようと思ったのだけど・・・」
「ゅー・・・ゅぅ・・・」
「適当にって言ったら、この辺一帯のゆっくりを全部潰しちゃったのよ」
「ゆ!じゃ、じゃぁおとなりのれいむは!?ごきんじょのぱちゅりーは!?」
「この近くのゆっくり?なら、そこのちょっと開けたところにまとめて"積んである"わ。」
「ゆ・・・ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っぁぁあ゛あ゛ぁあ゛あ゛!!」

いや・・・まだ残っている。

「もし、お前が捨てたアリスがお前を許してくれたら助かるだろう。 ここまできてくれれば、だけど」
「ゆ゛ー!いやだぜ!いますぐたすけてくれなんだぜ!」
「・・・ならそこで腐れ果てて死ね!!!!」
最後まで神経を逆撫でしてくるやつだった。

「さてと・・・次はあなたのことなんだけど」
「・・・何か?」
「あなたは自然に生まれたゆっくりなのにありえないほどの知能を持っているわ。」
「・・・・・・」
「しかもその知能を使い分ける賢さも持っている。」
「・・・・・・」
「でもあなたは所詮ゆっくりでしかないわ」
「・・・・・ッ!私は・・・ッ!」
「だから、私達と一緒に来なさい」
「・・・?」
「私達は、そこに見えてる山の山腹にあるゆっくり研究所の実験体なの。」
「実験体・・・?」
「研究所ではいろいろな検査をされると思うけど、自分のことや他のゆっくりのことも今よりずっと効率よく調べられるわ。」
「・・・・・・」
「自分のことを知りたいのでしょう?」
「・・・やめておく」
別にこのゆっくりゆかりんの話が嘘だと思ったわけではないが、
「もうちょっと自分で調べてみたい」
自分のことは極力自分だけでやりたかった。

対してゆかりんは、
「・・・そう、残念。」
意外にあっさり引き下がった。
「でも、さっきも言ったけどこの森のゆっくりは全滅しちゃってるから、近場ではあの山しかないわね。」
 ・・・この森のゆっくりが全滅したのはわざとなんじゃないだろうか。
「あの山に来ることがあったらうちに寄ってきなさいな。一風変わったゆっくりがいっぱいいて参考になると思うわよ」
間違っても加工所なんかに行かないように。
じゃあね。
そう言ってゆかりんはフランに抱えられて飛んで行った。


耳を澄ませてみる。
ゆっくりの声が全く聞こえないところを見ると、(この森全体は分からないが)ここら一帯のゆっくりが全滅しているというのは本当らしい。
「・・・ふぅ」
どうやらあのゆかりんの言う通り、あの山へ行かなければならないようだ。

しかし研究所とやらに行くかどうかは決めていない。
途中何があるか分からないし、山についてから考えてもいいだろう。
その前に親アリスのところに寄っていくか・・・
竹で編まれたネットにゆっくりまりさが飛び掛ってははじかれている音を聞きながら出発する。
全ては後回し。 ゆっくりゆっくり考えていこう。

私は、どう足掻いてもゆっくりでしかないのだから。





「・・・あのゆっくり、来る?」
「来るわよ。策も罠もまんべんなく張ってあるもの。自然に引き寄せられて来るわ」
「・・・・・・」
「そうでなきゃ、この私があんな簡単に引くわけないでしょう?」
「・・・・・・・・・」

                                                       終わり




*****************************************************************************************************************************************

  • 野生のゆっくり同士でやり合わせるつもりだったのに何故か最後研究所ネタが出てきました。なんでだろう・・・

  • "賢いゆっくりであるがゆえの苦悩"を書こうとしたんですが、おまけ程度で終わってしまいました

  • fuku718あたりを読むと後半読みやすいかもしれません。(読まなくても全く問題はありません。)

  • fuku787の方をとても尊敬していて、途中あれを意識して書きました。

  • 批評は大歓迎です。参考になります。

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最終更新:2022年05月03日 17:09