クレリック(クラス)

表:クレリック
レベル 習熟ボーナス 特徴 初級魔法修得数 一日の呪文数
1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 +2 呪文発動、信仰の領域 3 2
2 +2 神性の利用(1回/休憩)、信仰の領域の特徴 3 3
3 +2 3 4 2
4 +2 能力値上昇 4 4 3
5 +3 アンデッド破壊(脅威度1/2)― 4 4 3 2
6 +3 神性の利用(2回/休憩)、信仰の領域の特徴 4 4 3 3
7 +3 4 4 3 3 1
8 +3 能力値上昇、アンデッド破壊(脅威度1)、信仰の領域の特徴 4 4 3 3 2
9 +4 4 4 3 3 3 1
10 +4 信仰の直接介入 5 4 3 3 3 2
11 +4 アンデッド破壊(脅威度2) 5 4 3 3 3 2 1
12 +4 能力値上昇 5 4 3 3 3 2 1
13 +5 5 4 3 3 3 2 1 1
14 +5 アンデッド破壊(脅威度3) 5 4 3 3 3 2 1 1
15 +5 5 4 3 3 3 2 1 1 1
16 +5 能力値上昇 5 4 3 3 3 2 1 1 1
17 +6 アンデッド破壊(脅威度4)、信仰の領域の特徴 5 4 3 3 3 2 1 1 1 1
18 +6 神性の利用(3回/休憩) 5 4 3 3 3 3 1 1 1 1
19 +6 能力値上昇 5 4 3 3 3 3 2 1 1 1
20 +6 神格の直接介入強化 5 4 3 3 3 3 2 2 1 1

腕と目線を太陽に向け、口の端に祈りの言葉をのせつつ、エルフは内なる光で輝きを帯び、戦場で傷ついた仲間に癒しの力を放つ。
栄光の歌を詠唱しつつ、ドワーフは彼に向かってくるオークの軍勢を狩り取るようにアックスを振るい、全ての敵を打ち倒すべく神々への賛美の言葉を叫ぶ。
アンデッドの軍勢に向けて呪詛の言葉を吐きつけ、その人間が聖印を高く掲げると、そこから漏れ出でた光が彼女の仲間に群がっていたゾンビたちを退かせる。
クレリックは定命の世界と神々の住む彼方の次元界との間にいる仲介者である。彼らが仕える神々が様々であるように、クレリックも彼らの神々のなす事々を体現することに腐心している。たんなる神官ではなく、クレリックは信仰魔法を付与されている。

癒し手と戦士

その名前が暗示するように、信仰魔法は神々のパワーであり、神々からこの世界に流れ込んで来る力である。クレリックはこのパワーの導管であり、奇跡的な効果として顕現する。神々はこのパワーをそれを求める者すべてに対して与えてくれるわけではなく、高度な召命に応える選ばれた者にだけそれを与えてくれる。
信仰魔法の制御は学習や訓練によってなされるものではない。クレリックは定型的な祈りの言葉や古代の儀式を学ぶかもしれないが、クレリック呪文を発動する能力は神の意志への献身とそれを察する直観力によってなされる。
クレリックは治癒や味方を鼓舞するといった有益な魔法とともに、敵を傷つけたり妨害したりする呪文を併せ持つ。彼らは畏敬の念と恐怖の念を喚起し、疫病や毒の呪詛を課し、敵を焼き尽くすべく天から炎を降り注がせることすらできる。このような悪をなす者たちはメイスを脳天にぶちこむことからも最大限の利益を得るだろうため、クレリックは戦闘訓練を頼りに、自らの側の神々のパワーを使って近接戦闘に切り込む。

