※人間、妖怪等は出てきません
※交尾シーンがあります
※俺設定あります


ゆっくりを構成する比較的単純な構造の餡子遺伝子。
複雑な結びつきもなく、親から子、子から孫へと受け継がれるほとんど同一のもの。
だが今ここに、何万何億分の一の確率でそれが突然変異した。


「ゆ~♪ ゆっくりしていってね~♪」

一匹のゆっくりれいむが巣の中で歌を歌っていた。
その頭からは蔦が生え、子供の実が八個生っている。
どれもこれもが震え、もうすぐ生まれ落ちそうだ。

「ゆゆ~♪ ゆっくりしたあかちゃんがうまれてね~♪」

やがてその内の一つ、一番大きな実がポトリと蔦から落ちた。
母となったれいむは期待に満ちた眼差しでその子供を見つめる。
大きな帽子と美しい金色の髪。長女としてうまれたその子はまりさ種だった。
しばらくぷるぷると震えたのち、赤ちゃんまりさが大きな目をパッチリと開けた。

「ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」

母れいむは喜ぶと同時にとても驚いた。
何故なら、その赤ちゃんの活舌がとても良かったからだ。
だがその驚きも、初めての自分の子供を前にした喜びでは些細なことだった。
母れいむは満面の笑みで赤ちゃんまりさに言う。

「ゆ! れいむがまりさのおかあさんだよ! ゆっくりしていってね!」
「ゆー! おかーさん、ゆっくりしていってね!」

母と子供はお互いの頬を擦り合わせた。
人間でいえば抱擁にあたるその行為は、二匹の心に安らぎを与える。

「もうちゃんとしゃべれるなんて! まりさはとってもかしこいこだね!」

このまりさこそ、餡子遺伝子の突然変異によって生まれたゆっくりだった。
既に体が普通の赤ちゃんゆっくりより若干大きく、活舌も良い。
悪い言い方をすれば奇形、良い言い方をすれば進化したゆっくりである。
まりさが生まれたのを皮切りに、次々と子供達が蔦から落ちていった。
長女まりさを除けば、赤ちゃんゆっくりは全部で七匹。れいむ種が三匹にまりさ種が四匹だった。
まりさは母親と共に、生まれた自分の妹達に祝福の挨拶をした。

「「ゆっくりしていってね!」」
「「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」」」」


それから一週間、まりさは他の子供達と共にすくすくと育っていた。育ちすぎだといってもいいだろう。
その能力の高さから、ある時は母親と一緒に食べ物を探しに出かけたり、またある時はまだ幼い他の姉妹たちをなだめたりしていた。
母から聞いたところ、もう片方の親であったまりさは"れみりゃ"というゆっくりに食べられてしまったらしい。
だけどもまりさは悲しくなかった。お母さんれいむがもう片方の親の分まで自分達を愛してくれていると感じていたから。
そして、そんな家族に転機が訪れる。

ある晴れた日のことだった。一家は巣の近くの草原でゆっくりしていた。
お昼ご飯を食べ終え、元気に草の上を駆けまわるもの、母親に寄り添って昼寝をするもの等様々である。
母れいむとまりさもその様子を微笑んで見ながらゆっくりしている。
まりさは既に大人ほどの大きさになっていた。とは言ってもまだ母よりは小さい。
それでもその落ち着いた雰囲気は姉妹や同年代のゆっくりとは比べ物にはならない。
怒ると怖いけれど誰よりも自分達子供のことを一番に考えてくれるとっても優しい母。
まだまだ幼いけれど元気と明るさでは誰にも負けない妹たち。
皆に囲まれてまりさは幸せだった。
だがその幸福な時間が突如終わりを告げる。

「う~! た~べちゃうどぉ~!」

突然聞こえた声。それに真っ先に反応したのは母れいむだった。

「…!! みんな、ゆっくりしないであつまってね!」

ゆっくりとは思えない機敏さで子供の前に立つ母れいむ。まりさも野原で遊んでいる妹達を集める。
子供達は母れいむとまりさの後ろに隠れる形となった。
そんな一家の前には、婆臭い帽子を被った人間の子供のようなゆっくりが空を飛んでいる。
まりさは以前母から聞いた言葉を思い出した。
れみりゃ。それは自分たちを食べる非常に恐ろしいゆっくりらしい。
まりさのもう一人の母親であるまりさもれみりゃに食べられたと聞いた。
そして今目の前にいるこいつこそがそれなのだろうと判断した。

