ストームトルーパー

登録日:2020/12/27 Sun 20:34:48
更新日:2024/04/02 Tue 02:44:47
所要時間:約 7 分で読めます






「気絶しただけだ、すぐにヴェイダー卿に報告しろ」



ストームトルーパーとは、スター・ウォーズシリーズに登場するキャラクター。


概要

銀河帝国軍が運用する多種多様な戦力のうち、もっともスタンダードな歩兵。
同シリーズの象徴的キャラクターの一人(?)であり、ダース・ヴェイダーと共にCMやコラボ作品などにも登場する機会は多い。


旧銀河共和国軍の戦力であるクローントルーパーを前身としており、彼らと同じく白いアーマーとヘルメット、ブラスターが特徴。

帝国設立初期はクローントルーパーがそのままストームトルーパーとなる例も多かったが、クローン量産の コスト面の問題 ジャンゴ・フェットが戦死したことによる材料となる DNAサンプルの劣化 、他種族工場での大量生産であるが故の工作による クーデターの危険性 といったさまざまな問題によってクローン量産は打ち切られ、次第に非クローンの志願兵を雇用する方式へと改められていった。
『バッド・バッチ』におけるターキンの発言では明らかに製造コスト面を問題視しており、志願式への移行による費用削減は戦力の低下を考慮してもかなり有効だったらしい。


彼らの多くは帝国領土内各地の帝国アカデミーで学び、帝国の思想を徹底的に植えつけることで帝国軍に従順な歩兵として洗脳されていた。
クローン時代と同様の装備である都合上、その兵力の殆どはヒューマノイドで構成されている。
なお、ストームトルーパーとして採用されなかったというだけで、他星の種族も雇用はされている。例えばクオレンなんかはヘルメットを装備できないからしょうがない。

また数こそ少ないが女性のストームトルーパーもいる。女性兵士だけで班を組むらしい。
女性が少ないのは、兵士というのはいつでも厳しい肉体労働なので、単に女性に向かないというだけで、特に男女差別とかでは無い。



帝国が衰退した後、復権を狙うべく設立された軍事組織ファースト・オーダーにおいてもストームトルーパーは兵士として引き続き重宝された。
こちらはあまり大っぴらに戦力を徴収出来なかったという事情もあり、新共和国の各星々から幼い子供を拉致して洗脳を施すことで兵力としていたらしい。
それ故にファースト・オーダーを裏切る脱走兵まで現れてしまい、カイロ・レンは「最高指導者スノークはクローン兵を使うことを検討すべきだ」とハックス将軍に向けて辛辣な批判を浴びせていた。





基本装備

クローントルーパー時代のものと大まかな構成は似ており「黒いインナー」「胸部や肩といった各所の白い装甲」「マンダロリアンの装甲服を起源に持つヘルメット」と、シルエットだけ見ればそっくり。
ただしヘルメットのフェイスカバー部分はT字からツインアイへと改められており、より威圧的なツラ構えとなっている。

温度調節機能や身体補助機能といった部分的なパワードスーツ要素こそあるものの基本的には通常の環境向けであり、危険環境や真空空間での戦闘には向かない。
このため、過酷な環境や地域では一般装備ではなく、その環境に適した特殊装備に身を固めるなどといった対策を採っている。


  • ヘルメット
ヘルメットは言わばガスマスク的な能力を有しており、毒ガスなどのある程度の有毒環境であっても耐えることが可能。
また通信装置や暗視装置といった機能も備えており、そこそこハイテクな代物となっている。中身は伴ってないけど…
ツインアイとなったせいで視野は狭くなったらしく着用したルークは戸惑っていたが、訓練の成果かそこそこ効率よく動くことは可能。
NGシーンでは足元がおぼつかず転倒するトルーパーが続出したが。
…ごく稀に頭をぶつけたりする奴もいたが、視界不良ではなく別の要因だとか。
この良くも悪くも特徴的な装備のため「バケツ頭」(Buckethead)という蔑称で呼ばれたりする。


  • 装甲
紙。
材質そのものはクローントルーパーのものと同じプラストイド合金であり、設定上は強いらしいが、面白いぐらい何も防御しない。
ブラスターでバッタバッタと薙ぎ倒され、ライトセーバーで一刀両断*1、高出力レーザーライフルで溶解し、爆発で弾け飛ぶ。あげくの果てに弓矢ですらダウンする始末。
映画でもアニメでもゲームでも基本的に防具として機能している瞬間を拝むことはない。
元クローンのキャプテン・レックスも、そのあまりの低品質っぷりに「クローンアーマーとは比較にならんクズアーマー」と苦言を呈した。
そもそものクローントルーパーのアーマーの高性能ぶりが、クローン大戦後は過剰装備のきらいがあること、またクローントルーパーは全ての個体が同一の体型であったためにアーマーも単一のサイズで賄えたものだが、人間を雇用する以上個人差にある程度は対応する必要があろうから、生産コストの削減は致し方なしというところだろう。
そもそも大量配備&威圧が主目的なので、質より量をとるのは帝国の財政上当然と言えるかもしれない。

