宝石魔術

  • ティルベリのゲルウァシウス『皇帝の閑暇』に、蠅の彫り物をした宝石が聖別されていた場合、
   それが置かれた場所の蠅を駆逐する霊験があるという俗信がある事を記している。
   また有翼馬の彫り物をした宝石には、馬の足を速める効果があるとも。
   また、こうした宝石魔術は肉体において誠実、精神において純粋な者でなければ使えず、
   もしそうでない者が石に触れた場合には効果が減退してしまうが、
   司教がハトの血を塗り祈祷を繰り返す事によって、再び力が取り戻されるとか。

    三つの秘蔵の宝石を持たせた部下を派遣、部下は宝石商に化けて皇帝に宝石を見せるが、その価値を見抜けなかったため、
    部下は宝石の力によって「だれも姿を見ることができなく」なり、これによって皇帝の下を脱してきたという。



      参考文献
『西洋中世奇譚集成 皇帝の閑暇』ティルベリのゲルウァシウス
『中世イタリア民間説話集』


最終更新:2016年11月21日 04:00