また鯖大師とよばれる石仏は熊本、宮崎、静岡、愛知、三重などにもあるとか。
- サバを馬に積んで運ぶ商人に、遍路姿の僧がサバを一尾わけてくれと頼む。
断ると僧は「大坂や八坂坂中サバひとつ大師にくれで馬の腹病む」と詠み、同時に
馬に腹痛が起こしたので商人が詫び、サバを献じると、
今度は「大坂や八坂坂中サバひとつ大師にくれて馬の腹止む」と詠み馬の腹が治る。
僧がサバを海へ投げ入れると蘇生して泳ぎ去った。
商人はこの僧に帰依する、という筋。
実はこの僧が、
空海だったとも、
行基だったともされる。
- サバを生で多食すると中毒を起こすことがあり、この伝説はそうした
サバ中毒への注意喚起ではないか、とする説もある。
- また、サバは本来、仏教用語で、衆生の飯米で餓鬼や鬼子母神に備えるために
少量取り分けて供える「生飯(サバ)」の事を指すとも考えられる。
(『世界大博物図鑑 魚類』荒俣宏)
最終更新:2012年04月14日 03:03