- 牛方(もしくは馬方)が峠に来かかると、山姥が現れて魚を無心する。
魚を投げるうちに段々と近づいてきて牛(もしくは馬)の足を一本ずつ、ついには丸ごと食べてしまい、
牛方は逃れて山の中の家に逃げ込み、火棚に隠れる。しかしその家が運悪く山姥の家で、山姥が帰って来てしまう。
牛方は囲炉裏の餅をこっそり串で刺して食べてしまい、さらに火の神のふりをして山姥が櫃の中で眠るよう差し向ける。
山姥が寝入った所で、湯を沸かして櫃の中に入れて煮殺してしまう、という筋。
- 『昔話覚書』所収「峠の魚」および「鯖大師」の中で柳田國男は、峠で魚を獲られるという筋は
もともと峠で山の神に魚を供えたならわしの名残であろうとし、峠で旅僧が鯖を求める「鯖大師」とも
かかわりがあるだろう、とする。
- また民俗学者の山田修一は、山姥が火の神の言う事となると大人しく従うようになるのは、
山姥が山の神に仕える巫女であると同時に火の神に仕える巫女でもあるからだ、とする。
参考文献
『日本伝奇伝説大事典』
最終更新:2014年04月02日 02:12