ゆっくりいじめ小ネタ371 偽りの子宮

「これなら治る」
ゆっくりれみりゃは本来なら再生能力が高く。足の傷程度ならいくらか酷くても治らないと言う事はなかった。
しかし、これは傷で切れた部分からどんどん皮が破れていき、中身が止めどなく漏れ出してくる。
「栄養状態があまり良くないわね」
水飴で傷口を小さくしながら、中身を戻していく。
「野菜を与えなさい。グズるかもしれないけど、調理すれば平気だと思うわ」

八意永琳はそう言うとタオルットを敷き詰めたバスケットを用意し、ゆっくりれみりゃをそこに寝かせる。
兎は一礼すると、それを持って研究室を去る。

「それにしても弱すぎませんか?」
因幡てゐが永琳に問いかける。
「れいむ種を使った代理出産なの、安っぽい急造品だから、次はどこに問題が起こるか分からないわ」
「うっわー、生まれながらに不幸しかない人生なんて」
「興味がある?それならラボに来なさい」
永琳は何枚かの資料をてゐに渡し、地下の研究室へ案内する。

「優しいお母さんの部屋」と可愛らしい文字で書かれた部屋の前にてゐはやってきた。
ここはゆっくりを『出産』させるのではなく『生産』する事に特化した実験を行う部屋で、
数々の出産に耐えられる年齢に成長したゆっくりが連れてこられていた。

妊娠したゆっくりれいむが三体、テーブルの上に並ぶ。どのれいむも嬉しそうに自分の子を自慢したり、子どもに語りかけたりしている。
それを防音のマジックミラーの向こうから二人は覗いている。
「それぞれのゆっくりには糖分を取らせ、胎児を急速に成長させているの」
マイクがゆっくりれいむ達の会話を拾う。

「れいむのあかちゃんはとってもゆっくりしてるよ」
「ゆふふ、れいむのあかちゃんもゆっくりしてるよー」
「ゆー、もうすぐみんなおかあさんだねー」

興味深そうに資料とれいむ達の様子を見比べる。
「急速な胎児の成長は母体に負担をかける。するとどうしても早産になるのよ」
「声を聞く限りじゃ、そんな違和感を持ってなさそうですけど」
「そこまで知能はれいむ種にはないよ。現実をただ自分の都合のいいように肯定していく事しかできないから」

さらにマイクはれいむ達の声を拾う。
「ゆ?あかちゃんがうごいたよ。うまれそうだよ!」
「れいむも、れいむもだよ。うまれるよ!」
「ゆー、かわいいあかちゃん、ゆっくりうまれてきてね!!」
れいむ達の腹部の膨らみがより大きくなり、産道が開いていき、中からピンクの帽子が見えてくる。

「師匠、これって・・・」
「中に入れたのはれみりゃの胚よ、さっきのれみりゃよりももっと状態は悪いけど」
「うわー、えっぐいー
半身まで生まれ出た辺りから、れいむ達がその異常に気づく。

「ゆ?れ、れみりゃだぁ!!!」
「あかちゃんは?れいむのあかちゃんは?」
「なにごれぇ!!うまれないでぇー!!」
しかし、れみりゃの様子もおかしい。弱々しく鳴き、右腕のない物や目の開いていない物もいた。
産道から元気に飛び出すのでなく、ぬるりとテーブルの上に生まれ落ちる。
落ちた衝撃で足はぐにゃりとへしゃぎ、自立すら困難な状態になる。
うーうーと呻き声をあげながら必死に翼を羽ばたかせるが、胴をかすかに宙に持ち上げる程度で、飛ぶと言うにはあまりに弱々しい。

「れいむのあがちゃん!!だいじょうぶ?ゆっくりできる?!」
「れいむ、これはれみりゃだよ!れみりゃはゆっくりせずにしんでね!」
「あがぢゃんになんでごどいうのぉお!!」
狼狽する母れいむ達。生まれたばかりとはいえれみりゃ達は赤ちゃんよりも大きく、成体のれいむ達にとって十分驚異的な存在だ。
「移植から2時間で産ませるとこんなものね」
じわりじわり、れみりゃ達は不完全な身体を補うべく食料を求め、れいむ達に近づく。
無論、再生能力がこの不完全なれみりゃに強く作用するはずがない。例え成体のれいむを3匹食らったとしても、
奇形の部分が直るわけではない。再生はもとある状態に戻るだけで決して今の状態よりいいものになる事はない。

