あるゆっくり家族の話
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「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」
虐待お兄さんが山道を歩いているといきなりゆっくり達に声をかけられた。
声がしたほうを振り向くとそこには親れいむと親まりさ、それに子れいむと子まりさが数匹の家族。
野生の動物もそうだが、野生のゆっくりも基本的に警戒心が強い。
にも拘らず、声をかけてくるとは今までゆっくりを虐待していたことに対して復讐しにでも来たのかね。
それにしてはこちらを憎む様子もなく、純真な瞳でこちらに笑顔を向けてくるが。
う~ん、何が目的か分からん。飼いゆっくりだったのかな。
「いっしょにゆっくりしようね!」
「おにいさん、ゆっくりできてる?」
親まりさと子れいむは私の脚に頬を擦り付け
親れいむや子まりさはぴょんぴょん跳ねながらゆっくりしようと言っている。
愛でお兄さんならば喜ぶ状況かもしれんが、私にはゆっくりを愛でる趣味はない。
それに頬を擦り付けるのはゆっくりの親愛の表現だが、私にしてみたらうざいことこの上ない。
足を振り上げ、一番近くにいた親まりさをボールのように蹴りあげる。
「ゆぎぃ!」
バスケットボールほどの親まりさは吹き飛び、綺麗な放射線を描きながら木にぶつかった。
口からは少量の餡子を吐き出しているが命に別状はなさそうだ。
「ゆゆ! まりさ、だいじょうぶ?」
「れいむ、まりさはへいきだよ!」
「おにいさん、ゆっくりしていってね!」
「まりさたちといっしょにゆっくりあそぼうね!」
親まりさに攻撃したにも関わらず、ゆっくり達の様子は攻撃前と変わらない。
なんだこいつら。
まだ足に頬を擦り付けていた子れいむを掴み目の前に持ってくる。
「ゆゆっ!!おそらをとんでるみたい!!」
「れいむたのしそう! まりさにもゆっくりおねがい!」
「おにーさんもれいむもゆっくりしているね!」
「こどもたちとあそんでくれて、おにいさんはゆっくりできるひとだね!」
さっき攻撃したことも忘れ、ゆっくり達は喜んでいる。
これからどうなるかも知らずに哀れなものだ。
口のところまで持ってくると、思い切り子れいむの頬の齧り付いた。
「ゆ!」
まだ小さかったこともあり、一口で子れいむの体の半分近くがなくなった。
「程よく甘さが抑えられてて美味いな」
加工場で出荷されたゆっくりほど甘くはないが
山道を歩いて疲れていた身には、これくらいが丁度良かった。
もう死ぬのも時間の問題だろうと思っていると
「ゅ・・・おにいさん・・・ゆっくり・・・たべ・・・て・・ね」
食べて欲しいなら食べてやろうじゃないかと最後まで食べ尽くす。
ふと周りのゆっくり達が静かなので見てみると、子れいむの家族達は涙を流していた。
目の前で子供を食べられたら当然の反応かと思っていると
「おねーしゃんはすごいゆっくりだね!」
「ゆぅぅぅ! れいむはりっぱなゆっくりだったよおぉぉ!」
「ゆぅ! さすががまりさのこどもだね!」
何この反応?
通常のゆっくりならば子供が死んだことに嘆き悲しみ
私に対して無謀にも攻撃をしてくるとところだが
このゆっくり家族は食べられたゆっくりを褒め称えていた。
あれか、外見はれいむとまりさだが中身はゆっくりてんこなのか?
確かめるために、今度は子まりさを持ち上げる。
「おにーさん、こんどはまりさとゆっくりあそんでくれるの?」
「そうだな、一緒に遊んでやろう」
と言うなり、頬をゆっくり引っ張り始める。
「いたいよ! ゆっくりやめてね!!」
「おにいさん、れいむのこどもにいたいことはやめてね!」
虐待されることを喜ぶゆっくりてんこと違って
どうやら痛いことはさすがダメらしい。当然と言えば当然だが。
それにやめるつもりはない。頬を引っ張られ痛がる子まりさを見ていると嗜虐心が刺激される。
「ふふふ、まりさはどこまで伸びるのかな」
「おにーさん・・・ゆっく・・・り・・・」
ブチッという音と共に子まりさは顔を真っ二つにされ死んだ。
「れいむのじまんのこどもだよ!」
「まりさのこどもはゆっくりがんばったよ!」
ああ、なるほど。
どうやらゆっくりを殺すと喜ぶようだ。
私には理解できない思考回路だが、餡子脳だし理解できなくて当然か。
それに、ゆっくりが死ぬと喜ぶならもっと喜ばせてやろうじゃないか。
手近にいた子まりさを思い切り踏み潰す。
「ゆ!」
「まりざのごどもがぁぁぁぁ!」
「おにいいざあぁぁあん! やめでえぇぇぇ!」
あれ、さっきと反応違くね?
真っ二つにするのはありだけど、踏み潰すのはなしですか?
今度は子れいむを掴み、さっきの子まりさ同様に頬を引っ張り真っ二つにする。
「いだい! いだいよおぉぉ! だずげでええぇぇ!」
「ゆあぁぁぁぁぁぁぁ!」
「ゆっぐぢじようよおぉぉぉぉ!」
同じことを繰り返しただけなのにさっきは喜び子供を褒め称え
今回は子供が死んだことを嘆き悲しんでいる。
何故?
