羽代川、決壊──そのニュースは、クリスマスイブの晩に流れた。本日は未曾有
の豪雨に見舞われ、市内を流れる河川の水位には注意も払われていたのだが、
災害は防げなかった。
濁流が市内を駆け抜け、人や車、果ては建物までをも飲み込んでいく。この時、前
の富坂市長で現知事の田辺宗一郎による酒宴が行われていた。
「キャーッ!」
「うわーッ!」
会場が地下にあった為、宴の招待客は非業の死を遂げる者が多かった。ガラスの
アーチが割れ、その破片で命を落としたり、また濁流に飲み込まれ行方知らずに
なる者等、ありとあらゆる悲劇がそこかしこで見られるのである。
特に年寄りや女などが、真っ先に犠牲となり悲鳴が止まない。
「バンピートロットにハーモニカつけてる場合か!ウワーッ・・・」
「前作は救急パックがついてたわ!力の入れ所が間違ってるのよ!キャーッ・・・」
いまやテーブルポットの如き地下階へ流れ込む濁流に飲まれていく人々を見て、
篠原一弥は思った。
「処理落ちが・・・」
パチンカー血風禄でもそうだが、雨が降ると激しい処理落ちに見舞われるのが、弊
社のゲーム。そんな一弥を心配そうに、給仕仲間の藤宮春香が気遣う。
「アイレムのゲームには、昭和の香りがするよね・・・古き良き時代の・・・」
「そうだね・・・さあ、藤宮さん、いつまでもここにいては危ない。僕たちも逃げよう」
二人は手に手を取り、会場を後にした。
車も押し倒されるような濁流が通った後に、ぽつんとカップスープが落ちていた。
一弥はそれを拾い、そこいら中に設えられている石油ストーブで湯を沸かして、
春香と共に食す事にする。革新的な地下都市開発計画に基づき造られた街なの
に、石油ストーブである。
「う~、暖まる」
「本当・・・でもスタッフは、土砂降りの中に落ちてるカレーやラーメンに、疑問を
感じないのかしら」
「スペランカーを作った会社だし・・・」
「そうね、ジッピーレースとか懐かしいわ」
「UPLとかどうしたんだろう」
「とっくに倒産したはずよ」
「データイーストも消えたし・・・よく生き残ってるよな」
「まさに絶体絶命。R-TYPEはよく出してくれたわ。PCエンジン版は本当に良か
った・・・たとえカードは二枚あっても」
コンパイルが潰れるくらいの世で、よく持っているなと二人は笑い合った。さすが
は九条マジック。熱いファンがついているのである。
食事を終えた二人は、再び歩き出した。いくらか暖を取ったとはいえ、身を切るよ
うな十二月の寒さが若き男女を容赦なく襲う。
「ちょっと寒いわ」
「ちょうど、ナース服を持ち合わせている。あげるよ」
「ありがとう・・・羞恥で体がポカポカしてきたわ」
春香はピンクのナース服を身にまとい、ほっこりと笑うのである。先ほど言った力
の入れ所が間違っているというのは、ここいらへんの話だ。
劇間に市の被災状況が出る。右下のちょっとしたやつだ。そこに注意。
「~一体では、河川の氾濫が・・・」
の、『体』は『帯』が正しい。が、それはどうでもよろしい。その頃、無実の罪で逮捕
された佐伯優子は、署内の留置所で他の犯罪者どもの激しい陵辱を受けていた。
「いやあッ!放して・・・こんな事、してる場合じゃないでしょう。逃げなきゃ」
「どうせ、死ぬんだ。最後くらい良い目見させてくれよ」
鍵を掛けられてしまった為に、優子と同じ房に収監されていた罪人どもが、一斉に
狂いだした。看守は逃げ、水が流れてくる留置所はまさに絶体絶命の状態。罪人
どもが自棄を起こすのも無理はなかった。
「いやあーッ!に、兄さん!」
「いくらでも喚け。どうせ、俺たちはここでお終いさ」
罪人は五人もいて、皆、さもしい中年ばかり。哀れ、優子は衣服を剥がれ、二十歳
の麗しい肢体を男の目に晒さねばならなかった。
「パッケ絵とポリゴンキャラのギャップがたまらねえ」
「誰が誰だかわからねえくらい違うよな。服で判別しないと」
男たちは勝手を言い、優子の上に跨った。
「あうッ!」
無辜な女子大生の純潔が、薄汚い犯罪者たちの手で散らされてしまった。場所は
身も凍えそうな監獄の簡易ベットの上──世にこれほどまでに惨めな破瓜を経験
する女性がいるだろうか。
「おい、早く代われよ」
「焦らすなって・・・おおう、ぐいぐい締めつけやがる」
「うう・・・ひどい」
段々と水かさが増えていく中、優子の肉穴の中も男たちの体液で満たされていく
のであった。
処理落ちやメモカへのアクセス速度など文句は
山ほどあるのですが、つい買ってしまう。
それが九条マジックだと思います。
ぽーんと話が飛んだりして訳が分からなくなっても、
アイレムだと許せるとか思うのです。
自分で考えようとか、後で説明があるだろうとか・・・
無くても、しょうがねえな、で、おしまい。
最終更新:2007年03月24日 21:14