ヘシオドス『神統記』ではゼウスを末子と記述しているためポセイドンは兄にあたるが、
ホメロス『イーリアス』ではゼウスの方を兄であると記述している。
- ゼウス、ハデス、ポセイドンの三神は籤によってそれぞれの権能を割り当てられ、
ハデスは闇の世界、ポセイドンは海を、ゼウスは天空を割り当てられた。
そして大地とオリュンポスの峰とは三神が共有した、という。
- また、『イーリアス』の中に、女神イリスがポセイドンに対して、
「大地を囲み、髪は漆黒の神よ」と呼びかける場面がある(髪の色は黒ということ?)
- ヘロドトス『歴史』巻七に、テッサリアの住民たちが、ペネイオスという河の流れている峡谷を
ポセイドンが作ったものであると言い伝えている事を記した上で、
ヘロドトスが「
地震を起こすのはポセイドンで、地震による亀裂をこの神の仕業であると信ずる者ならば、
かの峡谷を見れば当然ポセイドンが作られたものであるというはず」と記している。
(地震はポセイドンが起こすものだ、という観念があった?)
- 同じくヘロドトス『歴史』巻七に、ペルシア戦争でペルシアの水軍が大嵐にあって大損害を出した事を聞いた
ギリシア軍は、以降、ポセイドンに対して「護国の神(ソーテール)」という称号をつけて尊崇するようになったという。
(それまでは、「護国の神」の敬称は
ゼウスにのみ付されていたとか)
- パウサニアス『ギリシア案内記』のアテネの項に、ポセイドンが巨人ポリュボテスに槍を突き付ける姿の
騎馬像がアテネ市内にあった事が記されている。ポセイドンがこの巨人と戦ったことは、
コス島民の神話の中に見られるとパウサニアスは記しており、しかしパウサニアスの時代にこの
像につけられた銘文には、そうした伝説は失われてポセイドンではない別な名が記されていた、という。
参考文献
『イリアス(下)』ホメロス
『歴史(下)』ヘロドトス
『ギリシア案内記(上)』パウサニアス
最終更新:2015年10月24日 01:43