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長門×ハルヒ 初詣

「あけましておめでとー!」
SOS団団員には既にお馴染となったマンションの玄関前。
前日の夜…といっても数時間前だが、団員達に「初詣行くから有希んちに集合」と突然すぎるメールを送りつけてきた団長様が、満面の笑みで手を振っている。
「おめでとうございます」
「今年もよろしくな」
肌を刺すような早朝の空気は元旦だからといって手を緩める気はないらしく、肩をすくめるみくるは、手袋にくるまった指先をさすりながら、
「長門さんは?」
白い息とともにハルヒに疑問を投げ掛ける。
新年、SOS団の初顔合わせとなったその集合場所には、本来、一番早く到着できるはずの少女の姿が見えなかった。

聞かれたハルヒがふふんと笑う。
不思議そうなみくるに、なぜか胸を張ると、
「有希、いいわよ!」
自動ドアに向かって呼び掛けた。
その合図を待っていたかのように、透明なガラスの死角、壁の裏から小さな人影が現れて――、
「…」
眠そうだった団員達の目が、普段の倍ほどの大きさに見開かれる。
「じゃーん!」
ありきたりな効果音とともにハルヒの横まで歩いてきたのは、
着物姿の長門だった。



さかのぼること、一時間ほど。
「ごめんねー。早い時間に」
集合時間にはまだまだだというのに、長門の部屋には既に団長の姿があった。
新年早々ワクワク顔の彼女の右手には、かなり大きな紙袋が握られている。

長門は早朝にも関わらずいつも通りの制服姿で、ハルヒはそれを横目でちらと確認すると、
「やっぱり、制服だと思った」
小さな子どもに語りかけるみたいに呟く。
そして、持参の紙袋をごそごそと探り、
「これ、着てみてよ」
赤い着物を取り出してみせた。

「中学校か、小学校高学年くらいのときに買ってもらったやつなのよ」
意外と本格的なその着物の帯を締めつつハルヒが言う。
「入らなくなったし、片付けちゃうつもりだったんだけど、有希なら着れるかなと思って」
「…そう」
てきぱきと着付けをこなすハルヒに身を任せる長門だが、
「うん!やっぱり似合うわ!」
赤い着物を纏った姿を上から下まで見渡した団長様は、仕上がりにとても満足のようだ。
「前々から、有希は和服が似合うかなと思ってたのよ」
それは暗に体の凹凸が少ないと言っているようなものなのだが…。
誉められた長門は素直に嬉しいらしい。
「ありがとう」
小さく呟いて…
ハルヒの方に歩み寄ろうとして、僅かに足をよろけさせた。
「…少し動きづらい」
「ふふ、大股で歩いちゃダメよ」
ふらふらとする小さな少女に、ハルヒは笑いかけて、
「それ、あげる」
飾りっ気のないショートカットをふわりと抱き寄せた。
「それは有希が一番似合うから」
「…私が?」
「うん…。最高に可愛いわ」
その言葉は、いつもみくるが着せかえ人形のごとく遊ばれているのを横目で見ていた長門の心に、なにかしら響いたようだった。
着物に包まれた小さな体が、寄り添うようにハルヒの肩に頭を預けた。

周りの空気にあてられて、長門の髪は冷たくなっていた。
ハルヒはその髪を撫でながら…
集合時間までに、和服らしくアップにしてあげようかな、とか考えていた。

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最終更新:2009年01月10日 11:50
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