ゆっくりいじめ小ネタ357 ドスの使命

※罪の無いゆっく(ry
※れいむとまりさしかいない群れ
※ぼくのかんがえたしんせってー


    ドスの使命

         作者:古緑


また不可侵条約が破棄される時が来た
村側が破棄したというべきか、それとも元々条約なんて無かったというべきか
いつも通り村長含め大人達があまりゆっくりとの約束事をあまり皆に厳しく伝えなかったため
子供達もちょっとつまみ食いする程度の感覚で森のゆっくりに手を出してしまったのだ
その現場をたまたま隠れていたゆっくりに見つかってしまい
ドスの元にまで情報が伝わってしまったのが事の原因だ
だが村長は「ドスに近づくな」と徹底して教える他には
子供達を必要以上に厳しく叱りつける事はしなかった
そろそろ美味しい饅頭も無くなりかけていたし、丁度良かったのだ

群れの全てのゆっくりをゆっくりさせるため
ドスは頑張って水場が近く、緑が豊かに生い茂るこのゆっくりプレイスを探し出したのであろう
このドスの群れは三ヶ月前にこの森へと移住してきたヨソ者で
当時の数はせいぜい成体が30程度で子が10程のいかにも
厳しい環境から命からがら抜け出してきたといったような様だった
たったこれだけの饅頭では直ぐに食い尽くしてしまうだろう
そして例のごとく

「れいむやまりさ達には村の物に手を出させないから人間達もまりさ達に手を出さないで欲しい」

といった内容の条約を持ちかけてきた
「条約」とはドスが言っていただけで村からすれば只の「お願い」だ
お願いを聞き入れようと農耕の知識を持たないゆっくりは
農作物に手を出すだろうし、家にも入り込むだろう
過去何回も違うドスの同じようなお願いをきいてきたが結果は同じであった

奴等に村を全滅させる事はとても出来ないがこちらにはそれが簡単に出来る
そんなパワーバランスで対等な条約を結ぶ事なんて出来るわけが無い
新しく来たこのドスとてそれは理解しているのだろう
だからこそ「お願いを聞かないとどう抵抗するか」を示すため帽子に隠したキノコを使うのだ

「もしも条約を破ったらこうなるんだよ!ゆっくり理解してね!」

かつてドスが初めて人里に姿を現したときと全く同じ台詞を言い村長や村の男共を振り返った
しかしパチパチと音を立て廃屋を燃やし尽くす光を放った化け物に怯える者は
今となってはいない

「…分かった。お主の要求を飲もう。ゆっくりには手を出さん」

「…ゆ!村長さん!分かってもらえてまりさも嬉しいよ!」
「ゆっくりしたにんげんさんだね!」
「やったねドス!これでずっとゆっくりできるよ!」
「「「にんげんさんたちもずっとゆっくりしていってね!」」」

ドスはあっさりと要求を呑んで貰えた事を嬉しく思ったのだろう
引き連れた群れと共にゆっくりと嬉しそうに森へと引き返していった



何の得にもならない口約束を誰が守ろうというのか?


全く未知の生物であったドスまりさ
この大きなゆっくりまりさの調査を続けた結果ドスに関する情報は村々に知れ渡っていった
発見された最小のサイズでも2m、最大で4.8mと記録する巨体
不思議なキノコを使い吐き出される直撃を喰らえば絶命は避けられない光のブレスを誰もが恐れ
「条約」を破った者を死に至らしめたドスによる被害は年々減少し続け、今ではほぼゼロとの報告がでている
ドスが自らを縛る鎖を生まれながらにして持っている事が分かったからだ



よく晴れた日だった
10月にしては暖かく雲も無い、どこまでも爽やかな日だ
薪割りに精を出していた午前十時頃、見張り台の鐘が鳴り響いた
裏切られた怒りを露にして奴等がやって来たのだ

あの子供達が見つかるなんて間抜けをした為、計画された流れではなかったが
これから俺がやる事は変わらない
結果も変わらないだろう
俺は半年前と同じように斧を木の台に突き刺し農具倉庫の中から大きめの籠を引っ張りだし、
森の前で合流した仲間達と共に森の中へと入っていった