それでも設定上、後述のように整備がされていない古いブラスターをしっかり防ぐ事ができているあたり、この時代に一般に流通しているブラスターを十分防げるだけの品質は備えている。

なぜ映像描写でブラスターを防ぎきれていないのかは一応説明があり、
反乱同盟軍は火力を重視していた為、採用されていた各ブラスターを改造し1カートリッジ(または1回の充電)分で撃てる弾数を犠牲にし1発当たりの火力を優先していた為…らしい。
例えばハン・ソロのDL-44 ヘビー・ブラスター・ピストルに関しては通常の4倍ほどの火力底上げによって重装甲も貫徹するようになっている(代わりに1カートリッジ100発程が基本だったのが、代償としてわずか25発しか撃てなくなっている)。
いうなれば、防弾チョッキを着ている兵士にカンプピストルをぶっ放してるようなものである。

非常に数少ない例外として、1993年に発売されたスターウォーズチェスがある。
本作は「内容そのものはぶっちゃけ普通のチェスだがコマを取る際にコマ同士で戦闘演出が挟まる」というタイプのゲームなのだが、
ストームトルーパー(ポーン)が他のコマを取る際の演出ではレイア(クイーン)のスポーティングブラスターはおろか、
チューバッカ(ナイト)のボウキャスターすら防ぎきって返り討ちにするという何で出来てるのかわからないような強力装甲を纏っている。
逆に負けるときはC-3PO(ビショップ)に小突かれただけで死ぬが。

また、レジェンズ小説「生存者の探索」では、猛獣にあえて自身の装甲を噛ませて逆にダメージを与えたり、ヴァガーリの一斉射撃から生身の指揮官をかなりの長時間に渡って庇い抜いたり*2と、これまた映画での紙装甲ぶりが嘘のように装甲服が活躍する姿を見ることができる。


  • 武装
基本装備はE-11ブラスターライフル。
狙撃に転用可能なセミオート単発発射のほか、命中精度は低いがフルオート連射することもでき、また対象の捕獲の際にはスタン・ビームで殺さず無力化が可能。
また戦地によっては、軽機関銃タイプのDLT-20Aレーザー・ライフル、重機関銃タイプのDLT-19重ブラスター・ライフルなども一部で支給された。


  • 装備品
腰部分には「ユーティリティベルト」と呼ばれる多目的ベルトを装備しており、中には戦闘やサバイバルに必要な最低限の品が収納されている。
入っているのは予備弾薬、サーマルデトネーター(手榴弾)、携帯食料、手錠、双眼鏡、グラップリングフック、コムリンク(通信機)など。




主なバリエーション


  • スノートルーパー
寒冷地に特化した装備のストームトルーパー。
惑星ホスなどに配属されており、吹雪から身を守れるよう装甲の隙間を布で覆っている。

 ・ レンジ・トルーパー
 スノートルーパーから派生した、重装備部隊。
 布面積が増えているのと、脚部にごついマグネットブーツを履いているのが特徴。
 その見た目もあってストームトルーパーというよりは賞金稼ぎっぽいとの声も。

  • ショックトルーパー
ストームトルーパーのうち、エリートの中のエリート。
部分的に赤く塗られた装甲服を着用しており、皇帝のボディガードを勤めたこともある。
ショッカー戦闘員ではない

  • スカウトトルーパー
射撃能力と潜入能力に長けた軽装のトルーパー。
エンドア衛星ではスピーダー・バイクを利用しての自然地帯での偵察任務などを行っていた。

 ・ パトロールトルーパー
 スカウトトルーパーから派生した、都市部での警邏任務等を担う軽装トルーパー。
 布面積が多く動き易いアーマーを着用し、パトロール・スピーダーと共に惑星コレリア等に配備されていた。