「れみりゃはおなかがすいてるんだどぉ~☆」

両腕を天に掲げながら、れみりゃはゆっくりとれいむ一家に近づいていく。
知能はゆっくりの中でも1、2位を争う低さなのにその生まれ持った力によって捕食種となっているゆっくりれみりゃ。
あまり知恵も力もない普通のゆっくりにとっての天敵である。
しかも体付きの希少種ともなればゆれいむやゆまりさでは到底敵わない。

「う~♪ おいしそうだどぉ~♪」

徐々に迫ってくるれみりゃにまりさ以外の子供達は怯え震えている。
母れいむに緊張が走った。駄目だ、このままでは皆やられてしまう。
とその時、まりさがれみりゃに突撃した。

「おかあさん、みんなをつれてかえってね!」

それは一か八かの賭け。自分がれみりゃの気を逸らしているうちに皆は逃げることができる。
いや、もしかしたら自分ならこいつを倒せるかもしれない。
しかし、その希望は無残にも打ち砕かれた。

「と~ったど~!」
「ゆっ!?」

がちっと両手で捕まえられるまりさ。
逃げようと暴れるが、その手はびくともしない。
むしろもがけばもがくほどれみりゃの指が皮に食い込み、まりさに痛みをもたらす。

「う~! いただきま~~すだどぉ~♪」

れみりゃが口を大きく開いた。その中には何本もの鋭い牙がギラギラと輝いている。
迫りくる絶望。自分の力では絶対にのがれることの出来ない死。
今になってまりさは自分の軽率な行動を悔やんだ。少しでも勝てると思った自分は馬鹿だった、と。
大きく口をあけたれみりゃが近づいてくる恐怖からまりさは目を閉じ、命の終わりを覚悟したその時。

「れいむのこどもをはなしてねっ!」

どんっ、という音と共にまりさの体に自由が戻る。
一瞬宙に浮かぶ感覚とその後に来る衝撃。れみりゃの手から解放され、地面に落下したのだった。
目を開けて状況を確認するまりさ。
彼女の視界には不満そうな顔をしたれみりゃとそれに立ち向かう母の姿が映った。

「う~、れみりゃのしょくじをじゃまするんじゃないどぉ~~!!」

ぷりぷりと怒るれみりゃは駄々っ子のように手を振り回す。どう見ても何も考えていない、からっぽの頭にふさわしい攻撃。
だがその力はゆっくりにとっては馬鹿に出来ない。
例え成長しきった大人ゆっくりでもその一撃をくらえばしばらくは動けなくなるだろう。
それを母れいむは避け続け、れみりゃの隙をついて体当たりをしかける。

「う゛~~!! いたいどぉ~~!!」

呑気な声色からは攻撃が効いているのかいないのかさっぱりわからない。
とはいえ全く効果がないわけではないようで、徐々にれみりゃの手の動きが遅くなっていた。
まりさは妹達と合流し、母れいむとれみりゃの攻防を見守る。

「がんばれおかーしゃん!」
「そんなやつ、やっちゅけちゃえ!」

赤ちゃんゆっくり達は次々に母を応援し始めた。
お母さんが守ってくれるから大丈夫だ、という考えがあるのかその顔には安堵の色が浮かんでいる。
しかし、先ほどれみりゃに捕まっていたまりさは嫌な予感がした。
いくら母が強いといえどあの怪物のような力に勝てるのだろうか。
そして予感は的中することになる。
今までなんとか避けていたれみりゃの拳が母れいむにクリーンヒットしたのだ。
ゆ゛ぐっ! という呻き声と共に地面へと崩れる母れいむ。その口からは餡子が漏れていた。

「う~♪ れみりゃはつよいんだどぉ~~♪ れみ、りゃ、うー☆ きらっ☆」

くるくると頭の悪さ100%な踊りを踊るれみりゃ。その落書きのような顔には無邪気な笑顔が浮かんでいる。
一方、地面に倒れたままの母れいむは既に虫の息である。
たった一撃、されど一撃。これが捕食種と被捕食種の力の差だった。

「ゆ゛ゆ゛っ…ゆ゛っ…」

ほとんど焦点の定まっていない目で母れいむは子供達の方を見る。
まりさと母れいむは目が合い、無言での意思疎通をした。
(まりさ、みんなをつれてにげてね!)

