キトラ古墳


  • 墳丘は直径13.8mの小型の円墳。

  • 石室に複数の壁画が発見されて話題になる。
   南壁に朱雀、東壁に青龍、西壁に白虎、北壁に玄武が描かれている。
   さらにその下に、十二支像を各方位3種ずつ配していたものと思われる
   (現在は北壁を中心とした一部のみ確認されている)

  • 「キトラ」という古墳名は、発見当初、四神のうち玄武と白虎の壁画が先に確認されたことから、
    「亀虎」古墳と命名されたのが由来とのこと。

  • 中国唐代の古墳に四神が描かれる場合、東壁の青龍と西壁の白虎は共に南壁の朱雀の方を向いているが、
   キトラ古墳の場合は白虎が北壁の玄武の方を向いている。
   (なお、高松塚古墳では唐のものと同じで、どちらも南壁を向いているとのこと)

  • また、天井中央部に世界最古級の天文図が描かれている。
   内規、外規、天の赤道、黄道の四つをコンパスで描き、350を超える星を金箔で、
   さらに星を朱線でつないで星座を示す。

  • 2015年に文化庁などが公表した研究成果によると、同古墳に描かれた天文図は、
   その星の位置などから紀元前1世紀半ばごろの観測が元になっているのではないかと推定。
   紀元前の星の位置を記した古代中国の「石氏星経」とも合致するという。
   一方、天文図には北極星の周囲に、地平線に沈む星と沈まない星の境界線を示す円が描かれており、
   この円から観測地を推定すると、紀元後4世紀に北緯約34度地点で観測されたと推定されるという。
   北緯約34度は、洛陽長安が所在する。



      参考文献
『発掘された日本列島2010』


毎日新聞2015年7月15日記事
他新聞記事やテレビなど


最終更新:2015年07月17日 13:59