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アレクサンドロス大王の愛馬。大王以外の乗り手が乗る事は拒んだと言われる。
名の由来は、この馬に牡牛(ボオス)の頭(ケパレ)の焼き印があったことだと
アッリアノス『アレクサンドロス大王東征記』巻五は伝えている。
また同書が伝える別伝では、この馬の額に白い星があり、頭そのものは真っ黒なところから、
ちょうど牡牛の頭にそっくりだったためだとも言う。
この馬はおよそ三十歳にして、暑さと寄る年波に負けて斃れ、大王はこの馬を記念して
ヒュダスペス川のほとりに「ブケパラ」という町を建設したという。
ブケパラはプリニウス『博物誌』第六巻にも言及があり、アシニ族という種族の国の首都だという。
また『博物誌』第八巻によれば、この馬は子供時代のアレクサンドロス大王がその美しさに心を奪われ、
16タレントで買い求めたものだ、としている。
この馬は、国王の鞍で飾られているときは、アレクサンドロス以外の人が乗るのを決して許さなかったという。
しかし鞍を外せばだれでも乗せたとのこと。
参考文献
『ギリシア神話』アポロドーロス
『アレクサンドロス大王東征記(下)』アッリアノス
『プリニウスの博物誌 Ⅰ』
最終更新:2016年04月08日 18:01