信仰の代理人

寺院や社におけるすべての侍者や司祭がクレリックという訳ではない。神官の中には、魔法と腕っ節によるのではなく、祈りと捧げ物によって神々の意志を伝えている、単に寺院における奉仕に人生を捧げているだけの者もいる。いくつかの都市では、聖職身分は官公省庁に等しく、より高位の権力へと近付く踏み石に過ぎないと考えられており、神との親しい交わりとは全く関係がない場合もある。真のクレリックは大部分の聖職階級において稀な存在である。
クレリックが冒険者人生を選ぶとき、通常それは彼あるいは彼女の神による要請が起因となっている。神々の目標を追求することには、しばしば文明外の危険に立ち向かうことや、悪を討つこと、あるいは古代墳墓の聖遺物を探し求めることなどが含まれる。また多くのクレリックが彼らの神々の崇拝者を守護することを期待されており、それはすなわち、略奪してくるオークとの戦い、戦争中の二国間の和平交渉、あるいはデーモン・プリンスがこの世界に入り込むことを許すようなポータルを封印することなどを意味する。
冒険を行なっているクレリックのほとんどは、彼らの宗教における定住地の寺院や教団との繋がりを維持する。寺院はクレリックに援助を依頼してくるかもしれないし、要求をするような立場にある高位神官がいるかもしれない。

クレリックの作成

クレリックを作成するにあたって、考慮すべき最も重要な設問は、どの神に仕えるかという事と、君のキャラクターが体現する原理は何かという事である。「附録B」には多元宇宙の神々の多くのリストが含まれている。君のキャンペーンではどの神が存在するのか、DMに確認すること。
いったん神格を選んだなら、君のクレリックのその神との関係を考える。君は自発的にこの奉仕の道に入ったのか? あるいは神が君を選び、君の意志に関係なく奉仕の道へと駆り立てたのか? 君の信仰の寺院の神官たちは君のことをどのように考えているのか:勇者としてなのか、あるいは厄介者としてなのか? 君の究極の目標は何か? 君の神は何か君に特別な仕事をさせようとしているのか? あるいは偉大な探索行によって君が自分自身の価値を証明しようと奮闘しているのか?

簡単作成

君は下記の推奨方法を使うことで簡単にクレリックを作成できる。第一に、【判断力】を最も高い能力値にし、ついで【筋力】か【耐久力】を高くする。第二に、侍者の背景を選ぶ。

クラスの特徴

クレリックとして、君は下記のクラスの特徴を得る。

ヒット・ポイント

ヒット・ダイス:クレリック・レベル毎に1d8
1レベル時のヒット・ポイント:8+【耐久力】修正値
より高いレベルの時のヒット・ポイント:2レベル以降のクレリック・レベル毎に1d8(あるいは5)+【耐久力】修正値

習熟

防具:軽装鎧、中装鎧、盾
武器:全ての単純武器
道具:なし

セーヴィグ・スロー:【判断力】、【魅力】
技能:〈医術〉、〈看破〉、〈宗教〉、〈説得〉、〈歴史〉から2つ選ぶ

装備

君は下記の装備に、背景によって与えられる装備を加えたものを持ってゲームを開始する。
  • (a)メイス、あるいは(b)ウォーハンマー(習熟しているなら)
  • (a)スケイル・メイル、(b)レザー・アーマー、あるいは(c)チェイン・メイル(習熟しているなら)
  • (a)ライト・クロスボウとボルト20本、あるいは(b)任意の単純武器
  • (a)僧侶パック、あるいは(b)探険家パック
  • シールドと聖印


呪文発動

Spellcasting
信仰パワーの導管として、君はクレリック呪文を発動することができる。呪文発動に関する一般的なルールについては第10章、クレリック呪文の選択肢については第11章参照。

初級魔法

Cantrips
1レベル時、君はクレリック呪文リストから3つの初級魔法を選択してそれを修得している。より高いレベルになると、「表:クレリック」の「修得初級魔法」の項目に示されている通りに、君は自分で選択して追加のクレリック初級魔法を学んでいく。

