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カンジVSアリス

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zecre

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孤独な大学生77

「巨大な炎の鳥アナスタシアの中のヒマツリ・カンジは一瞬狼狽する。
雲の上には既に無数のスカイクロラが待ち構えていた。
カンジはボサボサ頭を掻き毟る。
ギョロリとした大きな眼で前方を注視する。
居た。
アリスがテレポン涅槃交響曲をこちらに照準を向けて構えている。
何時もと同じ黒の修道服。何時もと同じ黒い翼長が一回り長い真っ黒な翼。
そうだ。
他の何千というスカイクロラは飾りだ。陽動の意味しかない。
これは自分と彼女アリスの戦いなのだと悟った。
「良いぜ!!来い!!」
カンジは声の限り叫んだ。
周りのスカイクロラが一斉に矢を放つ。
カンジはアナスタシアの出力を一段上げた。
無数の矢はカンジに届く前に悉く燃え尽きる。
「一撃で決める・・・無意味(サイレン)・・・。」
アリスが呟く。
紫色の光球がアリスを包む。
テレポン涅槃交響曲はイリスの背中と同化し脇の下を通って
前に突き出した生物のような流線型の銃の形をしている。
アリスの生命エネルギーを吸い取って放出する危険なテレポンである。
「こっちはアナスタシアじゃ分が悪いかもな。」
カンジは呟くと赤を基調としたアイヌの民族衣装のポケットから
小型化されたテレポン氷蟲を取り出す。
結晶化した角ばった構造が長く紐のように伸びた形状をしている。
氷蟲はカンジの手を離れるとニュルッと音を立てて全長4メートルの大きさに巨大化した。
そしてカンジの体に間隔をあけ宙に浮いて巻きつく。
「術合戦だ。何時でも来て良いぜアリス。」
カンジが言う。
「離れてろ!!」
アリスが周りのスカイクロラに注意を喚起する。
スカイクロラ達が蜘蛛の子を散らすようにバラバラ逃げ出す。
「逝くぞ!!!はあああああああああ!!!」
アリスの周りの光球が重低音をあげながら巨大化する。
アリスの十八番「無意味(サイレン)」が銃口から発射される。
「うおおおおおおおおお!!!」
カンジがアナスタシアの出力を限界まで高める。
「邪氷樹!!!」
氷蟲がニュバッと前方に飛び出し放たれた光球に一瞬で絡みつく。
「あああああああああああ!!!」
カンジが叫ぶ。
光球の前半分がシュウシュウ音を立てて凍りつきスピードが落ちる。
「はっ!!!」
その隙をついてアナスタシアと共にカンジが光球を避ける。
光球はアナスタシアの鼻先を掠めて彼方に飛んでいった。
「よし!!闘れる!!逝くぞ!!アリス!!」
カンジが叫ぶ。
「厄介だな・・・あの武器・・・。」
アリスが呟く。
天空の闘いが今幕を開けた。

大戦終了まであと11時間。

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