「う~、ぷりちーにおどったどぉ~♪ じゃあそろそろたべるどぉ~♪」

踊り終わったれみりゃが母れいむを掴み上げる。
それと同時にまりさは姉妹を連れて逃げ出した。姉妹を口に含み、まりさは駆ける。
後方から母の断末魔が聞こえてくるが、それでも走り続ける。涙が風に乗って流れて消えた。


体力の限界まで走り続けた結果、辺りは薄暗くなっていた。
ここまでくれば大丈夫だろうとまりさは口を開く。

「ゆっ!? ここはどこ?」
「おそらがくらいよ! いつのまによるになっちゃったの?」
「おねーちゃん、おかーしゃんはどこにいっちゃの?」

わけがわからず混乱している姉妹たちにまりさは数時間前の出来事を説明する。
母親は自分の身を犠牲にして子供達を守ったこと、そしてまりさが皆を連れて逃げだしたこと。

「うしょだぁぁぁぁぁ!! おかーしゃんがじんじゃうわけにゃいよぉぉーーー!!」
「びええぇぇぇぇぇぇ!! おかーしゃあああああああん!!」
「おねーちゃんのばかーー! どうしておかーしゃんをたすけなかったのぉぉ!!!」
「ごのうそつぎ! おねーぢゃんのうそづき!」

口々に泣き叫ぶ姉妹たち。中には自分たちの命を救ったまりさを罵倒する者もいる。
だがまりさは反論できない。
姉妹たちは幼く、そして何より自分の軽率な行動によって母親は死んでしまったとまりさは感じていたからだ。
あの時もっと慎重にしていれば皆助かっていたかもしれない。そう思うとまりさの心は暗くなる。
しかも無我夢中で走り続けたせいか、辺りを見回してもここがどこだかさっぱりわからない。
おうちに帰れないし、食べ物もない。赤ちゃん達はまだ泣きやむ気配もない。
その時、まりさ達に声をかけたゆっくりがいた。

