音響戦士(遊戯王OCG)

登録日:2015/04/06 mon 00:09:00
更新日:2023/07/05 Wed 19:51:17
所要時間:約 15 分で読めます





音響戦士(サウンドウォリアー)とは遊戯王OCGに存在するテーマの一つ。


概要

音響の名の通り、ベースやドラムなど、バンドなどでよく使う楽器がモチーフのモンスターたち。
風属性機械族で統一されている。

主にシンクロ召喚ペンデュラム召喚を得意とするが、展開においては必然的にエクシーズ召喚リンク召喚も使用する。
これは偶然ではなく、このテーマの最大の特徴、召喚条件が汎用的ではないモンスターであってもEXデッキから出せるということに寄与している。
自分自身や仲間のレベル・属性・種族を変更する3体のチューナー、《音響戦士ベーシス》《音響戦士ドラムス》《音響戦士ピアーノ》のおかげで、縛りをクリアできるのだ。
さまざまなジャンルの楽曲を演奏するような見立てがあるのかもしれない。

メインデッキからは1つのテーマのモンスターしか出すことなく、EXデッキから1ターンのうちに《王神鳥シムルグ》《DDD赦俿王デス・マキナ》《氷水啼エジル・ギュミル》が出てくることなど、音響戦士でもなければおよそ非現実的であろう。


歴史

初登場は2010年、第7期の「STORM OF RAGNAROK」。真六武衆極星と同じパックである。
しばらくは先述の3体しかいなかったため、カテゴリというよりはシリーズカードであり、「使いたい属性・種族のチューナーを直接採用した方がまだいい」としてさほど注目はされていなかった。
【ジャンクドッペル】にて、ベーシスが《シューティング・クェーサー・ドラゴン》を出す補助として重宝されていた程度であった。

花形といえる《音響戦士ギータス》や《音響戦士マイクス》らが登場したのは、実に4年以上も後、第9期でのことだった。*1
彼らの登場によって、リクルートや蘇生、そしてペンデュラム召喚といった展開手段を手にすることになった。
テーマカードを中心に動いてもシンクロ召喚に到達できるようになり、音響戦士というデッキテーマはここから生まれたといえる。

ペンデュラム(以後、P)召喚登場当初の頃のルールでは、Pモンスターを持たないテーマのデッキにもP召喚の要素を取り入れる需要があり、汎用の出張パーツとしての地位もギータスによって確立された。

その後、第11期のパック「DIMENSION FORCE」にて、新戦士である《音響戦士ディージェス》と《音響戦士ギタリス》、そしてシンクロモンスター《音響戦士ロックス》が登場した。
《軌跡の魔術師》のようなペンデュラム召喚の展開力を増すカードも同時に登場したことで、召喚条件がバラバラなモンスターを一挙に複数並べるという動きが現実のものとなっている。


カード

●メインデッキのモンスター

音響戦士(サウンドウォリアー)ギータス
ペンデュラム・効果モンスター
星3/風属性/機械族/攻1500/守 100
【Pスケール:青7/赤7】
「音響戦士ギータス」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札を1枚捨てて発動できる。デッキから「音響戦士ギータス」以外の「音響戦士」モンスター1体を特殊召喚する。
【モンスター効果】
(1):このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の「音響戦士」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。

音響戦士の核となる重要モンスター。
P効果として、手札をコストに音響戦士をリクルートできる。
マイクスをリクルートして召喚権を追加できるのはデッキを問わず有用で、しかもスケールも高いため、出張セットとしても用いられる。
他にも、使いたいレベル帯に合わせてチューナーを呼ぶも良し、ディージェスやサイザスをリクルートしてエクシーズ召喚に繋げるも良し。

モンスター効果としての、通常召喚時の蘇生も便利。
エクシーズ素材や手札コストとして墓地に行ってしまったディージェスやマイクスを蘇生し、リンク召喚などによってEXデッキに届けることができる。
ピアーノかベーシスを蘇生して《メタファイズ・ホルス・ドラゴン》を出すなら、無効効果とコントロール奪取効果の両方を与えられる。