呪文の準備と発動

Preparing and Casting Spells
「表:クレリック」には、1レベルおよびそれ以上のレベルにおいて、呪文を発動するために君が持っている呪文スロットの数が示されている。これらの呪文の1つを発動するには、その呪文のレベルと同じかそれ以上のスロット1つを消費しなければならない。大休憩を取り終えたときには、消費した呪文スロット全てを回復する。
君はクレリック呪文リストの中から、発動することができるクレリック呪文のリストを選んで準備する。そうする際、君は【判断力】修正値+君のクレリック・レベルに等しい数のクレリック呪文(最低でも1つの呪文)を選択する。この呪文は君が呪文スロットを持っているレベルのものでなければならない。
たとえば、3レベル・クレリックであるなら、4つの1レベル呪文と2つの2レベル呪文スロットを持つ。【判断力】が16であるなら、準備している呪文のリストには1レベルか2レベルを任意の組み合わせで選んだ6つの呪文を含むことができる。もし1レベル呪文のキュア・ウーンズを準備したなら、君はそれを1レベルか2レベルのスロットを使って発動することができる。呪文の発動によって、準備してある呪文のリストからそれが除外されることはない。
大休憩を取り終えたとき、君は準備してある呪文のリストを変更できる。クレリック呪文の新しいリストを準備するには、祈りと瞑想に時間を費やす必要がある:君のリストにある各呪文について、呪文レベル毎に最低でも1分を要する。

呪文発動能力

Spellcasting Ability
【判断力】が君のクレリック呪文の呪文発動能力である。君の呪文のパワーは神格への献身に由来している。君はクレリック呪文が君の呪文発動能力を参照するときにはいつでも、【判断力】を使用する。加えて、君の発動するクレリック呪文のセーヴィング・スロー難易度を決めるときや、それを使って攻撃ロールを行なうときにも、【判断力】を使用する。
呪文セーヴ難易度=8+習熟ボーナス+【判断力】修正値
呪文攻撃修正値=習熟ボーナス+【判断力】修正値

儀式発動

Ritual Casting
その呪文に儀式の補足が付いており、その呪文を準備しているなら、君はクレリック呪文を儀式として発動することができる。

呪文発動の焦点具

Spellcasting Focus
君はクレリック呪文用の焦点具として聖印(第5章に説明されている)を使用できる。

信仰の領域

Divine Domain
君の神格に関連する領域1つを選ぶこと:欺き、嵐、戦、自然、生命、知識、光。それぞれの領域については、このクラスの説明の後半部分に詳述されており、またそれぞれに関連する神々の例が提示されている。1レベル時にそれを選択したとき、この選択は君の領域呪文とその他の特徴を与えてくれる。また2レベルに達して“神性の利用”の特徴を獲得したとき、それについての追加の使用方法をも与えてくれ、6、8、17レベル時にはさらに追加の利益が与えられる。

領域呪文

Domain Spells
各領域には呪文―その領域呪文―のリストがあり、領域の説明に記載されているクレリック・レベルを得たときに獲得される。領域呪文を獲得したなら、それは常に準備されているものと見なされ、君が毎日準備することができる呪文の数には入れないで良い。
もし君がクレリック呪文リストにない領域呪文を持つなら、クレリック呪文リストにないにも関わらず、君にとってはその呪文はクレリック呪文と見なされる。

神性の利用

Channel Divinity
2レベル時、君は自身の神格から直接に信仰のエネルギーを導き出す能力を獲得し、そのエネルギーを魔法効果発現の燃料として使うことができる。君はそうした効果を2つ持ってゲームを開始する:アンデッド退散と君の領域によって決定される1つの効果である。いくつかの領域は、その領域の説明に記載されている通り、レベル上昇に従って君に追加の効果を与えてくれる。
“神性の利用”を使用するとき、君は生み出す効果をどれにするか選ぶ。その後は、“神性の利用”を再び使用するには、小休憩か大休憩を取り終えなければならない。
いくつかの“神性の利用”効果にはセーヴィング・スローが要求される。このクラスからそうした効果を使用するときには、君のクレリック呪文セーヴ難易度に等しい難易度を使う。
6レベル以降、君は休憩と休憩の間に2回“神性の利用”を使用することができるようになり、18レベル以降は、休憩と休憩の間に3回使用できるようになる。小休憩か大休憩を取り終えたときには、消費した使用回数を回復する。