「あら? あなたたちどうしたの?」

それはゆっくりありすだった。
とても美しい金色の髪を持ち、その頭には可愛いカチューシャが付いている。
彼女はまりさの妹達の鳴き声を聞きつけてやってきたのだった。

「ゆ…じつはおうちにかえれなくなっちゃって…」

まりさがそう言うと、ありすはにこにこと笑顔を浮かべて提案した。

「じゃあこんやはありすのおうちにこない? あかちゃんたちもつかれてるみたいだし」
「ゆー、いいの?」
「えぇ、もちろん! たべものもたくさんあるわよ!」

にっこりと微笑むありす。その笑みに悪意は全く感じられない。
このゆっくりは大丈夫だ、とまりさは判断した。
ならお言葉に甘えさせてもらおう。

「ゆー、ごめんね。じゃあこんやだけおせわになるよ!」
「ふふっ、きにしないで。おうちはこっちよ、ゆっくりついてきてね!」

ありすが森の奥へと進み、まりさ達姉妹も続いた。
しばらく歩いて巣の場所に着くと、ありすは入り口を覆っていた葉や枝を除け、まりさ達をその中へ招いた。

「ここがありすのとかいはなおうちよ!」

中はゆっくりにとってはとても大きかった。
まりさ達姉妹が全員入ってもまだまだ余裕のある、ありす一人暮らしには広すぎるような巣だ。

「ゆー! しゅっごくおっきぃー!」
「れいみゅたちのおうちよりひりょいね!」
「ゆ! こっちにきりぇいなもにょがいっぱいありゆよ!」

赤ちゃん達はこれまで見たことないような大きさの巣と数々の美しい装飾品に興奮している。
ぴょんぴょん跳ねまわる妹達を見て、まりさは慌てて声をかけた。

「みんな! あまりはしゃいじゃだめだよ! ありすにめいわくだよ!」

それをまりさの横で聞いたありすは、微笑んだまま優しく言う。

「あら、べつにいいのよまりさ。あかちゃんはげんきにうごきまわるのがしごとなんだもの!」
「そ…そう? ごめんね」

まりさは思った。ありすはなんて心の広いゆっくりなのだろうと。
見た目も美しく、性格も優しい。まりさにはありすがまるで女神のように思えた。

「さて、みんなおなかすいてるでしょ? ゆっくりあつまってね!」

その言葉に今まで飛び跳ねていた赤ちゃんゆっくり達は我先にとありすの元へと集まって来た。

「おなかしゅいたよー!」
「ありしゅおねーしゃん! おいしいたべものちょーだい!」
「えぇ、こっちへいらっしゃい!」

ありすは巣の奥へと皆を案内した。
そこにあるのは美味しそうな木の実や昆虫、美しい花やキノコ等の食料の数々。
それを見た赤ちゃん達はだらだらと涎を垂れた。

「ゆー! とっちぇもおいちしょー!」
「みんな! えんりょせずにたべてね!」

ありすが言い終わるや否や、赤ちゃん達は一斉にご飯を食べ始めた。

「いただきまーちゅ!」
「むーちゃむーちゃ、しあわしぇー!」
「とってもおいちーよー♪」

無我夢中で食事をする赤ちゃんを見て、ありすは幸せそうに微笑んでいる。
と、そこで一番大きな姉まりさがずっと食べ始めないのを疑問に思った。

「どうしたの? おなかでもいたいのかしら?」
「ううん、そんなことないよ。あのね、ありす。ほんとうにありがとう!
ありすのようなゆっくりにであえてよかったよ!」

その言葉に一瞬ありすは驚いた顔になるが、すぐに恥ずかしそうな笑みを浮かべた。

「ふふっ、ありがとう。さあ、わたしたちもごはんをたべましょう。そしてきょうはゆっくりやすむといいわ!」

まりさは頷き、ありすと一緒にご飯を食べ始める。
ずっと走って体力を消耗したせいか、今までで一番美味しいご飯だとまりさは感じた。
夕飯を食べ終えると、赤ちゃん達はありすやまりさと楽しく遊んでから眠った。
まりさもそれから程なくして眠り始めた。


どれぐらい眠っただろうか。
深夜、まりさは聞こえてきた奇妙な音で目を覚ました。

「んほ……ちっこ…まり…かわい……」
「やべ…どお………きぼぢわりゅ……」

何の音だろうと思い、目覚めたまりさが見た光景は――。

「んほおぉぉぉぉ!! そろそろイきそうよおぉぉぉぉ!!」
「い゛や゛あぁぁぁぁぁぁ!!」

ありすが頬を赤く染め、涎を垂らしながら妹まりさに頬擦りしていた。
いや、頬擦りではない。これは交尾だとまりさは本能で理解した。
ありすは目を血走らせ、荒い息を吐きながら素早く何度も頬を上下させる。
赤ちゃんまりさはありすに押さえ込まれ、身動きできずにただ泣き叫ぶしかなかった。
やがて頬を動かすスピードが一層早まり、ありすは恍惚の表情を浮かべる。

「ハァハァ…んほおぉぉぉ!! イグうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「びやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

長い断末魔を響かせて、赤ちゃんまりさは白目を剥き、口から餡子を洩らす。
直後、その頭から小さな蔦ば生えるがすぐに枯れた。
そしてそれと同時に赤ちゃんまりさの体が黒ずんで朽ちてゆく。

「ハァ…ハァ…すっきりー♪」

行為を終えたありすは気持ちよさそうに声を上げた。たがその目は未だに充血し、息も落ち着かない。
それを見ていたまりさは一連の出来事が信じられなかった。
というより一体何が起こったのか頭が処理できないでいる。
ありすが妹と交尾した? 何故? 妹は死んだ? あれはありすなのか?
様々な思いがまりさの中で渦巻き、混沌としてゆく。
ふと見ると、今朽ち果てた妹の他にももう一匹、妹れいむの死体がありすの足元に転がっているのを発見した。
こちらも同じように体が黒ずんで死んでいる。
それを見たまりさは思わず小さな悲鳴を上げた。

「ヒッ…!?」
「あら…まりさ、おきちゃったのね…」

と、そこでありすはまりさが目覚めていることに気づいた。
欲望でギラギラ輝かせた目はまるで捕食種が獲物を狩る時のようである。
未だ混乱の収まらないまりさに、ありすは勢いよく跳びかかった。

