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↑の派生SS

私は考えていた。
何を考えていたのかっていうと、有希のこと。
私が有希に大好きなのは間違いない。
俗に言うベタ惚れって状態なのは、この際認めざるをえない。
有希も私のことを好きだって言ってくれるし、そりゃあ幸せなのは間違いないわね。
でも、問題はその付き合い方よ。
私としては、恋人同士っていってもやっぱり団員としての上下関係を重んじるべきだと思うのよね。
全て私の言うとおりにしなさい、とまでは言わないけれど、やっぱり私が上の立場にあるべきじゃない?
それなのに有希ときたら、いつも私のこと押し倒したりして、全然言うこと聞かないのよ!
やめなさいって言ってるのに「あなたがこれを望んでいる」なんて言って無理矢理するのよ?
別に、その、無理矢理が嫌っていうわけじゃないの。
どっちかって言うと好きっていうか、そっちの方が気持ちいいってこともあるし、
本当にたまにだけど、もっとめちゃくちゃにされたいって思うときだってあるわよ。
でもね、そうじゃないのよ!
だいたい私だけがあんな恥ずかしい目に合う不公平よ!
とにかく! 私は決めたわ、絶対に有希を押し倒して同じ目に合わせてあげるってね。
有希のやつ、覚悟しておきなさい。


「有希!」
涼宮ハルヒと共に帰宅した私は、鞄を置くとコタツ机の前に腰を下ろした。
そして、涼宮ハルヒのいれてくれた緑茶に手を伸ばそうとした瞬間、背後から呼び止められた。
「なに?」
私が振り向くと、彼女は無言で私の肩に両手を置くと、そのまま全体重をかけてきた。
私はそれに逆らうことなく、体格差をそのまま受け入れた。
結果、私が涼宮ハルヒに押し倒された形になる。
ここで、一つの疑問が生まれる。
彼女、涼宮ハルヒは交際関係において主導権を握られること望んでいるはず。
普段ならば、押し倒すのは私の役割となる。
彼女も口では抵抗しながらも、身体はそれを受け入れているし、最終的にはもっと支配されたいという内容の言葉を口にする。
ならば何故、涼宮ハルヒは今回の様な行動に出たのか、私は明確な回答を出せないでいた。
私は答えを求めているという、意思を表明するために、彼女と視線を合わせた。
それが伝わったのか、頬を紅潮させたまま沈黙していた彼女が一気に口を開いた。
「い、いつもあんたに押し倒されてばかりだから今日は逆に押し倒したわ!
 ど、どう? 押し倒される気持ちは!」
彼女の発言で、私は確定的ではないにしろ一応の回答を導くことができた。
普段から押し倒され続けた彼女は、快楽を得ているのは自分だけだと考えた可能性がある。
つまり、自分ばかり押し倒されて気持ちのよい思いをするのは私に対して申し訳ない、ということだろう。
彼女の私を気遣ってくれる気持ちは理解できる。
有機生命体の感情を理解できないはずの私が、初めて理解できた感情が、涼宮ハルヒの愛だったからだ。、
だが、それならば、彼女は重大な勘違いを犯していることになる。
何故なら通常、押し倒され、支配されることに喜びを見出すという涼宮ハルヒのような性癖は私には無い。
にも関わらず、私のために必死に無理をする彼女によって、私の中に愛しいという感情が浮かぶ。
そんな彼女にどんな反応で応えるべきか。
与えられた三つの選択しを、私は決めかねていた。

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最終更新:2009年02月11日 09:57
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