玉藻京介

登録日:2018/06/30 (土) 09:33:37
更新日:2024/03/01 Fri 19:36:48
所要時間:約 12 分で読めます




鵺野先生…
あなたの力のその秘密

この玉藻が必ずいただく!


玉藻京介とは、漫画『地獄先生ぬ~べ~』の登場人物である。

CV:森川智之
演:速水もこみち


プロフィール


身長:182cm(変身前)/190cm(変身後)
体重:66kg(変身前)/?(変身後)
年齢:400歳
生年月日:1597年1月25日(みずがめ座)
血液型:AB型
趣味:民俗学研究・ピアノ
好きなもの:油揚げ
嫌いなもの:ぬ~べ~達以外の人間

※誕生日、血液型、趣味は南雲明彦のデータ。


人物


強大な力を有する妖狐。本名は「茶吉権現天狐」と言い、狐の中でも最高位に近い立場にいる。
普段は金髪を腰辺りまで伸ばした美青年に化けている。この姿は「南雲明彦」という男性の姿をモデルとしており、テレビアニメ版では銀髪であったがOVA3作目からは原作どおり金髪となった。
ぬ~べ~のライバルかつ良き戦友で、ぬ~べ~とほぼ互角の戦闘力を持つ。

古来から妖狐は400歳を超えると人化の術を会得し、この世でおごり高ぶっている人間達をこらしめるために人間に化け、この世に災厄と混乱をもたらしてきた。
人化の術を完成させるには自分に最も適した人間の髑髏(頭蓋骨)が必要であったため、掟に従って人里に降りた後で最も自分に適した髑髏の持ち主がである事を突き止め、童守小学校に教育実習生として現れ彼の命を狙った。
そこにぬ~べ~が立ちはだかり、彼に計画を阻止された事で彼の事に興味を示すようになる。
そしてぬ~べ~の力の源であり妖狐の自分にはない「愛」という感情を理解するために、童守病院の外科医となって「愛」について研究するようになった。

当初は「愛」を理解できずに度々ぬ~べ~と対立していたが、共闘を経て良きライバル関係となる。
また人間の事も当初は「おろかで薄汚い生物」と蔑んでいたが、ぬ~べ~達との出会いで考えを改めた。

現在は童守町の高層マンションに住んでおり、高級車ジャガーXJ220を保有している。
女子児童達や看護師達からの人気は高く、カッコよさではぬ~べ~に圧勝しているため、事あるごとに比較対象にされ肩身の狭い思いをしているぬ~べ~にイヤミを言われている。
ぬ~べ~からは基本「玉藻」と呼び捨てにされているが、たまにおふざけで「たまちゃん」「玉藻っち」と呼ばれる事がある。本人はその呼ばれ方を嫌がっているので、そう呼ばれた時には適当にあしらうか無視している。

現在使用している髑髏は、前述のとおり南雲明彦という青年のものであるが、玉藻が彼を殺害して奪ったわけではない。
明彦は民俗学を専攻していた学生で、妖狐伝説を求めてとある霊山に登ったが、そこで遭難し命を落としてしまう。
その後で玉藻は彼の遺体を見つけ、遺体から彼の髑髏を引き抜いて人化の術を行った。

ちなみに『妖怪絵師・鳥山石燕の巻』に登場したタヌキの玉三郎は、姿が似ているだけで玉藻とは縁もゆかりもない全くの別人(本人談)。
玉三郎「たんたんたぬきのしわのばし!!」→千畳敷石つぶて(ズドドド…)


性格


冷静沈着かつ計算高い性格で、どのような時も落ち着いた口調で話す。少しキザでイヤミなところがあり立ち去る時には「アディオス」と言って背中を見せる。
プライドが高いため、自分より格下の妖怪を小物呼ばわりしたりもするが、人間と間違われて山から連れ去られ洗脳教育を施されているウェアウルフの子供を解放しようと動いたり、霊札師ヤン・カイルンの無差別殺戮で大量の妖怪が傷つけられた際には怒りを露わにして共闘を申し出たりと、種族問わず妖怪同士の仲間意識や連帯感は持っている。*1
ゆきめの事も小物妖怪呼ばわりしているが、彼女の能力はそれなりに認めており、一緒に行動する場面も多い。