 ・ ショアトルーパー
 スカウトトルーパーから派生した、熱帯用装備で身を固めたストームトルーパー。
 惑星スカリフなどに配属された。

 ・ スナイパー・トルーパー
 スカウトトルーパーのうち、更に先鋭を集めた部隊。
 E-11s長射程ブラスターを装備し、灰色の装甲を着用している。

 ・ ケイブ・トルーパー
 スカウトトルーパーのうち、洞窟内戦闘を想定した部隊。
 暗視装置などが充実している。

  • シャドウ・ストームトルーパー
黒いトルーパーその1。
光学迷彩を利用した隠密戦術を用いている。
レジェンズでは量産型ダークジェダイになったりした。

  • デス・トルーパー
黒いトルーパーその2。帝国軍情報部直属。
『ローグ・ワン』にてクレニック長官がローグ・ワン排除のために動員したシーンが印象的。

  • パージ・トルーパー
黒いトルーパーその3
戦闘能力は高いが老化したクローン兵を集めた暗殺部隊。このため活動期間は帝国軍設立初期とかなり短い。
主に尋問官の補佐として運用されており、対ジェダイを想定した白兵戦に特化した訓練を積んでいる。
マグナガードでお馴染みのエレクトロスタッフや、それより短いナイフ状のものによる二刀流など、武装は様々。尋問官の拠点である惑星ナーの要塞内部に道場まで設けられており、一部作品ではその訓練の様子も見ることができる。
映像作品で大活躍することはあまりないが、ゲーム作品(ジェダイ:フォールンオーダーなど)では中ボスクラスの強敵として大いにプレイヤーを苦しめる。
基本的に黒くなったクローン兵そのままだが、一部サイボーグ化計画の実験台となった者たちも合流していた。

黒いトルーパーその4。
第1世代がバトルドロイド、第2世代がパワードスーツ、第3世代が再びバトルドロイドという特殊なトルーパー。
第1世代ではあまり賢くなく護衛や警備が精いっぱいだったが、第3世代からは単独で襲撃や誘拐といった作戦行動もこなせる非常に優秀なバトルドロイドとして仕上がっており、モフ・ギデオンによって運用された際は圧倒的な戦闘力で活躍した。

  • TIEファイター・パイロット
黒いトルーパーその5。
帝国軍の主力戦闘機・TIEファイターに搭乗。
劣悪なコクピット環境にも耐えられる、半ば宇宙服めいた多機能装備を着用している。

 ・ インフェルノ分隊
 情報漏洩からのデス・スターの喪失を問題視した帝国保安局が設立した、保安局直属の特殊部隊。
 各分野のエキスパートが集まっており、機密情報の漏洩が疑われた場合にそれを阻止すべく行動する。
 その活動は戦闘機パイロットとしてのそれに留まらず、生身での白兵戦や破壊工作も場所を問わずに行った。
 TIEファイター・パイロットをベースとした、黒に赤いペイントの入った戦闘服を使用している。

  • サンドトルーパー
砂塵の多い砂漠惑星や荒野に特化したストームトルーパー。
砂塵フィルターや冷却ファンを装備している。

 ・ インシネレーター・トルーパー
 サンドトルーパーから派生した特殊部隊の一つで、火炎放射器を装備する。

 ・ デューバック・トルーパー
 サンドトルーパーから派生した特殊部隊の一つで、デューバックに搭乗する騎兵。

  • ミンバン・ストームトルーパー
惑星ミンバンに従事したストームトルーパー。
湿地帯に合わせて独自改良を施していたが、次第により湿地帯に適応したスワンプ・トルーパーに置き換えられた。

  • スワンプ・トルーパー
緑色の迷彩を施された、湿地帯用のトルーパー。
レジェンズでは惑星ヤヴィン4に、正史では惑星ミンバンに配属された。

  • マグマ・トルーパー
火山地帯に特化したストームトルーパー。
耐熱装甲服で身を固めており、高温にも耐えることができる。

  • ジャンプトルーパー
マンダロリアンのものに似たバックパックを着用し、空中を飛行できるストームトルーパー。

  • ヘビー・ストームトルーパー
ブラスターキャノンを装備したストームトルーパー。

  • インペリアル・ヘビートルーパー
原生生物の撃退のためエレクトロスタッフを所持したトルーパー。

  • 暴動鎮圧ストームトルーパー
スタンロッドと盾で武装したストームトルーパー。
非武装市民の暴動を鎮圧する際に派遣される。

  • インペリアル・コンバット・アサルト・タンク・パイロット
TX-225 GAVw武闘強襲用戦車を操縦するストームトルーパー。
一般兵は白装甲だが、コマンダーは肩が黒く塗装されている。胴体部分の装備はショアトルーパーと共通。
登場頻度の少ない割に、タンク・トルーパーだのホバータンク・パイロットだの名前表記にだいぶブレがある。

