※原作キャラ崩壊注意
おkな方のみどうぞ
「まんま〜♪ どこ〜?」
夕焼け色に染まる野原。そこに地面に這いつくばるようにしてよたよたと動いている一匹の生物がいた
れみりゃである。詳しく言うなら胴体付きである。
そしてこのれみりゃはまだ赤ん坊のようで、一応立って歩くことは出来るのだが、地面に張り付いている方が楽らしい。
にこにこと笑みを浮かべて母親を探すために顔をキョロキョロと動かしていた。
うー?と言いながら頭を右に傾けていると、空から何かが現れた。
「あまあまだっどぉ〜♪ ゆっくりたべてねれみりゃのあかちゃん〜♪」
「はなしてね!!! ゆっくりはなしてね!!!」
両手でれいむを掴んで現れたのはこの赤れみりゃの親であった。
子供の前に降りると
「にぱぁー☆ おいしいおやつだどぉ〜♪」
といいながられいむを差し出す。
「うー? まんま〜♪ たべていいのー?」
「もちろんだどぉ〜♪ いっぱいたべるんだどぉー!」
といっても一匹しかいなのだが、赤れみりゃはそれを気にすることもなく、目の前の饅頭の頬をまだ小さい手で
ギュッと掴んだ。
「うー! ぷにぷにー!」
思ったよりずっと柔らかい感触が気持ちよく、ギュッギュッと引っ張って遊ぶ赤れみりゃ。
一方れいむの方はそれを楽しむ余裕もなく
「いたいよ! ゆっくりやめてね! れいむおこるよ!!!」
そういってタックルの一つでも食らわせようかとしたが
「うー! うごいちゃだめだどぉー!」
と親れみりゃに上から押さえつけられた為にそれも叶わず、飽きた赤れみりゃにむしゃむしゃと頭を齧られたのであった。
「あまあま〜♪ でりしゃすー!」
口の横に餡子を付けて満面の笑みを浮かべる赤れみりゃ。
「うー♪ とってもぶぅーてぇふぉーだどぉ〜♪ いーこぉいーこぉ〜♪」
自分の胸元へ赤れみりゃを抱き寄せると、丸っこい手で頭をナデナデし始めた。
「まんまー・・・しゃくや・・・」
「うー♪ ほんとうにかわいいどぉ〜♪」
そうして赤ん坊はスヤスヤと眠り始めた。
次の日の朝。二匹は大木の下で抱き合って寝ていた。
完全な余談であるが、これには理由がある。自然の山にはれみりゃ等がゆったりできるスペースは洞窟ぐらいしかないのだが
そんなものは滅多にない。なので、多くのれみりゃは家を持たずに常に移動しながら生活している。
寝る時は木の下などで一夜を明かす。この為か、れみりゃ達の巣(こーまかんと呼んでいる)への憧れは相当強いのである。
目を覚ました二匹は、眠い目を手でこすりつつ、自分たちの上にかけておいた草をどこした。
そして親れみりゃは、その草を赤れみりゃにそっと被せる。
「いまからもーにんぐをもってくるからどぉ〜♪ ゆっくりまつんだどぉ〜♪」
「うー♪ わかったー♪ れみりゃかりしゅまだからまてるー♪」
「いーこだどぉー♪」
れみりゃはバサバサと羽を羽ばたかせて飛んで行った。
その様子を地面にべたっと横になりながら見送った赤れみりゃは、親の言いつけ通りにじっと動かずに待っていた。
目の前を蟻が通る。
「う〜? ありさんー!」
目の前をちょうちょが通る。
「うー! ちょーうーちょー♪ きらきらー!」
目の前をどせいさんが通る。
「うー? なにこれー?」
色々と興味を引く物が通って行ったが、それでも赤れみりゃは母親の言いつけを守った。
親のれみりゃが出て行って10分ほど経っただろうか。
どこからか赤れみりゃに呼びかける声が聞こえてきた。
「れみりゃさまー。さくやですよー。れみりゃさまー?どちらにいらっしゃるのですかー?」
「うー?・・・しゃくやー♪」
その声が自分が愛する完全で瀟洒な従者の者だと気づいた赤れみりゃ。精一杯の声と身振り手振りで
自分の居場所をアピールする。
「しゃくやー! ここー! れみりゃここー!」
両足で立ちあがってブルンブルンと手を振る赤れみりゃ。
それに気づいたのか、茂みを奥から何かの影が向かってくるのが見えた。
「しゃくやー♪」
赤れみりゃはトコトコトと走った。自分たちをエレガントにゆっくりさせてくれるさくや。
ぷでぃんを食べさせてくれるさくや。まんまーと同じくらい大好きなさくや。
