- 淀川河口の渡辺の地を本拠とし、近辺の港湾を管掌する水の武士団。
平安末期には摂津源氏、
源頼光五代の孫、
源頼政に統率されていたという。
十一世紀末頃より大江御厨渡辺惣官の地位についた(大江御厨は当時の広大な荘園)
→源姓の一族は嵯峨源氏の流れを称し、
渡辺綱を祖と仰いで
特異な一字名乗りを特徴とする(渡辺翔(かける)、など)
→遠藤姓の一族は、祖を藤原南家に仮託し、二字を名乗った。
- 屋代本『平家物語』剣の巻では、綱から腕を奪い返した一条戻橋の鬼が
破風から飛び去った事から、渡辺党では家に破風を設けないと語られる。
- 『古今著聞集』巻九・弓箭第十三によれば、渡辺党は伝統的に弓矢の芸に秀でていた由。
「渡辺ノ辺ニテ、ヲヒタチ(生い立ち)タル物ニテ候ヘバ、自然ニ御殿居番(おとのいばん)ナムドツトメテ
奉公仕ベシ」(巻八-十五)と語ったとあり、
渡辺党の一族が王家や貴顕の家に宿直番として勤務することの多かった事が知られる。
(『酒呑童子の誕生』)
最終更新:2010年11月13日 15:20