※エンドレスエイトの微妙なネタバレを含みます。未読・未見の方はご注意ください。
8月31日
みくるちゃんに電話をかけるか迷い、結局なにもせずに
一日が終わった。
天体観測の後、わざとらしいくらいにくっついて寝たふりを
するのが精一杯。
あのとき、みくるちゃんも寝たふりをしていたんじゃないかと
思う。いつのまにかみくるちゃんの手が私の手の上にあったし。
時間が戻せるなら、あの日に戻って確かめたい。
8月31日
この二週間、プールサイドでじっと私を見ていた
有希の視線が気になっていた。
気が付くと、じっと見られていた気がする。
それなのに、盆踊りの時は全然私の方を見てくれなかった。
一体私は何を不満に思っているのだろう。
確かめようと思いつつ、口実が思いつかなかった。
有希とは明日部室で会うだろうけど、今更どういうことか
聞くのも変だし…
8月31日
夏休み最後の日。思い切ってみくるちゃんを呼び出した。
でも、何を話すか全然考えてなかった。
駅前で待ち合わせて、歩いて、喫茶店で向かい合って座って。
みくるちゃん、「あの」とか「その」とかしか言わないのに、
私はそんなみくるちゃんを、ただ見ていた。
ただ見ていたかったから。
私は、そうしている間、「あの」とも「その」とも言えなかった。
こうやって日記を書いている今更ながら、私と並んで歩いていた
みくるちゃんの、私の側の手がずっと空いていたことに気が付いた。
8月31日
ずっと有希のことが気になっていた。
嫌われている様子はないのに、ここ二週間ばかり、目を合わせてくれない。
ただそれが気になっていた。
疑問をはらすために、有希のマンションに行った。
マンションの部屋の入り口で、制服姿の有希と向き合う。
疑問を本人にぶつけた。
有希に抱きつかれた。
目を合わせると、こうしてしまうから。そう言われた。
いまこうして家にいるのに、どうやって帰ってきたか思い出せない。
まだ胸が痛い。明日、部室で有希と会うのが怖い。
8月31日
みくるちゃんと有希から、ほぼ同時刻に携帯にメールが来た。
みくるちゃんからは、ふたりだけでおはなしがしたいです、
有希からは、本文に、あなたに会いたい、とだけ。
私は…こうやって日記を書くような時間になっても返事も出せずに、
日記を書くことで、二人の気持ちから逃避している。
みくるちゃんのことも、有希のことも好きだ。
情けないことに選んだりできない。
私ははじめて、明日という日がこなければいいと思った。
明日学校で、二人の前でどんな顔をすればいいか、わからない。
8月31日
この夏休みで、みくるちゃんと有希を同じだけ好きになっていた。
こういうことに関して、私は本当に優柔不断だ。
そして、二人から寄せられる好意の重さも感じる。
気づいていない時に戻れれば、そんな甘いことを考えてしまう。
戻りたい。
そうすれば、きっと、友達として接することができるから。
最終更新:2009年07月03日 01:13