取材「対地攻撃」

今回の取材先は航空兵力にしよう、トップガンとエースコンバットで私はそう決意した。

「まあ絵にはなるからねえ」

今回の取材協力のお兄さんは気さくにハンバーガーを頬張りながらそう語る。
それにしても美味そうに飯を食う、食レポのがよかったかもしれないと後悔してきた。

「そんでもって、航空作戦の話しまひょか」

お兄さんはゲームのユニットを選択した。
兵員輸送のうーぱっくは現実で言うヘリコプターの様なユニットで、通常種のふらんやれみりゃなどは戦闘機や対地攻撃機に近い扱いをされている。
私は以前、取材中にコイツらを見なかったのを思い出し、質問をしてみた。
何故こいつらを見かけなかったのか。

「簡単ですよ、制空権も防空網制圧もされてないんですよ」

首を傾げると、お兄さんはユニットデータを見せてくれた。
最初の頃はれみりゃやふらんが暴れていたが、すぐに対空兵器が配備する事をプレイヤーが学び、展開や配置が巧妙になった。
ゆっくりが小さなロケット花火を打ち出す携行式から、すぃーに多連装のBBガンを据える重対空車両が息を潜めつつ睨んでいる。
その恐怖が指揮官にとって投入を躊躇させたのだ、撃墜されたらコストが嵩むんだから仕方ない。

「そうですなあ、ではこう言うリプレイデータがありますから参照に」

お兄さんは再生を開始した。
砂漠のステージ、まるでシナイ半島を彷彿とさせる大砂漠でゆっくり達が行軍している。
輸送すぃー(築地市場とかにある様なサイズ)を何台かと、連装対空BBガンを積んだ韓国陸軍のBIHOみたいなデザインをした対空装甲すぃーが数台の車列だ。
前線まで2400m、マップが最大15キロから20キロで長射程火器すら観測情報が無いから飛んでくるわけもない、砲声も他人事の様に遠く聞こえる。
輸送すぃーの上ではまりさとみょんにより構成された砂漠歩兵ゆっくり<ゆばいと>が、TAR-21小銃みたいなデザインをしたゆっくり用ライフルを持って乗っている。

「あづいんだぜぇ・・・」
「おいしんぺい、尻が焼けてくっつくからおぼうしは下にしくんだぜ」
「ぐんそうはものしりなんだねー、わかるよー」

どうやらこの25匹の部隊の指揮官ゆっくりはベテランらしい、お兄さん曰く「この1日前の戦闘で戦術八卦炉を投下された市街地から生還した数匹」の1匹らしい。
輸送すぃーの運転手がクソみたいなゆっくりラジオ(--戦意高揚の為にありすなどが放送するラジオ--)を流し、先頭のすぃーはYTO(ゲームの勢力、ゆっくり条約機構)軍旗を掲げて進んでいる。

「きぶんがのってきたんだねー、せんそうなんだねー、わかるよー」
「はっはっはっ、きょうのしんぺいはイキがいいんだぜ」

その時だった、先頭を進んでいた輸送すぃーが突然ピンク色の光を放って爆散した。
弾幕シューティング、明らかにふらん系の煌めきだった。
爆散した先頭すぃーから燃えながら中隊本部指揮班のぱちゅりーが出てくるが、すぐに黒くなって動かなくなった。
先頭すぃーの近くでは重傷のゆっくり達が叫び声を上げている。

「いだいよおおお!!」
「あああぁぁぁ・・・」
「おがあざああん・・・」

熟練のまりさ軍曹は直ちに小隊を把握して部下に降りろと命じた。
新兵ゆっくりは明確な指示を受けて慌てて降りる、軍曹の教育がよかった為まだパニックになってない、やばい時についていける存在を知っているからだ。

