あるところに、二匹の
ゆっくりがいました。
「ゆっくりしていってね!」
彼女の名はゆっくりれいむ。
幻想郷の原っぱに住む素敵なお饅頭。朝起きては飯を食い昼寝をして飯を食いおやつを食べて飯を食う生活を送っています。
「ゆっくりしていってね!」
彼女の名はゆっくりまりさ。
幻想郷の原っぱに住む普通のお饅頭。昼間狩りをする以外はれいむと同じ生活をしています。
二匹は頬をすり合わせて声を上げます。
「「ふたりそろってゆっくりしていってね!」」
一体誰に話しかけているのでしょうか。
彼女らはつがいです。
幼い頃から共に育ち、強い強い絆で結ばれたそれは素晴らしい夫婦です。
と、そこへ巨大な黒い影が。
「ひゃー。我慢できねー虐待だー」
そう、虐待お兄さんです。
彼はゆっくりを捕まえては口にブツを突っ込み目にブツを突っ込み挙句に後頭部にブツを突っ込む異常性癖者です。性的倒錯にもほどがあります。
え? ちゃんと服を着ている? きっとそれはボディペインティングか、そうでなくては小麦粉かなにかです。騙されてはいけません。彼は変態なのです。
「ゆっくりしていってね!」
「いっしょにゆっくりしようね!」
しかしそんな事は知らないれいむとまりさはにっこりと笑いながら虐待お兄さんに近寄っていきます。虐待お兄さんはただでさえ気色悪い顔を一層歪めてまずはれいむに飛びつきました。
「んほぉぉぉぉぉぉぉぉ! れいむタンかわいいよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
気持ち悪い事山の如しです。
「ゆっ?! すりすりがつよすぎるよ!」
「やめてあげてね! れいむつらそうだよ!」
その異様さにれいむとまりさもようやく危機感を覚えたのか、あるいはただきもちわるいだけなのか。いずれにせよ、虐待お兄さんから必死に離れようともがき始める。
しかしそれを許す虐待お兄さんではありません。だってまだ虐待してないのですから。
「うるせー。まりさは後で虐待してやるからこれでも食ってな」
彼はそう言ってまりさの口を巨大な五寸釘……巨大だったらそれはもう五寸釘とは言わないのではないかという無粋な突っ込みはお控えください……で刺し貫いた。
「ゆぐー?!」
「ま、まりさー! やめてあげて! あんなんじゃゆっくりできないよ!」
「ひゃっはー。何て可愛らしいんだ我慢できねぇ虐待だー」
虐待お兄さんは叫びながられいむの眼窩に指を突っ込みます。
「ゆひゃー?! おめめがみえないよー?! どうしてまっくらなのー?!」
困惑するれいむ。お兄さんはそれを眺めながら舌なめずりです。
「で、でいぶぅぅぅ!! でいぶの……でいぶのきらきらおべべがぁぁぁぁ!!」
口を貫かれてるのに器用に泣き叫ぶまりさ。お兄さんはその姿に食指を動かされたのか目無しのれいむを地面に置いてまりさを手に取りました。
「やべでよぉぉぉぉぉぉ!! ばりざいだいのはやなのぉぉぉぉぉ!!」
「お兄さんも我慢するのは嫌なんだよー。ゆっくり理解してねー」
お兄さんはそう言うとがたがた震えるまりさの下顎に指をかけ、ゆっくりゆっくりと指を下ろし始めます。
「やめへ! おふちがひはひひょ! ゆっふひひゃへへね!
……ひゃへへっへいっへるほひぃぃぃぃ?! ひょほひへひゃへへふへはいほぉぉぉぉ?!」
「何言ってるんだかわからないよー」
これは嘘。お兄さんは脅威の読唇術でゆっくりの思考など読みきっている。
やがて、ぶちぃという音がしてまりさの下顎は本体とバイバイしてしまいました。
最早叫び声も上げられないまりさが涙を流します。
「まりさー?! どうしたのー?! ゆっくりへんじしてねー?!」
目の見えないれいむには急にまりさが喋らなくなった事しかわかりません。必死にまりさを呼びますが、まりさにはもう答える事ができないのです。
お兄さんはまりさを地面に置くと頭に少量のオレンジジュースを掛けて、いいました。
「
ゆっくり虐待してあげるからせいぜい泣き喚いてね!」