『ローグ・ワン』では惑星ジェダの市街地で押収したカイバー・クリスタルの輸送を行っていたが、現地パルチザンの襲撃を受けてクリスタルを奪還された。

  • ジャガーノート・パイロット
HCVw A9.2ジャガーノート輸送車を操縦するストームトルーパー。こいつも通称は「タンク・トルーパー」。
『マンダロリアン』では惑星モラックの帝国軍残党の一員として登場。揺らしすぎると吹っ飛ぶ危険物質ライドニウムを乗せたジャガーノートを護衛も付けずに精製所へと運ぶという危険な業務に就いていたが、案の定地元の海賊団によるライドニウムの爆破で多くのパイロットが死亡した。

作中で登場したスーツは『ローグ・ワン』のタンク・トルーパーのヘルメットと『ハン・ソロ』の湿地帯に特化したスワンプ・トルーパーの胴体装備を組み合わせたスーツ流用森林惑星仕様となっている。

  • AT-ATパイロット
AT-ATを操縦するストームトルーパー。
TIEファイターパイロットに近い装備構成だが、寒冷地に合わせ白を基調としたカラーとなっている。

  • クリムゾン・ストームトルーパー
真っ赤な装甲を持つストームトルーパー。
溶岩地帯での作戦行動を行う。

  • ナイト・トルーパー
ボロボロの装甲に金継ぎのような補修が施された、スローン提督配下のストームトルーパー。
スローン提督共々別の銀河に吹っ飛ばされたトルーパーの集団のなれの果てであり、銀河帝国軍に正式にそういった分類の兵士が存在したわけではない。作中でも通常のトルーパーのほか、デス・トルーパーのナイト・トルーパーも登場した。

スローン提督と組んだダソミアの魔女であるグレートマザーたちの秘術によって超人的な能力を得ており、死後もゾンビのような姿で復活し使役される運命にある。ゾンビといっても戦闘能力はかなり高く、腕力・射撃能力共に生前とほぼ変わらない非常に厄介な連中。

  • インペリアル・スーパー・コマンドー
ガー・サクソン配下の帝国配下のマンダロリアンたち。
マンダロリアン・アーマーと同じくベスカー鋼による装甲服を着用しているが、帝国軍所属であることを示すため意図的にストームトルーパーに似たデザインと配色を施されている。

  • インペリアル・アーマード・コマンドー
モフ・ギデオン配下の先鋭ストームトルーパー。先祖返りしたT字のバイザーが特徴。
ベスカー鋼を利用した装甲を着用しているが、こちらはマンダロリアンではない。
マンダロア防衛戦にギデオンと共に登場し、故郷奪還を目指すマンダロリアンたちと死闘を繰り広げた。

レジェンズのみのバリエーション


シリーズ唯一の 「ライトセーバーを装備するトルーパー」
帝国軍残党が開発しており、ジェダイアカデミー襲撃時に投入された。

  • シートルーパー
スカウトトルーパーをベースにした水中戦仕様。
水中用に専用のスピアガンを装備している。

  • インペリアル・コマンドー
スカウトトルーパーをベースにしたゲリラ戦仕様。
黒い装甲を着用しており、爆破工作などを行う。

  • ラディエーション・トルーパー
放射能汚染区域用装備を着用したトルーパー。
中性子爆弾での放射能汚染後の掃討にも用いられた。

  • スペーストルーパー
宇宙空間用装備を着用したトルーパー。
拿捕作戦に用いられたが、部分的にダーク・トルーパーに置き換えられたこともある。

  • コルサント・ガード
インペリアルセンターを護衛する守備隊。
戦闘を行う歩兵ではなく、警官のような治安維持任務に用いられた。

  • EVOトルーパー
人類至上主義者で構成されたエリート部隊。要するにティ○ーンズ。
特殊環境にも耐える頑強な装備を有しており、後にハザード・ストームトルーパーへと置き換えられた。

  • ハザード・ストームトルーパー
帝国軍残党がダーク・トルーパー フェーズ0とフェーズ3のコンセプトを元に開発した、重装備のサイボーグトルーパー。
温度耐性、酸性耐性、防弾機能、3日間の空気供給機能といった多種多様な装備を備えており、ある程度のライトセーバー耐性も持っている、アイアンマンめいた何か。
作中ではその驚異的な耐性を生かしてマグマの中を歩いて進むといった離れ業を行っていた。

