そそり立った僕の充血部にゆっくりと体を重ねた彼女は、そのままそのたわわな胸をいきり立つ僕自身に押し付けてきたではないか。
「え?」
ふこっとした柔らかな感触に一瞬意識が遠くなったが、快感の瀬戸際でなんとか踏みとどまった僕は慌てて彼女に突っ込みを入れた。
「お、おおおおおおいっ!い、いいいい、いきなりソレかぁ!?」
「えええっ?ち、違うんですかっ!?」
「い、いや、ああアレだ、ちち、違うってわけじゃないが、な、何でまた…」
「でもっ、お兄ちゃんのビデオってこういうのばっかりだったし………」
………さ、佐伯聡め………あんな人畜無害そうな顔をしておいて乳フェチかよ………
しかし、奴に関する資料を見る限り、奴の女は華奢でとてもそんなタイプじゃなかったが………
そう思いながら佐伯優子の豊かな胸に目を移すと、奴がどういう目でこの妹を見ていたのか、邪な妄想が次々と頭をよぎる。
佐伯聡。殺しておいていろんな意味で正解だった…………奴め、今頃草葉の陰で地団駄を踏んでいるに違いない。
「私、何か…違ってたんですか…?」ふと見ると、泣きそうな怒ったような顔を僕に向けている佐伯優子。や、やばいっ!
「ちっ、ちちち違わない違わない!だいたいほらっ、こういうのに違うも違わないもないって!
そ、それに、僕は嬉しいからさっ!」
「本当ですか?」
ぱぁーっ、と彼女の表情が晴れる。た、助かった…とにかく、こいつは怒らせると厄介だ。ていうか、正直、怖い。
「ほ、本当だよ!だから、さ………つ、続けてみてくれないかな?」
「はい!」
彼女は嬉しそうに答えると、両手で胸を抱えるようにして再び相変わらずにそそり立ったままの僕自身を包み込んだ。
抱えた胸に更にぎゅっと彼女が力をこめると、柔らかな胸の圧迫感がひたりと吸いつくように僕の猛った一物を襲う。
やばい、気持ちいい………
「…うっ……」
「! 青山さん、ごめんなさい痛かったですか?」
「い、いや………気持ち…いいんだよ……続けて」
「………うん」
彼女はこくんと頭を縦に振り、その行為を続けた。強弱リズミカルに柔らかな心地よさと劣情的な圧迫感が押し寄せてくる。
しかも、胸なのに、ぴったりときめ細かく吸い付いてくるようなこの感触はどうだ………たまらないじゃないか。
こいつ、肌質が無茶苦茶いいんだよな…こっちも素っ裸で抱きしめたら絶対に気持ちいいに違いない…
彼女にされるがままそんな事をぼんやり考えていると、今自分の両腕の自由が利かないのが本当にもどかしく思えてきた。
こいつは半日近くこんな状態だったのか…悪いことしたかな。
そんな考えを巡らせながら、恥じらいの表情を浮かべたまま胸で奉仕を続ける佐伯優子を見つめる。
ふと、視線を上げた彼女と目が合う。妙にどきりとした。
「青山さん………気持ちいいですか………?」
「あ、ああ……すごく気持ちいいよ………」
心細げに訊ねてくるこの女がなんだか可愛く思えて、僕はつい素直に答えてしまっていた。
どうやら、僕の気の迷いは加速しつつあるらしい。形勢、再逆転かよ。
僕の答えに嬉しそうに小さく微笑んだ彼女は、両手で抱えて押し付けた胸を擦るように上下に動かし始めた。
「!? ちょっ、ささ、佐伯さんっ………ああっ!」
彼女は答えずに奉仕を続ける。彼女の豊かな谷間に埋もれた僕の一物は、柔らかさと圧迫感と極上の肌触りに加え
猛りを加速させるような摩擦感に襲われて何がなんだかタマラナイ状態になりつつあった。
「何か…出てますよ?青山さん?」
「あ、ああ………そ、それはっ………はぁっ………」
言うまでもない。辛抱たまらない状態の僕の鈴口からは、先走りのてろりとした透明な液が次々に溢れていた。
彼女は悪戯っぽく、ちろっと小さな舌で鈴口を舐め上げる。
「あああっ!?だだ、だめだってば佐伯さんっ、き、気持ちよすぎるっ!!」