「村長さんを連れて来てね!!ゆっくりしないで早く行って来てね!!」

「「「とっとといってきてね!!」」」

そんな声を遠くに聞きながら







「よくも裏切ったね!!」

地を震わすような怒声を張り上げ村長へと詰め寄るドスまりさ
その迫力は森に住む生物ならば逃げ出さないものはいないだろう
村長もかつては震えたものだが今は五月蝿そうに顔をしかめるだけだ

「条約を破ったら食べ物を渡すっていうのを忘れたの!?ゆっくりしないで持ってきてね!!」

「もう少し待っておれと言ってるだろう?ゆっくり待っておれ」

「とっとともってきてね!ゆっくりしてるところすよ!!」
「ゆっくりしないでね!」
「じじいはしんでね!」

森から出て来てみた俺達が見た光景は半年前のものと同じだった
裏切り者を断罪しようと正義を振りかざすドスまりさ
三ヶ月前に見たきりの大人しかったゆっくりまりさもゆっくりれいむも
今日はゆっくりが違ったように傲慢に見える
人里近くに住むと性格が変わるというゆっくりの習性…いつかゆっくりに関する本で読んだ事がある
それにしても良くここまで増えてくれたモノだ
三ヶ月間でドスの群れは五倍にも膨れ上がっていた
俺達は目立たないように村長を挟んで立つ男達に森の中で調達したモノを籠ごと渡した
この件に関する俺らの仕事はこれで終わりだ

「ご苦労…」

「聞いてるの!?言う事聞かないとドススパークで…!!」






「「「おかあざあぁぁぁんだずげでえぇぇぇぇ!!!」」」
「「「ままあ゛あ゛あ゛!!ごわいよぉおぉぉ!!」」」
「「「ゆ゛びゃあああああぁぁぁぁああぁ!!!!」」」


「…ま…まりさのおちびちゃん達…?」

ドス達は群れ全員を率いて村まで抗議に来たわけではない
まだ産まれて間も無い赤ちゃんゆっくりや子ゆっくり
それらを育てる母親は森に残って皆の帰りを待っていたのだ
俺らの仕事は手薄になった森のゆっくりたちを数人で全て捕まえる事だったのだ

村まで抗議に来たゆっくり達は不味くて食えたものじゃない
大抵がまりさ種…多くの場合毎日狩りに出かけて食料を調達する比較的タフな饅頭だ
コイツらの皮は日々の狩りでもちもち感を無くし中身は水分を失いぱさぱさだ
その一方、今俺達が攫って来た産まれたばかりの赤ちゃんゆっくりや子ゆっくり、
家の中でゆっくりと子を育てる(主にれいむ種だ)母ゆっくりは
皮も柔らかく中身の餡子もしっとりとして大変美味しい

それだけではなくコイツらはドスをも殺してくれる人間の味方だ



「オイゆっくりども、一歩も動くな。妙な動きしたらお前等の仲間と可愛い子供達を殺すぞ」


槌を持って籠の前に立った大きな男がドスまりさ達に冷淡に告げた
沈黙が場を支配する
ゆっくりまりさ達はもちろんドスまりさも何が起こったのか分からないといった表情だった
ついさっき裏切り者の人間達から食料を得てくる自分達をゆっくりと送り出してくれた
愛する番と子供達がゆっくり出来なそうな籠の中に入れられて助けを求めている
人間達に捕まったのだ
人間達は動くなと言った
動くなと言う事はどういう事なのか
食料はどうなるのだろう?動いたら?れいむと赤ちゃん達は?
まりさ達はゆっくりと理解した

「ドスまりさ、帽子を脱いで目をつぶれ」

「ゆッ!?」

「帽子を脱いで、目をつぶれ」

ゆっくりと理解出来るように男はゆっくりと告げた
帽子を脱げと言う事は帽子の中に隠し持ったキノコを全て放棄すると言う事、攻撃手段を失うと言う事だ
今この敵地の真っただ中で攻撃手段を失うと言う事はどうなるか
ゆっくりでも理解出来る事だった

