- 鳩は、卵が孵る約二日前程から胃の前に素嚢と呼ばれる器官ができ、
ここから分泌される「素嚢乳」とよばれる分泌液を口から雛に与える性質がある。
この器官はオスメスに関わらず生成される。
非常に栄養価が高く、この素嚢乳を英語で「ピジョン
ミルク(鳩の乳)」と呼ぶ。
なお、ハト目の鳥のほか、
フラミンゴにも素嚢は形成されるとのこと。
- プリニウス『博物誌』第十巻に、ハトは雛鳥のためにノドの奥に塩気のある土を詰めてきて
雛鳥の嘴の中に吐き出してやる、そうすると雛鳥は食物をとるのに適する状態になる、という記述がある。
(もしや、上述のピジョンミルクの事を指しているのか)
- また同書に、ハトは特別な接吻の儀式を済ませてから交尾するといい、また普通同時に二つの卵を生む、とある。
- 平安時代、八十歳を超えた老臣に対して、朝廷から鳩の杖というものが下賜される習わしがあったという。
握り部分を鳩の形にしたもの。鳩は食物をのどにつかえさせてむせる事がないためだとか。
- プリニウス『博物誌』第十巻には、伝書鳩に関する記述もある。
- ティルベリのゲルウァシウス『皇帝の閑暇』に、宝石魔術において、肉体において誠実でないもの、
精神において純粋でない者が石に触れた場合その効果が減退されてしまうが、
司教がハトの血を塗り祈祷を繰り返す事で、その効果を取り戻すことができると記している。
参考文献
『平家物語(四)』
『動物誌(上)』
アリストテレス
『イソップ寓話集』
『プリニウスの博物誌 Ⅱ』
『西洋中世奇譚集成 皇帝の閑暇』ティルベリのゲルウァシウス
最終更新:2016年11月04日 01:20