ジョロロロロ……
「ふーっ……」
俺が用を足して厠から出てくると、最近買ったばかりの子れいむが足元にまとわりついてくる。
このれいむはなんだか妙な奴だ。時々わけのわからないことを言う。
れいむは俺を見上げるといかにも不思議そうな顔で訊ねてきた。
「ゆ?おにーしゃん、きのうもうんうんしてたにぇ?
もちかちて、おにーしゃんまいにちうんうんしてりゅの?」
何が言いたい。
「そらそうよ」
俺の返答を聞き、れいむはきょとんとしていたがやがて笑い始めた。
「ゆっゆっゆ!おにーしゃんはばきゃだにぇ!
うんうんがゆるされるのはそういうせっていのときだけにゃんだよ!!」
「………?」
「てぃーぴーおーもわきまえううんうんするにゃんて、ばきゃなの?しにゅの?」
相変わらず何を言っているか解らないが、なんとなくむかつくのでゆっくり水車の刑に処す。
* * * *
ゆっくりランニングリングはその名前のとおりのアイテムで、よく実験動物を走らせるのに使うアレとそっくりだ。
本来はゆっくりを室内で運動させるためのものだが、水桶をあてがい、底の部分だけを水に浸す。
「ゆゆぅ!じめんさんがゆっくりしてないよ!おにーしゃんはやくおみじゅをどけてね!
おにーしゃんはあいらしいれいむにあまあまをくれるせっていなんだからはやくもってきてね!」
「設定って何だよ……」
安物だったからかなぁ……元気でリアクションもいいが、この謎発言はちょっといただけない。
れいむはしばらくふくれていたが、俺が助ける気がないのを見てとったようで、自ら跳ね出した。
「ゆゆ!おにーさんがせっていむしするからあんよがぬれちゃうよ!ゆっくりにげるよ!」
ぽよんぽよんとリングの中を前に進む。
「ゆふぅ……あぶにゃかったよ!おにーしゃんここからだしてあまあまちょうだい!」
水から逃れて、得意げにこちらを見る。
しかし、リングはれいむの重みでからからと回転し、れいむをもとの位置にもどしてしまう。
「どぼじでもどっぢゃうにょぉぉぉぉぉ!!!???」
「あんまりゆっくりしてるとあんよが溶けちゃうぞ。さあ、走った走った」
「ゆえーん!おみじゅいやだよーーー!!」
俺はしばらく、ゆんゆんと泣くれいむの姿を堪能した。
END
最終更新:2009年03月05日 01:07