ふと思考のループに嵌っているとまだ何もされていない子れいむ達が近づいてきた。
家族が殺され続けているのに、近づくなんてどれだけ餡子脳なんだ。
「おにいさんにゆっくりしてもらうためにおうたをうたうよ!」
「は?」
子れいむ達はいきなり意味不明なことを言い出した。
というか、今までの流れでなんで歌が出てくるんだ。
歌は世界を救うってやつですか。
「ゆ~ゆ~ゆ~♪」
リズムを取っているつもりなのか体を左右に震わせて子れいむ達は歌い始めた。
が、ゆっくり達にしてみればすごく上手なつもりなのかもしれんが
人間からしてみれば、音程もリズムもばらばらの不協和音で聞くに堪えない。
「下手だな」
と言って耳障りな歌らしきものを歌っていた子れいむ3匹を踏み潰す。
「ごめ・・・んな・・・い」
「ゆぅ~、まりざだぢがだめなおやでごめんねえぇぇぇ! 」
「れいぶがもっどうまぐおうだをおじえであげられなぐで、ごめんねえぇぇぇ!」
親ゆっくり達が踏み潰された子れいむに謝っていた。
いったい何がしたいんだ。
統一性がなさすぎるぞ。
なんか考えるのもアホらしく思えてきたので、もう普通に虐待することにした。
「おにいさん、ゆっくりしていってね!」
「ゆっくり楽しませてもらおうか」
さすがにここは山道で日頃から虐待の道具を持ち歩く趣味もないので
武器は徒手空拳しかないが、ゆっくりを虐待するだけならばこれで十分だ。
親れいむを拳で思い切り殴りつける。
「ゆぐぅ!」
「おにーさん、ゆっくりしようね!」
親れいむ顔から地面にぶつかり、顔面に擦り傷を沢山できてしまった。
親まりさのほうは、ぴょんぴょん跳ねながらゆっくりしようと言っているだけで何故か私の攻撃を止める気配がない。
止めないこといぶかしみながらも今度は親れいむの側頭部をつま先で蹴り上げる。
「ゆあぁぁぁ!」
つま先で蹴り上げたせいか右の側頭部から後頭部にかけて皮と餡子が吹き飛んだ。
髪も髪飾りも滅茶苦茶になり、餡子も大量に失われもう命はないだろう。
親れいむは瀕死の体を頑張って動かしてこちらを見ると微笑んだ。
「おにいさん・・・とても・・・たのし・・・そうだ・・・ね! れいむはね・・・おにい・・・さんがゆっくり・・・できて・・・うれしいよ」
「なっ!」
まさかゆっくりがこんなことを言うとは思いもしなかった。
「さすがまりさのれいむだよ! すっごくゆっくりしているよ!」
れいむが命を賭けて行った行為にまりさは涙を流しながら褒め称えた。
「おにいさん・・・ゆっくりしていってね!」
そう言い残すと親れいむは餡子を吐き出し事切れた。
ゆっくり達の行為の意味に
ようやく虐待お兄さんは気付いた。
このゆっくり一家は普通のゆっくりと違い
ゆっくりさせたい相手がゆっくりしていると喜び
ゆっくりできていないと悲しんでいたのだ。
そして、そこに自分達の命の損得勘定は一切ないようだ。
ただゆっくりさせたい相手にゆっくりしてもらうために命を賭けていたのだ。
虐待お兄さんは困った。このゆっくり一家はゆっくりてんこ並に厄介だ。
何故ならこちらが行為の如何に関わらず楽しんでいると喜ぶのだ。
つまり喜ばせないためには虐待しても楽しんではいけない。
厄介すぎる。というか、虐待の意味がない。
虐待お兄さんはもう親まりさしか生き残っていないが見逃すことにした。
「あー、まりさ、お兄さんはとてもゆっくり出来たよ」
「ゆっくりできたんだね! まりさはうれしいよ!」
「ああ、だから他の人もゆっくりさせてあげてね」
「ゆっくりりかいしたよ! おにーさん、ばいばい!」
なんかすごく疲れた。
変わった性格のゆっくりまりさと別れて
帰途についているとまたゆっくり一家と遭遇した。
警戒している様子を見せたので問答無用で親まりさを踏み潰した。
「ゆぎゃ!」
「もうやだ! おうちかえる!」
「どうじでごんなごどずるのおおおおぉぉぉ!」
「あははは、やっぱゆっくりはこうでなくちゃ。」
安心した顔で帰途へと着いた。
終わり
相手をゆっくりさせることに命をかけるゆっくり達と虐待お兄さんの話でした。
fuku2479.txtのSSとネタとオチが被っております。
ゆっくり書いた結果がこれだよおおおおお。
どうでもいいことですが名前の言い方は
れいむ種はおにいさんと呼び
まりさ種はおにーさんと呼ぶような気がする。
はい、どうでもいいことですね。
by 睡眠不足な人
今までに書いた作品
- ドスまりさのお願い(前)
- ドスまりさのお願い(後)
- 楽園
- 楽園2-裏側
- あるゆっくり家族の話
最終更新:2022年05月03日 15:55