僕はたまらずに叫んだが、僕の反応に気をよくしたのか、彼女は舐め上げた鈴口をそのまま小さな口に含んだ。
「うっ!さ、佐伯さんっ………!」
気持ちよすぎて言葉にならない。
摩擦感に加え、僕の先走りと彼女の唾液が混ざり合ったぬちゃぬちゃといやらしい滑りが更にそれに加わり、
極め付けが彼女の唇の柔らかさとぬるりと含まれた口の中の温かさ。
僕は、限界が近かった。
上気した彼女の頬、唾液や汗やいやらしい汁で汚された彼女の豊かな双丘、
その膨らみに擦られながらも彼女の口内を侵食する僕自身。
何もかもがたまらない。我慢などできる筈もなかった。
「ちょっ…ま、待っ…出っ………佐伯さっ…ああああっ!!」
びくん、と僕の体が跳ねる。
「んくっ!?」
僕の躍動に彼女が驚いて顔を離したその時、びちゃっ。彼女の顔めがけて僕の白濁液が勢いよく放出されていた。
「キャッ!?」
反射的に逃げるように彼女は顔を背けたが、どろりとした白い液体はそれを逃がさない。
どくどくと止まらない勢いのまま次々に放出され、彼女の綺麗な顔を汚していく。
「はぁ………はぁ…………さ、佐伯さん…………」
欲望を吐き出すとともに、ぐったりと心地よい脱力感に襲われていた僕は、そんな中でも少なからず興奮していた。
狙った訳じゃないけれど、思わず彼女に顔射なんて行為をしてしまった事。
それに、困ったようにその顔を汚す僕の精液を手で拭う彼女が、無茶苦茶いやらしく見えたからだ。
「ご、ごめん………わ、わざとじゃないんだ、不可抗力でつい………」
「ううん、私も、驚いちゃって、つい………ごめんなさい………」
「拭いてあげたいんだけど、この通りでさ…………さ、佐伯さん?」
青山が後ろ手の手錠をガチャガチャと鳴らしたその時、彼はようやく目の前の彼女の異変に気がついた。
精液に汚された顔を拭う彼女は、ぽろぽろと涙を流しながら懸命に目をこすっている。
「さっ佐伯さん!?ごご、ごめん、僕が悪かった!悪気はなかったんだ!」
「いえ、違うんです!ちょっとだけ、目が痛くて………」
「え、ええっ!?ごご、ごめんっ、め、目に入っちゃったの? だだだ、大丈夫!?」
「大したことないです、大丈夫ですから………」
佐伯はそう言いながらも、相変わらずにごしごしと目をこすり続けている。
「いや、大丈夫ったって、かなり痛いって聞くし、そんなにあんまりこすっちゃ………」
そんな青山の言葉を遮るように、佐伯は泣き笑いみたいな、それでもとびきりの笑顔を青山に向けて言った。
「ううん、青山さんのだから…大丈夫です!」
ズギュゥゥゥゥゥン(←青山の心臓の音)
!?
ななな、なんだ今のは!?
「? どうしたんですか、青山さん?」
「あ…………い、いや………………あ、あれっ………?」
顔を赤面させて呆けたように佐伯を見つめる青山に、それを不思議そうに小首をかしげて見つめ返す佐伯。
青山は、自分の異変に少なからず動揺していた。顔が、全身が妙に熱い。動悸が激しい、胸が痛い。なな、何だこれは?
先ほどまでの脱力感はどこへやら、涙ぐみながらもきょとんと自分を見つめる彼女の顔を見ているうちに
どくんどくんとどうしようもない昂ぶりの波が再び押し寄せてくるのを感じていた。
それは、衝動だった。目の前にいる女を押し倒して自分だけのものにしたいという男としての衝動。
なんでだ?僕はこいつが嫌いなはずだ。
………いや、ちょっと待て。そういえば、そもそもこいつは僕が殺す予定だったんだ。
そうだよ、もともと僕の物同然じゃないか!こいつは僕のだ、僕だけのものだ!誰にも渡すものか!
好きとか嫌いとかプライドとか屈辱とかそんなものはもうどうだっていい!この衝動の理由とか、そんな理屈はどうだっていいんだ!!
やりてぇんだよ!とにかく、今僕はこの女を押し倒してぶちこんで無茶苦茶にしたいんだよ!!
