時はしばし遡る。
ディオ・ブランドーという男がいた。
イギリスの貧民街で育った彼は実の父を殺し、父が恩を売った『ジョースター』の一族を乗っ取ろうと画策した。
しかし、その目論見は彼の仇敵であり、友であったジョナサン・ジョースターの手によって挫かれ、彼は二度の死闘を経て百年の眠りについた。
時を超え、最早ディオ・ブランドー青年を記憶する人間が姿を消した頃、彼は時を統べる『帝王』DIOとして復活した。

しかし血の因縁は途切れず、復活したDIOの野望を粉砕するべくジョナサンの血統であるジョセフ・ジョースター、空条承太郎一行らが立ち上がったのだ。
帝王とその配下、そして星屑の十字軍は壮絶な死闘を繰り広げ…その結果、帝王『DIO』は倒された。
ジョナサン・ジョースターのボディと共に灰となったのだ。


そして、現在。彼の呪われた魂は、当然の、予定調和の如く地獄へと流れ着いた。


「フフフ、鬼ごっこ、か……面白いじゃあないか」


その美貌を醜く歪めて、邪悪な本性を隠そうともせず、DIOは笑った。
空条承太郎に敗北したのは認めよう、失態だった。
だがそれが何だというのだ。我が終生の友であり、宿敵であったジョナサンは二度自分を破って見せたではないか。
そして、敗北してなお自分という存在は此処にある。


「まだ、時間停止の秒数はジョセフの血を吸った時ほどではないが…
太陽の光を気にしなくとも良い空というのは気に入った」


そう、彼のスタンド『世界』が操る時間停止は、鬼ごっこというゲームにおいて圧倒的なアドバンテージを有している。
誰も、止まった時の中を逃げることなど出来ないのだから。
加えて、空は明るいにも関わらず自分は消滅していない。それどころか『地獄』の太陽は実に肌に馴染むッ!
宿敵であるジョースターは忌々しくも此処にはおらず、
DIOは陽光とジョースター、二つの数少ない弱点を克服しているのだ。
後は、必ず現世へと復活し雪辱を晴らす。
さぁ子は捕え、親は戯れに血を吸い、蹂躙し、進軍せよ、ディオ・ブランドー。
ただ一度逃してしまった勝利を、今度こそ刻むために。


「フフ…全員『捕まえて』やるぞ子供たちよ。そして、親の人間共は恐怖するがいい。
『勝利し』『支配する』それこそがこのDIOのたった一つ、シンプルなルールよッ!」




【不明/不明】
【DIO/ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:不明支給品二つ
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:子全員捕まえ、親は血を吸うか下僕とする

人物紹介……英国の貴族の家系であるジョースター家の宿敵。

貧しい平民に生まれ、父ダリオ・ブランドーの死を機にジョースター家の養子となる。
ジョースター家乗っ取りを画策するが、ジョナサン・ジョースターの活躍により計画が露呈。窮地に立たされる。
危機を脱するため決意したディオは人間をやめる事を宣言し自ら石仮面を被り、不死身の吸血鬼と化した。
ゾンビを生成し世界征服を目論むディオとジョナサンの戦いは熾烈を極めるが、太陽の力・波紋法を身に付けたジョナサンによって全身を溶かされ敗れ去る。

だが、辛うじて首だけが助かり密かに生き延びたディオは再びジョナサンの前に立ち塞がる。
失った体の代わりにジョナサンの肉体を手に入れ再起を図るも、最後の力を振り絞ったジョナサンと相打ちとなり、彼と共に客船の爆発に巻き込まれて海底へと沈んだ。


その100年後、エジプト・カイロにて復活したDIOは新たなる力、『スタンド』に覚醒。再び世界を手にするべくその勢力を拡大する。
ジョースターの血統、空条承太郎たちが自分の存在を察知、知覚、倒しにくることを予想したDIOは配下のスタンド使い数十名を刺客として差し向ける。
空条承太郎たちはいくつかの犠牲を出しながらも刺客たちを突破。しかしエジプトでの決戦ではDIOのスタンド能力『世界』の前に全滅寸前まで追い込まれる。
圧倒的有利に立ったはずのDIOであるが、激昂した承太郎との戦いにより形勢は逆転。最後はスタンドごと本体であるDIO自身も破壊され敗北。
バラバラに砕かれたDIOの肉体は、日の出の光を浴び灰となって消滅、紅海へ散っていった。
しかしその絶大な影響力は、彼の死後も依然消えることはなかった。
最終更新:2018年07月01日 02:59