・・・『嫉妬』と言う感情が、有機生命体には存在している。
そのように情報統合思念体に教わった。
私には、その感情が理解できない。というよりも、経験したことがないのでわからない。
私には縁のないもの。そう、思っていた―・・・。
『有希、用事があって今日のお昼一緒に食べれないや。ごめんね』
ハルヒに伝えられたのは、3時間目の休み時間。
私とハルヒは毎日昼食を共にする。しかし、用事があるのなら仕方ない。
『わかった。』
そう告げると、始業5分前の予鈴がなった。
―・・・そして、4時間目終了のチャイムがなり、昼食の時間。
通常ならハルヒと共に昼食を食べているところ。
私はとりあえず、手を洗おうと廊下に出た。そのときだった。
…よくわからない感情が、身体の中をぐるぐる回る。
もやもやして、胸の奥を締め付ける。
『あ、有希・・・』
ハルヒが私を見つけ、こちらに向かってくる。
だが私は、なぜだかわからないがハルヒに背を向けてしまった。
本当になぜだかわからない。エラーが発生した。
ハルヒも追ってこない。私の中の『感情』というものにバグが発生したのかもしれない。
―・・・その日の部室には、私とハルヒの2人だけだった。
静かな部屋に本のページをめくる音が響いていた。
しかし、彼女の言葉で沈黙はやぶられることになった。
『ねぇ、有希・・・どうしたの?』
『どうもしない』
私自身にもわからないのだから、どうもしないと答えた。
『どうもしない、じゃないわよ。なんだかいつもと様子が違うじゃない。』
『…』
私は何も答えずに、本に目を落とした。
『有希!話してるときは本を読まないのっ!』
そう言われ、本を閉じる。
『有希がおかしくなったのは昼休みよね?何があったの?』
昼休み・・・私は廊下で朝比奈みくるに抱きついているハルヒを見た。
そのときから私の様子が違うのだと言う。
『廊下で…朝比奈みくるに抱きついているあなたを見た。
あなたは、昼休みに用事があって昼食を共に出来ないと私に言った。』
『・・・へっ?』
『なのにあなたは朝比奈みくると行動を共にしていた。
私の様子がおかしいのだとしたら、それはきっとその時から。』
ハルヒの顔が紅潮してゆく。そして、私を抱きしめる。
『なぁに、有希・・・ヤキモチなの?』
『・・・ヤキモチ?』
ヤキモチとは、嫉妬のことだと、ハルヒが教えてくれた。
『ごめんね有希。今日はみくるちゃんの新しい衣装の採寸してたのよ』
『それにしても、有希がヤキモチ妬いてくれるなんて』
ハルヒは嬉しそうに笑った。
『ホントごめん・・・』
彼女の言葉を遮って、私はハルヒの唇に自分のそれを重ねた。
ハルヒの唇が離れる前に、無理矢理口をこじ開けて舌をねじ込む。
『んぅ・・・ちょ、有希っ!?』
ハルヒは私から離れ、顔を真っ赤にさせている。
『もう、ビックリするじゃない。』
ハルヒの言葉に返事はしなかった。そして、私は彼女の首に吸い付いた。
『ひゃっ!?』
私が彼女の首から唇を離した時、吸い付いたところは赤くなっていた。
俗に言う、キスマーク。
彼女は私のものという印。
『な、なにするのよ!!制服きても隠れないところにつけちゃって・・・!!』
顔を真っ赤にしながらまくしたてる彼女に向かって私はこう言った。
『あなたは私だけのもの。他の人には絶対に渡さない。』
これでもかと言うくらいに顔を赤らめる彼女に、また口付けをする。
嫉妬とは、相手をとても想っているということだと、理解した。
ハルヒは、私だけのもの。世界で一番、大切な人。
最終更新:2009年02月11日 10:32