神性の利用:アンデッド退散

Channel Divinity: Turn Undead
アクションとして、君は聖印をはっきりと示し、アンデッドを非難する祈りの言葉を発する。君の姿を見ることができるか、あるいは声を聞くことができる30フィート以内にいる各アンデッドは【判断力】セーヴィング・スローを行なわなければならない。もしそのクリーチャーがセーヴィング・スローに失敗したなら、1分間か、何らかダメージを受けるまでの間、退散状態となる。
退散状態のクリーチャーは、そのターンを可能な限り君から遠く離れる移動に費やさなければならず、君の30フィート以内の場所に自発的に移動することができない。またそれはリアクションを取ることができない。そのアクションについては、“早足”アクションか、その移動を妨害している効果から脱出しようとするための試みにしか使うことができない。移動できる場所がどこにもない場合、そのクリーチャーは“回避”アクションを使うことができる。

能力値上昇

Ability Score Improvement
4レベル、8レベル、12レベル、16レベル、19レベルに達したとき、君は自分が選択した1つの能力値を2上昇させるか、あるいは自分が選択した2つの能力値をそれぞれ1上昇させることができる。通常の場合と同様、この特徴を使って能力値を20よりも高く上昇させることはできない。

アンデッド破壊

Destroy Undead
5レベル以降、アンデッドが君のアンデッド退散の特徴に対するセーヴィング・スローに失敗したときには、その脅威度が、「表:アンデッド破壊」に示されている特定の数値を下回っているなら、そのクリーチャーは一瞬にして破壊される。
表:アンデッド破壊
クレリック・レベル 破壊できるアンデッドの脅威度
5 1/2以下
8 1以下
11 2以下
14 3以下
17 4以下

神格の直接介入

Divine Intervention
10レベル以降、必要性が非常に高いときに、君のために直接介入してくれるよう神格に呼びかけることができる。
神格の援助の懇願には、君のアクションを必要とする。君が求める支援を詳述し、パーセント・ロールを行なう。もしそのロールの結果が君のクレリック・レベルと同じかそれより小さければ、神格が直接介入する。DMは直接介入の性質を選ぶ;いずれかのクレリック呪文やクレリックの領域呪文の効果は適切なものと言える。
もし神格の直接介入が行なわれたなら、7日間は再びこの特徴を使うことはできない。そうでなければ、大休憩を取り終えた後であれば、再び使用することができる。
20レベルになると、君の直接介入への呼びかけは自動的に成功するようになり、ロールする必要はなくなる。

信仰の領域

DIVINE DOMAINS
パンテオンの中では、あらゆる神格が定命の生命と文明の異なる側面に影響を及ぼしており、これを神格の領域と呼んでいる。ある神格が影響を及ぼしている領域全てのことを、その神格の権能と呼んでいる。たとえば、ギリシャ神話の神アポロンの権能には知識、生命、そして光の領域が含まれる。クレリックである君は、自身の神格の権能の1つの要素を強調して選択し、その領域に関連するパワーが与えられる。
君の選択は君の神格に献身する特定の宗派と一致するものかもしれない。たとえば、アポロンはある宗教においてはポイボス(輝ける)・アポロンとして崇拝されており、光の領域への支配権が強調されているが、別の場所ではアポロン・アケシウス(癒し)として、彼の生命の領域との関連が強調されている。あるいは、君の領域の選択は単に個人的な好みの問題に過ぎず、神格の様相の内最も君に魅力的だったものに過ぎないかもしれない。
それぞれの領域の説明にはその領域への影響力を持つ神格の例が示されている。神々にはフォーゴトン・レルム、グレイホーク、ドラゴンランス、そしてエベロン・キャンペーン世界のものと共に、古代のケルト、ギリシャ、北欧、そしてエジプトのパンテオンが含まれている。

欺きの領域

嵐の領域

戦の領域

自然の領域

知識の領域

生命の領域

光の領域

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最終更新:2016年09月12日 23:20