中二病とその眷属(飼いゆ) by 秋が来たよ!!!
注意事項だどー!
- 前作(中二病とハッピートリガーと)の登場人物や設定がでてくるど!知らなくても問題ないけど、読んでくれると理解しやすいし作者も喜ぶんだどー!
- 長文だど
- ゆっくりれみりゃがでてくるどー!
- 初心者であるが故拙い文章があるかもしれないど!
- 魔法を扱う中二病の人間が出てくるど!
- 漢字を使うゆと使わないゆで賢さの違いが表現されてるどー!
- 作者はハッピーエンドがだーいすきだど!
- 上記に全然かまわない方は…ゆっくりするんだど!
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我は聖なる魔法使い【サノヴァ・ヴィッチ】だ。
つい先日、道を尋てきた異国人にこの名を名乗ったところ爆笑された。不敬である。
喰羅雲(くらうん)という名もあったか…しかし、そのような名前は我にふさわしくない。
ところで貴様、ゆっくりというものを知っているか?動く生首のような饅頭だ。
色々な種族がいるが、種族など関係なく我は賢いゆっくりを好み、我が眷属にしている。
ん、なんだその顔は。すでに知っていますよとでも言いたげだな…宜しい。ならば貴様がゆっくりを知っている前提で話を進めるとしようか。
我は人里離れた森の中に来ていた。無論、ゆっくりを探すためだ。
それに、ここら辺には群れがある。ゲスの集団で有名な群れだが、そこそこ長い間続いているらしい。
普通、ゲスの群れが長続きすることは難しい…貴様も知っての通り、ゲスは大体自分勝手だからだ。自分が「ゆっくりする」ためには他者他ゆを奴隷のように見下し、こき使う。
そんなゲスが行きつく先はたいてい『奴隷を失うことにより死』『鬼威惨や自然の脅威による死』『群れのゆっくりによるせいっさい』など、まず碌な末路を辿ることは無いだろうな。
しかし、偶にいるのだ…神様のいたずらか、はたまた超幸運か。『完全に奴隷の制圧に成功し、一切災害に見舞われず生き続けるゲス』が。
しかも今回のケースではそれが群れと来たものだ。人里から遠く離れている森ということもあり、仕事がある鬼威惨が来るにはわざわざ休日に来る必要がある程の距離に群れをつくった彼らは賢いゲスなのかもしれないな。
いくら鬼威惨とて、一日を費やしてこのゲスの群れに来るよりかは近場の普通の群れを選ぶだろう。
『ならさぁ…俺たちも普通の群れでよかったよなぁ!?わざわざ俺の休日潰してここ来る必要なかったよな!?』
そう喚いているのは我の親友、十律樹(とりっき)。ふざけた名前だ。
彼は我も認める凄腕の狙撃手…いや、ハッピートリガーと言ったほうがいいか。そんな奴だ。
無論、今回も狙撃手要員で連れてきた。なんせ彼はゲスを撃つのが堪らなく大好きなのだ。
『すぴ…』
『すや…』
我の両肩に乗っている彼女らは我の眷属の成ゆれみりゃだ。
彼女らとはかなり長い仲だ。なんせ、先祖代々この我に仕えているのだから。
道中でゲスに出会ったときもれみりゃのおかげでたいていは逃げていくし、言うこともよく聞く。
只、唯一の欠点としては…外出時は肩に乗せて移動するため、我の両肩がかなり…その、鍛えられるというか。悪く言えば肩こりがひどい。一応彼女らの名誉のために言うが、彼女らは普通に飛べるし肩に乗せないと駄々こねる訳でもない。わが眷属として相応しい格好を我がさせているだけだ。彼女らは悪くないからな。
まあそんなわけで。社会の犬一匹と眷属二匹で、ゆっくりを探すため深夜に人里離れた森に来ていたわけだ。
目的は…そうだな、我の眷属を探すためだ。流石にれみりゃ二匹だけだとこの先無理がありそうだからだ。
『しっ、くら…サノヴァ。どうやらお目当ての群れが近づいてきたみたいだ…』
十律樹はそう言った。れみりゃたちもそれに反応したのか目を覚ます。
『うー…あまあまの匂いがするど…』
『む…指示を待つんだど…』
彼の言ったとおり、どうやら若干開けた場所に出る。群れの広場というやつだろう。
我等はむれのゆっくりに気が付かれないよう、近くの茂みに隠れた。ゆっくりとはいえ、長く続いているゲスの群れだ。意外と敏感かもしれないので、隠れておくのだ。油断は禁物。
『…いいか?さっき言ったとおり、我が合図をするまでは撃たないでくれると有難い。
それまでは…そうだな。近くの狙撃スポットを探しておいたから、見晴らしのよさを確かめておくといい。』
『くーっ、やっぱこういう森だとそういうの出来るからいいよな…街とかに近いと騒音とか気にする必要があるし、そもそも群れを国が管理してることが多いしな…』
移動は大変だけどついてきて正解だったぜ、と言わんばかりの表情で彼は一旦去った。
よくわからない重火器を背中に背負って。
周囲を気にしなくていいのは我もありがたい。
