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長門×ハルヒ プリン の続き

目が覚めて、最初に見たものは見慣れない部屋の壁。

次に有希のうなじだった。

そこまで来て、自分がベッドの中で有希を抱きしめて寝ていることに気がついた。
どうして、こんな状況になっているのだろうか。
寝起きで脳が完全に機能していないせいか、うまく思考できない。

有希は私の腕の中で、寝息の一つすら立てずに眠っている。
まるで電源の入っていない電化製品みたい。
ふと不安になって、手の平を鼻に近づけてみると、わずかだが呼吸をしているのがわかった。
ほっとした私は特に意味もなく有希の頭を撫でることにした。
指を櫛にようにして髪の毛を梳くと、抵抗なく流れいった。
有希の髪の毛はひやりと冷たくて、それがなんだが心地よかった。

それから、少しずつ昨日のことを思い出した。
普通に学校に登校したこと。
昼前から無性にプリンが食べたくなったこと。
昼休みに思い切って学校を抜けて買いにいったこと。
それを有希に食べられてしまったこと。
有希に、キスされたこと。

ここまで来ると、後は連鎖的に思い起こせるものだ。
脳もどうやら完全に活動体制に入ったようで、昨日のことがやけに鮮明に浮かんでくる。
特に部室からキョンが出て行った後のこととか。

その、有希に、色々とされちゃったことを。

まずい。

今の私はきっとすごい間抜けな顔になってしまっているに違いない。
なんとか有希が起きるまえに落ち着かないと。という結論に私が達した直後。
「………おはよう」
有希のまぶたがゆっくりと開いたのだった。
「おはよう、有希。しっかり眠れた?」
有希の顔が直視できない。
どうしても昨日のことを思い出してしまうから。
なんとか冷静な振りをしようと、必死で朝の挨拶を口にする。
有希は2ミリほど頷くと、私の胸の中に顔をうずめてきた。

「な、有希!? なにしてんのよ?」
私の顔を見つめると、まるで意味がわからないとでも言うように首をかしげた。
この体勢では必然的に有希が上目遣いになるから、正直、反則レベルで愛らしい。
「私と貴方が昨日交わした行為を前提に考えた場合、貴方が現在の状況に困惑するのは不自然」
有希はさらっとそう言うと、頬ずりするかのように、私の胸を堪能している。
「ちょっと、そういう問題じゃないでしょ!」
無理矢理、有希をひっぺがそうとしたが、すごい力で離れない。
こんな細っこい体のどこにこんな力があるのか不思議に思う。
私が諦めると、有希は私を上目遣いで見たまま言った。
「貴方は私の起床時から一種の興奮状態にあった。貴方の表情と心音がそれを表明してる
体調が悪いのなら私に言うべき」
「べ、別にそういうわけじゃないのよ」

私が有希のいう興奮状態にあったのは、昨日のことを思い出していたからであって
別に体調が悪いわけでない。

「なら、何故?」
「何故って、それは、その」
無言のまま、私の答えを待つ有希。
有希とのしたことを思い出して興奮してました、なんて言えれば苦労しない。
どう答えればいいか、と考えていると、あることに気がついた。
「有希、あんた、わかってて聞いてるでしょ!?」
さっきから、有希はどこか楽しげなのだ。
他の人にはわからないだろうけど、私にはわかる。
それくらいの微妙な表情の変化だけど、確かに有希は楽しみを覚えていた。

有希は三秒ほど、押し黙った後、目を0.5ミリほど細めて
「……うかつ」とつぶやいた。
「あんたねえ!」
「貴方の動揺する姿が、私には非常に好感が持てた。許して欲しい」
「許して欲しいって言われたって……」
「更に付け加えるなら、私は貴方の羞恥する姿にも好感を覚えている」
「へ? ちょ、有希、やめなさい!」
有希は私を、押し倒すとマウントポジションのような体勢を取った。
同時に、昨夜もこの体勢から流されて、色々とされてしまったことを思い出す。
「昨夜も行った行為、問題は発生しない」
「そうじゃなくて……んん!」
「………可能な限り優しくする」
「有希、あんた私をこんなにしたんだから責任取りなさいよ」
「……責任?」
「そう、責任よ、責任。これだけして、はいさよなら、なんて許さないんだからね!」
有希は理解したみたいで、コクリとうなずくと私の耳元で囁いた。
「私が貴方から離れることは無い。約束する」
「なら、いいのよ。許してあげるわ」
そう言って、有希の髪を撫でる。

私の体温が移ったせいか、有希の髪は、さっきよりも幾分温かかった。

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最終更新:2009年01月06日 14:08
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