「あ、青山さん………? 気分でも悪いんですか…………?」
今にも吠え出しそうな獣の形相で睨むように佐伯を見つめガチャガチャと手錠を鳴らす青山と、
そんな青山の無茶苦茶な思考回路など知る由もなく、様子が急変した青山を心配そうに覗き込む佐伯。
「佐伯さんっ!」
「は、はいっ!?」
力いっぱい手錠を鳴らしながら、青山、吠え叫ぶ。
「コレ、今すぐ外してくれ!君をちゃんとこの手で抱きしめたいんだ、今すぐに!!」
「え……………は、ハイッ!!」
態度が急変した青山に驚きつつも、どこか期待に胸ときめかせながら佐伯は言われるままに手錠を開錠した。
青山の両手が自由になる。
「佐伯さんっ!(がばっ)」
「キャアッ!?」
刹那、会話をする間もなく佐伯は青山に押し倒され組み伏せられていた。
「青山さんっ!? どうしちゃったんですか?な、なんだか目の色が違いますよ………?」
「どうもしないよ?僕はもともとこういう人間なんだよ(ハァハァ)」
佐伯の耳元で、荒い呼吸を吹きかけるように青山は囁いた。その呼吸に反応するように、佐伯はびくびくと身を震わす。
「んんっ………」
「君もこういうのを望んでたんだろ?」
「………は、はい………」
あまりに積極的な青山に頬を上気させてゆく佐伯。
「キミの言う愛とやらを、今からボクなりに証明させてもらうよ!」
青山は佐伯の顎に手をかけ、そのまま本能のままに熱いくちづけを………しかけたその時、
ファンファンファンファンファンファンファンファン
突如耳に飛び込んできたけたたましいサイレンの音に、あと数センチの距離で青山と佐伯は互いに目を丸くした。
それは、どんな興奮も一気に冷まさせる悪夢の音。
「さ、サツかっ!?」
青山は血相を変えすかさず身を起こし、サイレンの音がする方向を見やった。佐伯はと言うと、
「チッ」
「ちょっ………"チッ"って佐伯さんなんだかキャラ違うぞ!?」
「警察なんかに………」
「へっ?」
「警察なんかに青山さんとの仲を邪魔されてたまるものですか!!」
佐伯はそう怒鳴り、鬼神の如く表情でサイレンの音がする方向を睨みつけた。
(な、なんて女だ………とんでもねえ………)
「ちんたら梯子下りてる時間はないわ!ここから飛び込みますよ!」
「えええ!?ととと飛び込むって、ちょっ、待っ…」
手早く服を着てダム水面へと続くハッチを開く佐伯。
まだカチャカチャとスラックスを慌てて整えている青山を容赦なく急かす。
ガチャリと開かれた遥か階下の水面へのハッチから、ゴオッと冬の風が吹き込む。
覗き込むと、雪の吹きすさぶ中、ビル5~6階分はありそうな遥か彼方下に見える水面。
パトカーのサイレンは、もう部屋の前で聴こえている。
「飛び込みますよ、青山さん!」
「むむむ、無茶だぁ!き、君は怖くはないのか!?」
「私は、青山さんと一緒なら怖いものなんかないんです!(とびっきりの笑顔)」
ドギャァァァァァァァン(←青山の心臓の音)
か………可愛い…………………
佐伯の笑顔に鼻の下を伸ばした青山、次の瞬間、視界が180度回転。
「へっ?」
頭上に見える水面、足元に見える水質管理塔と佐伯。
佐伯にダム底へ蹴り落とされたという事実を認識するまでに要した時間は約1秒間。
「☆※▲#◇%!? うぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁ」
だばーん。…………………ごがぼげぼがぼっバシャバシャバシャバシャ
「…………………
大丈夫そうね。よしっ!」
水面に騒がしく浮かんできた青山を確認した後、佐伯は華麗なフォームで水面へとジャンプ。
たすーん。水しぶきも少なくジャンプ同様佐伯優子、華麗に着水。
着水した佐伯が浮かんでくるやいなや、盛大に水を飲んだ青山が怒鳴りかかってきた。
「ごぼがぼっ……げはげはげはっ、ここここ、殺す気かぁっ!?」
「何言ってるんですか!この程度で死んだりしたら許しませんよ!?」
「は、はいぃぃっ!?」
「ほら、早く行かなきゃ!警察から見えない場所まで急いで泳ぎますよ!」
「は、ハイ………」
何だ?何で僕は素直に従ってるんだ!?
「ぐっ…ち、ちっくしょーーーっ!!」
「静かにしてください、青山さん!警察に聞こえちゃいます!」
「ぐぐぐっ…こ、このアマぁ…………ッ!
畜生、後でぎったんぎったんに犯してやる!覚悟してやがれ!」
「もうっ、静かにしてくださいってば!
でも…………期待してますね(ぽっ)」
「……………今はっきりわかった!おまえ、僕を馬鹿にしてるだろーーーっ!?」
サイレンの音をBGMに、ちょっと内容が普通でない、それでもどこか楽しそうな痴話喧嘩が奥富の冬空に響きわたっていた。
最終更新:2006年12月13日 02:08