庭に生えてる木に籠を吊るしてその中に切ったみかんを入れておく

昔聞いた野鳥の観察の仕方だが、正直うろ覚えでちゃんとあってるのかが分からないので試してみる事にした。
日が沈んでから100均で買ってきた籠を木に吊るし、みかんを入れる。
これで朝になればスズメやらウグイスやらが来る…筈である。
正直うろ覚えの知識なんて当てにならんし、1週間試して来なかったら止めてしまおう。
鳥が来ることを祈りながら、今日は床に着いた。


朝起きて庭に出て成果を確認する。
結論を言うと、一応来てはくれた。
だけど、それは野鳥何かではなく近頃現れ始めたうーぱっくであった。


捕食種のれみりゃと鳴き声は似てるものの、れいむやまりさ等と友好関係を築いているゆっくりだ。
こいつはダンボールの体の中にゆっくりを入れて飛んで運ぶことができ、その為ゆっくり達に侵入されないように畑を囲んでいる柵が最近では意味を成さなくなっている。
一応こいつも物を食うのだから籠の中のみかんを食うのは不思議ではない。
しかし、俺はこいつを呼びたくて準備したわけではないのだ。
籠に顔を突っ込んで「う~っう~」言ってるこいつをどうしてやろうか考えていると、うーぱっくが不意にこちらを見た。
口から涎の如く果汁を垂らしフラフラ俺の周りに飛んできたうーぱっく。
どうやらもっとくれと言っているようだ。ダンボールの癖に生意気な。

俺は家の中へ入り、台所の戸棚を開けて封は開いているが全然使っていないポップコーンの種を取り出す。フライパンで炙ると弾けるあれだ。
再び玄関へ行くと、うーぱっくが瞳を輝かせて待っていた。俺が家の中にみかんを取りに行ったと思ったのだろう。
そんな事あるわけがない。
うーぱっくを取り押さえて肘と膝で固定して逃がさないようにする。「うっう~!!」暴れてうるさいが我慢しよう。
ゆっくり達の乗る場所、うーぱっくのダンボールの中へポップコーンの種を全て入れ終えたら解放してやる。
うーぱっくは俺に解放されるとすぐに高く飛び上がった。きっともう俺の事を信用する事はないだろう。

だが、関係ない。

うーぱっくが飛び上がると、何匹かの鳩がうーぱっくの中へ入っていった。
やわらかい饅頭であるゆっくり以外と野菜くらいしか入れた事のないうーぱっくにとって、刺さる鳥の足は苦痛だろう。空でフラフラしている。
次第にうーぱっくは「う~~~~~~~~~~~!!!!」と、叫び声をあげ出した。鳩がうーぱっくの体を啄ばみ始めたのだ。
正確には、俺が入れたポップコーンの種だが。
鳥のクチバシというのは中々固い。そして鳩に餌をやった事のある人なら分かるだろうが、鳩は餌を載せている手の平ごと啄ばむ。
うーぱっくのダンボールの体の中はもうボロボロだろう。
そして、うーぱっくは体が大きすぎたのも不幸だった。
最初は数羽だった鳩が、どんどん集まり出している。
刺さる足、啄ばんでくるクチバシ、餌のポップコーンの種がなくなれば鳩もいなくなるだろうが、ほぼ一袋丸々入れたのだ。まだまだ無くなるまい。

「みて!! うーぱっくがとりさんにいじめられてるよ!!」
「うーぱっくおりてきてね!!」
「むきゅ、みんなでうーぱっくをまもるのよ!!」
「いなかもののとりたちはうーぱっくをいじめたらだめよ!!」

見上げてうーぱっくを観察していた俺の耳に、そんな声が聴こえてきた。
周囲を見渡すと、中々でかいゆっくりれいむとまりさ。それにありすとゆちゅりーがいた。仲良し4匹組みと言った所か。


うーぱっくはそのゆっくり達の声のする方へ降りていった。
最初は「ゆっくりやめてね!!」だの声をあげたが、鳩は啄ばむのをやめない。
傷ついていくうーぱっくを見て焦ったのだろう。とうとう鳩に体当たりを仕掛けた。
けれど、ゆっくりは所詮饅頭だ。
邪魔されて不快に思った鳩たちはゆっくりも啄ばみ始める。
「いだいよ!! はどざんやべでええええええええ!!」と叫び声をあげるゆっくり達。
しかし鳩は止めない。最初にゆちゅりーが皮を突き破られてしまった。他のゆっくりよりも皮が薄いゆちゅりーだから仕方がない。
「むきゅむきゅ」言いながら逃げ出そうとしたが、飛ぶことのできる鳩から逃げることはできずゆちゅりーは食われていなくなった。
残された三匹はゆちゅりーが食われたのを見て自分の末路を知ると、「いやだよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」といいながらバラバラに逃げ出した。

もう、うーぱっく何て関係ない。大切なのは自分の命だ。

だけど逃げれるわけもなく、鳩にどんどん啄ばまれていく己の体。
ゆっくり達の体は食べられてなくなり、後に残ったのは髪飾りと帽子だけ。
ゆっくりを食べ終えた鳩たちはどこかへ飛んでいってしまった。


そして忘れていたうーぱっくを俺は思い出す。
うーぱっくを見るとまだ生きており、「う-…」と呻き声をあげている。
上からダンボールの中を覗くと、入れたポップコーンの種は全て無くなっていた。鳩たちが全部食べたのだろう。
だが、うーぱっくのダンボールの体は鳩に啄ばまれた事によって所々穴が開いている。もう飛ぶこともできないだろうし、先は長くないだろう。
俺は家の中にもう一度入って仏壇からマッチを取ってくる。苦しまずに逝かせてやろう。

マッチを擦り火を点けて、うーぱっくの体の中に入れる。
ダンボールの体に火はどんどん広がりだす。どこにそんな元気があったのか、目を見開き、羽をバタバタ動かして自ら空気を送り込んでいる。
そんなに早く楽になりたかったのか…

やがてうーぱっくは灰になり、風に吹かれて飛んでいった。
死んでまで飛べるのだからあのうーぱっくは幸せなのだろう。





この後俺は近所のおばさんに「鳩に餌をやらないでくださいよ」と怒られた…

野鳩に餌をやると糞をするので餌をやらないようにしよう!!









こんな駄文を最後まで読んでいただき真にありがとうございます!!本当にお目汚し失礼!!
うーぱっくssを読んでいたら自分も書きたくなったので書いてみました。結果は相変わらずの駄文ですがorz
個人的にうーぱっくは叫び声を書くのが難しく、自分の中では色々物足りないものがあります。精進せねば…

感想フォームで『ますますきめぇ丸のことが好きになりました』と書いてくださった方、本当にありがとうございます!!
もう自分の中でのきめぇ丸はゆっくりではなく人間に近い何かになりだしています…



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最終更新:2022年05月19日 15:27