  • ボムトルーパー
爆弾の設置と解体を担うトルーパー。対爆装甲を装着している。

  • 群集制御ストームトルーパー
ジェットパックで飛行し、空から対象を捕獲するストームトルーパー。

  • アサルトトルーパー
金色のラインの入った上位種。
軍事基地や帝国駐屯地に配備された。

  • フィールド・ストームトルーパー
ジェレクら帝国軍残党に所属するエリート部隊。
右肩が色分けされており、より強力な武装の使用許可を得ている。
作中では 数多のジェダイ(カイル)を吸着爆弾で爆殺した 憎き奴ら。

  • ストームトルーパー・グレネーダー
対爆装備で身を固め、グレネードを多用するストームトルーパー。

  • ストームサージョン
負傷兵の治療に当たるストームトルーパー。




本編での活躍


EP4~6を初めとする帝国統治期間中の映画、アニメ、小説、ゲームには必ずと言っていいほど登場する。

…が、その出番の殆どはかませ犬
一律に高い戦闘の素質のある存在として生まれ、全員戦闘技術を叩き込まれたクローントルーパーと異なり、彼らは徹底的に洗脳されたとはいえ普通の志願兵。
戦闘能力に関しては個人差が多く、平均の戦闘能力は大したことはなかった。
ただし連携しての物量攻撃ではクローン同様に多大な戦果を上げており、帝国の圧政を象徴する存在として各地の被占領惑星からは憎悪の対象となっていた。


EP7~9でもファースト・オーダーが旧帝国から派生した組織ということもあって雑兵としてウジャウジャ出てくる。
その中でもトンファーを扱う暴動鎮圧ストームトルーパー(FNー2199)の戦いぶりが印象に残った人も少なからずいることだろう。

また、トルーパーを育成・統率するキャプテン・ファズマなる人物が登場した他、
フィンことFNー2187はファースト・オーダーの指針に疑問を抱いて離反し、レジスタンスに加わる道を選んだ。




ただ、近年追加された設定ではストームトルーパーに親しみや憧れを抱く民衆も多かったという。

というのも、映画本編では「帝国の圧政から解放する反乱軍を鎮圧する」場面しか描かれていないのだが、
実は反乱軍がいない場合=日常のストームトルーパーの軍事力はもっぱら地元の犯罪組織やギャングなどに向けられていた。つまり彼らは弾圧だけではなく、治安維持も確かに担っていたのだ
ウィルハフ・ターキンいわく「新しい軍隊は侵略者ではなく、法の番人」)
しかも全銀河規模の正規軍なので、惑星を越えた規模の犯罪組織に対しても互角以上に戦える。
かつての銀河共和国は軍を持っていなかったため、惑星政府の警察力をもしのぐ大規模犯罪組織に対してはほとんど打つ手がなかったのだが、
ストームトルーパーは銀河帝国のもと、全銀河に戦力を配備しており、複数の星を股に掛ける犯罪組織であろうとも、それこそ全銀河の力を結集して戦えたとのこと。

それでもジャバ・ザ・ハットのような一部の超大物は倒せなかったが、これはジャバがヤバすぎるというべきだろう。かつて彼と渡り合ったガーデュラ・ザ・ハットは逮捕されたのだから。

また、彼らは高度な教育の結果、賄賂やごまかしが通用しなかったという。
実際、ハン・ソロはストームトルーパーの臨検を「突破不可能」と判断し、禁制の麻薬をやむなく放棄したりしている。
かつての共和国では汚職もかなりの問題となっていたため、ここも「頼りになる」一面だったようだ。

なにより、ストームトルーパーは一般市民からの徴兵であり、白い鎧を脱げば地元の同胞だった。
「地元の平和を自分たちで守る」という意識は多くの民衆の想いをより高尚なものにしたし、
また「我らは地元だけでなく銀河全体を守る組織の一員だ」という意識は、これまで故郷の惑星しか考えていなかった人々の意識に「銀河全体」を認識させるきっかけにもなった。
加えて、先のクローン戦争がほとんど「殺人ロボット VS 訳の分からない超能力者と、そいつらに率いられた戦闘用人造人間という、敵も味方もまともとは言い難い大騒ぎであったことも大きいだろう。

普段から荒事ばかりしているわけでもなく、第二デス・スターの建築など、土木工事にも駆り出される事が多い。
近年のコミックだと惑星ムスタファーのヴェイダーの居城の建築に大勢駆り出され、ちょくちょく愚痴ったりするストームトルーパーの姿も見られる。


