平凡社ライブラリー版『捜神記』の番号に沿う。
- 256話に、火で洗えるかたびらの記事が載る。→火浣布
- 266話。干将莫邪の記事。楚王のために雌雄二振りの剣を作ったが、
完成まで三年かかったのと、雌の剣だけ持って行ったため殺されてしまう。
その後生まれた息子の赤は、遺言から雄の剣を掘り出し、
王への復讐を誓う。
通りがかった旅人の勧めで、自らの首を切って剣と一緒に旅人に差し出して死ぬ。
旅人は王の元へ首を持って行くが、勇士の首なので釜で煮なければならないと告げる。
が、三日三晩かかっても煮えない。王が釜に近づいたところで旅人は王の首をはね、
自らの首も断つ。三つの首が釜の中に入り、どれがどれか分からなくなってしまったので
湯の中に残った肉を三つに分けて葬ったという。「三王の墓」と呼ばれ、
汝南郡(江西省)の北、宜春県の境のあたりに残っているという。
※桃山人夜話の「舞首」の元になった逸話
- 301話。井戸の中から土缶が出てきて、中に羊が入っていた。
仲尼に聞くと、
「私の知識から判断すれば、それは羊です。木石の精怪は夔とかもうりょう(虫へんに罔と両)などと申し、水中の精怪は竜とか罔象(もうしょう)などと申し、土中の精怪は賁羊(ふんよう)と申すのだと聞いております」
と答える。
さらに引用して、『夏鼎志』より
「罔象は三歳の子供のようで、目は赤く、全体は黒い色で、耳は大きく、腕は長く、爪は赤い。縛りあげてしまえば食べることもできる」
さらに『王子』には
「木の精は遊光といい、金の精は清明という」
とあると書く。
※言うまでもなく、京極が引用した
魍魎関連の記事
- 305話。桑の木の下で農夫が寝ていたら、雷神が落ちてきて格闘になった話。
農夫が勝つ(笑)。
「南海の果てに鮫人(こうじん)がいる。水中に住み、魚の形をして、機織りの手を休めることがない。泣くと、眼から真珠がこぼれ落ちる」
最終的には馬は人間の娘に恋したのが原因で殺されて皮をはがれるが、その皮が娘を包み込んで飛び去ってしまう。
数日後、馬の皮と娘が庭の大木の上から発見されるが、どちらも蚕と化して枝の上で糸を吐いていた。
その蚕からは、通常の繭の数倍の糸が取れた。そこでこの樹を
桑と名付けたという。桑は喪の意味だとか。
さらに引用が続く、『天官』(天文に関する書、『史記』の天官書とも考えられる)に
「辰星は馬である」
『蚕書』には
「月がちょうど大火星のところに来たときに、蚕の卵を川の水で洗う」とあり、これは蚕と馬が同じ気からきているためだという。
また『周礼』には人の職業を述べているところで
「一年に二度繭をつくる蚕を飼うことを禁止する」とあり、注によれば
「およそ二つのものがそろって大きくなるということはあり得ない。年に二度繭をつくる蚕を禁じたのは、それらが馬を害するからである」という。
その他、蚕を娘と呼ぶ由来についてなど。
※東北の
オシラサマの由来の逸話と酷似している。
- 351話。羿が西王母から不死の仙薬をもらったが、それを妻の嫦娥が月へ持ち逃げした話。
- 418話。樟を切ると血が流れ出て、切り倒すと人間の顔に犬の体をした怪しい獣が出てきた。
ので煮て食べた。犬の味がしたという。
名前を彭侯というとある。
(zsphereコメント:食うなよ、そんなのw)
『白沢図』に、
「木の精は名を彭侯といい、形は黒犬のようだが尾が無い。煮て食べることができる」とあるという。
狐は阿紫と名乗る。
『名山記』に、
「狐は大昔の淫婦であり、名を阿紫と言ったのが、姿を狐に変えたのである」
とあり、ゆえに狐が怪異を起こす場合には、阿紫と名乗る場合が多いという。
最終更新:2013年11月14日 00:55