「愛」という感情が理解できれば無限の力が手に入ると考えており、人間を救う事でそれを理解しようとするが、人間の感情を持たないため当初は杓子定規な考え方しか出来ず、人の命を簡単に天秤にかけるような冷たい性格だった。*2
「寝肥り」に取り憑かれた女性を救おうとした際に哀れな霊である寝肥りを問答無用で斬ろうとしたり、神獣クラスの怪物が童守町で暴れまわった際には事の発端である秀一の命を犠牲にして街を救おうと考えるなど、その度にぬ~べ~と対立していた。
また少しでも早く人間の心を理解するためにあえて理袋に取り憑かれた事もあったが、感情を制御できなかった事で完全な失敗に終わりぬ~べ~達に失態を見せる結果となった。

だがぬ~べ~達と関わるうちに徐々に人間の心が理解できるようになっていき、絶鬼との決戦の際には今だに「愛」について理解できないと言いながらも、命の危機に瀕する子供達を「ただ助けたい」という思いだけで命を賭けて守ろうとしていた。その際にはぬ~べ~と同じように無限に妖力が上昇し、絶鬼から「きみ…もう半分人間の匂いがするよ」と言われていた。
それ以前にも、明彦の恋人だった女性に南雲が死んだ事を告げ、彼女が自暴自棄になって自殺をしようとた際には、彼女を救い出した後で明彦の遺品を渡し「明彦のためにも新しい愛を見つけるのだ」と彼女の心を気遣うようなところを見せていた。
いずなが勘違いして自分に勝負を挑んできた時にも、彼女の事情を察して倒されたふりをし、彼女の強い信念を認めるような発言をしている。

ぬ~べ~に対して最初は対抗心を燃やしていたものの、彼と共闘するうちにいつしか絆が芽生え、ライバルかつ戦友といった関係となる。
ぬ~べ~のほうも最初の頃は玉藻と会う度に「何を企んでいる!」などと敵意をむき出しにしていたが、付き合いが長くなるに連れて玉藻の事を信頼するようになる。
ちなみに玉藻と一緒にいる時のぬ~べ~はボケに回る事が多いが、玉藻は人間のユーモアが理解出来ないので全然突っ込む事無く軽く受け流している。

それでも付き合いは良好なほうであり、前述の狐の嫁入りを見たぬ~べ~達が狐達の怒りを買った時に「許してやってくれないか」と頼んだり*3、ぬ~べ~が貧乏神に取り憑かれた時には彼の落ち込んだ顔を見に来たと言いつついなり寿司を差し入れようとしていた事もある。


能力


人間の頭蓋骨を海老の殻を剥くように抜き取る事の出来る「首刺又」を駆使して戦う。
人化の術が完成していない現状でも妖力はぬ~べ~と互角であり、仮に人化の術が完成すれば妖力は現在の10倍以上にアップするという。

人間界に降りる前に自分なりに人間の事を調べており、様々な知識を有している。
しかし人間の文化に関する知識は「くだらない」などの理由で知らない事もあり、ミサンガの知識を知らずに両手両足につけた事でぬ~べ~に妖力を封じられた事もあった。

外科医の腕も一級品で、400年の間で得た知識と外科医の技術を駆使して多くの患者を救っており、院内でも評判が高い。
巷では心霊治療が出来る医師として知られているため、普通の医療だけではどうにもならないような患者から相談を受ける事もある。(久々の再登場回である寝太りの回では、悪霊に憑りつかれていて普通の医者じゃ治せないから患者に面会させろと訴えるぬ~べ~に対し「ここは病院。怪しげな心霊治療などやっていませんのでお引き取りを」とか言っていたが、その後方針を変えた模様)


●主な技
  • 幻視の術
鉄球や木の葉、人間など動くものを利用して幻覚を見せる妖術。
たとえゲーム画面のような平面でも立体的な幻覚を見せる事が可能。

  • 火輪尾の術
尾を擦り合わせる事により発生する霊的な炎。所謂狐火である。
これは妖狐族と戦った多くの霊能力者がことごとく敗れ去った術であり、役小角→道鏡→空海とレベルが上がるに連れて火力がアップしていく。
アニメ版では実在した人物の名を出すのが規制上憚られたのか、レベル4→8→最大と表現されている。

  • 滅鬼怒(メギド)
古来より妖狐が禁じ手としてきた自らの命と引き換えに放つ大技。
発動時には空間が徐々に歪んでいき、パワーを放出した際には自分を中心に高火力の炎が周囲を包み込む。

  • 陽神の術
ぬ~べ~が使う同名の術の真似。
呪いのゲームソフトによって石化してしまった際に咄嗟に使用するが、ぬ~べ~共々あまりに急だったため気を練る時間が足りず子供の姿になる。
その際には「南雲京太」と名乗り、妖怪博士の館に乗り込んだ広達と行動を共にした。