「ま゛り゛ざあああぁぁぁぁ!! すっぎりじましよおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

どっしりとありすはまりさにのしかかり、その体を押さえつける。
餡子遺伝子の異変により進化したまりさは、普通のゆっくりより力が強い。
体は一回りほど小さいが、並みの大人ゆっくり相手なら喧嘩をしても勝てるほどである。
だから今自分にのしかかっているありすもはねのけようと思った。
しかし、いくら力を入れてもありすにそれ以上の力で押さえつけられ、体が動かない。

「んふふぅぅぅ!! そんな゛にからだをくねらせでええぇぇぇ! さぞっでるの゛ね゛ええぇぇぇぇぇ!!」

元々ぱちゅりー種以外の通常種のゆっくりにそれほど身体能力に差はない。
一般的にまりさ種が強いといわれているがそれも大体思い込みによるものである。
だがありすだけは違う。
確かに普段は他のゆっくりと似たような運動能力である。
しかし、発情時のありすはリミッターが外れ、身体能力が飛躍的に向上するのだ。
それはこのありすも例外ではない。

「ありす! どうしちゃったの!? やさしいありすにもどってよ!」

押さえつけられたまりさは眠る前までのありすを思い出し、呼びかけるがありすは全く聞いていない。
目を血走らせ、涎をぼたぼた垂れ流しながら息を荒げている。
その顔に先程までの美しく優しいありすの面影は全く無かった。
元々このありすはこっちの方が本性なのだが、当然まりさはそんな事は知らない。
優しいお姉さんのふりをし、ゆっくり達を巣へと招いてじっくりと犯す。
それがこのありすの趣味だった。
ちなみに、この巣も本来の持ち主であったゆっくり一家を犯し殺して奪ったものである。

「さあ、まり゛さ! いっしょに゛ずっきりじましょぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ありすがまりさの頬をねっちょりと舐めた。

「や、やめてね!」

何とかありすから逃れようと体を動かすが、強い力で抑えつけられていて身動きが出来ない。
そんなまりさの様子を、発情したありすは息を荒げながら見ていた。

「うふふふふふ、まりさとぉぉってもかわいいわああぁぁぁ! いまきもちよくしてあげるからね゛ええぇぇぇぇ!!」

べろりと再びまりさの頬をありすは舐める。
ぬめぬめした感触がたまらなく気持ち悪い。だがありすはそんなまりさなどお構いなしに舌を這わせ続ける。
しばらくすると、ありすの舌が頬から唇へと移動し始めた。

「…!! や、やめっ!」

まりさが思わず口を開いた瞬間、ありすはその口内に舌を挿入した。
そのままありすは舌同士を絡ませ、自らの唾液をまりさの中へと送り込む。
ねっとりと口から口へ移動する唾液。
まりさは強烈な吐き気を催し、何とか逃れようとするがありすの力は強く、相変わらず身動きすらできない。
抵抗することもできず、まりさはありすの愛撫を受け入れることしかできなかった。
巣の中にぴちゃぴちゃという音が響く。
ありすの舌はまりさの口内を余すところなく舐めていく。
しばらくの後、ありすは自分の唇をまりさのそれから離した。
見ると、まりさの目には涙が浮かんでいる。

「ぷはぁ…もしかしてふぁーすとちゅっちゅだったのかしらぁぁ? じゃあやさしくしてあげないとねぇぇぇ!!」

そう言ってありすは自分の頬をまりさのそれと擦り合わせ始めた。
最初はただ単に擦っていただけだったが、次第にありすの頬から体液がじわじわと滲みだす。
それが潤滑油となり、ねちゃねちゃと音を立てて頬擦りは性行為へと変化した。
悪寒。自分の体が汚される感覚がまりさの中を駆け巡る。

「んふふ、どうまり゛ざああぁぁ! きも゛ちいいでしよぉぉぉぉぉぉ!!」

ありすが相変わらず血走った眼で何度も何度も頬を上下させながら聞いた。
息使いは今まで以上に激しくなり、恍惚の表情が浮かべている。
だがまりさは気持ちいいとは到底思えない。むしろとても気持ち悪かった。

