ゆっくりいじめ小ネタ354 ばちばち

※ぬるいです。
※作者はEGSです。田吾作は出ません。













 ばちっ。

「痛っ」


 静電気である。
 この時期は空気が乾燥しているからだろうか、金属性のものを触るのが怖い。
 静電気が起きた玄関のドアノブを眺めながら、やれやれと男は息を吐いた。



「ゆゆっ? おじさんどうしたの?」

 ふと、男の足元にゆっくりれいむがいた。その隣にはゆっくりまりさがいる。つがいだろうか。

「なんでさっさととびらをあけないんだぜ?」

 まりさが意味の分からないことを言うので、男は呆れて聞き返した。

「なんでおまえらのために扉を開けなきゃいけないんだ」

 するとれいむとまりさは、ふんぞり返って宣言した。

「こんなおおきなおうちはにんげんさんにはもったいないよ! れいむがつかってあげるよ!」
「ここをまりさとれいむのおうちにするんだぜ! だからゆっくりしないでとびらをあけるんだぜ!」

 なんとまぁ素敵な餡子脳。男はそう思った。
 人間がいない家を勝手に自分の所有物にするゆっくりは珍しく無いが、まさか今から人間が入ろうとしている家に乗り込んでおうち宣言とは。
 多分、だぜ口調のまりさの方は、ゆっくりの中ではそこそこの実力を持っていたのだろう。
 それで調子に乗って、人間相手でも勝てると思い込んだというところか。

 しかし男はあることを思いつき、ゆっくりたちを家に招くことにした。

「ゆゆっ! なかなかかしこいにんげんさんなんだぜ! まりさにさからったらえいえんにゆっくりできなくさせてやっていたところなんだぜ!」
「おじさんはとくべつにれいむたちのけらいにしてもいいよ! どれいでもいいよ!」
「ここはまりさのおうちなんだぜ! ゆっくりできないじじいはゆっくりしないでしんでね!」
「ここはれいむのおうちだよ! ゆっくりできないじじいはゆっくりしないでしんでね!」



 もちろん部屋を荒らされる前に、れいむもまりさも透明な箱に詰めた。

 男は虐待おにいさんと呼ばれる人種である。



   *   *   *   *   *   *



 れいむを上から手で油のしかれたフライパンに押し付け、じっくりと弱火で焼く。
 ゆっくりの足を焼く簡単な方法だが、男は特に弱火で行うのを好んでいる。

「ゆぎゃぁぁあああぁ! でいぶのあじがああ゛!? やべてやべてやべでぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「やべるんだぜぇぇええぇぇ! もうおうぢがえる゛ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 しかしまりさの足は既に焼き終わっているので、少しも動くことができない。
 十分に焼いたところで、コンロを止め、フライパンかられいむを持ち上げて、焼け焦げた底面についた油を拭き取る。
 そして二度と跳ねることも這うこともできなくなったれいむをまりさの隣に置き、後片付けを始めた。

「あ゛……ああ……でいぶの……でいぶのあじがぁぁぁ……」
「なんでごんなごどずるんだぜぇぇぇぇぇ!?」

 男はフライパンを洗いながら鼻歌を歌っており、まりさたちの叫びを聞く耳は持っていなかった。

 まりさは愛しのれいむとすーりすーりしようとれいむに身を寄せたが、絶みょんな距離で離されたれいむにまりさの頬の皮は届かなかった。



 後片付けを終えると、男は一枚の小さな毛布と、プラスチックの持ち手がついた一本の金属棒を持ってきた。

「くそじじい! はやくまりさのあしをなおすんだぜ! そのあとえいえんにゆっくりさせなくしてやるんだぜ!」

 まりさを無視して、男はれいむに毛布をかけてやる。
 れいむは不思議そうに首をかしげた。というか前進が首のようなものなので、体を傾けたような感じである。

「ゆ? ……ゆゆゆ!?」

 唐突に男は、れいむの体を毛布でこすり始めた。
 その毛布は表面が非常に滑らかで、明らかに高級品である。それでこすられるれいむは、それはもうゆっくりとしていた。

「ゆ~♪ ふかふかすべすべできもちいいよ~♪ ゆっくりできるよ~♪」

 鼻歌まで歌いだす始末であるが、男の毛布でれいむをこする手は止まらない。
 そんな光景を見せ付けられているまりさにとってはたまったものではないだろう。

「ゆゆっ! まりさもゆっくりしたいんだぜ! ふかふかすべすべよこすんだぜ!」

 男の手は止まらない。

「まりざをむじずるなぁぁぁぁぁ!」



 れいむを存分に布でこすり付けた後、男は先ほど持ってきた金属棒をれいむに近づけた。
 存分に毛布にこすられたれいむは「すっきりー♪」とほざきながら、まりさの恨みがましい視線に気付かずにいる。
 金属棒がれいむに触れた。