  • 治癒術
自分の妖力を使ってヒーリングを行う。
致命傷クラスの傷口を塞ぐ事や、目が見えなくなった少年の視力を回復する事も可能。


人化の術について


読んで字の如く「人に化ける術」であり、400歳を超えた妖狐は必ずこの術を用いて人間に化け、人間界に災いをもたらす掟となっている。
髑髏を頭の上に乗せて北斗七星に礼拝をすれば術は完成するが、自分に最も適した髑髏はこの世にただ1つしかないため、その髑髏を探し出して術を使わなければならない。
自分に適した髑髏を探し出すまでの間は別の髑髏で代用する事も可能だが、その状態では人化の術完成後の10分の1程度の妖力しか出せない。
しかも不完全な人化の術を使い続けると、徐々に体が蝕まれ最後には見るも無残な廃妖怪と化してしまうというリスクがある。
人化の術を使うとその髑髏の持ち主と同じ顔に変化するが、広の髑髏を使えば広の顔となるのかは作者自身にも分からない。
術を解くには北斗の神に祈りを捧げて髑髏を頭から取り出す必要があったが、再登場した辺りから簡単に術を解いていた。これは「常に髑髏を抱えてるわけにはいかない」という作画上の都合らしい。


来歴


妖狐の掟に従って人間界に災いをもたらすため、自分に適した髑髏を探し求め童守町へとやってくる。
広の髑髏を奪うために教育実習生に成り済まして彼に近づくが、そこにぬ~べ~が立ちはだかり激闘の末に敗北する。

その後は戦いの中で霊力を増幅させていったぬ~べ~の力の源に興味を抱くようになり、その秘密を知るために再び彼の前に現れた。
霊霧魚を協力して倒した後は、人間のただ1つの美点「愛」を理解できればぬ~べ~のような無限の力が手に入ると考え、人の命を救う職業である医師となり童守病院へ勤務するようになった。
広の髑髏を奪うより愛を理解してぬ~べ~以上の霊力を手に入れるほうが先決だと考えていたが、何度もぬ~べ~と共闘するうちに絆が芽生え、また人の営みに触れることで、自分でも気づかない内に、ゆきめ同様に徐々に人の心に近づいていく。

結局最後まで広の髑髏を取らなかったが、長い間自分に合わない髑髏で人化の術を使い続けた結果、回復不能なまでに体が蝕まれ遂に廃妖怪と化してしまった。
廃妖怪と化した後は精神が崩壊し、霊力を送り込んでもすぐに抜けていく抜け殻のような無残な状態となる。
そこまで変わり果てながらも、ぬ~べ~へのライバル意識だけは残っており、彼を認識するやいなや、喜色満面で狂ったまま戦おうとする。
そんな痛々しい姿を目の当たりにしたぬ~べ~は「お前は人間を理解しようとしてずっと悩んでいた。そんなお前は誰よりも人間らしかった…」と涙を流しながら抱きしめ、妖狐の頂点に立つ金毛玉面九尾の狐に会って玉藻を救おうとする。

ぬ~べ~に連れられ栃木県那須野の殺生石の奥で九尾と謁見。だがぬ~べ~は九尾の課した試練に失敗してしまい、その結果を見た九尾はやはり人間は醜いと判断し彼を狐火で焼き殺そうとする。
その際に抜け殻状態であるはずの玉藻がぬ~べ~を業火から庇おうとする素振りを見せた事で、九尾は彼の中に妖狐が最も恐れている力「他者を思いやる心」が備わりつつある事に気づいた。
そして今度は玉藻を試すために彼を「試練の壺」に入れ、その中で様々な試練を課していった。
壺には玉藻と一緒にぬ~べ~も吸い込まれたが、玉藻は傷を負ったぬ~べ~を背負いながら次々と試練を突破していく。
最後の試練でぬ~べ~が崖から転落しそうになった際には彼の腕を掴み、「あなたを決して殺させはしない!たとえこの命削られようとも…」と自分の命を犠牲にする覚悟でぬ~べ~を引き上げた。
その行為が九尾に認められ、試練を無事突破。「人間の心が手に入れば妖狐族の未来にとって大きな力になる」と判断した九尾に、九本ある尾のうちの一本を与えられた事で遂に復活を果たした。

その後は九尾から「妖狐も人間をも越えた力を手に入れよ」と新たな使命を与えられ、これにより人化の術を完成させなくともこの姿を維持できるようになる。
そしてこの一件で尽力してくれたぬ~べ~を「素晴らしいライバルだ」と評し、堅く握手を交わした。