一度もあったことのない存在でありながら、遺伝子に刻み込まれたそれは、ゆっくりを求めるゆっくり種の本能であった。
「しゃくやー! だっこー♪」
その影の足元にやっとたどり着いた。そこに居たのは間違いなくさくやだった。
「うー! しゃくやー♪ しゃくや〜♪」
さくやは何も言わずに自分を抱き上げる。そして後ろにいた見知らぬ女と何かを話し始めた。
「うー♪ だっこー♪」
赤れみりゃは抱っこされたと思って上機嫌なので、そんな些細な事を不審に思わなかった。
さくやは自分を出血死するのではと思うぐらい鼻血をボタボタとだしながら笑顔で見ていた。
「うー? しゃくやー♪ あしょぼー♪ もうすぐまあまーがくるからいっしょにあしょぼ〜♪」
とびっきりの笑顔でさくやに話かけてみる。
でもさくやは、名残惜しそうな顔で後ろの女が持っている袋にぎゅっと自分を押し込んだ。
「うー? まっくらー! しゃくやー? しゃくやー?!」
いきなり真っ暗で何も見えない。すると上からさくやの声が聞こえてきた。
「申し訳ありませんが少し止まっていてくださいねお嬢様。お家に着いたらオヤツにいたしますので。」
そういって頭の上に手が乗って・・・
「咲夜さーん? こんどはなにしてるんですか?」
袋を担ぎながら質問したのは紅美鈴。紅魔館を守る麗しき門番である。
スリットから生足をチラつかせつつ、上司である咲夜に問いかけてみた。
赤れみりゃの居た場所から少し茂みで隠れている理由について。
「決まってるでしょう? いきなり子供が消えてアタフタするれみりゃ様の様子を見るのよ。」
あくまで冷静に、表情もクールなまま、鼻から未だに血を垂らしつつメイド長の咲夜はそう言った。
「はあ・・・。というかですね。そもそも朝早くからこうして、ちっちゃいれみりゃ様を捕獲しに来た理由も教えてもらって
ないんですけど・・・」
一応主に似ている生物である。様付けで呼ばないとナイフが飛んでくるのでキチンと様を付ける美鈴。
「あら? 言ってなかったかしら?」
すっかり忘れてたのか、咲夜は頭に?を浮かべた。
「だいたい、れみりゃ様達はレミリアお嬢様が全部捨ててきたじゃないですか。」
「そうね・・・あれは残念だったわ。お嬢様のご命令とはいえ・・・」
本気で悲しそうな目をする咲夜。しかし急に顔をあげると
「でもその時理由はちゃんと聞いたわ! あのだどぉ〜言葉が気に入らないと!つまり子供ならいいのよ!」
なんだか一人で勝手に盛り上がってきた上司に不安を隠せない美鈴。
「あの・・・さくやさーん?」
「ええそうよ! こんなに可愛いれみりゃ様ならきっとお嬢様もお許しになられる筈よ!
成長抑制剤を薬師に作ってもらったし、これなら前のようにれみりゃ様がたくさん・・・うふ、うふ、うふふふふ・・・」
思わぬ豹変にその薬師の所に連れていくべきか本気で迷う美鈴。
すると、どこからか呑気な声が聞こえてきた。
「うっうー!うぁうぁー♪ あまあまぁ〜♪」
「はなじでね! ゆっぐじばりざをはなじでべ!」
「むきゅん! はなして!」
まりさとぱちゅりーを掴んで飛んできたのはおそらく親れみりゃなのであろう。
すとっと赤ん坊の居た所に降りると
「あかちゃーん♪ あまあまだ・・・・うー?」
赤ちゃんが居るはずの所が空になっているのに気づいたのか、首を傾げる親れみりゃ
周りを探せども見当たらない。近くの茂みをかき分けても見つからない。
ついには二匹のゆっくりをほおり投げて必死で探し始めた。
「あがじゃーん! どごだぉー! あがじゃーん! どごだどぉー!!! あがじゃーん!!!!
ざぐやあああああああああ!!!! だづげでえええええええ!!!!」
「泣きだすれみりゃ様・・・ハァハァハァ。ダメ!もう我慢の限界が!」
土まみれになりながら子供を探すれみりゃ。そしてそれを『ピー』しながら見守る上司。
この日以来、美鈴は三か月ほど行方不明になるのだが、それはまだ誰も知らない。
「あがじゃああああああああんんんん!!!!! どこだどぉおおおおおおお!!!!!」
by バスケの人
最終更新:2022年04月17日 00:54