「おりろおりろおりろ!ちらばるんだぜ!」
「あとはいのるしかないんだねー」
「さんっかい!」
「しょうたいにひがいはないんだねー」

すると3両目からありすが数匹降りてきて、負傷ゆっくりを救護しようと走り出した。
まりさ軍曹は止めようと声を出したが、空から聞こえる叫び声で咄嗟に身をかがめる。

「ううううううう!!!」
「ふ、ふらんだあああ!!」
「ふらんばっく!てきのこうげきゆんだああ!」

YU-34 ふらんばっく。
戦闘ゆんであるYu-27及び33及び30 ふらんかーシリーズの対地攻撃型で、ふらん種特有の身軽さを活かしている。
Yu-29 ふらんくるむ極地防空戦闘ゆんと格闘戦も出来るという機体で、特徴はふらん2体と言う事だ。
フロントシーターふらんは大きな羽でリアシーターのふらん、つまりガンナーを抱えている、複座機だ。

「くそぅ、とんでもないときにとんでもないもんきたんだぜ!」
「みかたのCAPはなにしてんだぜ!?ひるねでもしてるんだぜ!?」

確かにおかしい、戦線後方にこんなのが侵入してるなんて。
お兄さんは「この時期、迂回と低空侵入が流行っていた」と語っている、おそらく警戒線の隙間を抜けてきたのだ。

「まっててね!いまたすけるわ!」
「ありす!ふせるんだぜ!」

上昇して旋回したふらんばっくは救護しようとするありすから、3両目の輸送すぃーへ弾幕を掃射する。
機銃掃射は映画の様に線で連なっていくものではない、丸い半径に弾が散らばるのが続いていく弾丸ゲリラ豪雨なのだ。
30mm近いエネルギー弾のゲリラ豪雨が通っていった後には、カチューシャすら残ってない。

「しねっ!げすなふらんばっくはしね!」

対空すぃーに乗ったれいむが対空射撃を撃ちまくり、その隙にまりさ軍曹は携行式SAMを担ぐ。
軍曹と数名の部下によりYIM-92 ゆってぃんがーA対空ミサイルが空を睨む。

「くたばるんだぜぇい!!」

数本の対空ミサイルの白線が空を切り裂き、ふらんばっくは巧みにフレアーを撒き散らして上昇し回避する。
しかしその直後、軍曹まりさが待ち構えた一撃をくれてやった。
避けたと安心していたふらんばっくは気づくのが遅れ、被弾して砂の海へ転がり落ちる。

「やったあ!!」
「だいせんかなんだねー!くんしょうなんだねー!わかるよー!」
「ないすしょっとだよ!」
「ザマァみろなんだぜ」

速度を失っていたふらんばっくは垂直に墜ちた。
フロントシーターのふらん、リアシーターのふらんは2匹とも生きていたが胴付きとはいえ手足も折れていた。
戦果確認に来たまりさたちはゆっくりと接近し、ふらんはまだ動く左手を挙げた。
パイロットのふらんはガンナーに抱き抱えられていた。
投降のジェスチャーに、まりさ軍曹はガンナーのふらんを即座に射殺した。

「うちの衛生ゆんを殺してよくもまあほざくんだぜ」
「きいいい・・・」

敵意を剥き出しにするふらんだが、どうしようもない。
飛ぶ事に特化して育てられ、航空ゆんは殆ど陸戦能力を失っていると言っていい。
さらに派閥意識、対立意識が各軍の間に存在していた。
そして何より、ふらんはゆっくり基準でも上玉の部類だった。

「な、なにするのさ」

ふらんは恐怖した。
本来なら捕食種たるふらんが知ることのない感情、恐怖と敵意と憎悪の視線。

「い、いや、こないで」
「ころさないだけかんしゃするんだぜ!」

アサルトライフルの銃床を叩きつけられ、苦痛に悶え、ふらんは叩きのめさせられた。
あとは代わる代わる強制的にすっきりをさせられ、首に縄をかけられて行軍段列に引き摺られながら、ふらんは心が折れた。
戦時条約、まして捕虜宣誓や規定も存在しない。
むしろ、加工所は両勢力が憎悪を激らせる事を喜んでいる・・・。