音響戦士(サウンドウォリアー)マイクス
ペンデュラム・効果モンスター
星5/風属性/機械族/攻2300/守1100
【Pスケール:青1/赤1】
(1):もう片方の自分のPゾーンに「音響戦士」カードが存在しない場合、このカードのPスケールは4になる。
(2):自分エンドフェイズに、除外されている自分の「音響戦士」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。
【モンスター効果】
(1):このカードは自分フィールドの音響カウンターを3つ取り除き、手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにモンスター1体を召喚できる。

出るだけで通常召喚権が増えるため、ギータスから出す役として特に出張採用されやすいモンスター。
ギータスのモンスター効果は特殊召喚では使えないため、ちょうどその補助ともなる。

ほとんどの場合、P召喚されるか、ギータスからリクルートされてくることになるだろう。
音響カウンターが3つある場合は、自力で手札から出てくることもできる。

上級モンスターらしく攻撃力も2300と高めなので、お互い困窮した時はアタッカーとして活躍することにもなる。

スケールが上がるデメリットを持つが、ギタリスが登場してからはPゾーンに置くことは珍しい。
それでも、リソース回復を重視するデッキならP効果は役に立つ。自身の効果で除外されたサイザスを手札に戻せるため、毎ターンのようにチューナーを再利用できる。


音響戦士(サウンドウォリアー)サイザス
リバース・効果モンスター
星4/風属性/機械族/攻1200/守1900
(1):このカードがリバースした場合に発動できる。デッキから「音響戦士サイザス」以外の「音響戦士」モンスター1体を手札に加える。
(2):1ターンに1度、「音響戦士サイザス」以外の自分のフィールド・墓地の「音響戦士」モンスター1体を対象として発動できる。このカードはエンドフェイズまで、そのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。
(3):墓地のこのカードを除外し、「音響戦士サイザス」以外の除外されている自分の「音響戦士」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。

音響戦士モンスターの「サーチ」「名称・効果のコピー」「帰還」を一身に備えた万能のカード。
しかも3つのいずれにも名称ターン1制限がない。
……なんて言い方をすると禁止級カードに聞こえるが、実際にはじゃじゃ馬とでも言うべき、取り扱いの難しい機材である。

まず、サーチ効果が発動するのはリバースした場合。
確かに防御力は高いが、セットしたモンスターを相手が除去せずわざわざ殴ってくれるなど、登場当初の環境だったとしても当てにできない。

そしてコピーについてだが、モンスターゾーンで使える音響戦士の効果は、どれもこれも召喚・特殊召喚時の誘発効果である。
このカードが使えるのは、ベーシス&ドラムス&ピアーノの、レベル・属性・種族を変更する効果3種しかない。
現実の電子音楽史でも、ギターやボーカルはシンセサイザーでの再現が難しいとされてきたのは確かだが……。

帰還については有用さが分かりやすいが、それも除外ゾーンに自力で行ける上記の3体にアクセスできて初めてのこと。
マイクスのように、展開過程でよく使うモンスターが除外ゾーンに行く(のにこのカードは除外されず墓地に行く)場面はなかなか想像しづらい。

だが、このカードを本当に上述のような万能モンスターに変えたのが、次に紹介するディージェスである。


音響戦士(サウンドウォリアー)ディージェス
ペンデュラム・効果モンスター
星4/風属性/機械族/攻1200/守1200
【Pスケール:青8/赤8】
このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。自分フィールドの裏側守備表示の「音響戦士」モンスター1体を選んで表側守備表示にする。
(2):「音響戦士」モンスターの効果が発動した場合に発動できる。Pゾーンのこのカードを特殊召喚する。
【モンスター効果】
このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「音響戦士ディージェス」以外の「音響戦士」モンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚する。
自分のフィールドゾーンに「アンプリファイヤー」が存在する場合、代わりにデッキから「音響戦士ディージェス」以外の「音響戦士」モンスター1体を効果を無効にして特殊召喚できる。

6年の沈黙を破り、第11期に登場した新顔。
コイツの登場で、音響戦士のペンデュラムモンスターにレベル3・4・5が揃うこととなった。

一見すると不思議が多いモンスターである。
リクルーターと思いきや、裏側表示で呼び出すことになるためシンクロ・エクシーズ・リンク素材のどれにもできない。
しかも、ロックバンドじみた音響戦士たちの中にあって、DJコントローラーがモチーフである。