「ドス…まりさのおちびちゃん達を助けてあげてね…おねがいだよ…おねがいだよ…」

ドスの最も近くにいたゆっくりまりさが泣きながらドスに願う
だがこのまりさのお願いが無かったとしてもドスはためらう事無く帽子を脱いだだろう


『ドスまりさは群れの全てのゆっくりをゆっくりさせなければならない』

ドスまりさには本能としてこの使命を全うすることを最優先する
ドスまりさは群れが危機に晒された時
その使命を受けて生まれる突然変異のゆっくりまりさだ
助けを求めるゆっくりを見捨てる事など出来るわけが無い
例えそれをする事で全てを壊したとしても
まりさは帽子を脱ぎ捨て、目をつぶった

「人間さん…」

数人の男が細い杭を持ってこちらまでやってくるのをドスまりさは見る事は無い
見る事は無くても賢いドスまりさはこれから自分がどうなるかは理解出来ていた
そして理解出来ていてもどうする事も出来なかった

「人間さん…お願いします…!まりさたちの…赤ちゃんとれいむ達をゆっくりさせてあげて下さい…!!」

男達は答える事も無く無慈悲に杭でドスまりさを貫いた

次々に突き刺されていく杭
あまりに凄惨な光景に籠の中からもゆっくりらしからぬ悲鳴が上がる

「みんな… ゆっくり… ぃ … ね………」

6本程刺さったところでドスまりさは永遠にゆっくりする事になった

「ゆあ゛ぁぁぁぁぁ!!どずう゛ぅぅうぅぅ!!」
「ドスがぁぁ!ドスがぁぁぁああ!!」


「「ゆっぐ…!!ゆ…ゆがああぁぁぁぁぁぁ!!!!」」

司令塔であるドスが殺されるとと残りのゆっくりはゆっくり質がいるのも忘れたのか
堰を切ったように暴れだした
あるゆっくりはドスを殺された怒りから人間へ襲いかかり
あるゆっくりは自分の番と子を奪い返すために必死に籠に向かっていった
村からしても三ヶ月も待ったおかげで沢山の美味しい饅頭が手に入ったのだ
不味い上攻撃を仕掛けてくるような役立たずな饅頭には用はない
向かってくるものは全て容赦なく潰され撃ち捨てられた
そんな光景を眺める村長の眼差しはまるで絶景を眺めるそれだった

生き残ったのは番も子も捨てて森へ逃げていくゆっくりだけ
だが奴等は今までドスが近くにいたからこそ森に生かされていたと言う事を
死ぬまでに思い知らされる事になるだろう


こうして全ての仲間を幸せにしようとした優しいドスの群れは消滅した




「ホントどいつもこいつも同じ行動しか取れないのな、あのバカ饅頭」
「一匹でも質に取っちまえばああなっちまうからな。その後の事考えらんねえのかな?」
「半端に賢いと悲惨だよな。もっとバカで喋れなけりゃ『ゆっくり』出来たんんじゃネーの!」

ゲラゲラと捕まえて来たゆっくりの赤ちゃんを噛み砕きながら村の連中は笑う
この赤ちゃんゆっくり達も段々と味の落ちる養殖用以外には全て食い尽くされるだろう
母体として攫って来たゆっくりれいむ達も直ぐに気がふれて使い物にならなくなる
だがそんな事は大したことでは無い
おいしい天然ゆっくりはまた違うドスが運んで来てくれるからだ

何度もゆっくりの子を攫ってあのように群れを潰すのに加担して来た俺が
こんな事考える資格は無いだろう
ゆっくりの生態を完全と言っていい程理解しているであろうあの村長やこの男達が
このような残酷な手段を取り続けるのは何故なのか
男達はそうでないかも知れないが、村長は美味しい饅頭が切れたからと言って
わざと村にドスの群れを向かわせるわけではない
他にもっと手っ取り早い方法も知っているだろう
おそらくは駆除の大義名文をとり、ゆっくり達の愛を利用して破滅させる姿が見たいだけなのだ
村長のようにそんなものを見て楽しむような人間はゆっくりにとっても
……そして私にとっても理解出来ない不気味な化け物だ

あのドスまりさも俺達人間さえいなければずっとあの森の中で幸せに暮らせたに違いない

                  ~happy end!~

作者:古緑

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年05月02日 01:45
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。