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長門×ハルヒ バニー

「そろそろ、有希の衣装も買い揃えるべきだと思うのよ」
いつものように、文芸部の部室に集まった俺たちを前に、
ハルヒはさも当然かのようにそう宣言した。
「衣装って、コスプレ衣装のことか?」
「そうよ! SOS団の女性団員たるものコスプレの一つもできないでどうするの!」
俺の知る限り、この非公認団体の不思議の発見のために組織されたはずだが、
いつの間にコスプレサークルになったんだ?
まあ、ありもしない不思議を探す非生産的な活動よりも、
長門や朝比奈さんのコスプレを拝む方が何十倍も素晴らしいというものだ。
「不思議と出会うために間接的な要素として必要なのよ。」
なんだそりゃ。
「それとね、あんたなんかに有希のコスプレ姿は見せてあげないんだから!」
重ねて言おう。なんだそりゃ。
古泉はさっきからニコニコといつもの笑顔を保ち続けている。
なるほど、という感じの表情が軽く気に障る。
朝比奈さんはメイド服に身を包み、まるで天使のように椅子に腰掛けていた。
その表情から読み取れる心情は「どうして自分はこうしてコスプレを皆の前で披露しているのか」
といった辺りだろうか。
当の本人である長門はじっとハルヒの顔をみつめているだけど、なにも言葉を発しない。
ハードカバーを広げていないだけマシと言えるかも知れない。
だが、結局は俺がツッコミを入れなきゃならんらしい。
「それって、お前が長門のコスプレを独り占めしたいだけじゃないのか?」
「そ、そんなわけないでしょ! あんたの視線がいやらしいから有希が可愛そうだと思ったのよ」
はいはい、そうですか。
なら何故、お前は顔を真っ赤にして俺から目をさらしているんだ。
言うまでもないことだが、ハルヒと長門の関係は団の全員が知っている。
というか、既に学校中の人間が知っていると言っても過言でもない。
長門のアパートから登校したり、仲良く手をつなぐところを見せられたら誰だってわかるだろう。
それはハルヒ自身もわかっていることだが、指摘すると、こんな感じに誤魔化しやがる。
この上なく、似合わない表現をするなら乙女の恥じらいってやつだろうか。
やれやれだ。

結局、その日はそれで解散することになった。
この頃のハルヒは少し早めに解散をすることが多い。
そのときはいつも長門と残っているが、何をしているのかを想像するのは野暮というものだろう。
下衆の勘繰りとも言うが。
せいぜい仲良くしてもらいたいものだ。





「さっきの話」
二人きりになった文芸部の教室。
有希は私に体重を預けるかのように、私にもたれかかる。
私がそれを抱きとめると、有希は小さな声でつぶやいた。
「さっきの話って、衣装のこと」
「そう」
「もしかして、衣装いらない?」
わずかな不安を抱きながら、私は聞く。
有希に可愛い衣装を着せるのを、かなり楽しみにしているからだ。
「違う。貴方が求めるなら着てもかまわない」
「じゃあ、なんのこと?」
「貴方も着て欲しい」
有希はそう言い終えると、すぐに衣装ケースに向かって歩き出した。
確かに感じていた有希の重さと温かさが離れていく。
有希はケースの中から、黒い布のようなものを取り出した。
「これがいい」
そう言って、有希が私に渡したにはバニースーツだった。
最初のビラ配りのときに私が着た物だ。
「これがいいって、着ろってこと?」
「そう」
「別にいいけど、今?」
「今」
有希は何かを期待したように、私に視線を送る。
その何かは、バニースーツであることはわかってる。
どうやら、有希は私のバニーガールが見たいらしい。
「わかったわ。着替えるからむこう向いてて」
「いや。貴方の着替えを見てる」
「いやって、あんたね」
「いつも見てる。問題はない」
「なくないわよ!」
「ない」
有希はキッパリと私に告げる。
人の気も知らないで勝手なのものだ。
有希に見られると、緊張してしまうのに。
私は仕方なく、制服に手をかける。
するり、とリボンが床に落ちた。
有希はじっと、私の着替えを観察していた。
露出した肌を有希は真剣にみつめていいる。
心臓が、いつもより多く活動しているのわかる。
スカートをずらそうとする手は、わずかに震えていた。
着替えを終えると、有希はまた私に体重をあずけてきた。
「これでいいの?」
「いい」
有希はそう言うと、太ももの辺りの網タイツをすっとなぞった。
「ちょっと、やめなさい」
「拒否する。貴方は本心から、その発言をしていない」
「そんなわけ……ないでしょ」
「ある」
私の主張を一途両断した有希は、さらに網タイツの網目を弄ぶ。
最初を太ももの辺りにあった指は少しずつ、上昇しており、今では私の股関節まで来ていた。
「それ以上は学校じゃダメよ。ね、有希、今から有希の家に行くからそこで」
「拒否する」



帰り道、と言っても私は有希の家に行くのだけど。
私はバニーガールの衣装を持ち帰るはめになった。
汚れてしまったから、あのまま部室に置いておくことは出来なくなったのだ。
「有希のせいだからね」
「反省している」
「なら、いいけど」
有希は本気で反省しているようだ。
有希にしては珍しい反応だな、と思った矢先に。
「チャイナの衣装も持って帰るべきだった」
とのたまった
「なんでそうなるのよ!」
「学校でバニー。家でチャイナ。二度美味しい」
明日はチャイナを持って帰ることになりそうだ。

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最終更新:2009年01月10日 11:03
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