その正体は、とにかくサイザスのパワーを最大限に引き出すことに特化したモンスター。シンセサイザーの取り扱いに長けたDJなのだ。
  1. モンスターゾーンのこのカードで、サイザスを裏側表示でリクルート
  2. このカードを(ギタリスなどで)再び手札に加え、今度はPゾーンに置く
  3. P効果でサイザスをリバースし、サイザスで音響戦士をサーチ
  4. サイザスの効果が発動した誘発効果で、ディージェスがモンスターゾーンに戻ってくる
という、盤面を1周して戻ってくるパフォーマンスが最大の見せ味。
ここから、軌跡の魔術師や《ギアギガントX》を使って音響戦士をもう1体サーチできるので、ペンデュラムスケールが容易に完成する。
リバースにかかわる部分だけはターン1制限もないので、手札にディージェスとサイザスがいるなら、サーチを2回も行える。

X素材となることで、Pモンスターでありながら墓地に行く機会が多く、ギータスによる蘇生が狙える。
自力での除外こそできないが、何らかのカードの除外コストとすることで、サイザスによる帰還もできるようになっている。

アンプリファイヤーがあれば表側表示でのリクルートも可能なので、動きの選択肢が広い。
効果は無効になるので、この場合は普通に素材にしよう。《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》にもロックスにもし放題。
ただ、アンプリファイヤーを採用するような音響戦士特化のデッキほど、サイザスのリバース効果を使うために裏側を選択することも多そうである。


音響戦士(サウンドウォリアー)ギタリス
ペンデュラム・チューナー・効果モンスター
星3/風属性/機械族/攻1100/守 500
【Pスケール:青0/赤0】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカード以外の「音響戦士」カード1枚を対象として発動できる。そのカードとこのカードを持ち主の手札に戻す。
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分のフィールドゾーンに「アンプリファイヤー」が存在する場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、自分のPゾーンのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。

ディージェスと同期となる、ギター担当その2。
0というPスケールを何の制限もなく行使できるのも強いが、
着目すべきはモンスター効果・P効果のどちらもセルフバウンスであること。

ペンデュラムなのに破壊ではなくバウンス? と思うかもしれないが、音響戦士にとってセルフバウンスは単なるスケールの張り替え以上の意味を持つ。
ギータスとディージェスはP効果とモンスター効果の両方が強力で、何なら2つがコンボじみているため、なるべく早く両方使いたい。
ディージェスでの例は先述の通りだが、ギータスについても
  1. ギータスのP効果で、手札の音響戦士を捨ててギタリスをリクルート
  2. ギタリスでPゾーンのギータスをバウンス
  3. ギータスを召喚し、さっきコストにした音響戦士を蘇生
とできるため、モンスターが3体並ぶ。しかも少なくとも1体はチューナー、2体はPモンスターである。

また、アンプリファイヤーがある場合には手札から特殊召喚できる。
マイクスと違って音響カウンターの消費を必要としない一方、1ターンに1度しかできず、チェーンブロックを作ることに注意。


音響戦士(サウンドウォリアー)ベーシス
チューナー・効果モンスター
星1/風属性/機械族/攻 600/守 400
(1):1ターンに1度、フィールドの「音響戦士」モンスター1体を対象として発動できる。ターン終了時まで、そのモンスターのレベルを手札の枚数分上げる。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの「音響戦士」モンスター1体を対象として発動できる。ターン終了時まで、その自分の「音響戦士」モンスターのレベルを手札の枚数分上げる。

手札の枚数だけ音響戦士のレベルを上げるチューナー。

元々のレベルが1であるというのは優秀で、ギータスとは違った意味で出張にも適している。
【レベル1】デッキであれば、《金華猫》で蘇生するだけでそれなりのレベルのシンクロモンスターに繋げられる。
《ロード・シンクロン》でもリクルートできるため、先述のように古くからジャンクドッペルデッキにおいて活用されてきた。
漫画Dチーム・ゼアルでも、同デッキにおいて《ワン・フォー・ワン》でリクルートされるという形で登場した。