 ばちっ。

「ゆびっっっっ!!?」

 突然全身を貫いた激痛に、れいむは目を見開いた。
 一瞬だけの衝撃に思わずあたりを見回し、れいむは男の持つ金属棒にようやく気付いた。

「ゆゆっ!? いまのはなんなの!?」
「どうしたんだぜれいむ?」

 一方のまりさは不思議そうだ。れいむは別に金属棒で叩かれたわけでも無いのに、とても痛がっている。
 男はにやにやと笑いながら金属棒でれいむを軽く叩く。

「ゆっ、ゆっ、ゆっ、やめてね! れいむにへんなことしたらおこるよ! ……ゆぅ?」

 再び男は毛布でれいむの体をこすりはじめた。

「ゆぅ~♪」
「まりさにもふかふかすべすべさせるんだぜ! れいむだけずるいんだぜ!」

 そして十分にこすった後、れいむに金属棒を見せ付ける。

「ゆゆ?」
「なんなんだぜ?」

 金属棒をれいむに触れさせた。

 ばちっ。

「ゆべっっっっっっ!!?」

 再びれいむの全身を激痛が貫いた。

「なんなのぉぉぉぉ!?」

 再び毛布でこする。

「ゆっくり~♪」

 金属棒を触れさせる。

「ゆぎぃぃっっっ!!」

 毛布でこする。

「ゆ、ゆ~♪」

 金属棒を触れさせる。

「ゆぴぃっっっっっっ!!」

 毛布。

「ゆ、ゆぅ~?」

 金属棒。

「ゆぎぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 毛布。

「ゆぅ、ゆぅぅ……?」

 金属棒。

「ゆげぇっっっっっっっっ!!」



 何度も何度も繰り返しているうちに、れいむもまりさも次第に理解していった。
 金属棒に触れても特に何も無い。
 だが、ふかふかすべすべの高級毛布でこすられることで、金属棒から火花がはじけるのだ。

 つまりは静電気である。



 散々静電気の衝撃を受けたれいむは、最期には焼き饅頭と化して死んだ。

 この時点でまりさには一切手を出していない。
 男は焼け焦げたれいむをまりさの目の前に置き、毛布を手に取った。


「ゆゆっ!? やべっ……やべるんだぜっ! こっちくるなだぜ! ばりざはでいぶみたいになりたくない……
 や……やべでぇえええええぇぇぇぇぇぇぇ! ぶがぶがずべずべじだぐな゛い゛ぃぃぃぃぃぃぃぃ!! ばりざはでいぶみだいになりだぐない゛ぃぃぃぃ!!
 ゆるじでえ゛ぇぇぇぇぇぇ! ばりざがわるがっだでずうぅぅぅぅぅ! い゛や゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
 やべでぇぇぇぇぇぇ……ゆっ……でいぶみだいにっ! ゆゆっ……なりだぐぅぅぅ……ゆっくりぃぃぃ……
 ……ゆゆっ!? あ……ああ……
 やべでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!? ぼうさんちかづけないでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
 い゛やぁぁぁぁぁぁぁぁぁでいぶぅぅぅぅぅだずげでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
 ありずぅぅぅぅぅぅぅぅ! ばぢゅりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!? どずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!
 だれでもいいがらばりざをだずげろおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?
 ゆびぃぃぃっっっっっっっっ!!?
 ゆ゛っ……ゆ゛っ……
 い゛だ……いいぃぃ……
 ……ゆ?
 ゆぅっ!? やべでぇぇ!?
 もうばちばちしたくないよ! おねがいもうゆるし……
 やべでっでいっでるでじょおぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」



   *   *   *   *   *   *



「ゆ゛っ!」
「ゆぅ? どうしたのおちびちゃん?」
「おかーしゃん、いまばちってなったよ……ゆっきゅちできにゃいよ……」
「ゆゆっ、それはばちばちだね!」
「ゆっ? ばちばち?」
「きんぞくさんにさわるときはちゅういしないといけないよ!」
「ゆっ、わかっちゃよおきゃーしゃん!」









 中途半端でごめんなさい。
 静電気に関する知識は大分間違っていると思います。

 ただ、自動車学校で車のドア開けるたびに静電気バチッとくるんでムシャクシャして書いた。
 細かいところは気にしないでください。


 by.EGS

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最終更新:2009年02月22日 00:21
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