なんせ、人に見られているかもしれないところで魔法を使うのはリスクが高い。
しかも狙いが外れた魔法が街に飛んでいくと大変なことになる。それこそ、即死魔法などが人間に飛んでいこうものならもはや犯罪以外の何でもないからな。
『深夜だからか…ゆっくり共は寝静まっている、か。』
『ごしゅじん、どうするんだどー?いくら奴隷ゆとはいえ、夜は寝ているんだどー!』
『夜に起きているのはれみりゃたちくらいのもんだど…』
『…あぁ、どうやらそのようだ。いくら奴隷とはいえ、十分狩りができるまで育てる労力は省きたいんだろう。狩りをしているゆっくりの気配はないようだな。』
周囲を見回していたが、ゆっくりはおろか鳴き声すら聞こえない。
深夜だから鳴き声のひとつでもあれば即気がつきそうなものだが…意外と賢いゲス共のようだ。
『仕方ないな、直接聞き込みをするしかない。』
『どー!?ご、ごしゅじん…流石に気が付かれそうだど!』
『群れ全体が騒ぎにななったら眷属を探すどころじゃないんだど!』
『…我がその程度、考えないとでも?』
そう言って周囲を見回し、明らかにゆっくりが眠っていそうな洞窟…洞窟と呼んでいいのかもわからない、小さな穴を覗く。
けっかい(笑)を作っていないあたり、本当に運がいい群れなのだろう。
それこそ…れみりゃなどに一度も襲われたことがないような。
『ゆ…ゆ…』
『すやぁ…』
案の定ゆっくり共がいる。ざっと見た感じ…
れいむ |
成ゆ1匹 |
子ゆ1匹 |
野良にしては綺麗だ。奴隷ではないだろう |
まりさ |
成ゆ1匹 |
子ゆ2匹 |
上に同じ |
このような感じか。
奴等を刺激しないよう、ゆっくりと穴の中に手を伸ばす。
子ゆ3匹を全て取り出し、眷属に告げる。
『二等分して食え。起こすんじゃないぞ』
そして子ゆを空中に放り投げる。
その言葉を聞くや否や、我の肩から二匹の眷属が飛び立つ。
『二等分は?』
『れいむにするど!』
その瞬間。
断末魔を上げる暇もなく、子れいむが真っ二つになり息絶えた。
そして二匹のれみりゃは子まりさ1匹と子れいむ0.5匹を口の中に放り込む。
その間、子ゆは地面にあんよを着けることはなかった。
我ながらいい眷属を持ったものだ…
それからしばらく、別の穴を確認しては子ゆを食わせるという作業を続けていて気が付いた。
奴隷ゆは少し離れた別の場所にいるのでは?
と、いうのも見つけたゆっくりは皆多少綺麗なのだ。
その可能性がないとすれば、この群れは別のゲス群れとは違う群れということになる。
『別の場所に回る。奴隷ゆはここにはいないだろう。』
『了解だどー。』
『どんなゆっくりが眷属になるか楽しみだどー。』
少し離れた場所に行くと、眷属どもが声を上げた。
『死臭がするどー。』
『ん…そうだどー。こっちだど。』
『お、そうか…優秀な奴らだ。』
しばらくして…
『…酷いな。』
ひときわ大きい穴を覗き、我は滅茶苦茶に嫌な気分になった。
なるほど…これだけの死体が積まれていれば、離れていたれみりゃも気が付くか。
その穴の中には、ゆっくりの亡骸が大量に積まれていた。
そのどれもがおそらく衰弱死したであろう個体の亡骸だった…
これでこの群れが例のゲス群れだと確定した。あとは奴隷ゆを探し出し、優秀なものを眷属とするだけだ。
『…ゆ?ごしゅじん、離れるのかど?』
『深夜のほうが騒がしくなくていいどー。』
『…ああ、確かに探しやすいだろう。邪魔も入らないし…しかし、本当に優秀かは実際に見てみないとわからないものなのだ。』
そう言っていくつか奴隷の住処っぽい穴に印をつけ、その日は野宿した。
トリガーハッピーお兄さんは寝落ちし、次の日は体の痛みに悩まされることになったそうだ。そりゃ…狙撃姿勢で寝落ちしたらそうなるだろうな。うつけ者め。
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『れいむのおちびちゃんどこいったのおおおおお!!!!!!』
『ばでぃさのおじびじゃんがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
とある群れの長であるぱちゅりーは、ゆっくりできない悲鳴で目を覚ました。
またどうせ馬鹿ちびどもが自滅したのだろう。考えるだけ無駄だ。
ゲスの群れを統率する者は大変だ。
『れいむのおちびちゃんどこいったのおおおおお!!!!!!』
『ばでぃさのおじびじゃんがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
『れいむのおちびちゃんどこいったのおおおおお!!!!!!』
『ばでぃさのおじびじゃんがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
…いくら何でも悲鳴の数が多すぎやしないか?
