ロータル遺跡

  • グジャラート地方に所在。

  • 南北300m、東西225mの敷地を持ち、全体を周壁で囲まれている。

  • 南東に城塞部、それ以外の地区が市街地。

  • 城塞部には、12個の方形の台座から成る建造物が見つかっており、「穀物倉」とされている。

  • また、市壁の東側に沿って、217m×47m、深さ4.5mの遺構が見られ、運河でサバルマティ川と結ばれていた事が確認されている。
   この遺構を、運河から船を引きこむためのドックであるとする説と、ドーラーヴィーラー遺跡と同じく
   ただの貯水槽であるとする説とがある。

  • 市街地からは「火の祭壇」と呼ばれる宗教的儀式に関連すると見られる遺構、そして
   ビーズ工房跡や銅鍛冶工房跡などが見られる。

  • また、このロータル遺跡からは、梱包した荷物を封印するための封泥が93個も出土しており、
   これはインダス文明の中でも突出しているという。
   中には、封泥の印章を押したのとは反対面にロープによって荷物を縛った跡が認められるものや、
   二つの印章が押されたものが見受けられる。ゾウの絵柄をした同一の印章によって押印されたと見られる
   封泥が12個あるなど、頻繁な交易の痕跡と見なせるとか。

   照合できる封泥も見つかっており、同地との交易があった可能性が極めて高い確率で立証される。
   ちなみにロータルからはペルシア湾岸で多く見つかる、押印面が円形の湾岸式印章も見つかっている。


  • 都市の外、西側に共同墓地が発見されている。


  • このロータル遺跡から、饅頭型銅塊が出土している。外部から運び込まれた(もしくは交易で輸入された)ものと見られる。



      参考文献
『インダスの考古学』近藤英夫


最終更新:2014年08月01日 16:07