ジョージ・ルーカスはEP3後のインタビューで「ストームトルーパーは悪人じゃない。悪人から命令を受けているんだ」と語っている。

(比較的)著名なストームトルーパー

銀河帝国

  • TD-110
デス・スターでドロイド2人の元に向かったストームトルーパーの一人で、 ドアに頭をぶつけた長身の奴。
本名はウォンテン。
始めは単なる撮影ミスだったのだが、『特別編』ではぶつける際の効果音が追加されるなどネタキャラとして扱われる。更にはジャンゴ・フェットが頭をぶつけるシーンも追加され、『彼はジャンゴの遺伝子を受け継いだクローン・トルーパーであり、ぶつけたのはジャンゴの遺伝』という謎に壮大な設定まで用意された。
…が、正史ではなかったことにされ「タトゥイーン捜索時にオビ=ワンにマインドトリックを掛けられたままデス・スターに帰還し、頭をぶつけた拍子に正気に戻ったヤツ」という設定となった。
が、その際の凡ミスで懲戒処分され運良くタトゥイーンに降ろされた直後にデス・スターが爆発四散し、すんでの所で死を回避。新共和国樹立後は ファーストオーダーの指揮官の一人にまで上り詰める という大出世を果たした。
しかし、配属先はよりによってスターキラー基地。今度は凡ミスで降ろされることもなく、崩壊していく基地と運命を共にした。

  • クリール軍曹
正史のコミックスにのみ登場する帝国所属のストームトルーパー。識別番号は5241。
バッド・バッチの後継部隊であるタスクフォース99の隊長で、近接戦闘特に剣術のスペシャリスト。剣術のみならず、ストームトルーパーが出来る事は全てハイレベルでこなせる、名実ともに史上最強のストームトルーパー。
アウター・リムの惑星チャガール9にて剣闘士の家系に生まれ、帝国にチャガール9が占拠されるまで剣闘士としてアリーナで戦っていた経歴の持ち主。そんな境遇を帝国とその尖兵であるストームトルーパーに救われた事で、ストームトルーパーに強い憧れを抱いたという。
そんな彼だが特筆すべきは、非フォースユーザーでありながら、生半可なジェダイでは手も足も出ないライトセーバーの達人。シスや尋問官以外でライトセーバーの所有を許されている唯一の人物である。*3

  • イノック
巨大宇宙生物パーギルに連れ去られる形でスローン提督と共に銀河系の外へと吹っ飛ばされた、提督配下の護衛隊ナイト・トルーパーの隊長。
他の隊員と同じく金継ぎのような形でアーマーを補修しているほか、顔面部分の装甲を人の顔をあしらった金色のパーツに入れ替えている。そのため、外見はストームトルーパーというより古代の甲冑のような不思議なもの。

ファースト・オーダー

  • キャプテン・カーディナル
ファースト・オーダーの真っ赤な方。後輩のファズマと同じく黒いマントを付けている。
ファズマの前任者に当たる人物であり、彼女が頭角を現す前はトルーパーの教官役を務めていた。

後輩でありながら自分と同じ地位に即座に上り詰めたキャプテン・ファズマにはライバル心を持っていた。
恩人であり後ろ盾でもあったブレンドル・ハックス将軍が謎の死を遂げた後、拘束したスパイのヴァイ・モラディからファズマの過去や彼女がブレンドルを殺した犯人であることなどを知ると彼女の失脚を狙って行動を開始。
しかし、密告した息子アーミテイジ・ハックスもブレンドル暗殺の共謀者であったため、彼にハメられる形で自身が失脚してしまい、更には訓練中のファズマを襲ったものの、教官である自分を研究しつくして対策を編み出していたファズマには歯が立たず返り討ちにされてしまう。
ファズマには訓練中の事故を装って瀕死のまま放置されるが、自分が拘束したスパイに助けられなんとか落ちのびた。

ファースト・オーダーを抜けてレジスタンスに加わった後は、幼少期の名前である「アーケクス」を名乗り、レジスタンスを支援。自分を救ってくれたレジスタンスのヴァイ・モラディに恩を返すべく一度は捨てた真紅のアーマーを再び纏い、敵の士官を巻き添えにして壮絶な最期を遂げた。

ファースト・オーダーを盲信する上級士官ではあるものの、ファズマと比べればまぁまぁまともな人。
元々はファーストオーダーが平和と秩序を生み出すと考えて行動しており、不必要な暴力は避けてなるべく外交で解決しようとする方針だった。
自分が幼少期に過酷なサバイバル生活から救われたこともあってか、子供を誘拐して兵士にするという方針も「水と食事と規律が与えられる素晴らしい環境に彼らを置くことで、新共和国によって荒廃した世界で暮らすよりも良い成長を遂げられるはず」と信じていた。
ファズマとの決闘の際にはヴァイを逃がしたり、彼女の残虐な訓練方針に異を唱えたり恩師や弟の仇討ちに挑んだりと武人としての心も持ち合わせていたが、その彼が敗れたことでトルーパーたちは後任のファズマの教育のもと、より残忍な殺人者へと変貌していくこととなる。