《地獄の暴走召喚》はできるが、《機械複製術》にギリギリ対応していないことは惜しい。


音響戦士(サウンドウォリアー)ドラムス
チューナー(効果モンスター)
星2/風属性/機械族/攻 700/守 700
属性を1つ宣言し、フィールド上に表側表示で存在する「音響戦士」と名のついたモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターは宣言した属性になる。この効果は1ターンに1度しか使用できない。
また、属性を1つ宣言し、自分の墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事で、自分フィールド上に表側表示で存在する「音響戦士」と名のついたモンスター1体は宣言した属性になる。

音響戦士の属性を変更させられるチューナー。

シンクロ素材だけでなく、それ以外の条件についても属性縛りの重要さは大きい。
闇属性主体でないにもかかわらず《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》を出せるようになるのは、ペンデュラムデッキにとってあまりに強力。
あちらが役目を終えたら、サイザスで帰還してちょうど《フルール・ド・バロネス》にできる。このためだけに採用する価値もあるほど。

また、属性を何にでもできるというのは、属性の種類を参照するカードでこそ最も活きる。
このカードとサイザスをP召喚に絡められたなら、《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》まで一直線である。

単純に、サイザスのおかげでフィールド・墓地・除外ゾーンを何度もぐるぐるでき、
ギータスでリクルートもできるので、属性変更という機能を除いてもなお扱いやすいチューナーである。



音響戦士(サウンドウォリアー)ピアーノ
チューナー(効果モンスター)
星3/風属性/機械族/攻 900/守1300
種族を1つ宣言し、フィールド上に表側表示で存在する「音響戦士」と名のついたモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターは宣言した種族になる。この効果は1ターンに1度しか使用できない。
また、種族を1つ宣言し、自分の墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事で、自分フィールド上に表側表示で存在する「音響戦士」と名のついたモンスター1体は宣言した種族になる。

音響戦士の種族を変更させられるチューナー。

種族は属性よりも種類が多いため、より突飛なモンスターたちを並び立たせることが可能。
炎族のような珍しい種族にもなれるので、他の音響戦士と一緒に《重爆撃禽 ボム・フェネクス》を正規融合できたりもする。

レベル3チューナーという点ではギタリスとかぶるが、むしろ音響戦士にレベル3が3体もいることは好都合。
2体を悪魔族にすることで《DDD磐石王ダリウス》がX召喚できるので、先述のようにデス・マキナに繋げられる。
X素材の片方がギタリスであれば、デス・マキナが相手ターンのお勤めを終えて自主退場した後、Pスケールに0と10がすぐ並ぶことになるだろう。

《一族の結束》がメジャーカードだった頃は、墓地のモンスターの種族を統一したままフィールドに複数の種族を並べられるという点でも有用だった。
また、ユニコーンが現役だった時代のマジェスペクターにギータスと共に出張し、魔法使い族になることであちらの魔法・罠のコストにするというコンボも存在した。


●魔法カード

アンプリファイヤー
フィールド魔法
(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、「音響戦士」カードの持つ効果が発動する度にこのカードに音響カウンターを1つ置く。
(2):フィールドの「音響戦士」モンスターの攻撃力は、このカードの音響カウンターの数×100アップする。
(3):1ターンに1度、自分フィールドの音響カウンターを5つまたは7つ取り除いて以下の効果を発動できる。
●5つ:フィールドの「音響戦士」カードの数×300ダメージを相手に与える。
●7つ:フィールドの「音響戦士」カードの数まで、相手のフィールド・墓地のカードを選んで除外する。

音響戦士が効果を発動する度にカウンターを乗せ、音響戦士を強化する。さらにカウンターを取り除いてバーンか除去の効果を使える。
P効果とモンスター効果のどちらの発動でもカウンターが貯まるうえ、中には同名ターン1制限がないものもあるため、無事にデッキが回っている限りどんどんカウンターが貯まる。
ただし、魔力カウンターとは異なり、音響戦士をペンデュラムスケールに置いただけではカウンターが貯まらないことに注意。*2

ギタリスやマイクスが手札から自力で出てこれるようになるという役割も、それらに劣らず重要である。
《幽鬼うさぎ》あたりを警戒するなら、あえて効果を発動しないという戦術も取りうる。

「Amplifier」は楽器の音量を調整する「アンプ」の正しい名称。
英語名では「Symph Amplifire」となっているため、「火」とのダブルミーニングでもあるようだ。
イラストでは、ピアーノがおらず当時は登場していなかったマイクスの姿がある。召喚制限-ディスコードセクターにおける不協和音の件でピアーノはハブられたのだろうか…?


