湯殿山



  • 一般に知られた縁起によれば、湯殿山の開山は空海
 同じ出羽三山でも、羽黒山側が能除太子を開山とするのとは大きく異なる。

  • 寛永十八年(1641年)、羽黒山側が羽黒全山を天台宗で統一し、湯殿山四ヶ寺が羽黒末であるという訴訟を起こした際、湯殿山側は空海開基の真言宗であると反論したという。


  • 『今昔物語集』に、空海の入定説話が載る。
 その影響下で、湯殿山系の即身仏が生まれる事になった。
 その際、入定する僧は、空海の後を慕う意味で必ず名前に「海」の字を入れる(忠海、真如海など)。こうした制度を「一世戒号」という。

(『國文学 解釈と鑑賞』1982年3月号 特集「寺社縁起の世界」)
最終更新:2010年11月11日 10:54