- プリニウス『博物誌』第八巻に、ヤギは夜でも昼間と同様に目がよく見えるといい、
そのためヤギの肝を食べると夜盲症を患っている人々は薄明視が回復する、という記述がある。
- また、同『博物誌』第八巻によれば、ヤギが木を噛むとその木は枯れるといい、
彼らが
オリーブの木を舐めただけでもその木は実がならなくなる、という。
そのため、ヤギは
ミネルヴァ神への生贄にはされないとか。
人の子は、栄光に輝いて天使たちを皆従えて来るとき、その栄光の座に着く。そして、すべての国の民がその前に集められると、羊飼いが羊と山羊を分けるように、彼らをより分け、羊を右に、山羊を左に置く。
そして右側にいる人たちの善行を誉めて祝福し、左側の人たちを「永遠の火」に落とす。
つまり新約聖書の時点で既に、山羊と悪辣な人々とがイメージ的に重ねられていた事がわかる。
- 『グリム童話集』「神さまのけだものと悪魔のけだもの」に、神様がこの世のあらゆる動物を作った際に、
悪魔がこれを真似て作った動物が山羊である、という話が載る。
ヤギはことあるごとに尻尾を枝などに引っかけて動けなくなるので、悪魔はこの動物の尻尾をすべて
噛み切ってしまい、そこで今でもこの動物の尻尾は短いのだという。
またこの動物は木の実などを食い荒らすため、神様は
オオカミをつかわしてこれを喰わせた。
悪魔がこのことを神に抗議し、山羊の性質を良いものに変えるためにお金を要求するが、神様にはぐらかされて怒り、
ヤギの目をくりぬいて自分の目玉をはめ込んだため、山羊は今でも悪魔の目を持っているとする。
また、悪魔が好んで山羊の姿をとるのも、これが悪魔の作った動物だからだとか。
参考文献
『プリニウスの博物誌 Ⅱ』
『完訳グリム童話集(4)』
『聖書 スタディ版』
最終更新:2016年12月20日 21:58