- ヘロドトスによれば、バビロンの都市の形は四角形で、
一辺の長さは120スタディオンであったという。
さらにその周囲に満々と水をたたえた深く広い濠がめぐらされ、
厚さ50王ペキュス、高さ200王ペキュスの城壁に守られていると記している。
(王ペキュスとは、通常のペキュスより3ダクテュロスだけ長い単位だとか)
- また、バビロンから旅程8日の距離にイスという町があり、同じ名前の川があって、
この川の水源では水とともに
アスファルトの塊を多量に噴き出しており、
バビロンの城壁用のアスファルトはここから運ばれたのだ、とヘロドトスは書いている。
- バビロンの町は、中央を流れるユーフラテス川によって二つの地区に分けられている。
片方は堅固な壁をめぐらした王宮であり、もう片方は青銅の門構えを持つ神殿があるという。
- その青銅の神殿は多層の塔になっており、縦横1スタディオンずつの最底辺から、一回り小さい層が
その上に重なり、という形で全8層あるという。
最上層まで上るには、各層を通って螺旋形に配された階段をのぼるのだとか。
頂上には大きな神殿があり、そこには像のようなものはなく、寝椅子が一つだけ置かれており、
ここには選ばれた女預言者一人だけが寝泊まりするのだという。
- バビロンがペルシャの大王キュロスに初めて制圧された際、キュロスは
ユーフラテス川につながる運河に河水を誘導して水かさを下げ、川から街へ侵入したとヘロドトスは記している。
この行動が事前察知できていれば、川の両岸に布陣する事でペルシャ軍を撃退できたはずだが、
この日はたまたま祭礼の日であったためバビロンの人々はペルシャ軍の侵入に気づかなかったとか。
- またヘロドトスは、バビロンの葬送習慣として、「死者を蜂蜜に漬けて埋葬する」と記している。
参考文献
『歴史(上)』ヘロドトス
最終更新:2015年08月08日 00:46