ぬ~べ~が童守町を去る事となった際には、今後童守町で妖怪や霊絡みの事件が起きた時に自分に変わって事件を解決してやって欲しいという願いを託される。
「あくまでもより強い妖狐になるための修行の一環として」と称しつつぬ~べ~の願いを受け入れ、その後は童守小の子供達を悪霊から守る日々を送っている。
『さらにそれからの地獄先生ぬ~べ~』では「地獄ドクター玉藻」として自分の患者に手を出す悪霊を退治する様子が描かれている。本人にその自覚はないが、すっかり正義の味方として定着している模様。
その傍らで、霊能力探偵として開業したいずなを陰から見守っており、彼女がピンチに陥ると「謎のキツネ仮面」に扮して助太刀に入っているらしい。

なお、アニメ版最終回における郷子が迷い込んだパラレルワールドでは幼稚園の保育士となっており、本来の玉藻とは180度違った明るい性格の人物として描かれている。


霊媒師いずなにおいて


年齢は403歳。
新軸総合病院に勤務している。
『さらにそれから…』と同じく、除霊で度々無茶をするいずなの事を陰から見守っており、いずなが自信を喪失した時には再起の手助けを行った。
またいずながチャブクロで過去改変を行った際には、ぬ~べ~から彼女の保護者代わりになってほしいと頼まれている。


地獄先生ぬ~べ~NEOにおいて


年齢は412歳。
九尾の護衛をしてる。
九尾の治療の為に離れる事ができないので、ぬ~べ~達と宗教組織「ヴィムク」との最終決戦には参加できなかった。
それでも「鵺野先生は勝つ、そう信じてますから」とぬ~べ~が勝利することを九尾に語っていた。


その他


いかにもテコ入れ的なイケメンライバルキャラであり、女性ファンから絶大な支持を受けたが、メインターゲットである男子小学生には全然受けず、漫画自体の人気はむしろガタ落ちしてしまうピンチに見舞われていた。
そのため、初登場から共闘するまでの一連のエピソードが終わった後、玉藻は単行本10巻分もの間本編に出なかった
そうしているうちに作品人気も持ち直し、当の玉藻も無事に元のポジションを取り戻せたのであった。

最初は『守護霊交代!の巻』に登場したインチキ坊主・空虚をぬ~べ~のライバルにする予定だったが、空虚のキャラが薄すぎたため本腰入れて作られた玉藻がぬ~べ~のライバルとなった。空虚がライバルにならなくてよかった。
ちなみにライバルになるはずだった空虚は、ぬ~べ~と玉藻の共闘のきっかけとなる霊霧魚を呼び出した際に人知れずあっさり爆死した。

単行本17巻のおまけページでは、火輪尾の術のレベルについて「霊能力者としては役小角が最強のはずなので順番を間違っていないか?」との読者からの質問に、「我々にとって脅威なのは人間の霊力の強さではなく徳の高さであり、間違いではない」と答えている。
だが、同席していたぬ~べ~に「ロクな逸話を聞かない道鏡がそんなに徳が高いとは思えない」と指摘されると言葉を濁しながら立ち去り、ぬ~べ~は「やっぱり間違えたんだな…」とつぶやいている。

文庫版では17巻と18巻で『メイキング・オブ・ぬ~べ~』のインタビューをいずなと共に担当している。
これによると、タヌキの玉三郎と理袋の話は彼にとっての黒歴史となっているらしく、その事をいずなや作者に弄られる度に「あれは私じゃない!」「もうそっとしておいてくれ…」と返している。
玉藻が廃妖怪と化すエピソードではサブタイトルの『玉藻の期限の巻』とかけて「玉藻の賞味期限」と弄られていたが、下品なギャグ(しわのばし等)をやらされるより廃妖怪になるほうが数段マシだという。



私はまだまだ

項目の追記・修正を勉強する必要がありそうですね


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最終更新:2024年03月01日 19:36

*1 アニメ版の第29話では童守小学校の創立記念祭のお化け屋敷を壊した不良達に対して「妖怪を馬鹿にした」と怒りを露にしてぬ~ベ~と共に不良達を制裁していた。

*2 アニメ版では(妖怪を生み出した原因とはいえ)生徒の1人を見殺しにしようとした事でぬ~ベ~に殴打されていた。

*3 その代わり、お詫びとしてぬ~べ~に宴会芸として安来節をやるよう提案している。