ゲネラールプローベ
永続魔法
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、「音響戦士」カードの持つ効果が発動する度に、 このカードに音響カウンターを1つ置く。
(2):自分フィールドの音響カウンターを3つ取り除いて発動できる。デッキから「音響戦士」モンスター1体を手札に加える。
(3):自分が「音響戦士」モンスターの召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「アンプリファイヤー」1枚を手札に加える。

アンプリファイヤーに続く音響カウンター貯蓄用カード。
音響戦士のサーチと、召喚・特殊召喚をトリガーとしたアンプリファイヤーのサーチができる、いわば音響戦士版の簡易《六武の門》。
貯まったカウンターはアンプリファイヤーと合計して使えるため、このカードのおかげであちらの「7つ」の効果にも手が届きやすい。

しかし、手札に2枚いないと動き始められない音響戦士にとって、最初のサーチを起動するまでのハードルが効果発動3回というのは高い。
召喚・特殊召喚に誘発してアンプリファイヤーをサーチしても、そのモンスターの着地時の誘発効果の発動前にアンプリファイヤーを発動できないのが非常にもどかしい。
ゲネラールプローベと一緒に引いて音響カウンターを3つ溜められるカードはギータスしかない。*3

ゲネラールプローベとは、本番前のリハーサル、いわゆる「ゲネプロ」の正式名称のこと。
イラストはディージェスとギタリスがスタジオに現れた場面である。新メンバーなのだろうか。


●エクストラデッキのモンスター

音響戦士(サウンドウォリアー)ロックス
シンクロ・ペンデュラム・効果モンスター
星7/風属性/機械族/攻2500/守1500
【Pスケール:青10/赤10】
このカード名の(1)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のスタンバイフェイズに発動できる。自分のEXデッキから表側表示のPモンスター1体を手札に加える。
(2):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。そのモンスターとこのカードを破壊する。
【モンスター効果】
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(1)(2)のモンスター効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分のEXデッキから表側表示のPモンスター1体を手札に加える。
(2):自分のフィールドゾーンに「アンプリファイヤー」が存在する場合に発動できる。フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
(3):モンスターゾーンのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。

ついに現れたカテゴリシンクロにして音響戦士の切り札。
音響戦士たちが集まってフェスを開催している様子のカード。相変わらずピアーノはハブられているが……。

エクストラデッキのPモンスターを回収できるため、素材となったディージェスやギータスをPゾーンで再利用できる。
全部がPモンスターばかりではない音響戦士デッキでは、エレクトラムより出しやすい相互互換となる。

相手ターンにも活躍させるならPゾーンに置いておくことになる。
Pモンスターをもう1枚回収したうえで、自分フィールドのモンスターを戦闘から守れる。
ただ、このカード自体がエレクトラム・軌跡の魔術師・バロネスの素材に適しているせいで、モンスターゾーンのこのカードを破壊するのは意外と難しい。

アンプリファイヤーがある状況なら、3000~4000打点とターン1破壊効果を持ったエースにもできる。
場合によっては自分自身を破壊する場面もあるかもしれない。

ついでに、音響戦士の名を持ったシンクロモンスターであるため、属性や種族の縛りを持ったシンクロモンスターを素材とするモンスター*4であっても、やろうと思えば強引に出すことができるようにもなった。
何なら、「ウォリアー」と名の付くシンクロモンスターなので、ラッシュ・ウォリアーで2倍パンプできたり、スターダスト・ウォリアーの後続で出せたりする。*5



相性のいいデッキ

「ペンデュラム召喚によって複数のカテゴリを取りまとめる」というコンセプトが共通している。
それゆえに、ベーシス&ドラムス&ピアーノの効果も活かしやすい。
レベルを上げれば儀式召喚の素材、属性を変えれば「シャドール」融合モンスターたちの素材、
そして種族を変えれば、《相剣大師-赤霄》などの素材となれる。

