ゆっくりいじめ小ネタ252 喰われる側の怨嗟の声

作者当てシリーズ 喰われる側の怨嗟の声




 やあ、ボクは虐待お兄さん!
……なんてな。俺にはそんな性質の悪い趣味は無ぇ。
せいぜい気が向いたらからかうぐらいさ。
まあ、それが大変なことになっちまって以来、そういうこともやめたんだがな。
今日俺が話すのはそんな話だ。全くゆっくりって奴は難儀なやつだ……。



「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!!」

「ところでそこのゆっくり、お前には家族がいるか?」

 そう言って俺は一匹のまりさに話しかけたのさ。
もちろんコイツに家族がいるのは確信していたさ。でかいからな。
それでこう続けたんだ。

「もちろんいるよ!!! すっごくゆっくりできるれいむだよ!!!」

「お前は虫を食べてたのか?」

「そうだよ!!! ものすごくゆっくりしたむしさんだったよ!!!」

「かわいそうになぁ……お前はものすごいことをしたよ……」

 ……ってな、声のトーンを落として語りかけてやったんだ。
ゆっくりだからな、すぐに反応したよ。

「ものすごいことってなに!? まりさはゆっくりしてるよ!?」

「だよなぁ。お前とその家族はゆっくりできてる。
 だがなぁ……お前に食われた虫にも家族はいるんだぞ?
 それをお前は食べちまったんだ……なんてひどいことを……」

「ゆゆ!? しかたないよ!!! まりさたちはゆっくりしたいんだよ!!!」

「お前に食われた虫や草も、同じように考えてたよ、きっと……。
 かわいそうに……お前達のせいで二度とゆっくりできなくなっちまって……。
 ほら、聞こえるだろ? 痛い、苦しい、ゆっくりできないって……」

 そんな事言うわけないんだがな。楽しんで殺してるならともかく、
他の生物を食べるのは動物全てに共通した行為だ。誰が文句を言うんだか。
だがゆっくりって奴らは難儀なものだな。本当にそんな声が聞こえるように成っちまったらしい。

「ごべんね!? まりさはゆっくりしたいの!!!
 みないで!!! ゆっくりしないでどっかいってね!!!
 ゆ゛ゆ゛ゆ゛ー!!!」

 そんなことを言いながらまりさはどこかへ逃げて言っちまった。
自分が生きるために他の生物を犠牲にする。だからこそ食べ物は無駄にしないで美味しくいただくべきなのにな。
いつだって食べられる側への感謝を忘れてはいけないって教わるよな?
まあ、ゆっくり達はそんなことは考えないし教わることもないだろうが。
まさか本当に喰われたやつらの声が聞こえるようになるとは思わなかったんで、後をつけたんだ。
注意も何もせず突っ走るからな、簡単に尾行できたよ。

「み゛ん゛な゛ぎい゛でね゛!!! ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛よ゛!!!」

 まりさは早速巣に戻って俺が話したようなことを言ったんだ。
そうしたらみんな大慌てさ。胡散臭く思ってるのもいるんだが、ゆっくりだからな。
一匹が信じて声が聞こえるようになると、どんどんそうなる奴らが増えていったんだ。

「ごべん゛な゛ざい゛ごべん゛な゛ざい゛……」

「ごな゛い゛で!!! ゆ゛っぐり゛どっがい゛っでね゛!!!

「ゆ゛っぎゅり゛でぎな゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」

「れ゛い゛む゛ばゆ゛っぐり゛じだい゛だげだよ゛!!! 
 ゆ゛っぐり゛! ゆ゛っぐりぃ!!!」



 何年か前、ここらのゆっくりの数がいきなり減ったってニュースを聞いたことはないか?
アレは俺の仕業じゃない……あいつらが勝手に自爆したんだ……。
それに百歩譲っても俺が死なせたのは一つの家族だけだ……ニュースに成る程じゃない。
……そう思いたいぜ。いや、絶対そうだ。



 それにもう一つ、気になることがある。それは、あいつらの思い込みの力だ。
あいつらの思い込みはあいつらの体を変化させる。
もし……もしだぜ? あいつらが自分達が万物の霊長だなんて考えたら?
きっとすぐに人間に駆除されるだろうが、RPGの主人公みたいに、徐々に強くなって、
人間より強くなったら? そう考えると恐ろしくてな……。
お前もあんまりゆっくりと関わらないほうがいいぞ。何かあってからじゃ遅いからな。



END *作者当てシリーズ



 あとがき
バキの梅干を口の中に放り込む(と、思い込ませる)ネタとか考えてたけど削った。

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最終更新:2008年12月07日 14:39
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