9mmパラベラム弾

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9mmパラベラム弾 - (2023/12/18 (月) 14:49:40) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/05/17 Tue 16:03:58
更新日:2024/04/27 Sat 21:22:32
所要時間:約 3 分で読めます





概要

9mmパラベラム弾とはドイツ武器弾薬工業(DWM・Deutsche Waffen und Munitionsfabriken)が開発した拳銃用の弾薬である。
開発は1902年と100年以上前。現在では主に軍用拳銃用弾薬として世界的に広く普及している。
開発者のゲオルグ・ルガーの名から9mmルガー弾とも呼ばれている。NATO式表記だと9mm×19。



仕様

弾丸直径:9.02mm(0.355in) in=インチ
弾丸全長:26.69mm(1.169in)
薬莢全長:19.15mm(0.754in)
弾頭重量:8.04g
銃口初速:345m/s(1150ft/s) ft=フィート
初 活 力:350ft-lbs



開発の経緯と普及

7.65mmパラベラム弾を基にしてゲオルグ・ルガーが開発。
イギリスやアメリカにも提供され、1904年には自国ドイツの海軍のM1902(陸軍ではP08)用として改良を加えられたのが現在の9mmパラベラム弾である。

第一次世界大戦終了後には各国に普及し、FN ハイパワーの使用弾薬としても採用された。第二次世界大戦では連合国・枢軸国ともに使用されている。
現在はNATOをはじめとする西側諸国の標準的な弾薬の一つであり、.45ACPが大好きなアメリカがベレッタM92を採用するほどの広まりを見せている。
スイスやオーストリア等の中立国も採用しており、(旧共産圏をのぞき)世界的にスタンダードな弾薬と言える。冷戦も収束した現在では東側でも採用される事もある。
軍用だけでなく警察や民間でも個人所有用途としても人気がある。



特徴

○利点
  • 軍用として十分な威力
  • 弾丸のサイズが小さい為、反動が弱い
  • ダブルカラム化が容易*1
  • 大量生産に向いている
  • 初速が早く、弾道が平坦


○欠点
  • 拳銃弾としては威力が高く銃本体の設計が難しい(VP70などは威力を持て余してしまった例)
  • 弾速が音速を超えるため、サプレッサー(減音器)の効果が薄い*2


このような優れた特徴を備えており開発から一世紀を経た現在でも拳銃や短機関銃のスタンダードな弾薬である。

しかし残念ながら、拳銃弾という性質上一定クラス以上のボディアーマーを貫通することは難しい*3
よく.45ACP弾と比べてストッピングパワーで劣るとされているが弾頭が軽い分初速が速く、運動エネルギーの面で大きく劣ることはない。
貫通力はこちらが上なので、ボディアーマーや装甲の向こう側の相手を倒すには9mmの方が向いていると言えば向いている。



名称の由来

名前についている「パラベラム」はラテン語のことわざ「Si Vis Pecem Para Bellum」に由来している。
和訳すると「平和を望むなら戦いに備えよ」である。製造したDWM社のモットーでもある。
壮大な皮肉ともとれるが、考えさせられる言葉である。



9mmパラベラムを使用する主な銃

◆拳銃

  • IMI UZI
  • H&K MP5
  • ステンSMG
  • シュマイザーMP-40
  • Vz.68(スコーピオンのモデルの内の1つ)
  • 9mm機関けん銃(自衛隊のSMG)




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