機械族と幻竜族のモンスターが自然とデッキに入るということは、すなわち《幻獣機アウローラドン》経由で出す《源竜星-ボウテンコウ》を大暴れさせられるということでもある。
EXデッキ枠の都合上、さすがに《水晶機巧-ハリファイバー》禁止前の【天威ローズ】ほど凶悪ではないが。


マシンナーズの横並び力の低さを音響戦士が、音響戦士の妨害への脆さをマシンナーズの臨機応変さが、それぞれ補いあえる。
《クリフォート・ゲニウス》による万能サーチを安定して行えるのも心強い。

たとえ《マシンナーズ・アンクラスペア》による機械族縛りがあっても、アウローラドンの猛威は健在。
先攻制圧が通るならば《幻獣機ヤクルスラーン》での大量ハンデス、
後攻なら《パワー・ツール・ブレイバー・ドラゴン》を絡めたワンショットキルを狙っていける。

意外なシナジーを持つのが、《マシンナーズ・ルインフォース》の召喚条件とサイザスの墓地効果。
X素材となったディージェスとサイザスが墓地にいることが多いので、ディージェスをルインフォースの蘇生コストにすることで、ディージェスを再利用できる。


どちらもシンクロ召喚・ペンデュラム召喚の要素を持ち、お互いをギアギガントX経由でサーチできる。

「魔法・罠カードを採用しない」というテーマコンセプトのため、なんとかモンスターカードの効果だけで相手の妨害を掻い潜らないといけない縛りを抱えているのだが、
ギータスによってその戦術を補強できる。召喚権を使わずに相手にとってのマストカウンターとなるため、初動の露払い、妨害への立て直しにと役立てよう。

音響戦士側は魔法・罠があっても平気なので、混成すれば《墓穴の指名者》程度ならなんとか採用できるようにもなる。
無事に回りはじめたなら、《デビル・フランケン》からの《ナチュル・エクストリオ》で墓地から除外してしまいたい。

エレクトラムというパワーカードを取り入れやすくもなり、鬼に金棒。
Pゾーンに陣取りつづける《超重僧兵ビッグベン-K》は破壊コストにしやすい。
純構築ではたかだか《超重神童ワカ-U4》を回収するにとどまる《超重武者ドウC-N》も、音響戦士モンスターがEXデッキにいる状況ならできることが多い。
ついでに、“超重”武者が“音響”戦士のおかげで“ヘビーメタル”フォーゼを手にできるのは名前的にも面白い。


「ヴァリアンツ」モンスターのPスケールは全て1なので、上スケール役としてギータスが採用されやすい。
邪魔になったらエレクトラムやギタリスで手札に戻し、必要な時に《ケンドウ魂 KAI-DEN》などに張り替えられる。
ただし、ヴァリアンツのモンスターを手札コストにしても、墓地での使い道が少ないことには注意しよう。

音響戦士から見た場合、EXデッキ以外からは「ヴァリアンツ」以外のモンスターを特殊召喚できなくなる制約をなんとか迂回する必要がある。
それでもなお、召喚権を使わずに場に出せる貴重なレベル4・機械族のPモンスターである《ヴァリアンツV-ヴァイカント》は魅力的。
ソリティア型デッキで、展開の最後の詰めとなるシンクロ・エクシーズ・リンク召喚に使おう。


  • ドレミコード
音楽にまつわる2つのペンデュラムテーマのコラボ。音楽ジャンルとしてはネオクラシカルメタルあたりだろうか?

このデッキでの《グランドレミコード・ミューゼシア》は、P効果が控えめな「ドレミコード」モンスターを、P効果が強力な音響戦士モンスターに交換できるという、わかりやすくお得な効果となる。
メインデッキの音響戦士たちのPスケールは、ちょうど下側と上側に奇数と偶数が2体ずつ存在しているため、必要なものを手札に呼び込みやすい。

一発芸としては、《失楽の堕天使》から《堕天使ナースーレフィキュル》にアクセスすることで、《スマイル・ユニバース》によるキュアバーン先攻1キルを狙うデッキもギリギリ作れうる。


どちらも風属性・機械族・シンクロ軸である2テーマの混合デッキ。

EXデッキに多様なレベルのシンクロモンスターを採用することになるため、ベーシスを採用してもレベル変動効果が腐りにくい。
レベルを上昇させたロックスは《HSR/CWライダー》の素材にしやすく、そのCWライダーはロックスをリクルートできる。主力も相互に助け合う仲にあるといえる。