  • コマンダー・パイア
ファーストオーダーの金ピカの方。右肩に黒い肩甲を付けている。
「スターウォーズ:レジスタンス」に登場する狡猾な司令官で、海洋惑星キャスティロンにあった燃料基地「コロッサス」をファーストオーダーの占領下に置くべく裏工作を行った。

  • キャプテン・ファズマ
ファーストオーダーの銀ピカの方。左肩に黒いマントを付けている。
新三部作に登場するストームトルーパーの訓練教官で、後述のフィンの上官。
外見こそ威圧的でカッコいい上に、一応フィン以外のメンバーを冷血で忠実な兵士として鍛え上げた実績のある人物なのだが、本編中での行動がだいぶポンコツだったため女騎士だの雑魚だのと不名誉なあだ名を付けられたりしている。

そして本編外で語られた彼女自身のパーソナリティはというと…冷酷で貪欲、利己的で暴力的とファースト・オーダー基準でもクズの一言に尽きる。
基本的に自身の利益のみを最優先する人物であり、上記の仕事ぶりもあくまで自分の評価を高める為。
自身の暗い過去を知る恩師を始末してスキャンダルを抑止し、自分の前任者であったカーディナルも訓練中の事故を装って瀕死の重傷を負わせて教官の座を奪い、更には本編での自身の失態を知った部下を密かに謀殺するなど身内への裏切りにも全く抵抗が無い。
ダストシュートに落とされたのはこれ以上なくお似合いだったと言う他無い
ただし、彼女とその部下たちの課せられたノルマや任務のためならどんなに残虐で非人道的行為も率先して実行に移すスタンスはファースト・オーダー上層部の意向と合致しており、彼女の目論見通り表向きは優秀な兵士と評価され重宝されていた。内面は屈指のクズだが、そういった辺りは「ファースト・オーダーらしさ」を弁えた人間と言えるだろう。


  • FN-2199
ファーストオーダーのストームトルーパー。ナインズとも呼ばれる。
レジスタンスに下りライトセーバーで戦う元同期のフィンにブチ切れ、なぜか持っていたブラスターと盾を投棄。流れるような華麗な動作でトンファー型警棒を構え、フィンとの決闘に挑んだ漢。
最終的にフィンを追い詰めることに成功するが、とどめを刺す寸前でチューバッカに胴体を撃ち抜かれて死亡した。
レゴ版『フォースの覚醒』では高いHPを持つボス格キャラとして登場し、 トンファー二挺持ち も披露。…が、直後にため息交じりのジョーンズ博士ハン・ソロに一撃で射殺された。

その 無駄に騎士道精神溢れる姿 がファンの心を掴み、親しまれている。
公式名称が判明していなかった頃は「TR-8R*4」という愛称をつけられたりもしていた。

  • FN-1824
スターキラー基地のレイを拘束する尋問部屋で衛兵を担当していたストームトルーパー。
レイが見よう見真似で試したマインドトリックに引っかかり、拘束を外してブラスターを捨てたまま居住区へと帰った。つまるところファースト・オーダー版TD-110の役目を務めているのが彼。

製作スタッフからはFN-007、ファンからはJB-007などという愛称が付けられている。
数字でピンとくる人も多いだろうが、実は中の人は映画『007/スペクター』の撮影に来ていたジェームズ・ボンド/007役のダニエル・クレイグ。

ストームトルーパー出身の人物

ご存知コレリアの冒険野郎。ソロと言う名前をつけたのは帝国軍の採用官である。
帝国アカデミーに入学して超難関エリート組のTIEファイターパイロットに志願するが、操縦が荒すぎてシミュレーター訓練の時点でアカデミーを追放される羽目になった。
その後帝国陸軍のスワンプ・トルーパー部隊に転属し、入学の3年後には惑星ミンバンで激戦に参加。色々あって脱走し、相棒のチューイと共にアウトローの賞金稼ぎとなった。

  • ダッシュ・レンダー
スター・ウォーズ 帝国の影」主人公。
元帝国アカデミーに所属し、教育を受けていた人物。しかし兄の引き起こした事故で皇帝の博物館が損傷し、激怒したパルパティーンは名門だったレンダー家の輸送会社を強制解体してライバルの運送会社に資産を与えるという暴挙を行い、アカデミーに通えなくなった彼は帝国への恨みを抱えながら違法な物品を運ぶ密輸業者となった。

