アホウドリ


  • 中国名を「信天翁」もしくは「信天縁」という。
   『本草綱目』に載っている名は「信天縁」で、これは魚が前を通過するのを待っている鳥、
   という事で「天縁に信(まか)せる」鳥の意。
   これを「信天翁」としたのは貝原益軒の『大和本草』。誤記かとも疑われるが、
   中国の文献『事物紺珠』という書籍に「信天翁」の名があるとか。
   ただし、「信天翁」とした場合の意味は天翁(=太陽)に信(まか)せるの意味で、
   本来どの鳥を指したものか確定できないと云々。

  • ヨーロッパでは、アホウドリやカモメは、水死した船乗りの魂と信じられていたため、
   これを殺すと凶運に見舞われるとされた。

  • また、海が荒れだしたり、針路に暗礁があると、アホウドリが舷側を飛び回って警告するともされた。
   (これは、そもそも海鳥が見えるという事は陸地が近づいた事を示しており、
    従って暗礁にぶつかる危険性も高まるためであろう、と荒俣宏氏)


(『世界大博物図鑑 鳥類』荒俣宏)


最終更新:2012年05月02日 01:32