《SRドミノバタフライ》では、除外されたサイザスを手札に回収してP召喚につなげるという動きができるため、ベーシスの使い回しに拍車がかかる。
しかも《HSR-GOMガン》とマイクスとで、通常召喚のチャンスは3回もある。アウローラドンを出した後に召喚・アドバンス召喚が2度も3度もできるデッキはそうあるまい。


ギータスたちが登場した頃から【音響ガジェット】として知られる構築。
近年のカードのおかげでますますP召喚までの道のりは安定している。
普段は召喚権不足に悩まされる3色ガジェットたちが、その軛から解き放たれてフィールドに大量放出され、
しかも追加の召喚権を残せるのだから、今なお圧巻というほかない。

古代の機械(アンティーク・ギア)カテゴリとの繋がりも無視できない。
《古代の機械弩士》からアクセスできる《無限起動スクレイパー》は、マイクスと一緒に《無限起動リヴァーストーム》にできる。
《古代の機械熱核竜》をサーチし、「ガジェット」モンスターと《古代の機械箱》とでアドバンス召喚してみるのも面白い。


「ブンボーグ」Pモンスターには、カテゴリ内モンスターしかP召喚できない縛りがあるせいで、デッキテーマを混在させると動きづらい。
しかし、ブンボーグ以外のモンスターで両側のスケールを賄えるならその限りではない。
特に、普段は地味な《ブンボーグ006》が、ディージェス以外でサイザスのリバース役を担える貴重なモンスターとして大活躍できる。
ギータスでのP召喚範囲なので、一度EXデッキに加えてしまえば取り回しが良い。

出張としては、ハリファイバーなき時代においても《ブンボーグ001》は有用。
P召喚後のアウローラドンを目指す構築であれば、1体で2回も蘇生できる。
EXデッキ消費1枚だけでこれを実現できたハリファイバーのヤバさもわかる

もちろん、ブンボーグ本来の得意分野は打点の確保。
EXデッキ枠不足に悩まされているなら、数種類のブンボーグを採用することで、メインデッキの下級モンスターだけでフィニッシャーを生み出せるデッキとなる。


機械族・シンクロ軸のテーマ。
テーマの特徴が「表示形式を変更する」という動きであるため、こちらもサイザスのリバースに転用できる。

シンクロモンスター全員がリクルート能力を持っているというのは、今なお目を見張る。
レベル7シンクロを目指せるようにしておけば、ロックスと《カラクリ将軍 無零》の両方に使えるので隙を生みにくい。
ギータスと適当なレベル3チューナーが手札にあるだけで、レベル7シンクロモンスター2体とペンデュラムスケールを揃えたりできる。
《No.42 スターシップ・ギャラクシー・トマホーク》が止められたならペンデュラム召喚、という二段構えも狙っていけるだろう。



追記・修正は過激にファイヤー!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 遊戯王
  • 機械族
  • 風属性
  • チューナー
  • ペンデュラム
  • 出張
  • 楽器
  • 音響戦士
  • 遊戯王OCGデッキテーマ項目
  • 遊戯王OCG

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年07月05日 19:51

*1 予兆として、第8期最後のパックである「PRIMAL ORIGIN」で、汎用カードの《召喚制限-ディスコードセクター》にマイクスたちが登場してもいた。

*2 手札からペンデュラムモンスターをPゾーンに発動する行為は「魔法カードの発動を伴う効果の発動」なので一見すると問題なく出来る様に見えるが、Pゾーンへの発動は「そのカード自身が持つ効果」ではなく「ルールで定められた行為」だから無理なのだと思われる。アンプリファイヤーは再録前のテキストが「「音響戦士」カードの効果が発動する度にこのカードに音響カウンターを1つ置く。」であり、テキスト上は問題なく見えてしまうので要注意。

*3 非ペンデュラムチューナー3体のいずれかをリクルートし、アンプリファイヤーを発動した後、チューナーの起動効果を空撃ちする。

*4 《琰魔竜 レッド・デーモン・アビス》など

*5 そちらのウォリアー関連カードにはP召喚の要素は少ないため、活かすのは難しそうだが