ゆっくりいじめ小ネタ318 ゆー・ふぁいたーず

「ゆーゆー、ゆっゆっ!ゆっくりっ!ゆっくりのてすとちゅうー」

ステージ上で一匹のゆっくりが喋っている。ゆっくりの名前はれいむ。
野生のゆっくりだったがプロデューサーに見初められ、厳しいオーディションに合格し、晴れてゆっくりがボーカルを務める「ゆー・ふぁいたーず」の一員となったのだ。

というのはれいむの脳内ストーリーで、実際にはマネージャーが遅刻してきたゆっくりを叩き潰してしまい、
あわてて野生のれいむを捕まえてきたのだ。一応簡単な身体チェックをして。

だがそんなことに関係なく、れいむはとにかく嬉しいようだった。
確かに森では一番のゆっくりシンガーだった。れいむが切り株の上で歌っていると、近くのゆっくりも遠くのゆっくりも、
さらには狩りに行っていたゆっくりまでもれいむの歌を聴こうと集まってきた。
おともだちのまりさも
「れいむのうたはとってもゆっくりしてるね!きいてるだけでゆっくりできるよ!」
と言ってくれた。だが人間に認められたのは初めてだったのだ。

「ゆゆー、こんなもんでいいよ!」

何がいいのか分からないが、とにかく満足したようでれいむはもみあげで丸を作った。観客席も大方埋まったようである。
他のメンバーは頷きあうと合図を送った。すると今まで明るかった会場内の照明が絞られ、スポットライトがステージを浮き彫りにした。
それを確認するとれいむはマイクに向かって喋り始めた。

「みんなっ!きょうはきてくれてありがとう。れいむがんばってみんなのために……ゆびゃっ!?
 ゆっぎゃぁぁぁあああああああああああああ!!???」

突然ギターがれいむを蹴り上げ、れいむの叫び声に呼応するようにドラムがリズムを刻み始めた。
れいむは訳が分からず、ただ痛みに対し反射的に叫ぶだけである。そしてれいむが叫ぶたびに観客のテンションが上がっていく。

「ゆっぎゃぁっぁぁぁゆっ!ゆっっべえっ!ゆうっ!?」

ベースで殴られ形が変わるれいむ。それがアクセントとなり曲にメリハリを持たせた。
れいむはギターにも殴られ飛ばされ、ドラムに打ち返され、スピーカーに餡子を揺さぶられた。
そのまま3曲目が終わろうかという頃、不意にれいむはこれまで味わったことのない浮遊感を味わった。

「ゆぅ、おそらをとんでるみたーい♪ゆべしっ!
 いたいっ!かみをひっぱらないでね!れいむのあんよつかまないでね!
 とげとげいたいよ!やめて……ゆひぃっ!めが、れいむのめがぁぁぁああ!」

メンバーの一人がれいむを掴んで観客の方へ投げ込んだのだ。
四方八方から伸びる手に、れいむは髪をつかまれ、足を突かれ、時々思いっきり殴られ、
観客のリストバンドに引っかかれ、指が目に刺さりながら徐々にステージの方へ進んでいった。
そうしてれいむが「ベチョッ」と音を立ててステージに戻って来ると、ようやく曲が終わった。

小休憩らしくステージ上でオレンジジュースをかけられながらも、れいむは意味が分からなかった。
自分の歌を聞いてゆっくりしてくれる友達の顔を思い浮かべ、目の前の人たちも同じようにゆっくりしてもらおうと、
そう思って喋り始めた所に、強烈な痛みが襲ってきてそのままもみくちゃにされたのだ。
あまりにも予想不可能な出来事。森で母親と共にゆっくりと箱入りで育ったれいむは、ただ痛みのままに涙を流すのが精一杯だった。

およそ1分ほど経ち、ゆっくりの驚異的な回復力で傷のふさがったれいむは、スタッフの手によってアコギの中に入れられ、
ギターはそのアコギの弦をチューニングしなおすと弾き始めた。
当然、中のれいむにとってはたまったものではない。大音量でただでさえ痛む傷跡が刺激されるのだ。

「ゆひぃぃいいいい。やべでねぇぇぇえ
 ゆっぐりやべでねぇぇぇええ」

アップテンポの曲で疲れた観客達は、アコギの音色とかすれたれいむの声を楽しんでいた。
2曲終わった所で、ギターはアコギを叩きつけて壊し、息も絶え絶えのれいむを出した。

「ど……どぼじで……こんなこと……」

だがそんなれいむに応えることなく、今度はドラムがれいむを掴むと、前面の開けられたドラムに放り込み閉めた。
軽くドンドンと叩き、れいむが中で怯えているのを確認すると16ビートを刻んだ。
ボーカル抜きのインストである。普通なら少しだれる所であろう。
だがステージを見つめる観客は夢中であった。

「ゆびびびびびっゆっぐりできないいいい!?……ゆ?なんだがきもぢよぐ……すっきりー!
 ゆべべべべべ……すっきりー!ゆぼぼぼぼぼ」

クリアなバスドラムに入れられたれいむが、音と振動ですっきりとゆっくりできないを繰り返していたのだ。
ひとり顔芸を繰り返すれいむ。ちなみに曲の名前は「天国と地獄」である。
ギターとベースもゆっくりの動きに合わせ、曲調を変えていく。
ヒートアップした二人は、演奏を続けながらもゆっくりのいるバスドラを蹴り飛ばしていく。

「やべでっ!すっきりー!のぼぼおおおっっ!にげっられなぃいいい!?」

二人に蹴られないようドラム側に逃げると、ペダルが迫り来る。
かといって横を向けば音に直で耳をやられる。下を向いてもすっきりー!で前を向いてしまう。
メンバーの蹴りと同様、体を突き抜ける音ももはや暴力であった。
そして今のれいむに暴力に対抗する手段はなく、ただ耐えるのみであった。

「すっき……ゆ?」

曲が終わり、ドラムはれいむを取り出した。
そして動けないよう押さえつけてから、飾りで汗をぬぐい観客に向かって放り投げた。
突き上げる手に取り合われ、グチャグチャになるれいむのリボン。
この数十分でボロボロになったれいむにもこれは効いたのか、今日一番の大声で叫ぶ。

「やべでぇぇぇええ!ぞれはでいぶの、でいぶのどっでもだいじなぁぁああああ!」

その叫びに共鳴するように、バンドが音を奏で始めた。ラストスパートを象徴するかのように、激しく、勢いを持って。

「もうだめぇぇぇえええ!おうぢがえるぅううううううう!!」

メンバーの気持ちを感じ取ってか、れいむの叫びもいっそう激しくなるのであった。






実際のライブではスタッズつきのベルトとかバングルはNGです。
ダイブとモッシュも禁止の所が多いです。虐待と同じでルールを守って楽しみましょう

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最終更新:2022年01月31日 02:58
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