孤独な大学生77
フリーダは寝返りをうった。
[[ミナセ]]が横で寝息を立てている。
ビョウドウイン・ルナは修行に出かけたらしい。
9歳の身空でご苦労な事だ。
「ねぇ。ミナセ。」
フリーダはミナセの右肩を手で押しながら言った。
「ふああ・・・何フリーダ。」
「もう直ぐ[[スカイクロラ]]は仕掛けてくるよ。」
「何・・・?」
「早く準備しといた方が良いよ。」
「何故そんな事を教える?」
「聞くな。そんな事。」
「じゃ。こっちも良い事教えるよ。[[ライマ]]がお前を殺そうと虎視眈々と狙ってる。」
「あっそう。あの人私よりずっと弱いから心配してもらわなくて結構よ。」
「まぁ。そうだな。ハハハ。」
「ミナセは強いから・・・私を殺したくなったら教えてね?私色々準備しなきゃだから。」
「殺さないよ。」
「なんで?」
「聞くな。」
「きっと何時かルナちゃんは私を殺しに来るよ。私あの娘にとって邪魔だから。」
「そうか?」
「あの娘、重度のファザコンよ。気付いてるでしょ?」
「・・・。」
「あの娘は強くなる。私分かるよ。小さい頃の私にそっくり。きっと私何時か殺されちゃう。
このままミナセの傍に居たら・・・きっと・・・。」
「で?」
「私は私の命なんかこれっぽっちも重く思ってないよ。だから良いんだけど。
ただ、ミナセと別れるのはちょっと嫌だなって・・・。」
「そうか。」
「でも私楽しみなんだよ。あの娘が強くなるの。昔の私を見てるみたいで。」
「そうか。」
外で雀が鳴いている。朝だ。
ルナが家から300メートルの地点で立ち止まって
また剣の練習を始めた。
「もやもやしてる・・・私・・・。」
ルナは呟いた。