「これで最後の一匹だなっ…と」
やっと念願の個体値が産まれた。コイツが産まれるまでに孵化した弱いポッポたちは
今まで一度も逃がしていなかった。願掛けのつもりだったのか、一体何匹かかるのか
カウントしたかったのか、最早そんなこと忘れたが…とにかく、念願かなったのだ。
もう、このボックスいっぱいのポッポたちに用はない。そういうわけで俺は事務的に
大量のポッポを逃がした。
そんなことも忘れて、俺は違うポケモンの孵化作業に没頭していた。その最中、ふと
気まぐれで寄り道した家でニュースが耳に入った。
「… …
生態系… 崩れるとのこと きょう ……上層部… 決めました」
なんだって?
「ポッポが
大量発生なんて珍しいねぇ、トレーナーのお兄さん。しかも増えすぎて
処分だなんて、ひどいよね」
「アタシうわさで聞いたんだけど、処分したポケモンっておにくになって売られて
いるんだって!」
ポッポが大量発生したという道路は、ズイの近くだった。
そして、今俺はズイの近くでタマゴを抱えて野宿をしている。信じられないような安値で売られていた
「とりにく」を かじりながら。ああ、この「とりもも」旨いな。
そんなことを考えながら横を見ると、ピジョットがなんだか悲しそうにこちらを見ていた。
作 初代スレ>>632
最終更新:2007年10月20日 15:05