「あ、あかちゃんこないで、おがあざんをゆっぐりざぜで、ごないでね!!」
「うわぁー!!れみりゃ、こないでぇ!しね、はやくしんでぇえー!!」
「あがぢゃん・・・お、おいで、れれれいむがまま・・・だよ」

「れいむ種は母性が強いですね」
てゐは関心しながら、その様子を見る。永琳は相槌を打ちながら資料に経過を書き込んでいく。
「れいむ種は他の種に比べ、母性が強いのよ」
「母性だけが強いんでしょ」
そう言葉を交わしている間にも1匹のれみりゃがれいむに辿り着く。
3匹の中でもっとも強くれみりゃを拒絶していたれいむに。れみりゃは口を開き、手でれいむを掴む。
「ややや、やめでぇー!!」
れいむは大きく身体を震わせる。れみりゃの握力は大した事なく簡単に振りほどかれてしまう。
そして一か八か、れいむはれみりゃに噛みつく。
「うー!うあー!!」
れみりゃは嫌がり、身体をじたばたされる。捕食種でないれいむに皮を食い破るには若干力が足りない。
何度も咀嚼して、皮を食い破らねばれみりゃには止めがさせない、しかし。

「どうじであがぢゃんたべぢゃうの!!」
同族からの避難、そして侮蔑の眼差し。
母性の強いれいむにとって子を殺すと言う事は最もゆっくりできない行動の一つと言って良い。
「ゆ・・・でも、れみりゃだよ。ゆっくりできないよ!」
「でも、このこはれいむのあかちゃんでしょ!!」
そう言うと母性の強いれいむが自分の産んだれみりゃの傍による。
「れ、れいむのあかちゃん。ゆっくりしようね!!」


「二時間しか妊娠を経験していないのに凄い母性だな」
永琳は手元のパネルを操作し、れいむ達のいる部屋の気温を変更する。
「れみりゃ種は日光が苦手だ。さらに幼いゆっくりにとって寒さは命取りになる」
気温を下げ、ライトの出力を上げ、光を強くする。


「うー・・・ざむいどぉ・・・」
「まぁまぁ、だずげでぇ」
「ざむい・・・どぉ、まーまー・・・」
それぞれの産まれた母れいむに助けを求める。先ほどまでれいむに噛みつかれていたれみりゃまでも。
かすかに手を動かし、れいむ達に向けて伸ばす。れいむ達は。

「あがぢゃーん、だいじょうぶ?ゆっくりしようね!」
「このこはれいむのあがぢゃんだよ」
「あがちゃん、ままといっじょにゆっぐりしようね!!」
れいむ達はそれぞれの産んだれみりゃに駆け寄る。永琳はさらに室内の温度を下げる。

「この代理出産、もっと精度上げられないんですか?」
「ええ、もっとじっくり育てていけばね。そこは加工工場が利益を判断していけばいいわ」
次第にれみりゃの動きは緩慢になり、鳴き声も弱く小さくなっていく。
れいむ達はれみりゃ達を囲み、暖める。そして、優しく声をかける。

「あかちゃん、ゆっくりしようね」
「まま、ゆっくりできるようがんばるからね」
「ゆっくりしてね、あかちゃん」

「うー、まま・・・あったかいどぉ」
「まま、だいすきだどぉ・・・」
「とって・・・もゆっくりできるどぉ」
そこに捕食種、通常種などという区別はない。ただの親子、ただの親子の情愛だった。

「これ以上はれいむの方にも影響が出るわね、光で・・・」
今まで消えていた他のライトも点灯し、ケージ内はその明るさを増す。
れいむ達の優しさなど無意味と言わんばかりにれみりゃは弱り、死んでいく。

「だめぇえ!あがぢゃんゆっぐりじでぇー!!」
「ゆっぐりじでよ!!ままどゆっぐりじでよ!!」
「どうじであがぢゃんゆっぐりでぎないのぉ!!」

動かなくなったれみりゃに頬ずりするれいむ達。

「あがぢゃん・・・ゆっぐりざぜであげられないままでごめんね」
「ごめん・・・ごめんなざい!!ごめんなざいぃい!!」
「ままは、ままはだめなおがあざんだっだよぉ!!」

れいむ達はまた別の胚を植え付けられる。
その母性が壊れ、妊娠を拒絶するまでれいむ達は子を生産し続ける。



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最終更新:2009年02月24日 19:38
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