ゆっくりいじめ小ネタ425 うんうんする理由

※うんうん




「ゆゆっ!うんうんでりゅよ!」

小さな巣の中で1匹のれいむがうんうんをひり出していた。
ゆっくりのうんうんは餡子だというのに彼女らはうんうんを嫌う。
しかし、彼女達は巣の中でうんうんをしてしまう。
理由はまだ解明されていない。
恐らく彼女達が意外にグルメで、どこか人間臭い側面があることに起因するのだろう。

「いっぱいでりゅよ!」

ぷりっ!ぷりっ!と粒あんがれいむのあにゃると呼ばれる器官から飛び出す。
このうんうん、もとい粒あんは人間の間では高級食材として珍重され、実はなかなかに美味である。
が、ゆっくりにとってはゆっくり出来ないものらしい。
人間はチョコレートを好むが犬にとってそれが猛毒となりうるようなものだろうか?
もっとも、ゆっくりは普通のつぶあんなら平気で食べるし、気付かなければうんうんも平気だったりする。
結局良く分からない、としか言いようがないのだ。

「うんうんさん、もっとゆっくりでてね!」

れいむは恍惚の笑みを浮かべて沢山のうんうんを巣の床に撒き散らす。
何故うんうんはゆっくり出来ないものなのに巣の中でうんうんを出してしまうのか?
理由は簡単だ。
うんうんをすること自体はゆっくり出来ることだからである。
そして、うんうんを我慢することはゆっくり出来ないことである。
この認識に関しては人間もおおむね同じだろう。
目の前に「ゆっくり出来ること」と「ゆっくり出来ないこと」の2つ提示されているのだ。
名前からしてゆっくりの権化たるゆっくりがどちらを選ぶかなど考えるまでもない。

「ゆ~ん!ゆっくりうんうんしたよ!」

そして、ゆっくりにはゆっくり出来ないことを無意識に避ける心理傾向がある。
それ自体は人間や他の動物にも備わっているものだ。
が、ゆっくりのそれは他の動物のそれをはるかに凌駕しており、弱肉強食の摂理からさえも目を背ける。
ゆっくりが勝てもしない相手に、自信満々に向かっていくのはこれが原因だ。
その時、戦わないという選択肢は排除される。
何故なら、戦って勝つという選択肢がそれよりもゆっくり出来るからだ。
負けるという可能性が排除されている辺り、流石はゆっくりと言うほかない。

「ゆっ、ゆううううう!うんうんくちゃいよおおおおおおおお!?」

そして、うんうんをした後でようやくもっと早くに向き合うべきだった現実に直面するのだ。
うんうんがある。うんうんはゆっくり出来ない。ゆっくり出来ないうんうんがおうちにある・・・。
これではおうちでゆっくり出来ない。
かといってうんうんの処理をするのはゆっくり出来ない。
うんうんから目を背ける?
残念ながら、ゆっくり出来ないものが目を背けられるのは想像や予測に対してのみである。
そう、彼女達は刹那主義的なナマモノなのでだ。
重要なのはいかにしてゆっくりするかではなく、今この瞬間ゆっくりすること。

「うんうんはゆっくりできないよおおおおおおお!?」

だから、うんうんをすることで得られるゆっくりの前ではうんうんがあることゆっくり出来ないことを失念してしまう。
が、今目の前にあるうんうんを無視して巣の中でゆっくりすることなんて出来るはすがない。
現実にゆっくり出来ない状況が差し迫ってしまうともはやゆっくり出来ないのだ。
自身の知る限りで最高の環境から少しでもグレートダウンした環境にいると、もはやゆっくり出来ないのだ。
ゆっくり出来ることを優先するがゆえに妥協できずに最上を求めてしまう悲しき性。

「こんなゆっくりできないおうちはれいむのおうちじゃないよ!ぷんぷん!」

ここはもはやゆっくりプレイスではない。
れいむにとって最高にゆっくり出来る環境に「うんうんがある」という項目は存在しないのだから。
れいむはうんうん相手に散々文句を言って、気が済んだところで新たなゆっくりプレイスを求めて旅立った。
そして数時間後・・・

「ゆゆっ!ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ!」

そこが自分の巣であることを忘れてしまったれいむは、高らかにおうち宣言をした。
自分の巣である事を忘れてしまっているのは、ゆっくり出来ないものを避ける心理の作用だろう。
これでこのおうちは自分のものだ。
もちろん、おうちの中のものも自分のものだ。
そう思ってれいむが誇らしげに巣の中を見回すと、美味しそうな粒あんが落ちていることに気付いた。
甘い香りを放つとてもゆっくりしたもの。
先に述べたとおり、ゆっくりのうんうんは甘くて美味しい粒あんである。
自然界では蜂蜜と並ぶ最高の甘味だといえるだろう。

「おいしそうなあまあまさんだよ!」

先ほどしたうんうんのことなどすっかり失念してしまっているれいむは嬉しそうにそれを口に含んだ。
こんな場所にうんうんが落ちているなんてゆっくり出来ない想像はしない。
それに、うんうんをしている光景を見ない限り、それがうんうんとは気付かない。
そのほうがゆっくりできるから。

「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」

れいむは双眸から涙を流しつつ、満面の笑みを浮かべた。

---あとがき---
某氏「巣でうんうんして5秒後に『くちゃい!』とかあり得ねえよ」
↑「巣の中でうんうんするゆっくりは何を思ってうんうんをしているのだろうか?」
という疑問をあえて形にしてみたらこんなんになりました

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最終更新:2009年03月22日 02:30
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