  • カイル・カターン
「スター・ウォーズ ダークフォース」主人公。
惑星スロンの農夫の家系に生まれ、帝国アカデミーに入学。父親が反乱軍の襲撃で死亡したことを知らされストームトルーパーを目指すが、スパイとして侵入していたジャン・オースから彼を殺したのが帝国軍の男だと知らされて離反を決意する。
ジャンと共にアカデミーを脱走後、帝国時代のコネを活かして反乱同盟軍の傭兵として活躍。ダーク・トルーパー計画を阻止し、反乱同盟軍に貢献した。

  • アイデン・ヴェルシオ
「スター・ウォーズ バトルフロントII」キャンペーン主人公。
父親は帝国軍提督、所属は特殊部隊インフェルノ・スクワッドの指揮官というエリート・サラブレッドのTIEファイターパイロットで、相棒のドロイドID-10と共に戦っていた。
エンドアの戦いでデス・スターⅡが破壊された後も帝国軍のパイロットおよび特殊部隊隊長として作戦に参加していたが、故郷ヴァードスに向けて帝国軍が気候操作網を使用したことで守るはずだった故郷が壊滅していくのを目にし、帝国軍残党からの離反を決意。
インフェルノ・スクワッドのメンバーと共にランド・カルリジアンの率いる反乱同盟軍に投降し、帝国の総攻撃からの防衛に参加。新共和国の樹立に貢献し、その後新生インフェルノ・スクワッドとして帝国軍残党の掃討任務に当たった。


  • セイン・カイレル
「ロスト・スターズ」主人公。
帝国軍ロイヤルアカデミー出身で元TIEファイターパイロットのエリート組だが、デススターの蛮行を見て脱走した反乱軍スターファイター・パイロット。
帝国軍側に残った恋人を救い出すため奔走した。

  • フィン
フォースの覚醒』を始めとする続三部作(シークエル・トリロジー)の主要人物。元ファーストオーダー。
幼少期に拉致されたため名前がなく、識別番号のFN-2187が唯一の名前らしい名前だったが、ポー・ダメロンとの脱出時に新しく「フィン」と名づけられた。
優秀なトルーパー*5ではあったがファーストオーダーの虐殺行為に疑問を感じ、囚われていたレジスタンスのポー・ダメロンを解放して共に脱走。TIEファイターを奪取してジャクーへ逃げ延びた。
以降はレジスタンスの一員として活躍する。



余談

映画で編集時に付け加える音声素材の中に「ウィルヘルムの叫び」と呼ばれる変わった声ネタがあり、こいつがストームトルーパーの断末魔に使われたことでよくネタにされる。
言うまでもなくEP4はこの音ネタを一躍有名にした作品の一つであり、
帝国軍時代を題材にしたゲーム作品などでは、ストームトルーパーの断末魔用にわざわざこれそのもの、または「それっぽい」叫び声が収録されることも。

  • 語源
「ストームトルーパー」の語源は、第一次世界大戦中のドイツ軍が運用した「突撃歩兵(シュトース・トゥルッペン)」。
ただしこちらは精鋭中の精鋭であってかませ犬ではない。


  • 初期設定
EP4の初期のコンセプトアートでは、白い光刃のライトセーバーを装備したストームトルーパーがいる。
初期にはライトセーバーが普通の武器として扱われる案もあった模様。
また1977年(EP4完成後の時点)で、登場こそしなかったが女性のストームトルーパーもいることが、ルーカス監督により言及されていたとか。




追記・修正は帝国アカデミーを卒業してからお願いします。

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最終更新:2024年04月02日 02:44

*1 ライトセーバーを防御出来る素材は数少なく、同じ素材のクローンアーマーですらライトセーバーの前では紙切れ同然なので、責めるのはお門違い

*2 この時敵が使用していたブラスターは共和国時代の墜落船に残されていた骨董品だったため、ティバナ・ガスの経年劣化で威力が落ちていた。最新型ブラスターが相手の場合は流石に無傷では済まない模様

*3 得物のライトセーバーの色は緑で、惑星ナル・ハッタの潜入任務に際して手に入れたもの

*4 彼の「Traitor!(裏切り者!)」という台詞の捩り

*5 訓練課程では首席であり、ストームトルーパー部隊のトップであるキャプテン・ファズマには「兵士としては最優秀」と高く評価されていた