「そう言えばこのまりさ軍曹どうなったんです。」
「あぁ死にましたよ。これの翌週くらいだっけかな」
「激戦でもあったんです?」
「いんや、性病っすよ。前線でふらんをオナホにして他のは良いけど綺麗にしてなかったからカビたんすよ。
ふらんを死姦したゆっくりがあっちゅうまにカビてね、塹壕全滅よ」

それを聞いてあまりの死因のくだらなさにため息が出た。
英雄のしょうもない最期だ。

取材2「空中機動作戦」

お兄さんが通話に呼ばれたので帰る用意をしていると、満面の笑みでお兄さんから声をかけられた。

「あんちゃん、空中機動作戦やるけど見ていくか」

もちろん。
しかし空中機動作戦って何をやるんだろう。
そんな私の考えを、あっさりとフォーチューネイトサンが答えとなってやってきた。
側面がスライドドアになったうーパック、YP-1うーい輸送うーパック。
10匹ばかしかの歩兵ゆっくり達がそこに載せられ、空中で編隊を形成している。

「すごいですね、ベトナムみてぇだ」
「朝に嗅ぐナパームは勝利の匂いですよHAHA!」

すると、うーパックの中の歩兵ゆっくりが奇妙な格好をしているのに気づいた。
丸いせいでオムツみたいなデザインの何かを身につけている。

「ありゃあ防弾着ですよ」
「防弾着?」
「えぇ、はらわたぶち撒けて死ぬ傷をオレンジジュース飲ませて度々痛みを思い出して苦しむ程度に効果があるんです」

つまり高コスト歩兵か。
今回の作戦地域は川沿いの村、YTO軍の敵であるYPECT軍(ゆっくり連邦軍)が増強されたらしい。
れみりゃガンシップを伴ったヘリボーン作戦が開始され、壮観な空中曲芸のような光景が造られる。

「しんりさくせんかいし!わーぐなーをならせ!やつらびびる、おぉわぐねるわぐねる」

第173空挺ゆっくり旅団の大隊規模攻撃が開始されると、辺りはたちまちに炎に包まれた。
ガンシップと化したれみりゃ、ARH-47 バンバンれみりゃ(元ネタはACH-47)が機銃掃射をかましながら着陸地点を確保し、うーパックから空挺ゆん達を降下させる。

「いやだああああ!でいぶはいきたくないいい!!でいぶいきたくないいい!」「うるさい!」

着いた途端嫌がるれいむをれいむが引き摺って降下し、中隊指揮官のゆっくりてんこが全く恐れず--マゾなんだから恐怖がない--堂々と部下を把握し、突撃を開始する。

「てきだあああ!!」
「にしがわのきしゅうだあああ!」

敵軍は奇襲により動揺している。
民間ゆんの退去もろくに出来ていないばかりか、誤射で撃ち殺している。
それでも指揮官ゆっくりが近いゆっくり達は指示を受けて再編され出した。

「ゲラゲラゲラゲラ!たいくうしゃげきはじめ!」

うどんげは即座にかなこに応戦を命令し、かなこの重防空ミサイル<2k12ーオンバシラー>は第二陣のうーパックの密集陣形に飛び込んだ。

「こうかしたらいそいでさんかいしてね!まもなくこうかだ__

分隊長ちぇんの言葉が打ち切られ、被弾したうーパックが制御を失って旋回し、中身の歩兵を撒き散らす。

《はなしがちがうよおおお!じゅうぼうくうさんなんでいるのおおお!!?》
《ぞうえんがやられちゃったあああ!》

やばいんじゃね?とお兄さんを見るが特に動揺もしてない。
冷静にれみりゃに対空火力排除をやらせていた。
そして、お兄さんは静かに一言。

「勝ったな。」

と言った。
彼の視線の先には、ゆゆこ。
なるほど、最初からゆゆこによる輸送が本命かあ。

「じゃあ・・・れいみゅたち・・・なんのための・・・」

死にかけたれいむが、指揮本部の会話を聞きながら涙を流していた。




致し方ない犠牲って奴じゃねーかな、と私は思う。
少なくとも無意味に死んだわけじゃ無いから良いんじゃねーの。

「そんな・・・」

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最終更新:2023年08月17日 08:18