「はなしてっ! ぜんぜんきもちよくなんかないよ!」
「んもおおぉぉぉぉ! まりさってばつんでれなんだから゛ああぁぁぁぁぁ!!」

まりさの抗議もありすは聞く耳持たずである。
何度も何度も体をくねらせて頬を擦りつけ、たまに頬で頬を叩く。
どんどんとそのスピードは速くなっていき、ありすの瞳もとろとろになっていった。
だがまりさは相変わらず気持ち悪いだけである。
猛烈な吐き気を我慢し、必死に耐えていると、ありすは今までで一番素早く頬を上下させた。

「んほおおおおぉぉぉぉ!! イぐううぅぅぅぅぅぅぅ!!」

絶頂に達する直前、ありすの体から全ての力が抜けた。そしてまりさはその隙を見逃さない。
自分を押さえつける力が無くなった瞬間、全力を込めてありすを跳ね飛ばした。
無防備だったありすの体は大きく宙へと舞い上がる。

「うぐっ! ぐべぇっ!?」

自分の身に何が起きたのかわからず、ありすは事態に対処できずにそのまま仰向けに地面へと落下した。
床に叩きつけられ、その衝撃で口からカスタードを吐きだす。
まりさはありすに飛び乗り、体重を乗せてとび跳ねた。
どすんどすんと音がする度にありすの体が潰れ、口からカスタードが勢いよく嘔吐される。

「ゆべっ! ご、ごめんなざいぎぃっ! ま゛、まりう゛ぶぇっ! ゆ、ゆるじで…」

だがまりさは一心不乱にありすの体を踏み潰していく。
踏みつけるたびにありすはカスタードを吐き、体の破れた部分からも漏れる。

「ぷぎゃっ! ご、ごんなの…ぶべっ! ど、どがいはじゃ、げぼっ! な゛いわ゛…!」

しばらく踏み続け、まりさが気付いた時にはありすはただのカスタードの塊となっていた。
ハァハァと息を荒げ、まりさはかつてありすだった物を見つめながら、ごめんねと心の中で謝った。
まりさは眠る前の記憶を思い出す。
全く知らない土地で、とても親切にしてくれたありす。
美味しい食べ物も沢山貰ったし、赤ちゃん達とも遊んでくれた優しいお姉さん。
それがどうしてこんなことになったのか。
中身が飛び散ったありすの死体と黒く朽ち果てた二匹の妹を見てまりさは涙を流した。

翌朝。
まりさは妹達が目を覚ます前に口に含み、ありすの巣から出た。
昨夜の出来事から、まりさの気持ちは沈んでいた。
しばらく進んだところで妹たちが目覚めたので口の外に出す。

「ゆー? ここどこぉー?」
「ありしゅおねーちゃんはー?」

辺りを見回し、不思議そうにしている姉妹たちにまりさは優しく言った。

「ありすおねーちゃんはとおくにいっちゃったの。あかちゃんたちによろしくっていってたよ」

それを聞いた赤ちゃんゆっくり達は不満の声を上げたが、しばらくすると大人しくなった。
どうやら姉妹が二匹減っていることにも気づいていないようだ。
ありすのことは覚えているのに、おかしな話である。
赤ちゃん達の中では食べ物をくれた優しいお姉さん>姉妹であるらしい。
これからどうしようとまりさは考えた。
行くあてもないし、かと言っておうちへの帰り道もわからない。
今は自分達がゆっくりできる場所は無い。
そこで妹達にも聞いてみたところ、次のような答えが返って来た。

「ゆ! じゃあれいみゅたちのゆっくちぷれいしゅをみちゅけようよ!」

まりさもそれしかないな、と思う。
簡単な事だった。無いのなら見つければいい。

「ゆ! じゃあみんな! これからまりさたちのゆっくりぷれいすをさがしにいこうね!」
「「「「「ゆー!」」」」」

まりさは元気を絞り出し、妹達に言う。
こうしてまりさ姉妹のゆっくりプレイス探しの旅が始まった。




あとがき
お兄さんの出ないSSを書こうと思った結果がこれだよ!
ゆっくりのみというのも中々難しいですね。
遅筆ですが、これから頑張って完結させたいと思います。
あと、作品も結構溜まって来たので生意気にも作者名をつけたいと思います。

  • 今まで書いたもの
それいけ! ゆっくり仮面
ゆっくり仮面の憂鬱~邪悪な心~
お兄さんの逆襲 前後編
ゆっくりれいむの悪夢

by.ダイナマイト横町





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最終更新:2022年05月03日 15:43