何かがおかしい。そう思ったぱちぇは外へ飛び出した。
『…どういうことよ、これ!?』
『れいむのおちびちゃんどこいったのおおおおお!!!!!!』
『ばでぃさのおじびじゃんがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
すると、どういうことだ?群れの過半数がおちびちゃんがどうのこうのと泣きわめいている。
馬鹿な子ゆとはいえ、いくら何でもこんなたっくさんの子ゆが一晩で消えるのはおかしい。どういうことだ?
ぱちぇは群れを駆け廻り、みんなに事情を聴いた。
すると、全てのゆっくりが口をそろえて
『あさおきたらおちびちゃんがきえていたんだよ!』
という。まさか捕食種の襲撃か?
いや、だとしたら成ゆを襲わないのはおかしい。第一、悲鳴がどこかで上がるはずだ。
おちびちゃんが集団で家出?ありえない。幾らゲス共とはいえ、賢い個体も失踪しているのだ。
訳が分からなかった。人間ということもありえないだろう。
しかし、原因がわからないとなっては長の立場が揺らぐ。
しかしどうすれば…
『…緊急の集会を開くわ!』
『まず、失踪の件…あれは、まちがいなく奴隷共の仕業で間違いはないわ!』
『ゆゆっ!あのくずどものせいなんだね!』
『だとしたらなっとくなのぜ!どれいはどれいなりにおとなしくしていればいいものを、ばかなやつらなのぜ!』
『ええ…だから、奴隷共をこの集会に呼び、そのうち最も悪知恵がはたらくぐずを連れてきたの!』
『このぱちぇをせいっさい!すれば、少しは奴隷共も委縮するはずよ!二度とこんなことが起こらないように、また思い知らせてやらないとね!』
『ぱ、ぱちぇはしらないわ…ほんとうよ!だいいち、そんなたいりょくぱちぇにはないわ!』
この群れには奴隷がいることを思い出したぱちぇは、奴隷のせいにすることでとりあえずその場しのぎをした。
奴隷を口汚く罵る声が飛ぶ。
制止しなければ今すぐにでもとびかかりそうだ。
ひとまず、長の立場は守られた。
しかし、ぱちぇは根本的な解決には至っていない。またこのような事態が起これば、今度こそ長の立場が危ういだろう。
『せいっさいの前に…よく効いて欲しいのだわ!』
『ゆっ、なんなのぜ!はやくせいっさい!するのぜぇぇぇ!!!!!!』
『もうこんなことは起こらないと思うけれど…夜寝るときはけっかいをおうちに作るといいわ!作り方がわからないなら、奴隷に作らせるといいわ!』
若干ツッコミどころがあるのはさすがぱちぇということで許してあげてほしい。
しかし、いきなりけっかいを自分らでつくれと言っても働かないことに慣れたゲスからは反発を買うだろう。その点では仕方ないとはいえ、仮に作り出した状況だとしてもこの状況で奴隷に任せろというのはどうなのだろうか。
『むきゅ、それじゃ…せいっさい!をするわ!』
『や、やめて…ぱちぇはほんとうになにもしらないのよ!』
逃げる体力も抵抗する体力もない奴隷ぱちぇを前に、木の枝を持ったまりさが迫る。
ぱちぇはなんとか抵抗しようとしたが、やがて諦めてうなだれてしまった。
『奴隷共!これが同族殺し、私たちへの抵抗の代償よ!』
『目を逸らすことは許さないわ!よく見なさい!』
もうすぐ棒が奴隷ぱちぇに突き刺さり、永遠にゆっくりしてしまうだろう。
そう思っていた時、不意に風を切る音がする。
『…な』
木の棒が落ちる、乾いた音がする。
今まさにぱちぇを叩き殺さんとしたまりさは、真っ二つに割れていた。
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その2へ続く
あとがき
久々に書いてみましたが、滅茶苦茶難しいですね…
あの頃は簡単に思ったのに。
趣味で書いたので良いかどうかは分かりませんが、楽しんでもらえたなら幸いです。
最終更新:2025年07月21日 15:25